『もしも夏祭りの後に部屋を訪れた壊れかけの湊を総司が食べちゃっていたら』
夏祭りの途中で結城先輩の手を引いて寮に帰ってくることになってしまった僕は自室に戻ってすぐ、ベッドの上で悶えていた。理由は夏祭りの出店のひとつであった射的屋での出来事だ。持ったコルク銃の狙いを定められずにいた結城先輩の背後に回って支えたのだが、その際に女性特有の甘い香りやシャンプーの匂いを嗅いだ。それと浴衣越しでも分かる女体の軟らかさの感触が未だ触れた箇所に残っている気がする。自宅からこの学生寮に移って、今までずっと我慢してきたけれど今日は無理だと思った。
僕は学習机の右隅に置いてある筆記用具立ての中に入っていたマッキーを手に取ると立ち上がって、部屋に設置されている監視カメラのレンズを黒く塗る。結城先輩たちが桐条先輩に直談判して使用されなくなっているとはいえ、今からの行為が何かのきっかけで映るようなことがあれば目も中てられないからだ。声の方は抑えれば何とかなるはず。僕は結城先輩の女性特有の感触や匂いを忘れないうちにいたシテしまおうと、ジッパーに手をやり引き下げる。そして生まれた時から一緒にあり続ける半身を結城先輩の手の甲に触れた右手で握ったところでドアがノックされたので慌てた僕はベッドから転げ落ちてしまった。
「は、はい!どなたですか?」
「……結城だけど、開けてくれるかな?」
僕はすぐにズボンを履き直して、衣服を整えつつベッドに移動したティッシュの箱を机の元の位置に戻す。まだシテないから換気は必要ないかとも思ったが、一応念のためと思ってリセッシュを部屋中に振り撒く。そういった涙ぐましい工作を経て僕は鍵を外し、ドアを開けた。まず見えた結城先輩の表情は暗かった。雰囲気的にどんよりとした空気を背負っているように感じた僕は何も言わずに部屋へ彼女を招き入れる。何かおもてなし用のお菓子か何かあったかなとクローゼットを見つつ結城先輩に背を向けた瞬間、彼女に背後から抱きつかれた。僕の腹部に結城先輩の白い両腕が回される。そして、背中に男にはない軟らかいものが押し当てられているような感覚があり、僕の頬は思わず緩みそうになった。
だが、僕はそれが顔に出るのは拙いと気を引き締めるために、右手の親指と人差し指で左手の甲を抓りつつ肩越しに笑顔で結城先輩に声を掛ける。
「どうかしましたか、結城先輩?」
僕の質問に結城先輩は答えず、更に身体を密着させてくる。これでは埒が明かないと思った僕は腹部に回されていた手を無理やり外して、結城先輩と向き合う。そこで彼女の格好の全貌が分かった。夏祭りに来ていた浴衣はそのままだが、帯は解かれ前開き状態になっている。そして、一番重要なことだが前開きになっている浴衣からはツンと上向いた胸が惜しげもなく晒され、視線を下に向ければ結城先輩の髪の色と同じ叢が見えていた。
転生する前も彼女いない歴=年齢で、転生後も2度目の人生を生きる自分に恋する資格はないと諦めていただけに衝撃が大きかった。握っていた彼女の手をパッと離した僕はその場で蹈鞴踏み結城先輩から離れ、ベッドに腰掛けるように倒れ込んだ。これはいったい全体どういうことなんだと僕が困惑しながら思っていたら、結城先輩は冷静にドアを音が立たないように注意しながら静かに閉め、しっかりと鍵をかけた。そして、僕の方へ振り向くと邪魔と言わんばかりに浴衣を脱ぎ捨てる。僕の部屋に生まれたままの姿を晒す結城先輩がいる。その事実に僕の波風が荒れ狂っている心とは裏腹に肉体の一部に血液が集まり、ズボンを押し上げるようにいきり立つ。
結城先輩は一歩ずつ僕がいる所へ近づいてくる。優からある程度のことは聞いていたし、エントランスのカウンターに置かれたままになっていた召喚機のことを考えればおのずと答えは出る。結城先輩はシャドウとの戦いに対して恐怖心を抱いている。今回のチャリオットとジャスティスとの戦闘で仲間を護るためにその身を文字通り犠牲にした結城先輩。死に瀕することになった恐怖体験はそう簡単に拭えるものではない。きっと安心したいんだと思う。
