何度やっても慣れないな。やっぱ箒に跨るなんてどうかしてるわ
「ところでよ、結局あんたは何でセクハラしてるんだ?」
話が戻ったな
「その話ついさっきしただろ。トリップして忘れちゃったか?」
「失礼だな。あんた結局何でやってるのかは話さなかったじゃないか」
そうだっけ?
「まぁ、突き詰めて言えば身の安全を図るため……かなぁ」
現状ではそこそこの安全が保障されてるし、対話より確実に相手を推し量れるしな
「身の安全はどちらかというと投げ捨ててないか?」
それがそうでもないんだよな
「霊夢は別として、俺がセクハラするようになったのは萃香が原因みたいなもんでな」
まぁ、萃香もあの三人とのやり取りがなきゃこんな流れにはしなかっただろうけど……
「ほら、お前と萃香はそれぞれ俺を警戒してただろ?そんな状態で萃香はセクハラ気味に探りを入れてきてな」
あのわかりやすい探り方は俺の動揺を引き出すためにわざとやったんだろうけどな
「萃香相手に嘘やら隠し事やらはどう考えても危ないだろ?で、わりとむっつりだった俺はオープンにいくことにしたんだよ」
萃香は長生きしてるし、そっち系のことなのか企み事なのかくらいは見抜けるかもしれんけど、見抜けない可能性は捨てきれないからな
「結果としてあっという間に萃香の警戒は解けちまったし、子供も産んでくれるって言ってるし、良いことだな」
早かったのは萃香の価値観が人間と違うってのが大きかったんだろうけどな
「結局どういうことだ?萃香がセクハラでうまくいったから他もそうだと思ってるってことか?」
ちょっと違うな
「他にも魔理沙のファーストコンタクトがあれだっただろ?」
「な、何のことやらだぜ?」
完全に黒歴史になってるな。慧音に食べてもらったらどうだ?
「はいはい、その流れはもういいよ。重要なのは魔理沙が決定的な対立状態にならなかったってとこだ」
「退治するって話にならなかったことか?」
退治って、俺は妖怪じゃないぞ
「ま、そんなとこだな。継続的にセクハラすることで関心を留めてたってのもあるけどな」
「じゃぁ何か?私はセクハラ止めたらあんたを退治する可能性があると思われてたのか?」
大雑把に言えばそういうことだな
「セクハラしてるうちは感情的に動くだろうが、冷静になったらいらんこと考えて動くだろ?」
「感情的になってパーンされるとは思わなかったのかよ」
魔理沙はそうならないように気を使ってるだろ
「その辺は信頼してるよ。結果は知っての通りだ」
「やっぱ変な奴だなあんた」
変になったのはこっち来たせいだと思うけどな
「ほっとけ。で、俺はお前たちを通して俺の武器はこれだと思うようになったわけだ」
安直かもしれんが俺はただの人間だからな、妖怪と接するのはやっぱ怖いんだよ
「それで、あんたの安全が保障されてるってのは何処から出てきたんだよ」
「お前たちの態度だよ。最悪の場合は殺すっていうのは殺さない方法を考えるってことだ。すぐに殺されなければ、殺す必要がないことを示す時間が確保できる。殺されるいわれがない無い俺はそれで勝ちだからな」
現状、本人の立場や価値観から俺を殺す必要があるやつっていないと思うんだよな
「時間稼ぎのための陽動ってことか?」
「ま、そんなとこだな。美鈴には陽動どころじゃない一撃になってたみたいだが」
見事なクリティカルヒットで撃ったこっちが吃驚だったわ
「逆に咲夜へのセクハラは打つ手を間違えてたな」
「いやいや、あれで合ってたと思うぞ?他のセクハラだったら会話する間もなく反射的にナイフでグサリだろ」
「あぁー、確かにそうだったかもな。こっちは生きた心地がしなかったけどな」
何にかは知らんが泣きながら祈ってたもんな
「っていうか、さっき言ってた理由と全然違うじゃん」
ふむ、魔理沙にも同じような部分はあると思うがね
「魔理沙が霊夢の近くにいる理由は幾つある?比重は違うにしても複数あるだろ?」
「そりゃ、まぁ、そうだが……」
「誰だってそんなもんだよ。一つの行動に付随する理由は一つだけとは限らない」
時々そういうところが理解できないやつがいるけど、ありゃなんなんだろうなぁ……知能障害の一種だろうか?
「俺という一個の生命体がここに確かにいるぞっていう主張でもあるし、こうすればたぶん殺されないっていう判断に基づく行動でもあるってことだ」
勿論性的に興奮してるって理由もある
「じゃあセクハラすると危なくなると思ったらしないのか?」
そりゃそうだろ。俺は自殺志願者じゃないんだぞ
「そうだな。例えばスカーレット姉妹はこっちからセクハラしようとは思わないな」
妹の方はそもそも会うのが嫌だが……
あれがただの小生意気な妹キャラならいいんだけどなぁ……
「咲夜の胸を揶揄した男の言葉とは思えないな」
うるせぇ
「存在の危険度が段違いだよ」
「そういうもんか」
「そういうもんだ」
何か行動する時に一つしか理由がない方がまれだと思うの……