ズルズルと同行者が増えるクィール、
ケッツァーは頭を抱える、
メイルーは凝視している、
コンチェルトは・・・、
恥ずかしさで一杯だった。
シェベーアトシルト公国から、
南に5日。
乗り心地の悪い馬車に揺られて、
腰が辛い。
ケッツァー
「・・・あ゛~、キツ。
(キツすぎ、
てか、なんでドラゴン討伐義務で、
馬車移動なんだ?)」
クィール
「よし、順調だな。」
メイルー
「やっぱり馬車は乗り心地悪いわね。」
コンチェルト
「はぁ~・・・気持ち悪い。」
クィール
「なら着いて来なくても良かったのに。
(いや、真面目に来て欲しくなかったな、
移動費、宿泊費、食費、
俺の給金から、天引きされるからなぁ)」
ケッツァー
「んで、クィールさん、
ドラゴンって、どこに?
(さっさと会って、
さっさと殺さなきゃなぁ)」
クィール
「どこって・・・、
“討伐依頼が入るまで”
この街で待機だ。」
3人「「「は?」」」
3人の絶叫が響き渡る。
クィール
「いや、
ドラゴン自体、
討伐数が増えてるから、
比較的安全なんだよ、
新種が出て来ないか、
キャルガ(大陸)ドラゴンとか、
そう言うヤバめな奴が来ない限り、
“討伐依頼”も入らないんだ。」
メイルー
「どうすんのよ!?
おバカお兄ちゃん!!
旅費なんて、
全然持って来てないし、
着替えの替えも、
買わなきゃいけないじゃない!!」
コンチェルト
「ぅ~・・・。
(どうしよう、
着替えもそうだけど、
湯浴みもしてないから、
そろそろ辛い・・・)」
ケッツァー
「・・・クィールさん、
この街の外で、野宿は可能ですか?」
クィール
「で、できなくは無いが、
そう言う道具とか、
持って来てないぞ?」
▽
街の郊外に、
小さいながら森があり、
そこには、川と、三日月湖がある。
ケッツァー
「んじゃぁ、
“国を守りし戦士達”
“人々を救う為に”
“英知を、道具を”
“ここに具現せよ”
サバイバルヒーラーキット。」
メイルー
「・・・テント?」
コンチェルト
「?
お湯だ、
お湯が沸いてる?」
クィール
「け、
ケッツァー君?
これは一体?」
ケッツァー
「○衛隊って言う部隊で、
災害救助の場面、
そう言う所で、
“見た事があったんだ”
簡易お風呂とか、
野営用テント、
簡単な衣服の替えとかね。」
▽
有り難い事に、
この世界にも“カレー”があった。
なら、
レトルトカレーも、
“中身”に注意すれば、
食べて貰えそうだ。
ケッツァー
「ま、
潜○艦○隊カレーが、
お気に入りなんだけどね。」
缶詰から小鍋に移し、
カセットコンロで、温める。
クィール
「おぉ!カレーですね!
なんと香ばしい香り!!」
ケッツァー
「クィールさん、
なにか、宗教的に、
食せない物とかあるんですか?」
クィール
「ん?
いや、俺が知る限り、
宗教間で、なにか禁止している物は、
特に無かった筈だが・・・。」
ケッツァー
「んじゃ大丈夫ですね。
(よかった、
他のレトルト食品とか、
今更温めたくないし)」
▽
メイルー
「ふぅ~・・・すごいね~。」
コンチェルト
「・・・ぅん、でも、
どうしてケッツァーは、
こんな事を知っているのかなぁ?」
メイルー
「まぁ、確かに、
でも、
お風呂に入れたから、いいじゃない!」
コンチェルト
「・・・えっと、まぁ、
そうだけど。」
▽
まさに、
どん!!
って、擬音が当てはまる大きさだ。
ケッツァー
「どうして、水着を選ぶし?」
メイルー
「え?暑いし、いいかなって。」
ケッツァー
「
(いや、メイルーもスタイルいいんだよ?
それを有り余って、
ねぇ・・・、
コンチェルト~・・・、
ロリ巨乳って、
本当に合う子がいるんだなぁ)
似合ってるけど、
ちゃんと服を着てくれ。」
コンチェルト
(はっ///
はずかしぃよ~///)
▽
え?
クィールはどうしたって?
そこで伸びてるよ。
ケッツァー
「ちゃんと服着たか~?」
メイルー
「ねーねー!
この“洗濯乾燥機”って、
すっごいのね!!」
コンチェルトもコクコクと、
頷いている。
ケッツァー
「そんなに凄いのか?
(発電機はあったが、
軽油は無いので、
“魔力”で、
燃料の代換えが出来るように、
魔法陣を組み込んだが・・・)」
トゥクゥエル
《あふぅ~///
電気、サイコー///》
見なかった事にしよう。
メイルー
「こんなに服がフカフカに乾いて、
綺麗で!
“洗濯板”で、洗わなくていいなんて!!
凄い事なんだよ!!」
コンチェルト
「あと、
“花の香り”って言う石鹸も、
凄いんだよ!!
あんなにいい香りが、
服から香るなんて、
凄い事なんだよ!!」
ケッツァー
「そ、そうか、
気に入って貰えてよかったよ。
(普通、
化学合成された匂いって、
ケモナーは、嫌うって、
思ってたんだけど・・・)」
▽
結局、討伐依頼が入らず、
依頼が入るまで、
2週間も費やしてしまった。