「れろっ……ぴちゃ……」
「うひぃっ……」
だけど、そういった行為をする相手を間違っていると思うのは僕だけのようだ。結城先輩は生まれたままの姿でベッドに座り込む形でいた僕を押し倒した。そしてすぐ首元に腕を回し、僕の耳を甘噛みしたり、頬を舐めたりしてきたのである。状況が目まぐるしく変わるため、僕の頭は完全にオーバーヒート気味。動こうにもTシャツしか着ていないので肌が露出している左腕にはふさふさとした感覚ととろみのある液体が滴ってくる感触があり、目の前がチカチカと点滅している気がする。
「うれしい……。ここ、わたしの裸を見てこんなにしてくれたんだね」
「あわわわ……」
僕が気を失ってしまいそうになった瞬間、結城先輩がズボンの下で自己主張をしていた息子を布越しであるが撫でた。そして、僕の半身の形を覚えるように手を動かす。結城先輩は僕の耳元で「よくわからないから脱がすね」とだけ言って、僕をベッドに残して自分は床に降りた。僕が身体を起こすと、結城先輩は床に膝立ちになり、ズボンのジッパーを歯で噛んで徐々に下げている途中だった。この時点で僕は結城先輩に襲われているという事実を認識した。認識したからといって抵抗が出来るわけではないが。
ズボンを結城先輩に脱がされた僕。トランクスの絵柄は安定のジャックフロスト。いきり立つ息子の所為でイラストは変なところが飛び出ているが、もしかしたらこれを見て結城先輩のやる気が削がれるかもと思った僕が馬鹿だった。結城先輩はトランクスのゴムが入っているところに手をかけると一気に下ろしたのである。彼女の目の前に晒される僕の半身。カウパー液を垂らしながらそそり立つそれを見た結城先輩はにやりと笑う。その勢いのまま、小さな口を開き半身を咥えようとしたので僕は彼女の肩を掴んで止める。なんで止めるのと言わんばかりの潤んだ瞳で見つめられ、罪悪感が掻き立てられるがもうここまでされたらこの行為を止める理由はない。
「きゃあっ」
結城先輩の恐怖よりも歓喜の気持ちが篭った悲鳴が漏れ出た。僕は彼女を立たせるとベッドに押し倒した。残っていた衣服であるTシャツを脱ぎ捨てた僕は結城先輩の上に被さった。そして背中に手を回す。肘を立てて顔を上げた僕は結城先輩の唇を奪う。ぷっくらとした彼女の唇を舌でこじ開け、歯と歯茎を舐める。するとおずおずとした感じで結城先輩が舌を出してきたため、自身の舌と彼女の物を絡ませるようにして口腔内を味わい尽くす。十分に堪能し終えたので僕が唇を離すと、結城先輩の目は惚け切った艶やかなものへ変わっていた。そんな結城先輩が急に愛おしく感じ、優しく頭を撫でると彼女は目を細めて身を捩る。
ふと視線を彼女の身体に向けると小さな傷が幾つも見られた。これはきっとシャドウとの戦いで負った傷なのだろう。大きく目立つような傷はないけれど、ペルソナの資質がなく話を聞くことしか出来ない僕に何か出来ることないかと考えた。思いついたのは傷のひとつひとつにキスすることだった。
「ふっ……くぅ……あっ……やん」
「ちゅっ……ちゅっ……」
うなじから肩を通って指先に行き、反対の手の先から肩の方へ上がる。わき腹や背中にキスの雨を落とし、太ももから足の先まで行くと結城先輩はベッドの上でM字に足を開いた。僕はまだキスしていない反対側の足先からキスを再開すると太ももを通って、ベッドに染みを作る勢いで大量の愛液を垂れ流す結城先輩の女の子のところに顔を近づける。そっと視線を結城先輩の顔へ向けると興奮しているように頬を赤くし期待を篭めた瞳で僕を見下ろしていたので、迷わず舐め上げた。わかり易いように、下品な音をたてながら。その瞬間、僕の頭を両手で押さえ仰け反る結城先輩。僕の顔に透明でさらさらした液体が降りかかった。
「けほっけほっ……」
