字数が一万超えたでござる……。
臨海学校二日目は、一日目と打って変わって真面目な話になる。
二日目はISのデータ取りなどを行うので、第一学年全員がISスーツに着替えて砂浜に集合していた。
しかし眼福である。
「おい遅刻者。ISのコア・ネットワークについてわかりやすく説明してみろ」
「は、はい」
そんな砂浜でIS学園教師であり鬼と恐れられる織斑 千冬に鋭い視線を向けられているのは、ドイツの代表候補生で特殊部隊の隊長でもあるラウラ・ボーデヴィッヒだ。
いつも涼しい表情をしているのに、今は少し強張っている。
彼女もグレーのISスーツを身に纏っており、凹凸の乏しい肢体をくっきりとさせている。
小ぶりな乳房も可愛らしいへそも輪郭が浮き出ていて、非常に扇情的である。
「―――――以上です」
「その通りだ。遅刻の件は、まあこれで許してやる」
あからさまにほっと一息つくラウラ。
昔千冬が上官だった時に、色々叩き込まれたのだろうか?
「では各自データ取りを開始しろ。決してふざけるんじゃないぞ」
『はーい!』
元気よく返事した生徒たちは、それぞれの持ち場に移動していく。
専用機持ちはここに運ばれてくる新装備のデータ取りである。
この臨海学校に部外者は立ち入り禁止なので、装備は揚陸艇でそれぞれ送られてくる。
イギリス・中国・フランス・ドイツと、大国の国旗がはためいているのは壮観だ。
ちなみにだが、専用機持ちであるクロウと一夏に新装備はない。
一夏は機体の事情で武装は『雪片弐型』しか持てないし、クロウの場合はそもそもデータを取る必要はないのだ。
無国籍であるし、機体をつくったのもISの親である篠ノ之 束である。
どこの国にもデータを渡す必要がない。
そんなことからクロウは暇そうに女子生徒たちの肢体を視か―――ゲフンゲフン!観察している。
「ち~ちゃぁぁぁんっ!!」
それぞれが粛々とデータ取りに勤しんでいると、強い砂煙を巻き上げながら猛烈な勢いでこちらに迫ってくる人影があった。
人が走るだけでは到底ありえないほどの巻き上げっぷりだ。
そしてその砂煙をあげているのは、現在の世界で最も有名な科学者である篠ノ之 束だった。
紫色の長い髪をたなびかせ、巨大な胸を揺らしながら千冬に抱き着こうとする。
「この……っ!」
しかしそれを千冬は両手でキャッチ。適当な方向へと放り投げた。
うにゃぁぁぁっと自然落下を始めた束をキャッチしたのは……。
「おっと……大丈夫か?」
「く、クロくん!」
俗にいうお姫様抱っこで、落下していた束を受け止めるクロウ。
束は感極まったようにクロウに抱き着き、すりすりと身体をこすり付ける。
束を投げた本人である千冬は、しまった……と小さく呟いていた。
しばらくクロウの体温や体臭などを堪能した束は、バッと腕の中から飛び降りてここまで来た理由の一つにある人物に話しかけた。
「やっほ~、箒ちゃん!」
「……久しぶりです」
実の姉妹だというのに、二人の間には何か壁があるように感じられる。
いや、実際は箒が一方的に壁を作っているだけなのだが……。
箒が束に壁を作っている理由は、小さいころに束のせいで愛しの一夏と離れ離れになったことだ。
いやはや、御馳走様です。
さらに束嫌いを加速させたのは、自分は好きな人と離れてしまったのに、姉は姿をくらました先で好きな男とよろしくやっていることを知ったからである。
「あ、あの~……臨海学校には関係者以外は立ち入り禁止なんですけど……」
「いやいや、私ISの生みの親なんだけど?っていうか何でこの束さんが君たちが決めたルールを守らないとダメなの?」
規則に則って束を注意するIS学園教師の山田 真耶だったが、もっともな反論を受けて言い返せなくなる。
当然もっともなのは最初の言い分だけで、最後はとんでもないことを言っているに過ぎない。
「おい、束。一応自己紹介くらいしておけ」
「え~、だって皆私のこと知ってるでしょ?」
「だから一応だと言っているだろう」
確かに彼女のことを知らない人はほとんどいないだろう。
特にISを扱っているIS学園生徒しかいないこの場所で、彼女のことを知らない人物は誰もいない。
千冬の言葉を受けて、嫌々ながらも自己紹介をする。
「はろはろー。ISをつくった大天才の篠ノ之 束だよー。よろしくはしないでね♪」
