朝の一件から少したって今は昼休み、友達のいない俺はいつも通り教室という居心地の悪い場所ではなく体育倉庫で昼食を食べていた。
まあ昼食を食べるというのは次いでで、本当は秋山がここに来ることを期待して待っている
約束した訳では無いので来ない確率の方が高いわけなのだが、それでも今は一刻も早く秋山に会いたい。
会ったらまず西嶋の件を話して二股が嘘ではないことをわからせる、そうしたら……その後ことはわからないけどとにかく二股の件は絶対に話して起きたい。
そうしなければ秋山はずっと西嶋のために江沢の言いなりにならなければいけなくなってしまう、そんなのはだめだ。
秋山にはもっとふさわしい人と付き合って欲しいし、幸せになってもらいたい。
そのために西嶋には少し辛い思いをしてもらうが元々西嶋に責任があるわけだし、そこは我慢してもらう。
後は江沢だが……。
「失礼するよ」
「なっ」
噂をすればなんとやら、体育倉庫に入ってきたのは俺が大嫌いな江沢拓海だった。
ていうかなんでこいつ体育倉庫に入るだけなのに失礼とか言ってんの?独り言とかマジ受けるんだけど。
「やっぱりここにいたんだね、遠藤時原君」
どうやら俺を探していたらしい。
それにしてもやっぱりとか言うんじゃねぇよ、俺がボッチみたいだろまあ実際ボッチなんだけどよ。
「何の用だよ?」
「いや馬鹿な君に言いたいことがあるだけだよ」
「喧嘩売りに来たのかよ……」
本当にこいつはむかつくやつだな、もう秋山来なさそうだしこいつの相手するのは面倒だから教室に戻るか。
思いついたら即行動、俺は荷物をまとめて出ていこうと立ち上がると江沢に止められた。
物理的にではなく言葉で。
「いいのかな?君のしたこと全校生徒にバラしちゃうよ?」
「な、に?」
なんでこいつがそれを知ってるんだ?あの時いたのは俺と秋山と西嶋だけだったはずだ。
秋山か西嶋のどちらかが江沢に言ったのか?
でも朝の反応を見ると西嶋の可能性は低い、そうなると……。
「まあまあそんなに驚いた顔にならないでよ?別に僕は脅しに来たわけじゃないんだから」
「一つ聞きたい、お前はなんでそのことを知ってるんだ?」
「……ふふっ、知りたい?」
「いいから教えろよ」
「全くそんなんだから君は……まあいい、なんで知ってるかって?そんなの決まってるじゃないか」
「教えてもらったんだよ、秋山さんに」
「っ!」
まさか秋山が江沢に?
でもどうして?秋山が江沢にあのことを話すメリットはないはずだ。
むしろ江沢に更なる弱味を握らせるってのに、俺にやられてのがそんなに嫌だったのか?
いや、それはないかあの時明らかに誘ってきたのは秋山の方だそれに乗ってしまった俺も俺だが秋山に恨まれる筋合いはない。
ならなぜだ?他に俺の知らない何かがあるのか?
「くそ、めんどくせぇ」
「頭を回してるところ悪いんだけど、君の思っているほど難しいことは起こっていないよ」
「なんだと」
「それに君は秋山さんのことを随分と高く評価しているみたいだけど、それはあくまでも君が知っている秋山さんでしかない僕の知ってる秋山さんは少なくともまともな人ではないな」
「何言ってんだ、戯言なら聞きたくねぇぞ」
「それじゃあ頑固な君のために例えばの話をしよう、例えば僕と秋山さんのあの関係が僕の意思ではなく秋山さんの意思だったら?君が秋山さんを襲うのが偶然ではなく必然だったとしたら?」
「だから何言って───」
「全て説明が着くと思わないかい?秋山さんが君に全て説明したのは君を同情させ自分への疑いを無くすため、君を誘惑し西嶋君との待ち合わせ場所を体育倉庫にしたのは君を陥れるための事実を作るため」
「こうしてみるとなんてことないだろ?君は秋山さんに騙され利用されてただけなんだよ」
「そんな、そんなわけねぇ……俺は秋山に必要とされ求められてたはずだ」
「それも全て演技だよ、普通に考えて見ればおかしな話だろ?他人である君にいきなり自分の秘密を話すなんて」
「でもあの時は俺が偶然遅れたからお前達に会っちまったんだ、それはどうなんだ」
「あぁ、あれは君が来るタイミングを見計らってやっただけだから特に意味はないよ」
「そっそれなら体育倉庫が急に閉まったのは……」
「僕が外から閉めた、もうわかっただろ?君は何か起こしているようで秋山さんに起こさせられてただけのただの利用価値のある一般生徒なんだよ」
「なんで」
「なんでそんなことしたかって?それはもっと簡単なことだ、ただ彼女は自分のことをもっと意識してもらいたかったんだよ彼氏である西嶋君にね」
「まあ結果はあまり良くなかったけど西嶋君が秋山さんのことを大切に思っているってことが知れたから彼女は満足していたよ」
「西嶋が、秋山のことが大切?」
「だって彼は君を殴ったんだろ?どうでもいい人が他の男とヤってたってだけで殴る?大切だからこそ嫌な気持ちになったんじゃないの」
「ふっ、ふは」
「どうしたの?」
「はっはははは!アハハハ!」
西嶋が秋山のことを大切にしている?そんなわけあるか!
あいつは自分が危うくなったらすぐに切り捨てたんだぞ!?
それなのに大切に思われてるとか、妄想すんのも大概にしろ!
「俺は、とんだ勘違いをしてたんだな」
「……」
「お前はクソだ西嶋もクソだ、だけど秋山だけは違うそう思ってた」
「でも違った、お前も西嶋と秋山も!みんなみんなクソ野郎だ!」
「もういい、誰かのために動こうとしてたのが間違いだったんだ俺は俺のために行動する」
「秋山さんに復讐するの?」
「秋山だけじゃねぇ、西嶋もだ」
「彼は何一つ知らないんだよ?君と同じ被害者だ」
「そうかもな、でもあいつがクソなことには変わりねぇこの件では被害者かもしれねぇけどあいつにはもう痛い目にあってもらうって決めてんだ」
「君も大概最低だと思うけどなぁ」
「だな、でもあいつらもクズなんだからお互い様ってやつだよ」
「なるほどね」
「それに江沢お前もクズなんだから善人ぶってんじゃねぇぞ」
「おお怖い怖い、君ってやつは怖い人だねぇ」
「ちっ、まあいい俺はもう行くぜ」
「二人のところ?」
「ああ、今最高におもしれぇこと考えたんだ」
「それじゃあ行ってらっしゃい」
「おバカで間抜けな遠藤時原君」
怒りで我を忘れた俺は江沢のこの言葉を聞くことができなかった。
主人公のキャラがブレブレな気がする……後次はエロ入ります