自然薯のとろろなんて高級食だよなぁ
「とろろご飯っていいよな。出汁加減が丁度なのも大きいけど、長芋じゃないってのもいい」
長芋も悪くはないんだけどね
やっぱり自然薯と比べるとたっすいよな
「時期じゃないからちょっと味は落ちてるけどね」
それは仕方ない。今からまさに栄養が無くなっていくって時期だからな
「あたしは酒の邪魔にならなきゃ何でもいいよ」
その強烈な酒を邪魔する味って何だ?
ちょっと想像できんな
「萃香は鮭の身より皮の方が好きそうだよな」
俺も身よりパリパリに焼いてある皮が好きなんだが
「これが嫌いな奴とは仲良くなれないね!」
「鮭の皮が嫌いだなんて酒飲みの風上にも置けないわね」
そこは意見が一致するんだ……
好き嫌いは仕方ないと思うんだがねぇ
「嫌いな奴から取り上げて飲むって選択肢はないの?」
無礼講の飲み会とかではちょくちょく見かけるけど
「「それは何か違う」」
ハモっちゃうほどですか、そうですか
「そうかぁ。あ、霊夢、御猪口ある?」
「御猪口でいいの?」
「今から酔っぱらってたらこの後何もできなくなるだろうしな」
そういう日もあってもいいけど、ここの暮らしに慣れてからにしないと
「そう?ま、いいわ。取ってくるわね」
ふとした時に見える霊夢の魅力って、姿勢の良さから来てるんだな
行儀の良さもあるけど、やっぱりいつでも背筋がシャンと伸びてるのが大きいわ
「霊夢は旦那を甘やかすタイプだったんだねー」
そういわれてみれば確かにそうだな
「紫の影響かねぇ」
「んー、そこまで真剣に面倒見るようなやつじゃないけどなー」
とかなんとか言われてますよ
聞いてるんでしょ?
「俺は紫はそういうとこきっちりやるタイプだと思うけどなぁ」
必要な事と必要ないことの線引きがはっきりしてて、切り替えの差が大きいせいで悪い方に誤解されるタイプというか何というか……
「私の立ち居振る舞いは自己意識によるものよ。あのスキマ妖怪の影響なわけないでしょ。はい」
「お、ありがとね」
幻想郷の維持が最優先って思考自体紫の介入なしには成立しないと思うし、それ以外の影響も大きいと思うぞ?
「んじゃ、一杯」
「ありがと」
「こっちも頂戴」
「ん」
「ありがと」
んー、鮭の皮いいわー
これはイトウとか言ってたけど、普通の鮭はやっぱ居ないんかね?
「ところで清衡さん」
「ん?」
改まってなんざんしょ?
「幻想郷に馴染んだらキリキリ働いてもらいますので、そのつもりで」
あ、さっきの話気にしてたのね
「バッチコイですよ霊夢さん」
働かない居候ほど居心地の悪い立場はそうそうないからな
そう考えると世の穀潰しどもはよく平然と親の資産食いつぶせるよな
ある意味メンタル強すぎだわ
「霊夢ー、あたしはー?」
「あんたはお酒と食材の確保でチャラよ」
「わはー、そーなのかー」
霊夢の生活で食材確保って実際かなり助かるだろうしな
でもなぁ、神社の雑事はカナがやってくれるんだよな?
俺は何すればいいのやら
自然薯ってあんまり流通してない上に糞高いんだよなぁ
里芋の親芋みたいなヤマノイモならそこそこの値段で流通してるけど、あんなのは自然薯とは認めん
伸ばした腕より細長いやつじゃないと自然薯とは言えん