「じゃ、萃香は小麦粉のダマが無いように篩いにかけちゃってくれる?能力で一発でしょ?」
「おー!任せろー!」
「ダマが無くなったら四等分してねー」
小麦粉のダマ潰すの地味に面倒臭いんだよねぇ
萃香の密と疎を操る能力ってほんと便利だな
「で、霊夢とサニーたちはこの柔らかくなってるバターを四等分してコネコネしてくれる?」
「わかったわ」
「「「任せろー!」」」
べたべたの手であちこち触らんように見といてくれよ、霊夢
「文はこの卵を割ってよく解したら4等分してくれる?」
「任された!」
あややってリアクションがいいよな。取材時の心証をよくするためのテクニックとして身に付いちゃったのかね?
「で、俺は砂糖を量る、と」
あんまり純度が高くないみたいだし、気持ち多めに入れようかね
「粉終わったぞー」
流石に早いな
「じゃ、俺が量ったその砂糖を霊夢たちのバターに入れてやってくれるか?」
「一盛全部だな?」
「そうそう、一盛で一人分」
そうじゃなかったら何で複数量ってるんだって話だろ
まぁ確認は大事だよね
「よしっ、これで4人とも砂糖入ったな?」
「入ったわ」
「「「入ったー!」」」
よしよし、入れ間違いは無いな
「じゃ、砂糖のじゃりじゃり感が無くなるまでよく混ぜてくれ」
「わかったわ」
「「「わかったー!」」」
楽しそうで何よりだよ
やっぱりこいつら主体で作らせて正解だな
「卵はこんな感じで?」
お、よく解れてるね
「いい感じ。砂糖が混ざり切ったら三回くらいに分けて卵を混ぜるんだ」
回数は実際どうでもいいんだけど、一気に入れるとうまく混ざらないんだよね
「三回くらい?」
「混ぜやすいようにちょっとずつ入れるってことだよ」
「なるほど、一気に攻めるよりちょっとずつ突き崩す方が結果的に早く終わるということですね?」
何故そこで記者モードに?
「そういうことですな」
フランクなあややの方がいいなぁ
「混ざったわよ?」
「「「混ざったー!」」」
順調だな
「じゃ、卵を混ぜていこうか。魔理沙、今が参加するチャンスだぞ」
4対4になって丁度いいからな
「気付いてたのかよ」
そりゃお前、ソワソワしてたらわりと音がするもんだぜ?
息とか服とか足元とか
「魔理沙はいじけて居なくなるようなタイプじゃないだろ?」
「い、いじけてたわけじゃないぜ?」
そういうことにしとこうかね
「そんなに顔が赤くなるほど真剣に三等分とか考えなくてもいいんだぞ?」
からかうのは止めんけどな!
「これは面白い記事が書けそうなんですけどねぇ……いやぁ残念です」
書かないでいてくれるあややは株価上昇中よ?
「この二人はいつも見せつけてくれちゃうのよねぇ」
そんなことは……はい、ありますね。夜にたっぷり埋め合わせしますんで勘弁してください
「魔理沙は愛されてるよねぇ」
からかいやすいからね、しかたないね
「魔理沙ってば子供みたいね!」
「そういうサニーも変わらないでしょうに」
「サニーも子供~」
「二人ともうっさい!」
三人とも子供だよ
「その手でつかみ合いするなよー。流石に怒るぞー」
「「「はーい」」」
素直でよろしい
「よーし、卵のぬるぬるした感じが無くなるまで混ぜたら、今度は粉を入れてヘラで混ぜるぞー」
今のうちにちょこっと粉を確保してっと
「このぐらいかしら?」
「「「もういいかーい!」」」
どれどれ、うん、いいね
「おー、もういいよー」
こっちもちょこっと確保っと
「その生地はどうするの?」
「霊夢用の特別な味にする分だよ」
「「「「「「羨ましい!」」」」」」
見事な団結だがそれは予想できたことだ
「お前らが食えるかは霊夢次第だな」
霊夢よ、どうする?
「それはどのくらいできるのかしら?」
「10枚くらいだよ」
あんまり少ないと混ぜ物の分量がな……
「なら一人一枚取っていいわ」
「「「「「「ありがとうございます!」」」」」」
ここで惜しげもなくこう言えるのは美徳だよな
一欠けらも分けてやらないとか言ってたら幻滅してた
「霊夢は優しいな。じゃ、次へ進むぞ。萃香、手についてる生地は落とせるか?」
「何とかする!」
流石に難しいか
「私が落としましょう」
?……あぁ、風を操れるんだっけか
「粉巻き上げたりするのは止めてくれよ?」
「私はドジッ娘じゃないので」
お、たぶんわざとなんだろうけど、そのムッとした表情いいね
「じゃ、よろしく」
「任せなさい!とりゃー!」
やっぱりリアクションいいな。こういう子好きだわ
「「「おぉー!」」」
「言うだけあるわね。やるじゃない」
「伊達に長生きしていないってことかな?」
「お褒めに与り光栄です」
何か様になってるな。やりなれてるのかね?
「よーし、ヘラを持てー」
「「「おー!」」」
「ぐるぐる混ぜるなー。器を回しながらご飯のように切り混ぜろー」
「「「おぉー?」」」
お前ら……
「器がうまく回せないなら、回してもらえー」
「「「お願いします!」」」
「「「任された!」」」
ノリがいいって大切だよね
俺は量が量だし、折潰しでいいか
「おっと、忘れるところだった。誰か二人はカカオパウダー半分ずつ混ぜてくれ」
おいこら視線で火花を散らすな
「じゃんけんで決めようじゃんけんで、な?」
魔理沙ナイス!
俺は粉茶を混ぜるべ
乾燥茶葉だけかと思ったら意外にも粉末タイプも置いてあるという
そもそも明治時代はお茶は基本的に輸出産業であって、庶民が消費するようになったのは戦後らしいんだけどね
まぁどうでもいいことだが
「どうだー?混ざったかー?」
「これでいいのかしら?」
「「「おーけー?」」」
ぴーけー!……OK!PK!って何のネタだっけっか?覚えてねぇな
「粉っぽくなければOKだよ。あとは板状にまとめて寝かせたら焼ける」
「寝かせる?」
そこは説明しなくてもわかるだろ……いや、なじみがないのか
「小麦粉を混ぜて焼く食べ物はだいたい混ぜた後にしばらく置いておくんだよ。その置いておくことを寝かせるっていうの」
「「「「「そーなのかー」」」」」
霊夢とあややは知ってるのな
「で、クッキーを寝かせるのは涼しいところの方がいいんだ。だから萃香、霊夢、焼く前の練習もかねてよろしく」
「どのくらい下げればいいんだ?」
「摂氏5度くらいまで下げてくれるとありがたいね」
まぁそこまで低くなくてもいいんだけど、冷蔵庫ってそのぐらいなんよね
「んー……よし、霊夢ー」
「はいはい。……いいわよ」
どれどれ、おぉ涼しい。これは凄いな
「この結界ってどのくらい持つんだ?」
「私の気力次第よ」
便利なんだか不便なんだか微妙だな
「じゃぁ1時間ほど頼むわ」
「わかったわ。その間にあれ片付けてもらえるかしら?」
あれ?……あぁ、蔵の中身ね
「人数増えてるし、パパッと終わらせるか!」
「「「「おー!」」」」
おいそこの二人、お前らも手伝うんだよ
クッキーは人によって材料の比率が違う
自分が美味しいと思う比率を探してみるといいかも
味付け用の粉は入れすぎ注意だけど