指を頬の横に立てて可愛らしく、とんでもない自己紹介を終える。
これが切っ掛けになり、生徒たちがざわつきだす。
世界各国が探そうと躍起になっている人物が目の前にいるのだ。興奮するのも無理はない。
だが束からしたら迷惑以外のなにものでもない。
彼女の人間嫌いは絶賛発動中である。
「あわわわ……こういうときはどうしたら……」
「落ち着け」
おろおろと周りを見渡しながらあっちこっち行き来している真耶の頭に、優しく手を乗っけて落ち着かせるクロウ。
慌てていた真耶は次第に落ち着いていき、嬉しそうに顔をほころばせる。
「むむぅ!クロくんに優しくされるなんて生意気だぞ、この爆乳お化けぇ~!」
「ひゃぁぁっ!?」
そんな彼女に嫉妬したのが、束である。
後ろからガバッと真耶に抱き着き、豊満な胸を揉みしだく。
「昨晩はお楽しみでしたね」
「っ!?」
抱き着きながら真耶の耳元でボソリと呟く。
すると顔をボフンッと爆発的に真っ赤にさせ、バッと束から飛び退く。
その動きは流石は元日本代表候補生と言える。
しかし羞恥に顔を真っ赤にし、爆乳をかばうように手で交差しているので威厳などは全くない。
「な、なななな何でそのことを……っ!?」
「えへへ~、何でだろうね~?」
昨晩それを見ながら自慰をしていたからである。
「ほら、からかうのもそれくらいにしておけ。篠ノ之にプレゼントがあるのではないのか?」
「うんうん、そうだよ箒ちゃん!さあ!上空を見上げて!」
クロウに首根っこを掴まれ、プラ~ンとまるで猫のようになる束。
その体制のままで、どこからか取り出したへんてこなボタンをポチッと押す。
束に言われた通り皆が上空を見上げると、何かが凄い勢いで落下してきた。
「きゃぁぁぁぁっ!!」
「むっ!?」
落ちてきたその何かは、金属の塊だった。
砂浜に落ちると轟音と衝撃、それと風圧が生徒たちを襲う。
近くにいた小柄なラウラが軽く吹っ飛びそうになっていたので、抱くようにして防いでやる。
「大丈夫か?」
「う、うむ、すまない」
こんな感じでクロウとラウラがイチャついている間に、金属の壁がはがれて中に入ってあったものがさらされた。
それは紅いISだった。
「どうどう?束さんがそこそこ頑張って作った、箒ちゃんの専用機。『紅椿』だよ!」
いつの間にかクロウから離れていた束が、はしゃいだ様子で言う。
これは箒におねだりされて作っていたISのようだ。
身内に甘い束が頑張った結果、既存のISのスペックを凌駕したものとなった。
世界各国では第三世代機の実用化に躍起になっているというのに、それを飛び越して第四世代機を開発してしまったのだ。
各国の首脳陣が聞いたら呆けてしまうこと間違いなしである。
「んじゃ、さっさと調整しちゃおうか。箒ちゃん、こっちこっち」
「……はい」
笑顔で手を振る束に、辛辣な態度で接する箒。
自分がお願いしておいて……しかも世界に数百台しかない玩具をもらっておいてこの態度はおかしいと思うが、彼女はまだ高校一年生。まだ未熟なところもあるだろう。
……まあ高校生にもなってお礼も言えないのはどうかと思うが。
紅椿に箒を乗せた状態で、投影ディスプレイを呼び出してキーボードを叩きまくる束。
膨大なデータを笑顔のまま処理していっているのは、流石稀代の天才だ。
さて、その後少しして束の調整は終わった。
「クロくん、一応機体の調整をしておこうか?」
「そうだな、お願いする」
クロウは専用機を纏い、束の調整を受ける。
と言っても束が全力全開で作ったので、おかしいところは何もなかった。
あの気合の入れようと言ったら、箒に作ってやった紅椿よりも頑張っていたと思う。
「……うん、特に問題ないね。さっすが束さんがつくったISだよ!」
調整を終えた束は、次に一夏の専用機である白式に興味を示した。
だが白式をつくったのは束自身だったので、機体への興味ではなく何故一夏が『今も』ISを使えているかなのだが……。
「なんていうか……凄いですわね」
「普段はテンションの高いバカなのだがな」
セシリアが話しかけてきたので、それに応えるクロウ。
クロウや千冬などの一定の人しか話していないのを見て、セシリアは束が人見知りかと思って声をかけることを断念した。
