ヒーローの卵 作:カンテラ
雄英高校を襲撃した翌日。
空き部屋で目を覚ました俺はいつも通りに麗日さんの部屋を覗き、彼女の寝姿を見て思考が止まってしまった。
なんと麗日さんは胸を露にし、全裸同然の姿で寝ているではないか。
なぜこんな事に!? いや、答えは簡単だった。俺がうっかり性欲と感度を下げ忘れてたからだ。昨日途中で目を覚まして、発情したままだったからオナニーしてしまったんだろう。
俺はすぐに両方とも正常なレベルまで下げる。麗日さんの寝起きの反応が見たいから服はそのままにしておこう。
自分が満足すると感度等を上げていたことをつい忘れてしまう。他の女の子に使ったときはうっかり二日も下げるのを忘れてしまい、その子はオナニーしまくる淫乱体質になってしまった。
麗日さんを淫乱に変えるにはまだ早い。恥じらいあってこそやりがいがあり、何をしても喜ぶだけの状態になったらすぐに飽きが来る。俺はもう二度と下げ忘れることのないよう心の中で固く決心しながら麗日さんを観察する。
改めてみると鍛えてる体と鍛えていない体の中間のような、柔らかそうな肌をもちながら締まってる部分もある程よい肉付きをしている。
それから麗日さんはまだ起きる気配がなく、暇になってきたので携帯でニュースをチェックする。
車両事故や連続失血死事件など、いつも通りのよくある内容の報道ばかりだ。そんななかで、USJ襲撃事件という誰もが食いつくニュースが昨日の今日でもう取り上げられていた。
『ヴィラン襲撃!? 雄英始まって以来の大失態』
そんな見出しから始まるネットニュース。ヴィラン連合の事や生徒と教師に怪我人が出た事、オールマイトが助けにきた事などが大まかに書かれていた。
捕まったヴィランについては72名捕まったとだけ書かれているだけで、首謀者である死柄木君についての情報はどこにも書かれていない。警察からマスコミに情報が伝わってないのか。
他の記事やまとめニュース等もチェックするが、大体同じ内容で一先ずは安心してよさそうだ。
名前は偽名を教えて顔は変えていたし、そもそもヒーローサイドには麗日さんとしか会っていないから俺の事がヴィラン連合や警察とヒーロー側に知られることは限りなくゼロに近いはず。
ほっと一息ついていたところに携帯からの着信音とバイブレーションでびくっとしてしまう。恐る恐る画面を見るが、相手がよく知る相手なので一気に緊張が溶ける。
「どーもおはようございます」
「おお! 無事だったか運び屋!」
電話を掛けてきた相手は俺にヴィラン連合の事を教えてくれた紹介屋だった。
「なんとか逃げられましたよ」
「まぁ兄ちゃんの個性なら逃げるのなんて容易いだろうさ。で、さっそくだが仕事頼めるか?」
俺は仲介屋と仕事の話を終えて電話を切り、体をほぐしながら次のイベントについて考える。
雄英体育祭、オリンピックに代わる日本で最も注目されるイベント。死柄木君がまた襲撃してくれれば良いのだがヴィラン連合は戦力無しで不可能。原作でもシリアスより学園青春色が強めのストーリー展開だったはず。
スカウト目的で多くのヒーローが集まってきているし、今年はオールマイトもいる。仮に死柄木君が入ることができたとしても、学生の頑張る姿をおとなしく観戦するしかできないだろう。
体育祭当日は麗日さんを応援しに行こうかな。よし、そうしよう。
顔を赤らめベッドの上で悶えている麗日さんを千里眼で見ながら次のイベントでの目的を決めた。
麗日さんに無理させられないし、今日は臨時休校で他の生徒も家にいる。今日は何もない暇な一日となった。
それから数日後、俺は教室を覗きこんでいた。抹消ヒーロー『イレイザーヘッド』である相澤先生は顔と頭、両腕と片足を包帯で巻き、脇で松葉杖を挟みながらHRにやってきた。仕事熱心なことで。
USJ事件の爪痕は先生の痛々しい姿ぐらいで生徒はいつも通りの騒がしさだった。
HRが終わり、みんなが一限目の準備を始めたり隣の人と会話したりしている中、俺は今日もまた己の欲望の為に行動を始めていく。
雄英高校はヒーローを育てる最高峰の教育施設。授業内容や将来有望な生徒の情報等、狙われる要因は他の学校よりはるかに高い。
