「遅いぞあたしー!」
「「「そうだそうだ!」」」
お前ら元気が有り余ってるな
やっぱりもっと体力使う遊びじゃないとだめだったんじゃないか?
「こらこらー、デートの邪魔するなー」
デートじゃないだろ
「「「「抜け駆け!?」」」」
何故分身まで驚いてるんだ
「お前ら何も持ってないけど、もう小屋まで行って帰ってきたのか?」
「おうともよー」
早いなぁ
「あたしが一番だったわ!」
「アレは幻影だったでしょう!」
「ズルはだめだよ~?」
「スターがそれ言うのはおかしいでしょ!」
落ち着けよ
「まあまあ、それより何で魚籠も置いてきたんだ?」
「椛にワタとか処理させてるんだー」
スーパーの調理サービスみたいなもんか
「椛にはちゃんとお礼してるのか?」
「え?いや、それは……あはは」
おいおい、ほんとにタダでやらせてるのかよ
「萃香?そういうのは嫌いな性質じゃなかったか?」
「あー、いや、何て言うか、ね?勝手に椛がやるようになって、ね?そのまま……」
そのまま当たり前になった、と
「椛の立場を思えば鬼に対してできる限りの便宜を図るのは義務みたいなもんだろうし、萃香の方からそれを邪魔しない形でお礼をしなきゃでしょ」
「どうするのがいいかな?」
今言った通り、こういうのは止めたら止めたで迷惑がかかるからなぁ
「まぁ、金は使わないタイプだろうから、物で返すのがいいんじゃないか?」
「物かー。じゃあ釣果の一部をお裾分けって感じが自然でいいかな?」
いいんじゃないか?
改めて何かを用意するより椛も受け取りやすいだろ
「そうだな。いつもありがとねとか言いながら渡せばいいと思うぞ」
「うー……何か改めてそういうこと言うのは、こう、背中がむずむずするね」
お礼の言えない小学生か!
いやまぁ、昔の関係とか考えれば難しいか
「ま、大将棋の相手をするっていうのは椛からしたら十分なお礼になってるかもしれんし、最初のうちは授業料だと思うって手もある」
「あぁー。でもそれは何か癪だなー」
癪だなってお前……
「感謝の気持ちがないわけじゃないんだろ?だったら素直に口に出せばいいんだよ」
マイナスなことが率直に言えるんだからできるだろ
アリスの心の傷を抉ったことがあるって聞いてるぞ
「うー……背中押してくれる?」
それは物理的に?
「ま、なかなか言い出せないようならな」
援護射撃はまぁ、気が向けばするさ
「話はついた?」
おう、分身か
「まぁな。サニーたちの相手しててくれたみたいでありがとな」
「いいってことよー。今度あたしにもイイコトしてほしいなー」
「用事が済んだから消しましょうねー」
おいおい……
やっぱり分身は別人だと思ってた方がいいのか?
幽香の分身とかフランの分身も独立した人格があるのかね?
何となくお礼を言うタイミングを逃して、気が付けば当たり前のことになってしまう
改めてお礼を言うのは難しいけど、ほっとくのも何かもやもやする
たぶんあるある話だと思う