束にボロクソ言われる原作フラグを叩き折ったのである。
「うん、調整終わったね。試運転してみる?箒ちゃん」
「そうですね」
箒は束の言葉にうなずくと、紅椿を上空へと飛翔させた。
その勢いは凄まじく、第三世代機のスペックを遥かに凌駕していた。
武装の質も素晴らしく、色々な武器が装備されている。
特に主装備となる雨月と空裂の二本の刀は、レーザーも放出するというとんでも武器である。
箒が上空でそれらを披露すると、生徒たちは唖然とし、代表候補生たちは鋭い目で箒を見つめていた。
もしかしたら母国の脅威となるISなのだから、じっくりと観察しなければならない。
「また凄いものを作ったな、束」
「箒ちゃんへのプレゼントだからね、頑張ったよっ!」
クロウと束は箒を見ながら会話する。
世界の常識を覆すようなISを見てもこの反応である。
千冬は、束を鋭い目で見つめていた。
驚異的なスペックを披露する箒ではなく、束を見つめている。
その真意は……?
「た、大変ですっ!」
そう言って大きな胸を揺らしながら走ってきたのは、真耶だった。
彼女と千冬が手話でやり取りしていることから、重要なことは間違いないだろう。
そしてそんな中で、一匹の兎が心底楽しそうに嗤っていた。
◆
大変なこととは、ISの暴走だった。
ハワイ沖で実験稼動中だった第三世代型の軍用ISの『
そして開発をしていたのは、世界でも有数の戦争大好き国家であるアメリカとイスラエルであった。
「この暴走ISは我々が対処することとなった」
千冬が集められた専用機持ちたちの前でそう言った。
現在ここに持ちだしてきているISはそう多くない。
このことから職員が予想接触域を封鎖し、福音を止めるのは専用機持ちたちがやることとなった。
この緊急事態でも、各国の代表候補生たちはうろたえなかった。
それは代表候補生になるための訓練の一環として、このような訓練も受けていたからだ。
「対象ISの詳細なデータを要求しますわ」
セシリアの言葉で、各自に福音のデータが回された。
流石は軍用ISで、セシリアたちの専用機である試験機のスペックを大きく上回っていた。
これと張り合えるのは、第四世代機を保有する一夏と箒だけだろう。
あくまでスペックの話だが。
データを見ながら彼女たちの意見交換が続く。
このような事態についていけない一夏と箒は、会話に入れず取り残される。
そしてクロウは、会話には参加しないものの結構乗り気だった。
暴走ISと戦うのも面白そう。
どうせこんな考えだろう。
「このISは非常に機動力が高い。接触できるのは、おそらく一回だけだ」
「う~ん……そうなるとやっぱり一撃でISを倒せるような人じゃないと……」
千冬の言葉に、元日本の代表候補生である真耶が続く。
真耶の発言で、意見交換をしていたセシリアたちがバッと一斉に一夏とクロウを見る。
「お、俺……?」
ヒクヒクと頬を引きつらせながら自分を指さす一夏。
それに比べてクロウは、任せろとばかりに胸を張る。
「よし、私に任せておけ」
「いえ、今回は織斑さんの方が適任ですわ」
やる気満々のクロウを否定したのはセシリアだった。
確かにクロウの武装は強力無比なのだが、機動力はお世辞にも高いとは言えない。
それに比べて一夏の白式は、燃費が悪いことに目を瞑れば機動力は高いし、零落白夜というISの天敵ともいえる能力がある。
これなら一夏が選ばれるのも仕方がないだろう。
セシリアの説明にそれぞれ理解した鈴たちは、どうやって一夏を接触地点まで持って行くかを議論し合う。
燃費が悪いのだから、なるべく節約しないとダメだからだ。
一夏も最初は嫌がっていたのだが、実の姉である千冬に発破をかけられ戦うことを了承した。
「……むう」
ここでつまらないのがクロウである。
暇つぶしにそのISをメタメタしてやろうと思っていたのに、一夏にかっさらわれてしまった。
クロウは戦闘狂とまではいかないが、面白い戦いは好きである。
さらに今回の敵は暴走した軍用ISとなれば、戦いたいと思うのも無理はない。
「呼ばれてないけどジャジャジャジャーン!」
クロウが何とかして作戦に食い込もうと考えていると、天井裏から天才科学者が出現していた。
