『織斑くん!クラス代表決定、おめでと~!』
「は、はは…………」
1年の寮の食堂で開催された、『織斑一夏クラス代表就任パーティー』。
祝ってもらう立場の一夏だが、全敗した結果のこれだと素直に喜べるはずもない。
まあしかし女子生徒たちからすれば何か口実をつけてクロウと一夏という2人しかいない男子生徒と仲良くなりたいだけなので、そんなことは関係ないのだろう。
頼りになるお兄さんキャラのクロウか、爽やか系のイケメン一夏。
それぞれ好みの容姿をしている方に近寄って行って、なるべく会話をしようとする。
「は~い!新聞部で~す!」
そう言って入ってきた眼鏡をかけた少女。
自己紹介するには、彼女の名前は黛 薫子。新聞部の副部長らしい。
彼女は現在学園中の話題をかっさらっている2人の男子生徒にインタビューに来たらしいのだ。
一夏へのインタビューをそこそこに、次はクロウに向けてボイスレコーダーを向けた。
「はい!じゃあ次はクラス代表決定戦に全勝したというミキストリくん!この学園に来ていいと思ったことはありますか?」
一夏のインタビューが意外とつまらなくなってしまったので、こっちに期待とばかりに目からキラキラした光線を出している。
クロウは少し考えた後、答えた。
「ふむ……私と同クラスの女子勢が総じて可愛らしいことかな?」
『えぇっ!?』
クロウの予想外の答えに、1組女子勢は一部を除いて顔を真っ赤にさせる。
触れられていなかったが、クロウの容姿も中々……というよりかなり整っている。
それがふざけた様子もなく無表情で言ったら、それは本気だと思うだろう。
逆に1組以外で参加していた女子生徒たちが舌打ちをする。
「おぉ~!ミキストリくんは堂々としているね~。織斑くんもこれくらい言えるようにならなきゃ」
「勘弁してくださいよ…………」
からかってくる薫子に、一夏は本当に無理だと言わんばかりにテンションを下げて言う。
確かに思春期の少年からすれば、かなり恥ずかしい内容だ(両者にとって)。
まあクロウは思春期をとっくに過ぎているのだが。
「何を他人事のようにしている?」
「…………え?」
クロウはそう言って、薫子の顎をクイッと持ち上げ上を向かせる。
顔をさらに近くさせ、眼鏡越しに目を見て話す。
「お前も十分魅力的な女なのだぞ?私から見てな」
「~~~~ッ!?」
最初何を言われているのかわからなかった薫子は、言われた意味を知ると声にならない悲鳴を漏らした。
顔は真っ赤に染まり、先ほどまで一夏をからかっていたとは思えない。
「え……あぅ……き、記事を書かなければいけないので帰りますぅぅぅぅ!!」
どひゅん!と擬音が聞こえるような勢いで食堂を出ていく薫子。
「良い御身分ですわね?クロウさん」
「…………痛いぞ、セシリア」
制服の上から尻をつねりあげられる。
セシリアは美しい微笑みを維持しているが、こめかみに大きな青筋が現れていた。
冷や汗がタラリと頬を伝う。
結局クロウはこのパーティーが終わるまでの間、セシリアの笑顔の圧に苦しむことになったのだった。
そして場所は変わって、クロウと本音の部屋である。
「尻が痛い…………」
「あんなこと言うクーが悪いね~」
のほほんとした表情で正論を言う本音。
まったく言い返せない。
「でも~、私とかせっしーとかも手籠めにしているのに~、こういうことするんだもんね~」
「…………」
ザスザスと見えない刀が、クロウのハートに突き刺さる。
しかしこれもすべて自業自得。どうすることもできない。
「だから~、私に許してほしかったらいっぱい愛してね~?」
そう言ってクロウの背中に抱き着く本音。
その声は先ほどまでの険はなく、おねだりするような声色だった。
「…………ああ」
クロウはキュッと優しく、本音の柔らかな肢体を抱きしめた。
そしてそのまま、朝まで一緒になって寝るのだった。
◆
