飯である
川魚の塩焼きに菜っ葉のおひたし、お酢の物、そして澄まし汁という見事な一汁三菜の朝食である
貧乏神社の守銭奴巫女じゃなかったのか?
「口に出てるわよ。川魚は貰い物で、食用植物何てその辺に生えてるわよ」
確かにその辺に生えてる雑草も知っていれば美味しい食用植物だったりする
川魚は萃香産と考えると、米と調味料だけ村で買っていればこの食事になるわけだ
「しかし霊夢、のびるは酢の物じゃなくて酢味噌和えが正義だと思う」
日本酒もほしいところだ
「酢味噌なんてあんまり使わないのにそこまで日持ちしないじゃない」
そういわれると確かにそうだが……
「そもそも居候が口出しするもんじゃないっての」
「そりゃごもっとも。ありがたく頂きます」
「はい、召し上がれ」
「……イィ」
「は?」
「いや、こういうの良いなって」
なんか夫婦みたいだ
「そ、これからは日常よ」
それはプロポーズと受け取ってもよろしいか?
「霊夢は自然体で攻めてくるな」
「何言ってるのよ。いいから冷める前に食べちゃいなさい」
「はい」
子作り許可は出ているものの、そこにあるのは義務感であって好感情ではない……と思ってたんだが、これは感情面でも期待していいんだろうか
「難しい顔してるけど美味しくなかった?」
「いや、俺好み。けど、口さがない人は調味料ケチってるって言いそうだよね。俺としては素材を味わってるんだって主張したい」
もともと濃い味付けは悪くなった食材を誤魔化すために発展してきたものだし
「実際のところちょっとケチってるだけなんだけど、口に合ったのならよかったわ」
「さっきの俺の発言がフォローだったら俺の立場がないところだけど、本気で言ってるからね。今ちょっと悲しかったからね」
日本人は味覚が敏感なのだから、小さい時から濃い味付けのものを食べさせられていたということがなければ薄味派になりやすい
「そう?まぁいいじゃない。ごはんが美味しいのは幸せなことよ」
「そりゃそうだ。けど、俺としては霊夢が美味しいと思うごはんも食べたいところだね」
「お賽銭が増えればね」
世知辛いな
「みんなびんぼがわるいんや~!!ってやつだね」
「何それ?」
「高橋留美子作品の一幕だよ。まぁ、あの辺はもう当時からのファンかコアなファンじゃなきゃわからないかも」
笑う標的とかいろんな意味でヤバいよなぁ
「ふぅん。じゃぁあと何年かしたらこっちに来るかもしれないわね」
「話の舞台が宇宙だし、来ないんじゃないかなぁ」
「そうなの?ごちそうさま」
「たぶんね。ごちそうさま」
「はい、お粗末様。食器洗っといてくれる?私は境内のお掃除始めちゃうから」
「了解。終わったら俺も掃除?」
「蔵の中身全部出しといて頂戴。たまには蔵の空気も入れ替えないとだし」
「了解。重労働になりそうだ」
「そのうち萃香が来ると思うから、持てないものは運んでもらいなさい」
「了解」
のびる美味しいよのびる