話の流れではイギリスから送られてきていた強襲用高機動パッケージ『ストライク・ガンナー』を持つセシリアが接触域まで一夏を運んでいくとなっていたのだが、束が箒の紅椿の方が適任だと言いだした。
セシリアもクロウ以外の男に上に乗られるというのはあまり気分がよくないので、大人しくすぐに引いた。
「まあ訓練時間は当然ないけど、紅椿のスペックなら
「いや、それは危ないだろう。私が運んでいくぞ?」
「いやいや、クロくんの専用機ってそんなに機動力高くないよ?むしろ第三世代型の中じゃ下の方だよ」
作戦に入り込もうとしたが失敗した。
しゅんと落ち込むクロウを見て、ブルブルと身体を震わせて恍惚とした表情を見せている束。
本当に、このカップルは世界にとって害でしかない。
結局この作戦は一夏と箒が主力となってやることとなった。
しかしクロウの強い提案で、万が一作戦が失敗した場合、一夏と箒が撤退する時間を稼ぐ殿役が投入されることになった。
当然それはクロウである。
今はそれぞれ作戦に向けて、皆できることをしている。
束は箒の紅椿を調整していて、一夏はセシリアから高速下における戦闘のレクチャーを受けている。
「無理やり自分をねじ込んだわね……あんた」
「まあいいではないか」
そしてとくに何もせず、ぼぉとしていたクロウに鈴が話しかけてきた。
何か重い物でも運んでいたのか、肩を抑えながらグルグルと回している。
「軍用ISと戦えるのだ……楽しみで仕方がない」
「ふ~ん……あたしはごめんだけどね、そんな面倒なこと」
呆れたようにクロウを見ながら、けだるそうに言う鈴。
いくら大国の代表候補生でも、軍用ISと戦うのは骨が折れるだろう。
「僕は皆より劣っているISだし、軍用ISと戦うのは遠慮したいな」
クロウと鈴の会話に入り込んできたのは、金髪を後ろで束ねたシャルロットだ。
彼女の専用機は、他とは違い第二世代型である。
試験機ではないこととシャルロット自身の実力が高いことで他の面々にも引けを取らないが、やりたくない相手であることは事実だ。
「むぅ……私も戦ってみたかったのだが……」
そう言うのは、ドイツ軍特殊部隊隊長のラウラだ。
彼女は作戦中や訓練で、何度か軍用ISと戦闘になったことがある。
今ここにいる学生たちの中では、唯一の存在だろう。
そうやってクロウの周りには、関係のある美少女達が集まる。
セシリアも横目で見ながら行きたそうに見ていたが、一夏に教えるために行けなかったようだ。
そうして時間は過ぎていき、作戦開始の時間が来た。
◆
「気を付けてくださいね」
「うむ、では行ってくる」
真耶の見送りを受けながら、クロウは空へと飛び立った。
一夏と箒はすでに飛び立っており、そろそろ接敵するとのことだ。
クロウも少しの間飛び続け、ISの補助を受けてギリギリ視認できる距離で止まる。
そこで浮遊しながら戦闘を眺めていると、一夏と箒が福音相手に激戦を繰り広げている。
しかし第四世代機が二機も同時に相手になっているのに、福音は逆に押しているように見える。
操縦者の経験が少ないことを考えても、あの福音は相当に強いのだろう。
ちょっとワクワクしてきたクロウ。
一進一退の攻防が繰り広げられていたが、あることで戦況が一気に福音に傾いた。
何故か戦場で戦意喪失してしまった箒を助けるため、一夏がその身を盾にして彼女をかばったのである。
エネルギーが残りわずかしかなかったためシールドもあまり役に立たず、一夏の背中に福音の光弾がいくつも着弾した。
落ちていく一夏と箒に、さらに追撃をかけようとする福音。
「―――――ッ!」
しかし自分に迫ってくる武器を避けるため、追撃を止めて回避する。
その武器は海に着弾し、巨大な水柱を噴き上げる。
「……私の出番だな」
心なしか嬉しそうにしながら福音と対峙するバカ。
一夏がやられているのに、まったく気にしていない。
「織斑を連れて早く戻れ。私が作戦通り殿を務める」
「……すまない」
クロウに言われて、意気消沈とした様子の箒が大事そうに一夏を抱えて去っていく。
暗に『お前ら邪魔』と言ったクロウは、本当に最悪である。
「織斑教諭、作戦は失敗した。今は織斑・篠ノ之両名を帰還させ、私が殿を務めている」
攻撃してくる様子がなく、じっとこちらを見ている福音を横目に千冬に連絡する。
社会人で必要なのは、ホウレンソウ!
