※この作品はR-18です。

東方妄想記   作:ガラフ

69 / 94
神子が来たらしい

「今更だけどさ、この格好で連れ込み宿に出入りするっておかしいよな」

 

タキシード着てラブホ出入りするようなもんだよなコレ

 

「気にしない気にしない。あたしと連れ立って歩いてる時点で触れちゃならないやつ扱いだから」

 

そうかもしれんが、それとは触れちゃならないの方向性が違うだろ

 

「あー、んんっ。君、少しいいかな?」

 

職質!?職質きちゃった!?

 

「ハイナンデゴザイマショウ?」

 

「清衡ー、声が裏返ってるよー?」

 

何ニヤニヤしてんだこの野郎

 

「世間の目なんて気にしたら負けよ、旦那様」

 

気にするわ!

 

気にしない分野もあるけどこれは気にするわ!

 

一張羅でラブホから出てきたところに職質やぞ!

 

ただの職質とちゃうんやぞ!

 

「まったく、返事をしておきながら顔も向けないなんて」

 

「すみません!」

 

うわ、変な髪

 

笏なんて持ってるし昔の貴族かぶれ?

 

っていうか何でボカロ服にマント装備なの?

 

「ぷっ、くっあはははは!清衡凄い顔ー!」

 

「本当に百面相する人なんて初めて見たわ」

 

「私に不審者を見る目を向けるとは、いい度胸ですね」

 

確かにいきなり変な目で見たのは失礼だったけど……

 

「だってどう見てもあんたの格好は変質者のソレでしょ」

 

コスプレにしたってテーマが一貫してないし……

 

あ、着物じゃないってことはこいつも人間じゃないのか

 

「今何に納得したんですか!?」

 

「変質者じゃなくて服の感性が変な妖怪だったんだなと」

 

「私は妖怪ではない!」

 

「あは、あははは!お腹痛い!ひー!」

 

傍から見たらコントに見えるのかもしれんが、俺は割と真剣に混乱してるんだぞ

 

笑ってないでこの場をどうにかしてくれよ

 

「お父様ったら娘が男と仲良くしているからって怒っちゃだめよ?」

 

お父様!?どう見ても女だよ!?

 

「こころ、貴女そんな喋り方じゃなかったでしょうに、一体何に影響されたんですか……」

 

あ、これは年頃の娘がよくわからない父親のオーラ出てるわ

 

「まあいい。こころ、貴女新しく変なお面を手に入れたそうですね」

 

「ええ、妙な力が籠っていたから私が管理することにしたの」

 

何でお面の話知ってるんだ?

 

「ただのお面に戻りたくなければ、扱いを間違えないように気をつけなさい」

 

「効果のほどは確かめたからもう大丈夫よ」

 

「あ、神子か」

 

昨日話に上がってたやつ

 

それなら魔理沙から話を聞いたってことだな

 

「急にどうしたの、旦那様?」

 

「私の名は知っていたようだね。なら先程の無礼についてはなかったことにしておこうじゃないか」

 

マント翻して格好つけてるとすげえ馬鹿っぽいな

 

っていうか名前を知ってただけでOKなのかよ

 

「名前は知ってるっていうか名前しか知らないんだけど、あんた何者?」

 

「私は豊聡耳神子。厩戸王とか聖徳太子と言えばわかるでしょう?」

 

聖徳太子は男だろ

 

「どこぞの坊さんの妄想でもあるまいに、聖徳太子が女なんて誰が信じるかよ」

 

「いやいや、こいつは間違いなく聖徳太子だよ」

 

萃香が言うなら本当なのか?

 

「ふーん。じゃあその紫色のスカートは偉いんですよアピールなのか?」

 

確か聖徳太子が制定した色による格付けの制度で一番偉いやつに与えられる色が紫だったよな?

 

「私は実際に偉いのですから当然の色使いでしょう?」

 

今時色で格付けしてる奴なんていないだろうに……

 

「お父様は長いことお墓で寝ていらしたので少々時代錯誤なところがあるのですよ、旦那様」

 

それ明らかに嫌味で言ってるよね?

 

ちらちら見ながら大きな声で言ってて嫌味じゃないとか言わないよね?

 

「何が時代錯誤なものですか!発音だって文法だって現代的!服装だって現代的!私に死角などないでしょう?」

 

言葉が現代的なのは素直にすごいと思うけど、服装は明らかに変だよ

 

あとその格好つけて喋るのも変だぞ

 

「そんなことよりお墓で寝てたってことは幽霊の類なのか?」

 

「確かに私は幽霊の類といっても間違いではない。しかし、私は事前準備を整えて尸解仙となった!ただの幽霊とは違うのだよ!」

 

尸解仙っつうと中国の数ある仙人の中でも死体の利用に特化した邪悪なイメージの強いやつじゃないか?

 

ネクロマンサーなんて悪役の象徴みたいなもんだろ

 

「失敗してキョンシーにならなかったんだな」

 

「キョンシーを作るのと尸解仙になるのとでは扱う術が全く違う。失敗したら中途半端に蘇るか全く蘇らないかだ」

 

聖徳太子って仏教徒じゃなかったっけ?

 

がっつり尸解仙にのめり込んでるっぽいんだけど

 

「どうでもいい話はその辺にして、そろそろ本題に移ったら?」

 

そうだな。どうでもいい話掘り下げて時間が潰れるのは勿体なかったな

 

「どうでもよくはないのですが……」

 

オタクあるあるだな

 

自分にとっては大事なことでも他人にはどうでもいいからって切って捨てられる

 

まあ、そう気を落とすな

 

「君は物怖じしない人だね。私の肩をポンポンしたのは君が初めてだよ」

 

まあ、聖徳太子相手にこんなことするやつは普通いないよな

 

「気落ちしてるときにこうされると、案外いいもんだろ?」

 

ポンポンするのは頭でもよかったかもしれんけど、仏教徒だったら頭は仏が宿る神聖な場所だから触っちゃダメとかいうし




タキシードでラブホ入りとかできる気がしない

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。