「「「「「ただいまー」」」」」
「おう、おかえり」
「おかえりなさい。随分遅かったわね」
ち、ちゃうねん。帰ろう思たら邪魔が入ってん
「霊夢ー、ピリピリしてないで早く飯にしようぜー」
「……はぁ、山菜と油は用意できてるからささっと作りましょ」
ナイス魔理沙!親指立ててニカっと笑ったその姿が堪らなく格好いいぜ!
「「「「はーい」」」」
「ところで、この灯りって魔理沙の魔法か?」
「ああ。森の中は昼間でも結構暗いからな。こういう魔法は優先的に覚えたぜ」
なるほど、さすがにその辺はちゃんと考えてるんだな
「子供だ子供だとか思っても何だかんだでちゃんと自立してるんだな」
「おいおい、私を子供扱いするなよな」
はっはっは、魔理沙はまだまだ子供だろう
無鉄砲で夢見がちでどんなことでも努力の果てに達成できると思ってる眩しい子供だよ
「大人になるってのは夢に負けて現実に従うってことだよ。子供のままでいられるならそれは幸せな事さ」
臭い!今の俺すっげぇ臭い!
「ふぅん。あんたは夢を諦めちまったのか?」
「それ以前の問題だなぁ。夢に向かって努力するってのがどうにも苦痛でな、結局まともな努力もせずに逃げちまったよ」
俺は正真正銘の負け犬野郎だな
「今からじゃダメなのかよ」
「ダメじゃないだろうな」
競争相手が居ない以上は手遅れになることもないだろう
「だったら!」
「でも俺にはそんな気力はないんだよ」
「……あんた、格好悪ぃぜ」
だろうな
「だからこそ、魔理沙みたいな子に強く魅かれるんだろうな」
「っ!……あんたみたいな格好悪いやつはお断りだぜ」
「ははは、振られちゃったなぁ」
震えるほど手を握っちゃってるけど、魔理沙の中ではどういう解釈になったんだ?
「じゃ、俺は手伝いに行くよ」
魔理沙の変調は気になるけど、今は晩飯を優先させてもらおう
しっかし、今の話に魔理沙が深刻になるような要素があったか?
あれか?何だかんだ言いながら魅かれてた男に失望させられて怒ってるとかか?
うーむ、そういうタイプじゃないと思うんだが……
「やっと来たわね。魔理沙が卵持ってきてくれたけど、魚はどうする?」
魔理沙は卵キャラにでもなるつもりか?
「卵があるなら天ぷらよりフライかなぁ」
「天ぷら派はあたしだけかー!」
天ぷらもいいけど、安牌はやっぱりフライでしょ
「なら小さいのは幾つか天ぷらにしたらいいんじゃない?代わりにイトウを少し一口サイズにしてフライってことでさ」
「残りのイトウはどうするの?」
「ある程度は今刺身で食うとして、残りは塩振って置いといて明日の朝にでも焼いて食べたい」
焼しゃけと味噌汁の朝食
想像するだけでもう美味しいよね
「ヤマメはー?」
「塩焼きと言いたいところだけど、今回は一口サイズで唐揚げかな?」
丸揚げだったら二度揚げとか必要だけど、今回は頭も骨もないし、すぐ揚がるでしょ
「じゃあ、私は揚げ続けてるから揚げる用意はそっちでお願い」
チビたちを油に近づけさせずにうまく手伝わせてるあたりがいかにも母親って感じだよな
「了解」
さて、粉と卵を別でつけるの面倒だし、米粉in卵で代用するか
パン粉は流石に別付けせざるをえんが、小麦粉と卵で指が膨れ上がるのを防げるだけで十分だよな
「萃香は切るのと衣付けるのどっちがいい?」
「切る方かなー」
「じゃ、任せた」
「任されたー」
魔理沙の様子が気になるけど、俺には魔理沙の内心とかわからんのよな……
そして母親らしさが見えているのは霊夢のアピールなのか、素で母親気質なのか……