『……分かった。織斑たちが安全域に達したら報告する。それまで時間を稼いでくれ』
千冬は作戦に失敗しても動揺することなく、冷静に指示をする。
指揮官としてかなり立派である。
「ふっ……時間を稼ぐのはいいが、別に福音を壊してしまっても構わんのだろう?」
『いや、壊されたらこま―――――』
千冬の指示に、頑強な死亡フラグを建設した主人公。
と言ってもこの物語で彼が負けることなどありえないので問題ない。
千冬も彼が負ける……ましてや死ぬことなんてまったく想像できないので、全然心配していない。
むしろ心配なのは、福音が修復不可能なほど破壊される可能性があることだ。
一応アメリカとイスラエルのISなので、撃破してとやかく言われるのは避けたい。
そう言おうとする千冬だったが、途中で回線をぶっちぎられてしまう。
「さて、少しの間遊ぶとしよう」
スッと福音を見やる。
すると福音は翼を広げ、砲口から光弾を発射した。
何十発と襲い来る光の弾丸を見ても、クロウが慌てることはない。
「『
ISの倉庫内に入っている防具の名前を呼び、それをコールする。
光でできた七枚の花弁が広がり、飛来した光弾を全て防いだ。
これは束が色々頑張って作った装備の中の一つである。
実弾や斬撃など敵からの攻撃を防ぎ、エネルギー攻撃も防ぐことのできる優れものである。
この世界で束によってつくられたものなので魔術とかは関係ないので悪しからず……。
「よし、次は私の番だな」
クロウの背後にある空間が歪み、武器が現れる。
そしてそれが、福音に向かって射出された。
常人には目で追えないほどの速度で襲い掛かった武器を、福音は高い機動力で躱した。
「―――――っ!?」
しかし誤算だったのは、それは追尾機能のある宝g―――武器だったのだ。
逃げても逃げても迫ってくる武器に、だんだんと追いつかれてくる。
逃げてもダメなので、福音は自慢の光弾を武器にぶつけた。
……いや、自慢というのは何か違うが。
光弾を受けた武器は方向を少し変え、福音に当たらず飛んで行ってしまう。
「ふむ……なら次だ」
せっかく武器を避けたところ悪いのだが、ISの倉庫内には腐るほど武器があるのだ。
束がクロウの専用機を作る際に頑張ったのは、超大容量の拡張領域である。
シャルロットの専用機である『ラファール・リヴァイヴ・カスタムII』も驚くほど拡張領域があるが、IS生みの親に作られた機体とはさすがに次元が違った。
しかしシャルロットは自らの高い技能である『
『ミキストリ、織斑・篠ノ之両名が帰還した。お前もすぐに帰還しろ』
「ふむ……まあいいか」
クロウと福音が戦闘―――と言ってもほとんど一方的の―――が始まって十数分したころ、千冬から回線が届く。
クロウの前に浮遊している福音は目立つ損傷こそないが、シールドエネルギーが大きく削られていた。
最早満身創痍と言っても過言ではない。
比べてクロウのシールドエネルギーは武器を呼び出す際に減っただけで、結局福音の攻撃は一度も喰らうことはなかった。
「ではな、福音」
「……」
すでに福音に対して興味を失っていたクロウは、千冬の命令に素直に従う。
こちらに背を向けて去っていく彼に、福音は攻撃を仕掛けなかった。
もしあのまま戦闘を続けていたら、間違いなく落とされていたのは福音だろう。
福音には守るべき存在があったのだ。
◆
「で、これもお前の仕業か?」
「な、何故分かったし!?」
「いや、お前しかいないだろう」
殿役を見事務めて無事に帰還したクロウは、誰も人のいない部屋で話していた。
