…… …… ? …… …… 女の匂い? …… ……
…… …… 落ち着く匂いだ …… …… 柔らかい …… ……
…… …… ? …… …… 女? … 柔らかい? … ………
「は?いや、え?女?」
思わず声に出して飛び起きる
めくれ上がった見覚えのない布団、好い意味で田舎臭い和室、そして和服の寝間着(名前は知らんが浴衣の生地を薄くして真っ白にしたような奴だ)姿の美少女
ここは誰?私はどこ?状態だ
違う、此処は何処?私は誰?状態だ
いやいや、自分が誰かはわかっている
美少女の顔にも心当たりがある
とりあえず餅搗け、俺
違う、落ち着け、俺
すぅ…… ふぅ…… すぅ…… ふぅ……
「霊夢の匂いは落ち着くなぁ」
すぅ…… ふぅ……
「ちょっといいかしら?」
!? ヤバい! 起きた!
「固まってないで答えてほしいんだけど?」
「イェス、マム」
どうしようこれ!どうする俺!
「……とりあえず離れて」
「イェス、マム」
普通に、なるべく普通に受け答えするんだ俺!
「……で、あんた誰?」
「所謂外の人ってやつみたいです」
「普通にしゃべれるんじゃない。はぁ、まぁいいわ。で、その外の人間がどうして私の布団で私の匂いを嗅いでたのかしら?」
「いつも通り自分の布団で寝ていたはずが、気が付いたらその布団の中で、混乱して、その、霊夢さんの匂いは落ち着くなぁと」
体臭で落ち着くとかどう考えても変態です
「ようするに現実逃避してたわけね」
「仰る通りでございます」
何で普通の態度なの?逆に怖いんだけど!
「そんなに畏まらなくたっていいわよ。どうせまた紫の気まぐれでしょうし」
「そう、なんですかね?あの人は意味もなく力を使う人ではないと思うんですけど」
傍から見てるとよくわからなくても、本人は幻想郷にとってプラスになると思ってることにだけ力を使ってるイメージがあるんだよなぁ
「そ、さっきも思ったけど、あなたは幻想郷のこと知ってるのね」
「ある程度、ですけどね」
嘘ですほとんど知りません
「ふぅん。ま、偶然来たのでも紫に連れてこられたのでもいいわ。あなた、ここで働きなさい」
「と言うと?」
「この神社の維持管理を手伝えってことよ。お給金はないけど三食寝床付よ。今のあなたには必要なんじゃない?」
「非常にありがたいですけど、ちょっと男の性欲なめてませんか?寝ている間に匂い嗅いじゃうような男を住まわせるなんて襲ってもいいと言ってるようなもんですよ」
っていうか今すぐ抱き着いてさすさすくんかくんかしたい
「普通の巫女さんなら処女じゃなきゃダメなんだけど、うちは一般人には巫女は務まらないからなるべく子供がいた方がいいのよ。しかも、死因はまちまちだけど代々短命だから、なるべく早く、ね」
「つまり、そっち方面も込みで?」
でもそれなら村の男でよくね?
「そういうことよ。あとしゃべり方、そっちの方がいいわよ。私堅苦しいのは好きじゃないし」
「そういうことならぜひよろしく」
堅苦しいのは好きじゃない、ね……村の男はその辺がダメだったのかね?
「はいよろしく。それじゃ、朝ごはん用意するから、この布団と押し入れにしまってあるやつを一組干しといてくれる?」
「了解」
「匂い嗅ぐのはいいけど、ごはんできるまでには干し終わっといてよね」
「俺は残り香派じゃなくて直接嗅ぐ派なの」
異論は認めるが、残り香より直接の方がいろいろと捗るよね
「そ、じゃあさっさと干して手伝いに来て頂戴」
「了解」
三人称視点こと神の視点も他キャラの視点も入らない予定