この定食屋は侮れんな
なかなかに美味いし腹も膨れた
「なー、萃香さんよー」
「なんだーい?清衡さんよー」
「やっぱり羽織はいらなかったんじゃないかー?」
どこの時代劇だよっていうこの……
ジャージより浮いてる気がするんだよなぁ
「いいじゃないのー。稗田の当主様に会いに行くんだしー、出来合いなんだからちょっと過剰なくらいで丁度いいんだよー」
質が悪い分を形式で持ち上げようってことか?
「そういうもんかねー」
「そういうもんだよー」
はー、茶がうめー
「そういえばさー」
「んー?」
「稗田家に事前連絡した方がいいんかねー?」
アポなしで訪ねて会えるもんかね?
「あー、霊夢のとこに分身飛ばしたついでに稗田家にも飛ばしておいたよー」
流石萃香、抜かりないな
「そーなのかー。流石だなー」
「服の調達に思ってたより時間かかっちゃったしねー。これ以上お預けが伸びるのは勘弁してほしいんだよねー」
なるほど、ニンジンを目の前にぶら下げられた馬状態なのね
「そういえばさー」
「んー?」
「神社にメイドが来てたよー」
咲夜が?
「レミリアは一緒じゃなかったの?」
「吸血鬼が居ないのってそんなにビックリすることかなぁ?」
いつも一緒にいるイメージだわ
メイドって言うより側仕えって言った方がよさそうな感じのイメージだわ
「先入観というか偏見というか、まぁ、俺にとっては意外な事だったよ」
飯食ってる途中だったらぽろっと箸落としてたかもしれんね
「そぉ?割と一人であっちこっち行ってるよ?だいたいおつかいみたいだけど」
あぁ、そういえば買い出しとかは一人で行くのか
「ってことは神社にもおつかいで?」
はー、このお茶は落ち着くなー
「そうそう。その吸血鬼が清衡をお茶会に招待するって言ってたらしいよー」
「ブッ!?ッホゲッホッホ」
「ちょっ大丈夫?おかみさーん!濡布巾ちょ-だーい!」
大丈夫じゃないよ!
レミリアのお茶会って怖すぎるだろ!
萃香と違って日常的に人間を食料にしてるんだぞ!
「ほら、机はあたしが拭くから服に垂れたのは自分で拭いてよ」
「ん、すまん」
「あーだめだめ!こするんじゃなくてぽんぽん叩くの!もー」
「……すまん」
何だろう、こう、世話焼きな萃香は一層かわいらしいな
「で?吸血鬼のお茶会ってそんなに慌てるようなこと?」
そりゃ慌てるよ!
「そもそも俺は昨日バターを貰いに行った以外に紅魔館とは接点がないじゃん?」
昨日幻想入りしたばっかでそれ以前の交流なんかないしな
「そうだね」
「しかも、その時は門前で用事が済んだわけよ」
応接室に通されることすらなかったからな
「そうなの?」
「そうなんだよ。だから咲夜と美鈴しか面識がないんだよ」
「それで?」
それで?ってお前……
「レミリアは面識のないただの人間をお茶会に招くようなやつじゃないだろ?」
絶対何かあるだろ
「そういうことかぁ。メイドなり門番なりから清衡のこと聞いて興味を持っただけでしょ」
そんな単純な理由か?
「仮にそうだったとしたら霊夢に会うついでに俺に会おうとして本人が神社に来るんじゃないか?」
それなりの頻度で神社に来てるんだろ?
「自分が子供産むかもしれない相手に格好つけたかっただけじゃないの?」
あー……子供云々は横に置いといて、格好つけたかったってのはありそうだな
「確かにレミリアは格好つけで呼びつけそうな感じではあるな」
そう考えれば別段ビビらなくてもいいのか
「きっとそういうことだよー。で、時間帯はできれば夜希望、日はできるだけ早くがいいってさ」
時間帯はまぁ吸血鬼だしわかるが、できるだけ早くて……
「早くって言われると明日の夜とか?」
「今夜は無理だろうしねー」
昨日もそうだが、幻想入りって意外と忙しいなぁ
モブとの会話はもうええやろってことでお買い物はスキップ
大雑把な流れは割烹に書くので気になる人は見て脳内補完してくだされ