いや、クロウが話している相手がいる以上、まったく人がいないわけではない。
クロウと話しているのは、機械でできたウサ耳がトレードマークの束である。
午前にあまり甘えられなかったせいか、すりすりとクロウにスキンシップを取る。
束の柔らかな身体が当たって心に悪い。
……普通の人ならそうなっていたが、彼は遠慮なく束に触れているので問題ないみたいだ。
「お前の大好きな身内が落とされたわけだが、良かったのか?」
「大好きじゃなくて好きなんだよ~。それに箒ちゃんを守ってもらうには、もっと強くなってもらわないと困るしね!」
どうやら一夏よりクロウの方が好きらしい。
頭のねじが何本か吹っ飛んでいるが、女性として魅力的な束に言われて悪い気はしない。
というかクロウが全部吹っ飛んでいるので大丈夫だ。
会話が途絶えて数分経つと、何故か束の吐息が熱っぽくなってくる。
その理由は、当然クロウである。
彼が束の肢体をやわやわと触っていると、だんだんと淫靡な空気になってきたのだ。
「ん、ちゅ……ん、んん……」
束の顔にグッと顔を近づけ、唇を合わせる。
そういう流れになっていたが、いきなりキスされて目を見開く束。
しかし舌が口内に入ってくると、快楽を得るために自分から絡めようとする。
ちゅるちゅるとお互いの唾液を啜っていると、クロウに舌を絡みとられてぢゅうううっと吸われてしまった。
ぷはっと口を離すと、ねっとりとした唾液の橋が架かった。
次に束の豊満な胸に手をやり、むにぃっと掴む。
柔らかな感触が手一杯に広がる。
「……」
手に感じた柔らかな肉以外で、何か感じ取ったクロウ。
豊満な乳房に耳を寄せてみると……。
「お前、大丈夫か?心拍数が凄いぞ」
「だ、だだだ大丈夫に決まってらいっ!」
束の分厚い肉を通って、ドキドキと心臓の高鳴りがクロウの耳にまで届く。
クロウの言葉に、束は顔を真っ赤にして怒鳴る。
自分とクロウなどにしか大切にしないぶっ飛んだ人間で、処女も随分前に失ったくせに好きな男と一緒にいると未だ心臓が高鳴る。
変なところで可愛らしい兎である。
「まあ大丈夫じゃないと言われても困るがな」
「うひゃぁっ!?」
束の純白のショーツの中に手を入れながら言う。
手をごそごそとショーツの中で動かし、陰部を弄る。
「束、これはなんだ?」
「ちょっ……そんなの見せんな!」
束の目の前で見せつけたのは、指に付着した己の愛液である。
ねとっとした液体を、指で弄びながら反応を楽しむ。
顔を紅潮させ、怒る束。
あまり苛めすぎて愛想尽かされるのも困るので、ここらでやめておくことにする。
「あっ、あっ、やっ、あっ!」
とにかく束を気持ちよくさせることに専念する。
Fカップの巨大な乳房を露出させ、綺麗な桜色の乳首に吸い付く。
何度も吸われているのに、色が黒くならない。
美味そうに乳首を貪りながら、片手は陰部に持って行ってショーツの上からぐりぐりと弄る。
にちゅにちゅとショーツの中で愛液が音を出し、時折豊満な身体をビクッと震わせる。
「やっ!あぁっ!!」
性感帯を刺激されて、首を反らせながら軽く達した束。
愛液で濡れたショーツの横から、ピュッピュッと液体が噴き出してくる。
快感に余韻に浸りながら、荒く息を吐く。
「次は束さんもやってあげるっ」
ビン!と勃起した逸物を握りながら、恥ずかしそうに言う。
あんなに早く達したのが、少し恥ずかしいらしい。
「それだったらこうしよう」
「わっ」
束の身体を持ち上げて、シックスナインの体位をとる。
肉付きの良いスタイルなのに、何故あれほど軽いのだろうか?
