上から真ん中チョイ下まで垂らしたバナナの葉
その両サイドにキウイの葉
バナナの葉の先端を迎えるように下から左右にアケビの葉
「これで決定でいいかな?」
構図が直球だがまぁまぁまとまってるし
「まぁいいんじゃない?紋の意味までは気にしてられないしねー」
意味とか気にしてたらいつまでも決まらないだろ
「じゃあもっかい仕立て屋に行ってくるわ」
「いてらー」
さてさて、もう来るなと言われてしまったわけだが、普通に訪ねて大丈夫かね?
まあ、紋について何も言わなかった向こうにも落ち度はあるし、大丈夫だよな
最悪追い返されたとしても阿求から紋を伝えてもらうって手もあるだろうし
接触がうまくいけばの話だけど
「ごめんくださーい」
「はーい、ただいまー。おや?何か忘れものでもあったかね?」
忘れものと言えば忘れ物だな
「紋を書いてこいと言われましてね。何か書くものを貰えませんか?」
「おや、ご自分の紋がおありでしたか。ではこちらに書いてお行きなさい。では」
勝手に書いて勝手に帰れってことかね
しっかし、筆に墨で一発書きか……萃香についてきてもらえばよかったな
俺は筆で絵を描くのは中学以来だよ
ん……んー、まぁ、こんなもんか
疎まれてるようだしさっさと帰ろう
あれだとアケビはともかくバナナは生姜に、キウイは紫蘇に見えるかもしれんけど
まぁ、勘違いされたとしても困らんし別にいいよな
「どうだったー?」
「自分の紋があるのかって意外そうにしてたよ」
家紋が残ってない家も多いんかね?
「ふーん?まぁ、気にするようなことでもないか。よっし次の仕立て屋に行こう!」
「おー。しかし、萃香って案外人里に詳しいね」
「あたしは霧になって幻想郷を漂ってたりするからねー。地上で知らないところはないと言ってもいいと思うよー」
そういえばそんな話も聞いたな
「なるほど。この料理が食いたきゃこの店で決まり!みたいな情報も?」
「知ってるけど、何か食べたい料理でもあるの?」
今は特にないな
「いや、たまに無性に食べたくなる料理ってあるじゃん?」
「あー、何かの発作みたいに特定の料理が食べたくなることはあるね」
同意を求めといてアレだけど、鬼でもそういうのあるんだな
「そういう時に重宝しそうだなって思っただけ」
「えー……もっとこう、何か感想無いの?」
何か期待してた感想でもあったのか?
「幻想郷の地理なんてあんまりわかんないからなー」
「何でも知ってそうで案外何も知らないんだねー」
そりゃ何でもは知らないさね
どこぞの猫怪異委員長じゃあるまいし
「知ってることは知ってるけど、知らないことは知らないからな」
「当たり前と言えば当たり前だねー。あ、そこが次の仕立て屋だよ」
おー。さくっと終わらせて次に進まなきゃな
萃香ってば地理にも詳しいのね
とこまで便利なんだこいつ……
一家に一台欲しい便利さだよな