オラリオにある酒場、『豊穣の女主人』。
そこに住み込みで働いているエルフ、リュー・リオンは酒場の厨房で黙々と皿を洗っていた。
時々、何かを思い出したかのように笑みを浮かばせ、憤り、恥ずかしいように頬を赤くするリューの様子は誰が見ても情緒不安定だ。
しかし、それも無理はない。
リューはとある男性にこれまで守ってきた貞操を奪われ、女にされたのだから。
甘い口づけから始まり、貴重品を扱うように優しくも丁寧で、それとなく大胆かつ強引に責められて愛の言葉と共に身を委ねて、貞操を捧げた。
抵抗しようとしても、あの男はお構いなしに押し倒してするがままに身も心も蹂躙されてしまった。
不覚にも最後は意識を失い、気が付けばいつもの自分の部屋で朝を迎えた。
夢だったのか? という疑念も抱いたが、机の上にはしっかりと置手紙があった。
『おはようございます。事情は全てシルさんという方に話しておきましたので。あ、それとしっかりと避妊はしているのでご安心を』
それを読んだリューは顔を真っ赤にしてその手紙を破り捨てた。
後に同じ境遇で働いている
「あ…………」
無心で皿を洗っていたら気が付けばもう洗物はなかった。
今はまだ暇な時間帯。忙しくなる夜の前に買い物は済ませようと思ったリューはシルに一声かけて酒場を後にする。
「あ」
「おや、リューさん」
酒場を出てすぐに件の男――リクと再会を果たしたリューの顔は一気に赤くなる。
「し、失礼します」
赤くなっている顔を見せない様に俯きながらその場を去ろうとするリューの手をリクは掴む。
「どうかしましたか? 顔が赤いですよ?」
「だ、誰の―――」
せいだと思っている。と大声を上げて言いたい。
「ああ、前にお会いした時の事を思い出してくれたのですね?」
ニコニコと微笑みを崩さずに告げるリクの言葉にリューはその時の事を鮮明に思い出してしまうと今にも頭が噴火してしまうぐらいに顔が熱い。
―――こ、この男は…………ッ
明らかに自分の反応を見て遊んでいる。
「あ、あの時のことは…………ッ」
「ええ、とてもいい思い出ですね。あ、ご安心を。大切な思い出を知っているのは僕とリューさんの二人だけですよ」
つまり、身体を重ね合ったということを知っているのは自分とこの男だけ。
「―――――っ」
不意に手を引っ張られて身体が前のめりになるリューの耳元でリクが囁く。
「今はお互い仕事で忙しいですから、夜に迎えに参りますね」
「!?」
「出来れば、その恰好で会いたいものです。それでは失礼します」
一礼して去っていくリクにリューの身体は火照ったかのように熱い。
「くっ…………」
いいように扱われているのが少し悔しかった。
酒場は閉店し、誰もが休みに入る時間帯にリューは静かにその場を後にする。
静まり返ったオラリオの夜には酒に酔った冒険者がうろついている程度であの男の姿はどこにも見当たらないことに僅かに安堵した。
「リューさん」
「っ!?」
「おっと」
不意に背後から声をかけられたリューは反射的に攻撃をするもそれを平然と受け止められた。
「出会い早々に情熱的な拳よりも、美しい貴女の声が聞きたいですね」
微笑みを崩さずに受け止めた拳から手を離すリクにリューは小さく息を吐いた。
「………………お強いのですね」
「愛する女性を守る為には当然それ相応以上の力を持たなければ紳士は名乗れませんので」
それでもLv.4である自分の攻撃をああもあっさりと受け止めてしまうリクは明らかに自分よりも遥かに実力者だということはわかる。
「そう緊張なさらいで、もっとリラックスしてください」
「………………性分ですので」
「ふふ、そう邪険にしないでください。知らない間柄ではないのですから」
手を差し出すリクは紳士的に女性をエスコートしようとしたが、リューはその手を取らない。それでもリクの表情からは笑みは消えない。
むしろ、より輝いている。
リクはリューをつれて路地へ歩く。
リューの給仕服という恰好を考慮して出来る限り人目を避けて通っている。
リクエストに応えてくれる辺りは生真面目なリューらしいと微笑む。
すると、不意にリューの足が止まる。
「どうなさいました?」
首を傾げながら尋ねると、リューは口を開いた。
「あの…………前の事はお互いに忘れませんか?」
「…………どうしてです?」
「貴方が私の事を想ってくれている、その気持ちに嘘はないと思います。ですが、私は日陰者。私のせいで貴方にまで飛び火を出す訳にはいかない」
リューの首には賞金がかけられている。
今は豊穣の女主人という安心して過ごせる場所があるだけでもリューは身に余る幸運だ。それ以上を望めばきっと周囲に迷惑をかけてしまう。
それも自分に愛の言葉を向けて来てくれる人なら尚更だ。
「前回の事は命の恩人に対するお礼ということで忘れます。貴方も、私の事は忘れた方がいい」
それだけを告げてリューは踵を返して来た道を戻ろうとする。
これでいい、と自分に言い聞かせて今自分がいる場所に帰ろうとした瞬間。
リクは背後からリューを抱きしめた。
「私が、一度手に入れた女性を簡単には諦めませんよ? 永遠に愛し続けるまでです」
「は、離せ!?」
「いいえ、離しません。そして決めました。貴女を徹底的に、私無しでは生きられないほどに貴女の心を染めてあげましょう」
腕の中で暴れるリューの耳にリクは甘噛みする。
「んっ! な、なにを…………!?」
リューの言葉も抵抗も無視してリクはひたすらにリューの耳を甘噛みし、舐める。