なのでセキュリティとして設置されている通称『雄英バリアー』。校門だけでなく敷地内の至るところにセンサーが張られているのだ。
誰もが雄英に入ることを諦めるなか、いつの時代もバカはいるもので。
個性を使って侵入しようとしてことごとく捕まるやつらが毎年後を絶たない。
姿を変え普通に門から入ろうとした奴。ワープ系の能力で一気に中に入ろうとした奴。透明になって入ろうとした奴。それらに対して雄英はあらゆる対策がしてある。
俺は透明化と変身能力と瞬間移動を兼ね備えているが、IDカードか学生証がなければバレずに入ることが出来ない。
どうしようかと雄英高校を観察していると、生徒が学生証を忘れてくることが何度かあった。
生徒はそれを教師に報告し、説教されながらもIDカードを手渡される。
そこで俺は違和感を覚えた。なぜIDカードをもらうまでセンサーに引っかからなかったのか。いろいろ考えた結果、俺は制服に何かあるのかもしれないと考え、麗日さんが寝ている間に制服を調べさせてもらった。
透視しながら調べているとシャツの肩についてある飾りにチップが埋め込まれていたのを発見。
外部にはIDカードと学生証の事しか伝えておらず、卒業生からも漏れていないことから、おそらく生徒にも教えていない学校側だけが知る秘密事項なんだろう。
俺は今、初めて雄英高校に侵入したときの女子生徒の姿になり、さらに透明化して門の前にいる。チップも意識しながら変身したのでこれでこの門をくぐれるはず。心臓を高鳴らせながら一歩ずつ進んでいく。侵入者を拒むはずの門は沈黙を保ったまま、下をくぐる俺を黙って見過ごした。
やった! やったぞ!
目論見通り成功したことに頬を緩ませ、校舎まで足を進める。瞬間移動してもいいがせっかくなので中を見学してから教室に行こう。
HRが終わってからはすぐ授業なので、廊下にはトイレに行く生徒ぐらいしかいてなかった。
教室から聞こえてくる若い子たちの元気ある会話に少しばかり気押されながらも、俺はお目当ての1-Aに到着した。
教室のドアは開けっぱなしだったのでなんなく侵入でき、ぶつからないよう気を付けながら後ろまで歩いていく。
麗日さんは廊下側一番後ろという、ちょっかいをかけるのにうってつけの場所に座っていた。
「オーケー、今日も朝から元気に授業やってくぜー」
授業開始のチャイムが鳴り、プレゼント・マイクによるキャラに合わない普通の授業が始める。
しばらく授業が進んでから、俺は麗日さんの感度調節を始めていく。まずは少しだけ。
すると、麗日さんは板書をノートにとっている途中、一瞬だけペンの動きを止めた。
(ん……またきた。でもこれくらいやったらさすがに慣れてきたかな)
麗日さんは再びペンを走らせる。だいぶ刺激に慣れてきたようだな麗日さん。俺は次に性欲も少しだけ上げる。
(う……私の体どんどんエッチになっていってる。やっぱし“あれ”やりすぎたせいかなぁ)
麗日さんは依然そのままの姿勢で授業に耳を傾けノートをとる。しかし、意識は時間と共に敏感になっていく身体のことで一杯になっていった。
俺は一限目が終わるまで、感度も性欲も弱めに維持し続けるだけに留める。
その一限目が終わると麗日さんは大きく深呼吸し顔に手を当てていた。
(授業中にこんなんなるなんてどうしよ~。顔赤くなってへんかな、みんなにばれんようにしやんな……ん~)
「ん~」
「呻いたりしてどうしたの麗日さん?」
こちらまで歩いてきたデク君に心配される麗日さん。
「ヴェ!? いやいやなんでもないなんでも! 寝不足なんかなぁ~、アハハハハ……」
「眠れていないのか麗日君!? やはりまだヴィランの襲撃の事が……!」
「そういうのじゃないから! 本当に大丈夫!」
そこからデク君と飯田君、麗日さんは普段通りの会話を繰り広げる。男子二人は麗日さんが性欲を高めてムラムラしていることに気付いていない。
二人と仲良く会話してるように見えるが、麗日さんの頭の中は少しずつピンク色に染まっていってるんだぞ。
その事実に俺だけが知っているという優越感に浸りながら二限目が始まる。
しばらくして、俺は再び感度と性欲を上げる。これも少しだけだ。
(さっきより敏感になってきてる。でもまだ我慢できる!)