翌日の朝、1年1組の教室ではある噂でもちきりだった。
それは今日学園に転入生が来るからだ。
噂好きな女子高生が盛り上がらないはずがなかった。
そしてさらに女子生徒たちの注目を集めたのは、その転入生が中国の代表候補生だからだ。
代表候補生と言えば、1組にいるイギリス代表候補生のセシリア・オルコット。
4組にいる日本代表候補生である生徒がいるだけで、2人しかいない。
しかしこれだけでも十分凄いのだ。
ISの機体数=国防力と言われるこの時代に、弱冠15歳にしてそのとんでも兵器を任されているのだから。
4組の日本代表候補生の方は色々な事情があって未だ専用機を持っていないようだが、今それは置いておこう。
まあとにかく、『代表候補生マジパネェ』ということである。
「(そういや中国って言えば…………)」
一夏は昔仲の良かった中国人幼馴染を思い出す。
決して尖閣諸島だけに飽き足らず、沖縄までひっぱり出してきたとか考えていない。
それは違う世界でのお話だ。
「(あいつ、今も元気でやってるかな…………?)」
まあ元気じゃない姿なんて想像もできないけどな……と苦笑しながら続ける。
頭に浮かぶのは、髪をツインテールの結わえていて活動的な女の子。
気を使わないでよく、女友達の中では最も仲が良いと断言できる。
そんな彼女も家庭の事情で、中学2年生の時に中国へと戻ってしまった。
その時に柄にもなく泣いてしまったのは秘密である。
「織斑くん、クラス対抗戦頑張ってね!」
「…………」
一気に憂鬱になった。
クロウとセシリアにあっけなく敗北した一夏は、本来ならクラス代表にはなれない。
しかし勝者2人が面倒だと押し付けてきたので、逃げることもできずにクラス代表になってしまったのだ。
クラス対抗戦の優勝賞品は、学食デザート半年フリーパス券。女子生徒たちが狙わないはずがなかった。
クラスメートたちにはプレッシャーをガンガンかけられて、一夏は非常に疲れていた。
「頑張ってくださいね?織斑さん。わたくしもデザートは好きですわ」
「じゃあお前が出てくれよ」
「それはできませんわ。このクラスの代表は貴方なのですもの」
さっきまでクロウと仲良く会話をしていたセシリアが一夏へと近づいて言う。
ブツブツ文句を言う一夏だが、セシリアの正論に何も言い返せない。
そもそもあそこで全敗した自分が悪いのだ。
「…………よし!やってやるさ!」
千冬に迷惑をかけないように頑張ろうと決めた一夏は、クラス対抗戦を優勝しようと意気込んだ時だった。
「じゃああたしにも勝てないとね」
「えっ…………?」
聞き覚えのある声が聞こえた。
それはやっぱり一夏のセカンド幼馴染、凰 鈴音だった。
別れた時から約1年ほどたっているからか、髪形や体型はほとんど変わっていなくても大人びて見える。
「鈴……か?」
「ええ、そうよ。あんたも元気そうね、一夏」
「お前も元気そうだな」
「あたしが元気じゃない時なんてないわよ」
そう言って笑い出す鈴。
昔と変わらず、気安く話せて本当に楽しい。
一夏はまだ話そうとするが、こちらに来る……というか鈴に向かっていく強大な脅威が現れたのでやめにする。
その脅威は、鈴に向かって出席簿を振り下ろした。
「きゃっ!?」
しかし流石は中国代表候補生。それに鈴の猫的本能があるのか、転がりながらもその攻撃を避けて見せた。
一夏はそれだけでも拍手がしたくなる。
「ち、千冬さん……危ないじゃないの!!」
「ショートホームルームの時間だ。さっさとクラスに戻れ」
睨み合う猫と狼。
2人とも同じ異性に好意を寄せる者として、一歩たりとも引かない。
「あ、あの~……本当にもうすぐ時間になっちゃいますよ~?」
そんな緊迫した空気を霧散させたのが、本音に次ぐ癒しキャラである真耶だった。
千冬はもう興味はないとばかりに視線を逸らし、鈴も教室に戻るために扉に手をかける。
そして出ていくときにふと思い出したように、顔だけ戻す。