クチャクチャと卑猥な音が零距離で届き、身体の神経がぞくりと震える。
「や、やめ、くぅ…………」
拘束から逃れようと殴っても、蹴ってもリクはビクともせずに執拗に耳を舐め続ける。
耳の先端から耳穴まで舐めては時に甘噛みをするリクにリューの抵抗が弱まって行く。
「こ、声をあげ、ます…………よ…………」
身体に奔る快楽に耐えながら逃走の手段として声を上げようとすると、リクは耳から口を離した。
そこで安堵するリューにリクは迷うことなくリューの可憐な唇を奪った。
「―――――っ」
口を口で塞がれ、正面から抱き着く格好となる二人は誰から見て情熱的に愛し合う二人のようにしか見えない。
頭の中がまるで何かに浸食されるかのように意識と正常な判断を鈍らせていく。
やめろ、これ以上は―――。と抵抗の意思を脳裏を過るもリクはお構いないにリューの唇を奪い続ける。
「ふは、んっ、んん………は、はんっ…………んん………………」
何度も何度も唇を重ね、口腔のなかに舌を入れてはリューの舌と強引に絡ませ合う。
その間にリクは華奢なリューの身体を給仕服の上から撫でまわし、スカートの中に手を入れて、臀部を撫でる。
「はー、も、もう…………んっ」
勘弁してもらおうとしたが、それを口にする前にまた口を塞がれてしまう。
息苦しさと心地よさが同時に快楽となってリューの身体を火照らせていく。
まさぐられる身体は遂に服の内部に侵入を許し、直接触られる。
「ゆ、許して…………」
「許しません。抵抗も許しません。貴女は黙って私に抱かれればいいのです」
許しを請うリューにリクは容赦なくリューを責める。
エプロンを外し、ボタンを片手で器用に取り外してリューの白い肌を晒すと、リクは今度は首筋を舐める。
「~~~~~~~ッ」
両目と口を固く閉じて声を出さない様に必死に耐えるリューに気にもかけずにリクは首筋から鎖骨、胸の辺りまで舐める。
「ふ…………ん……んんっ…………」
手で口を押えて必死に声を抑えようとする。
リクは更にスカートの中に手を入れて、下着の中に手にまで手を伸ばす。
それを見たリューは思わず、声を出して止めて、と言おうとしたが。
「―――――――――――――――っっ」
秘部に触れた瞬間、嬌声が周囲を響かせた。
リューは大きく背をのけ反らして、快感に打ち震えた。
今が夜で、人気のない路地であることにリューの痴態は誰にも聞こえることなく、見られることもなかったのが不幸中の幸いだ。
「んっ! はっ、ダ…………んんっ! だ、らメ…………! ひぐッ! ……ンあッ」
リューの秘部を水音を鳴らしながら責めるリクの腕を掴んで止めようとしても、その腕に力が入らずにただ、リューは快感に身をゆだねるしかない。
「ぐちゃぐちゃですよ? リューさんのあそこは。はしたないエルフですね」
「あ、だ、誰の…………あン……ふっ、はぁ…………ん」
「さぁ、快楽に打ち振るい、悦びをその身に知りましょう」
リクは己の陰茎を取り出して、リューの手を壁に添えて腰を浮かせるとリューの秘部に陰茎を当てて、一気に押し込んでいく。
「ああああああああああッ! ああ、あぐ、んっ、んア…………あッ!」
初めて以上に身体に直接電流が流れる甘い快感にリューは喘いでしまう。
自分の後ろから何度も突かれ、子宮内で暴れているリクの陰茎が動く度に身体が絶頂を迎えているようだ。
逃れられない様に腰をしっかりと掴まれ、パンパンと互いの腰がぶつかり合う。
冷えて静まり返ったオラリオの夜とは違い、二人の身体は熱く、激しい嬌声と音を響かせる。
「ンぁッ! うぅ、うン……はグ、あ、あっ…………………ふぅン、ンン…………」
僅かに残された冷静さ思考が手で口を塞いで声を抑えようとする。
それでもリクは何度も激しくリューを責めるのを止めない。
リューの秘部から漏れる愛液は秘部から太股に伝わり、地面へ垂れていることにリューは気付きもせずにただひたすらに犯されていく。
「んんっ、ふグ………んっン…………ふぅ、ん…………」
手で押さえても激しい責めによる完全には声を抑えることが出来ず、次第には手の隙間から涎が地面に零れ落ちる。
不意に上体を起こされて、顔を覗き込まれてしまうリューのその表情は恍惚に満ちて蕩けていた。
「お、お願い…………しま、す……………………」
それが何を意味しているのかはリクはよく知っている。
「では、もう二度とあのようなことは言わないと誓ってください」
「…………はい、誓います………だから、どうか…………」
「ええ、いいでしょう」
その言葉を聞いてリクは腰を振り始めて、再びリューの子宮内を突き始める。
「あッ、はひっ! あ、ン…………んんっ、ンはッ! あ! あ!」
後ろから何度も執拗に責められ続けたリューは声も我慢せずに出して、身に震える快楽に身を委ねた。
リクも必死に腰を振って絶頂を迎えようと意識を集中する。
「…………さぁ、イキましょう」
最後に一際強く腰を突き出すと、膣奥の肉壁にぶつかった亀頭が盛大に爆ぜた。
「あああああああああああああああああああ――――――ッッ!!」
身体の奥底に灼熱の奔流を浴び、悦びの声と共に激しく達したリューの膣内に今も止まらず出し続ける精子を一滴残らずリューの膣内に出し続ける。
言葉通りに蕩けた表情で絶頂を迎えたリューは眠るように意識を手放して、リクにもたれるように倒れる。
「ふふ、私から逃れられるとは思わないでくださいね」
意識を手放したリューの唇に軽くキスをしてリューを抱え、その場から離れていく。