つい数日前まではこれだけの刺激で混乱して恥ずかしがっていたのに、もう乗り越えてしまったのか麗日さん。
USJ襲撃後の一人エッチで大きく耐性がついてしまったようだ。感度と性欲を元に戻さなかったことを結構後悔してきたぞ。
それでも俺は、弱火でじっくりとせめるように少しずつ上げていく。
(なんか今日はじんわり強くなっていってる感じや。いつもこれぐらいやったらええのに)
余裕でいられるのも今のうちだぞ麗日さん。
二限目も無事終わり三限目。
また少しだけ両方とも上げる。
(んー、気になる。なんかもどかしすぎて気になってしまう!)
今までは長時間感度や性欲が強まったままで、気持ちよくなりたくて仕方がなくなっていた麗日さん。しかし今日はその逆で、弱弱しくくすぶり続けるだけの性欲と体。
麗日さんは耐えるように脚を少しすり合わせ始める。
(我慢、我慢、我慢、我慢)
理性が強い状態なので体が反応していても耐えられるだろう。麗日さんに簡単に堕ちてもらうのはもったいない。
(体がちょっとずつ熱くなってきてる。でも我慢できる、が……まん。あぁぁあぁもどかしい!)
俺は今、麗日さんの感度や性欲が勝手に上がらないよう完全に調節している。麗日さんの理性を強化するためにも頑張らないと。
この辺りから麗日さんの顔が赤みを増していく。耳も赤くなってきて見た感じ恥ずかしがっている程度の状態か。息も荒げていないし周りから発情しているとは思われないだろう。
(早く授業終わって……)
麗日さんの願いが叶ったのはそれから三十分後。三限目の授業が終わったと同時に、麗日さんは席を立って勢いよく教室を出た。そしてその足はトイレへと向かっているようで、当然俺も後に続く。
麗日さんは一番奥の個室に入ったので、俺は個室の前から透視で中の様子を覗く。麗日さんはパンツを脱ぎ便座に座り、自身の秘処を確認していた。
(う、やっぱし濡れてる。取り敢えず拭いとかんな)
「んー……。ん……」
麗日さんはトイレットペーパーで愛液をふき取ろうとするが、どうしても敏感になっている肌に触れてしまい小さな声を出してしまう。
(うぇー、まだ出てくる)
右手の指ですじを左右に開けば、膣口から愛液が流れ出て下に垂れていく。それをじっと見続ける麗日さん。息が荒くなってきている。
(……少しだけ。あの時程じゃないから……今度こそ大丈夫)
性欲を上げていないのに準備ができている秘処を見た瞬間この発情っぷり。俺はすかさず性欲を下げる。滴っている愛液を指に塗っていた麗日さんは少ししてハッとした顔になり首を横に振る。
(いやいや大丈夫とかそういう問題じゃなくて! 今度こそ流されんようにって決めたやん!)
麗日さんは急いで愛液をふき取り、用を足してからきちんと手を洗い教室にもどった。
激しいオナニーをしてしまったせいか、気持ちよくなろうと積極的になるハードルが下がってきているなぁ。しばらく性欲は上げない方がいいかもしれない。
四限目は特に何もせず、俺は感度と性欲を元に戻し、女子トイレで待機した。
そして昼休み、ついにこの時がやってきた。
俺は透明化を解除、千里眼で教室にいる麗日さんを見る。どうやら女子数名で食堂に行くようだ。
よし、俺も食堂に向かうとしよう。