潮を噴く形になった結城先輩は僕のベッドで身を捩りながら余韻に浸っている。僕は血管が浮かび上がるくらい勃起している半身を見て、ほんのり桃色になって汗ばんでいる結城先輩の裸体を見る。『まだ一線は越えてないからセーフだよ』と、僕の頭の中で白い天使の羽を生やした従妹が囁きかけてくる。確かに結城先輩は僕の部屋に来たときとは完全に別人のように生き生きした姿になっている。このまま寝かせてやれば、明日には今までの元気ハツラツとした結城先輩に戻る可能性もある。だが、その場合、前世も含めた上で初となる童貞卒業の機会が遠のく訳で。そんなことを考えていると、黒い蝙蝠の羽を生やした従妹が脳裏に浮かび上がった。そしてサムズアップしながら告げてくる。『据え膳食わねば男の恥!』と。
僕は勉強机の小物が入っている引き出しを限界まで出して、一番奥から黒い筆記用具入れを取り出す。そして、その中からコンドームの束を取り出して、その内のひとつの包装を破いていきり立つ半身に装着した。そして、未だ夢見心地の結城先輩に近づく。
「ほえ?」
横向きになっていた結城先輩を仰向けにして股を開かせる。その開かせた股の間に座り込んだ僕は、彼女の膣穴に僕の半身を宛がうと一気に推し進めた。『ぷつっ』という音が聞こえたかもしれない。あれほどいきり立っていた僕の半身は完全に結城先輩の身体に埋まってしまっていた。ぱくぱくと酸素不足になった金魚のように口を開閉させる結城先輩を見て、僕はその唇を自身の唇で塞ぐ。彼女の後頭部に手を回し、再度口腔内を蹂躙するように舌を絡ませる。空いた左手は結城先輩の胸を捉える。吸い付いてくるような肌を堪能しつつビンビンに勃起した乳首を指で弾いたり、つまんだりするとその都度、膣の収縮が起こり、僕の半身はねじ切れそうなほど締め付けられる。
「あー……あー……あひっ……」
結城先輩の身体を起こすと同時にベッドの上で胡坐を掻くように座りなおす僕。無論、僕と結城先輩は繋がったままである。自身の体重によって、一番奥まで僕の半身を受け入れることになった結城先輩は親に無償の愛を求める子供のように抱きついてくる。僕は左手を彼女の腰に回し、右手で背中を撫でる。蕩け切った瞳で僕を見つめてくる結城先輩と今日何度目になるか分からないキスを交わす。唇を離すと僕と彼女の間に透明な液体で橋が掛かった。
◇◇◇
朝ちゅんなんて、僕の人生で起きるはずないって思っていたのに。
誰かの慌てるような声に導かれるように瞼を開けると、顔を真っ赤にして涙目で僕の名前を呼ぶ結城先輩が腕の中にいた。どうやら、昨夜は同時にイッた後、そのまま睡魔に襲われたらしい。当然だが、僕も結城先輩も素っ裸だ。そして肝心なことだが、一部は繋がったままである。
「やっと、起きた?総司くん」
「うん。おはようございます、結城先輩」
僕がにこやかに返事をすると結城先輩は気まずそうに視線を逸らしながら言うのだが、そんな風に身体を動かされると……。
「もうそろそろ部屋に戻っていないとヤバっ!?やぁん、わたしの中でおおきくなってく!」
「学校がある訳じゃないんだし、大丈夫ですよ。皆さんには風邪を引いたみたいだから、ご飯は各自に任せるってメールを入れておきますから、結城先輩……声を出さないように気をつけてくださいね」
「えっ?いや、ちょっと待っむぐっ」
文句を言おうとした結城先輩の唇を強制的に塞ぐ。そして、横抱きで彼女の身体を支えたまま、腰だけを大きくゆっくりとしたストロークで動かす。
先ほどまで部屋に戻らないといけないと焦っていた結城先輩の表情が一突きするごとに蕩け切った女の貌になっていく。それを見た僕は彼女の身体をぎゅっと抱きしめると、耳元で囁く。
「また辛くなったらここにおいで、結城せ……いや、湊」
僕が声を掛けるのと彼女がイクのはほぼ同時のことであった。
おまけ
昨夜の湊先輩、可愛かったなと思いつつゴロゴロしていると0時を過ぎた直後にドアがノックされる。ドアを開けるとそこにいたのは頬を真っ赤に染めた湊先輩であった。
「今夜も……いいかな?」
「当日っ!?」
驚く僕を余所に湊先輩は部屋に入り込んでドアの鍵を閉める。彼女からはちょっと汗の匂いがする。どうやらタルタロスの探索後らしい。……大丈夫なのだろうか?今更だけど、心配になってきた。