「あ、そうそう。クロウ!今日、お昼一緒に食べましょ?」
「む?構わんぞ」
「えへっ、りょ~かい!」
承諾されて嬉しそうに笑う鈴。
それはまさに恋する乙女で、見たことのない幼馴染の女の瞬間を見て一夏は自分に向けられたものでもないのにドキリとしてしまった。
そうして噂の中国代表候補生は出て行った。
…………不機嫌になった千冬とセシリアを残して。
◆
昼休みになり、生徒たちは各々昼食を取り始める。
クロウとセシリアに本音は食堂組なので食堂に向かっていた。
セシリアはクロウと親しげに話していた
「はぁ…………」
どうせクロウの毒牙にかかった女の中の1人だろう。
まあ自分もそうだから笑うこともできないのだが…………。
本音はいつも通り、何らかの癒し成分を周囲に放出させている。
クロウもこの癒し成分に夢中になっている人の1人だ。
「何にするか…………」
「わたくしは洋食ランチにしますわ」
「じゃあ~、私はうどんにしよ~っと~」
それぞれ食券販売機で好みの昼食を買い、食堂のおばちゃんに渡す。
結局クロウは和食セットにすることにしていた。
「ふむ…………」
さて、食事を受け取ったのなら席を取らなければならない。
しかしここの食堂の飯は美味しく、生徒たちにも人気のある場所だ。
故に席は女子生徒たちで埋まり、座るところがないように見える。
「クロウ~!こっちよ~!」
だがそこに救世主が現れた。
鈴が小さな身体を目いっぱい使って手を振り、自分の存在をアピールしていた。
どうやらクロウ達の席も確保していてくれたみたいだ。
『あれがもう1人の男性操縦者?』
『ねえ!ちょっと格好良くない!?』
『う~ん……私は織斑くん派かな…………』
『私はミキストリくんに思いっきり甘えてみたい!』
食堂中に聞こえるような大声で呼んだので、自然と視線も集まる。
珍しい男の生徒となれば、さらに視線の数が多くなる。
しかし3人はそんな大勢の視線を気にも留めず、鈴に向かって歩きはじめた。
セシリアはその美貌と地位の高さから視線にさらされるのは日常茶飯事だったし、本音は相変わらずのマイペースでまったく気にしない。
クロウは言わずもがなだ。
「すまない、助かった」
「べ、別にいいわよ。…………余計なのも来ちゃってるけど」
照れてツインテールの髪を弄りながら答える。
ちょっと本音も出ているが、仕方がない。
「お邪魔してしまって申し訳ありません」
「お邪魔~♪」
セシリアはペコリと頭を下げて謝るが、本音はまったく謝る気はないようだ。
それぞれ席に座って料理を食べ始める。
ちなみに鈴の昼飯は、中国人らしく(?)ラーメンだった。
特に会話もなく食事が進められていき、数分後になってセシリアがクロウに話しかける。
「クロウさん?この方を紹介してほしいのですが…………」
そう言われて気が利かなかったクロウは謝罪を口にしてから紹介をする。
「こいつは凰 鈴音。私は鈴と呼んでいる。…………まあ昔からの付き合いだ」
次に鈴に紹介するため、セシリアのほうに手を向けながら話す。
「こいつはセシリア・オルコット。セシリアとも昔からの付き合いだな。この学園で再会した」
そして最後に、我関せずと言うかのように1人食事を進めていた本音に手を向ける。
「こいつはセシリアは知っていると思うが、布仏 本音。見た目通り、のんびりした奴だ」
「うぇ~、そんなことないよ~」
本音は抗議するが、セシリアと鈴には聞こえていなかった。
両者ともに『イイ笑顔』で向き合っている……否、睨み合っている。
「…………あんたも?」
「ええ、つい最近ですわ」
たったそれだけで、セシリアに意図が通じる。
頬を赤らめてくねくねとうごめく英国人。
それを頬を引くつかせながら睨みつける中国人。
第3次アヘン戦争の始まりである。
…………まあこれは冗談だが、しかしこれから何年もずっとクロウを求め合うライバルとなるのは事実だった。
