蔵に出入りするためには扉を開けなければならない
扉を開けるには閂を外さなければならない
閂を外すには持ち上げるか横に引き抜けばいい
当然ながら、横に引き抜く方が楽なのだから普通は横に引き抜く
しかし、この蔵はなぜか扉が壁から若干引っ込んでいるので、閂の横幅的に持ち上げる以外の選択肢がない
しかも、普通は閂と扉の間には指を入れる余裕があるはずなのに、この閂はほぼピッタリサイズである
これは何という嫌がらせだろうか
「これは酷い設計だな。設計したやつは蔵を開ける気無しかよ」
「開かないの?」
「開けようと思えば開けられなくはないんだろうけど、凄く開けにくいな」
「ふーん。でも開けないと遊べないんでしょ?」
「そうだね。いっちょやりますか!」
「がんばれ~」
「よっ!……封印は本物だったのかよ」
「何かバチってなった!大丈夫!?」
「俺は何ともないけど……」
「危ない予感~?」
「あの霊夢さんですから、手の込んだ悪戯という可能性もありますよね」
「悪戯ならいいんだけどね。まぁ、もし本当に危ないとしても、お札消えちゃったし今更止めても遅いと思う」
ここは一気に開けてしまおう
「よっ!っとと、重いなこの閂」
「大丈夫?」
「ん、大丈夫。扉開けるよ」
さて、鬼が出るか蛇が出るか……
「変な臭い~」
「カビというか埃と土の匂いだなこれは」
「つまりおかしな臭いではないということですね?」
「まぁ、長いこと空気を入れ替えてないだけだね」
「ふーん。あ、大事なお面ってあれじゃない?」
「おぉ。般若面か」
「般若~?」
「めちゃくちゃ怒ってる顔のお面だよ。鬼のような形相ってやつ」
「萃香~?」
「萃香はもっとかわいい顔してるでしょ。これは本物の鬼を見たことない人が考えた顔だからね」
萃香が般若と化すことって何だろう?あの瓢箪を目の前で壊すとか?
「あれ?あそこにあるのもお面じゃない?」
「ん?……確かにお面だね、確かにお面だけどこれ……何でアへ顔なんだ?」
「アへ顔?」
「気持ち良すぎて自律神経がちょっとおかしくなってるときの顔だよ」
「自律神経って何?」
「息をしたり、おしっことかうんちが垂れ流しにならないようにしてる神経だよ」
「じゃぁそれがおかしくなったらちゃんと息ができなくなったりするの?」
「そうだよ」
ついでに言えば下が垂れ流しになる
「何でそんな顔のお面があるの?」
「わからんな。誰かの悪戯にしては随分丁寧に作られてるし……」
「ところで~、どうしたら~、こ~んな顔になるくらい~気持ちよ~くなれるの~?」
それを聞いちゃうかぁ……まぁ気になるのはわかるけどね
「それはね……ルナが知ってるみたいだよ?」
「「え?」」「え!?」
「ルナ~?」
「一人だけ知ってるなんてずるいわよ!」
「ぁぅ、ぇ、ぁ、…………」
「聞こえないよ~?」
話を振った本人が言うのもあれだけど、この流れは拙いかも
「ぁ、ぅ、……」
「あぁ~ほらごめんねルナ。泣かないで、ね?ほら、ね?」
子供が悪いことしたとき以外ならとりあえず抱きしめてよしよししておけばだいたい何とかなる!
「……して」
「え?」
「キス、してくれたら許してあげる」
むしろご褒美ですって言いたいけどここはおでこにしとくべきだよな
「んっ……おでこじゃダメ!」
マウストゥーマウスをご所望か。ませてるなぁ
「んっ……えへへ」
「ちょっと!ルナだけずるい!あたしもぎゅってして!ちゅーして!」
他人がしてると羨ましくなるあれだろうけど、これ、しなかったら後が面倒なやつだよなぁ
「ルナはもう大丈夫?」
「はい!サニーにもしてあげてください」
嫉妬とか独占欲が見られないのは好感度的な問題なのか、三人一緒が当たり前ということなのか……
「じゃぁおいで、サニー」
「うん!ぎゅー!」
ルナもそうだけど、女の匂いっていうより森の匂いだなぁ
これはこれでいい匂いなんだけど、何か人間じゃないんだなって実感するわ
「ちゅーして!ちゅー!……んっ……えへ」
「ぼくも~」
まぁ、そうなるな
「よ~し、おいで~」
「えへ~、ぎゅ~」
何がとは言わないが、スターはちょっとだけ〝有る”んだな。何がとは言わないが
「ちゅ~……んぅ……えへ~」
スターが一番ませてた!?ちゃっかり舐めてきた!?
「ふふっ。またしてくださいね?」
子供の言うこと……とか思ってたらだめなんだろうなぁ
ルナは耳年増
スターがぼくっ娘になってるけど、この子の一人称って何だっけ?