下腹部にFカップの柔らかな乳房が潰れて、淫猥に形を変えている。
「ひっ!あっ、んっ、あっ!」
ショーツを横にずらし、濡れそぼった秘部をレロレロと舐める。
愛液が漏れ出してきて、ぴちゃりと顔に付着する。
「んひっ!わ、私だって……っ!」
気を紛らわせるために口淫を選んだ。
ボロンと巨大な男根を露出させると、慣れた様子で舐めはじめる。
柔らかい頬でぷにぷにと撫でた後、ペロリと陰茎を一舐めする。
束の小さな舌で刺激されて、男根がビクンと撥ねた。
亀頭を口に含みと、頭を上下に動かし始める。
ジュポジュポとはしたない音を立てながら男根を愛撫している反対側では、秘部に吸い付いてジュルルルッとこれまたはしたない音を立てながら愛液を啜っていた。
「……よし、もういいぞ」
陰部から口を離して言う。
ぬるりとした愛液が、舌まで伸びている。
ちゅぽっと音を立てて男根から口を離すと、束は馬乗りになる。
そして亀頭を陰部にこすり付けて、少し遊ぶ。
「ん、ふぅぅぅぅっ!!」
ゆっくりと腰を沈めていき、男根を膣内に埋めていく。
狭い膣内が、ギチギチと男根を締め付ける。
全部挿入すると、力尽きたようにクロウにもたれかかる。
分厚い筋肉の胸板に手を置いて、余韻を楽しんでいる。
……まあこの男が休みなんて与えるはずがないのだが。
「あぁぁぁぁぁぁっ!!」
ズン!と奥を押し上げられ、バッと身体を起こす。
ずちゅずちゅと愛液がたっぷり分泌されている膣内で音が鳴り、クロウに快楽を与える。
激しく揺れている豊満な乳房を掴むが、それでもプルプルと先端の方が小刻みに揺れる。
束は送られてくる強い快楽に耐えようと、グッと歯を食いしばる。
「んぁぁぁぁぁっ!!」
射精寸前に膣内から男根を引き抜き、束の身体にぶっかける。
大きく張り出した乳房に多くかかり、白く汚されてしまう。
男根の根元を抑えて精液を止めようとする束だが、びゅるびゅると勢いのある射精は止められなかった。
「んん~……不完全燃焼~」
「何だ?またしてほしいのか?」
クロウの言葉に、束はニコニコしながら頷く。
というか彼も一回程度でやめる気はないのだから、いちいち聞く必要はないと思うが……。
「よし、こっち来い」
「わ~いっ♪」
胡坐をかくクロウの膝の上に、ちょこんと座る。
彼に背を向けているので、背面座位の体位になった。
「うぁっ!あっ、あぁ……」
まだまだ受け入れることができる膣内に、男根を突っ込む。
束の頬に汗が伝い、口から少量のよだれを垂らす。
ズン!と奥まで突き入れられると、膣内がキュウキュウと締め付けてくる。
激しく突くと、Fカップの乳房がぶるんっと重たげに揺れた。
男根の形が、軽く腹に浮き出ている。
「あっ!あんっ!うぅっ!うぁぁっ!!」
ずちゅずちゅと男根にかきまぜられた愛液が漏れ出し、太ももなどに飛び散る。
クロウは片手で量感のある乳房を揉み、片手で陰核を弄って束に快楽を送る。
束は助けを求めるようにシーツをギュっと握っている。
「束、
「~~~~ッ!!」
耳元で囁かれた後、耳を甘噛みされる。
ぞくぞくとした何とも言えない快楽が全身を駆け巡り、束の脳内を真っ白にした。
「うん!うん!いっぱい
顔を後ろに向けて、舌を絡ませ合う濃厚なキスをする。
指の間から乳肉が漏れるほど強く握りしめ、腰の運動を激しくする。
「あぁぁぁぁぁぁっ!!」
膣内に精液を流し込まれる快楽に、舌を出して喘ぐ。
どくどくと衰えを知らない精液が、どんどん子宮内に流れ込んでくる。
ビクビクと身体を痙攣させ、身体中から汗が噴き出す。
「あ……あぁ……」
もっと出せと精液を求める膣内の動きに、男根から答えるように精液が出続ける。
やっと射精が止まって男根を引き抜くと、どぽっと精液が溢れ出てきた。
その後もイチャイチャし続け、結局温泉も二人で入っていた。
結構身近な人間が生死の境をさまよっているというのに、冷たいカップルである。
エロを無理矢理突っ込んだ結果がこれである。