「でもあなたも代表候補生なのですね?驚きましたわ」
「へ~、じゃああんたもどこかの代表候補生なの?」
今度はセシリアが鈴に質問する。
鈴はその猫のような目を少し見開いて、驚いたと表現する。
「あら?ご存じなくて?それは代表候補生としてどうなのかしら」
「別にあたしは他国に興味はないしね。それにISもそんなに好きってわけじゃないし」
鈴は女だが、現在世界中での過剰なまでの女尊男卑は好きではなかった。
それではISが発表されるまでの、男が女に大きな顔をする時代と変わりないではないか。
特に女尊男卑はヨーロッパなどで強く、まさにヨーロッパのリーダーとも言える国はあまり好きではない。
「それでも、少しは他国にも興味を示すべきですわ」
「…………考えとくわ」
セシリアは、努力して掴みとった代表候補生としての地位に誇りを持っている。
対して鈴は特に思い入れがあるわけでもなく、誇りなどなかった。
それがこの2人の決定的な差だろう。
「ね~、クー。食べさせて~」
「む?別に構わんが…………」
『…………』
だが今は争うときではない。
とりあえず、今クロウの膝に乗って甘えまくっている日本人を倒そう。
今この時だけ、英国と中国は手を組むことにしたのだった。
◆
「あんた、弱いわね~」
「…………うるせえ」
鈴は今ピットで疲労によって倒れこんでいる一夏を、指でツンツンと突きながら言う。
違うクラスだからあまり話せなかったので、放課後になって話しに来ているのだ。
一夏はクラス代表となった時から、ずっと箒と特訓をしていた。
今日もそれで倒れているのである。
しかしその訓練は鈴からしてみると―――――
「そんなのでISの操作がうまくなるはずないでしょ」
「…………やっぱり?」
今日こそ箒は学園から借り出した日本産IS『打鉄』を使って訓練したが、そう何度も一般生徒が借り出せるはずがない。
ではISを使えないときはどうするのか?
それはひたすら剣道の指南である。
それのおかげで勘は戻ったが、ISの操作がうまくなったわけではない。
仕方ないから知識だけでもと思ったのだが、それもできなかった。
『こう……バン!ときてからグイっとする感じだ!』
ダメだこいつ。
箒では意味がわからないので、優秀なIS操縦者であるセシリアに聞いてみた。
『つまりここの部位から半重力や円滑に操作できる流動的力翼―――――』
ごめん、理論過ぎて理解できない。
懇切丁寧に教えてもらえるのは非常に嬉しいのだが、一般高校生な一夏には難しすぎた。
「鈴!俺にISを教えてくれ!」
「ちょ…………!?」
ガシっと鈴に華奢な肩を持って詰め寄る一夏。
もう頼れるのはこいつしかいない!
しかしいきなり迫られたら困るのは鈴の方で―――――
「いいからさっさと離れろ!」
「ぐぇぇっ!!」
中国の何らかの武術だろうか、腹に一発良いモノをもらって崩れ落ちる一夏。
鈴は『あたしに触っていいのは…………』とかブツブツ言っている。
だが一夏は腹から随時送られてくる凄まじい吐き気を抑えるのに必死だったので、
「…………まあ暇な時なら教えてあげるわよ」
「ほ、ほんとう……か?」
吐き気を抑えながら感動したように鈴を見る一夏。
しかし地面に這いつくばっていた形から鈴を見上げると、必然的に短いスカートの中を拝見できるというわけで―――――
「―――――死ねッ!」
一夏の口では、強い酸の味がした。
◆
「も~!何であいつ、さっさと言わないのよ!」
午後8時過ぎ、鈴は寮の廊下をズンズンと怒りに満ちた歩調で歩いていた。
自分の下着を見やがった一夏を蹴り倒し、悶絶する彼に向けてふと思った疑問を質問する。
『あんたってやっぱりクロウと同室なの?』
しかし鈴の予想していた答えは返ってこなかった。
『い、いや……俺は……箒と同室……だ』
それだけ言って、一夏はガクリと力尽きる。
だが鈴は一夏を構っている時間はなかった。
クロウと女が同室。
それは腹を空かせたトラがいる檻の中に、蜂蜜を塗りたくった子犬を放り込むようなものである。
「(それにあいつにいっぱい女ができても嫌だし…………)」
そう考える鈴だが、もうすでに手遅れだとだけ言っておこう。
ズンズンと歩き続けて、ようやくクロウの部屋である1024室につく。
「ふぅ……大丈夫よね…………?」
勢いのまま飛び出してきてしまったので、身なりとかはきちんと整えられていない。
髪の毛を手で梳きながら考える。
「(もし部屋に入って押し倒されたら…………)」
考えながら頬が赤くなる。
そう言えば、まだお風呂に入っていない。
まだ時期が時期なので汗はかいていないが、もし匂ったらどうしよう…………。
「(…………悩んでいても仕方ないわね……よし!往くわよ!)」
覚悟を決めて、ドアにノックをする。
しかしそれから待てども待てども出てくる様子はない。
「(留守かしら…………?)」
それなら出てこないのも分かるが…………。
一応確かめとばかりにドアノブをひねると―――――
「…………開いた?」
ということは居留守でも使われたのだろうか。
いや、でも居留守使われるようなことしてないし…………。
色々嫌な考えが頭に浮かぶが、それを振り切るように大声を上げて中に入った。
「ちょっとクロウ!いるなら返事くらいしなさ……い……よ…………」
最初は威勢良かったのだが、どんどんと語気が弱くなっていく。
それも仕方ないだろう、何故なら…………。
「あっ!あっ!あっ!気持ちいいよ~!!」
ベッドでクロウと本音が交わり合っていたのだから。
見る見るうちに鈴の顔が紅潮していく。
クロウと本音は、鈴に気づいていないように快楽をむさぼり合っている。
ベッドの上で四つん這いになり、クロウの欲望を受け止めている。
「あ、あわわわ…………」
呂律が回らなくなる鈴。
自分も似たようなことを何度もしたことはあるが、他人のを見るのはまた違う。
「む……鈴か。少し待て」
そう言うとクロウは、ピストン運動をさらに激しくさせる。
本音の膣壁をゴリゴリと削り、彼女は激しく痙攣している。
鈴が来るまでの間に何度も絶頂を迎えているので、おそらくこれが最後になるだろう。
「あぁぁっ!ひぃっ!だめっ!イく……イくぅぅぅ!!」
同時に達したのか、2人仲良く身体を震わせる。
本音は支える力もなくなったのか、柔らかいベッドに身を沈ませる。
男根という栓が抜かれた膣口からは白濁液が垂れだしている。
「あふぅ~……気持ちよかった~…………」
そう言って本音は眠りについてしまう。
すやすやと健やか寝息を立てていて、いかにも幸せそうだ。
さて、問題はとんでもないところに出くわしてしまった鈴なのだが…………。
「い、今お取込み中らしいし、後で出直して来るわねっ!!」
身軽なその身体を翻し、脱兎のごとく逃走を図った。
しかし相手はあのクロウ。そう簡単に逃げさせてもらえるはずがなかった。
「待て」
「ッ!?」
飛び出そうと半分まで扉を開けていた鈴の肩に、ガシッと手が置かれる。
「こいつを見てくれ」
「ひぃっ!?」
鈴の小さな身体をくるりと反転させ、目の前に未だいきり立っている怒張を見せつける。
それに鈴は引きつった悲鳴を上げる。
男根は本音の愛液と自分の精液で何とも言えない匂いを出しており、血管がやけに生々しく見える。
それなりに見慣れているはずなのに、何故かまったく違うもののように見える。
しかしクロウの意図をお分かりだろうか?
先ほど大量に出したのに、未だ収まらぬ男根を女に見せつける。
それ即ち―――――
「さあ、ベッドに来い」
「ちょ、待ちなさいよ!待ってぇぇぇ!!」
抱きかかえられて往く鈴。
そして開かれていた扉が、独りでにゆっくりと閉まっていった。
エロは次回ですぞ、紳士さん方ww