※この作品はR-18です。

P3Pin女番長 ~if~   作:甲斐太郎

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P3Pin女番長 時間軸 9月―ハーミット戦の前に 


総司「僕と、もう1人の僕」

総司くんが叔父家族のピンチを救うために出かけて早2週間経った。

 

明日はついに大型シャドウとの決戦が行われる満月である。明日は土曜日で半日授業があった後は大型シャドウ戦に備えて、寮で待機することになっている。正直、総司くんの料理なしで戦うのには不安が残る。だけれど、間に合わなかったのだから、仕方がないと諦めるのも必要だよねと思っていたら、携帯に着信があった。しかし、電話ではなくメール。

 

「あっ、総司くんからだ。えっと、『もうすぐ巌戸台駅に着くから迎えにきてくれませんか』ね。ここら辺はやっぱり、まだ子供よね」

 

と、その時の私は気付いていなかった。普通の一般人が知ることのない狭間の時間がもうすぐそこまで迫っていたことを。

 

 

◇◇◇

 

 

総司くんのメールを受けて巌戸台駅に迎えに行く。すでに人通りはまばらであり、私は誰ともすれ違うことなく駅前広場についた。携帯電話のディスプレイを開いて確認すると『着きました』というメールが2分前に届いていたことを知る。私は周囲を見渡しベンチに座っている総司くんを発見した。

 

「おかえり、総司くん」

 

「はい。ただいまです、湊先輩」

 

「ちょっと、私の方が遅かったね」

 

「いえ、僕の方こそすみません。女性である湊先輩にこんな夜更けに迎えを頼んでしまって」

 

「ううん。気にすることはないよ。……私は嬉しかったよ、帰ってきた総司くんに最初に会えたのが私で」

 

「湊先輩」

 

これってすごくいい流れじゃないかな。

 

頼れるお姉さん的な雰囲気から大好きな恋人に甘える女性のような感じにうまく持って行けたと思う。こういうギャップに男の子は弱いんだよね。よーし、このまま。と思ったら、手を取られ引き寄せられると同時に唇を奪われていた。駅前のベンチでキスとか、恥ずかしいけれどアリだなぁと思っていたら総司くんの手が私の胸へと伸びて来た。

 

いや、さすがにこれ以上はダメと総司くんに抗議しようと思ったら、総司くんの肩越しに棺桶が見えた。視線だけを動かして周囲を確認するとバス停に座っていた人や自動販売機の前にいた人たちが皆、象徴化していた。

 

「ぷはっ……。影時間?」

 

総司くんの胸板に手を置いて、しつこくキスしようとする総司くんから唇を離す。総司くんは自然なことのように触れていた私の胸から手を離すと両手首をしっかりと握って逃げられないようにすると私とキスをするために閉じていた両眼の瞼を開けた。

 

左目は普通の色だが、右目は影時間に浮かぶ月の様に妖しく金色に光り輝いていた。

 

「明彦先輩から連絡がありました。僕に適正があって影時間内を自由に行動できるようになったことは聞きましたよね?」

 

総司くんは私を自分の方へ引き寄せると抱きしめた。そして、すぐに右手を背中に左手は私のお尻を弄るように動く。

 

「ひゃんっ……。う、うん。驚いたよ」

 

「恐らく僕のペルソナを呼び覚ましたのは湊だよ。夏祭りの夜のアレが原因だと思う」

 

私の脳裏にやってしまった黒歴史が思い浮かび上がる。あの夜、総司くんが受け入れてくれなかった場合、私は痴女としてあの寮にいる全員から指を差されていた可能性があった。妹分な優ちゃんから冷めた目で「不潔」とか言われていたら私は間違いなく死んでいただろう。

 

「そ、そうなんだ。ところで総司くん、がっつり揉んでいるんだけれど?」

 

「いやだなぁ、湊。僕が君の事をこう呼ぶときはどんな時かは知っているよね。もう寮では出来ないと考えた方がいいから、機会を窺っていたんだ。影時間なら誰にも見られる心配がないしね」

 

いや、だからといっていきなりお外では私には難易度が高過ぎる。影時間で誰もいないとはいえ、いつも通学に使うこんなところでしてしまったら、私は毎朝ここを通る時にイタしたことを思い出して悶絶することになるだろう。どこか良いところはないかと周囲に対して必死に目を凝らす。

 

「せめて、人の目が気にならない場所でして。……お願い」

 

「じゃあ、長鳴神社でいいですか?」

 

何が『じゃあ』なのか分からないけれど、たぶん大丈夫。刑死者コミュの舞子ちゃんは引っ越してしまってもういないし。学業成就のお参りをするだけだし、たぶん大丈夫だと思う。

 

「湊、5秒数えて。僕がマジックを見せるよ」

 

「え?」

 

総司くんの言っていることはよく分からなかったけれど、5秒くらいならと目を閉じて数える。空気のにおいが変わったなと思い、瞼を開けるとそこは象徴化した棺桶がいくつか見られた駅前広場ではなく、象徴化した棺桶ひとつない長鳴神社の境内であった。

 

「って、ええぇーっ!!」

 

舞子ちゃんと遊んだジャングルジムや滑り台、格式ある神社の建物など、見慣れた長鳴神社であることは間違いない。5秒で駅から遠く離れた長鳴神社に一瞬で移動したっていうの?どうやって、どんな方法で?私がそんな風に考えていると総司くんが前に立った。

 

「湊の希望通り、長鳴神社に移動したよ。じゃあ、選んで。神社裏の林の中でするか、ここでするか」

 

「何その究極の二択!?」

 

「あのね、湊。君は9月1日の夜中に絶頂してすっきりしたかもしれないけれど、僕は2週間していないんdへぶぅ!!」

 

私の右手が咄嗟に動き、総司くんの頬に張り手が炸裂した。自分でも何で張り手をしたのか分からないが、罪悪感はない。

 

「うわっ……ごめんね、総司くん。自分でも何でビンタをしたのか分からないの」

 

「いや、いいんです。記憶として覚えていなくても身体はちゃんと覚えていたっていう話だけですから。それに今の湊先輩の一撃で、僕の“もう1人の僕”も引っ込んだみたいですし、丁度よかったです」

 

見れば総司くんの右目が金色ではなくなっていた。だけど、視線を下に向ければとある一部がパンパンになっているのが分かる。すると総司くんが右手で三本指を立てる。

 

「湊先輩、さっきの質問の続きです。神社裏の林の中でするか、この境内でするか、賽銭箱の奥にある拝殿で神さまに見られながらするか。どこにしますか?ちなみに拝殿だと片付けがちょっと面倒なことになりますけれど」

 

「……林の中でお願いします」

 

狐の置物がおいてある摂社の横を通り、神社の裏に回る。

 

巌戸台という町は建物と自然がほどよく調和しており、神社裏の林も整備されている。私のイメージでは雑草が生い茂っている感じだったのだが、結構拓けているところもあり、ゴミなども落ちていない。その拓けた場所のひとつに総司くんが背負っていたリュックサックを下ろして、中に入っていた衣服を土の上に敷き始めた。最後にバスタオルを敷けば、一畳分くらいのスペースが確保される。今夜はここで抱かれることになる。

 

「湊先輩。僕も本当は外でなんてしたくないです。けど師匠も明彦先輩も気配には敏感だし、アイギスさんは高感度センサー搭載で漂っているだけの蚊も見逃さない監視能力を持っている。そんな超人たちが住んでいる寮のどこで出来ますか?かといって白河通りのホテルなんて、行っていることが分かれば一発で退学ですよ。かといって郊外に遠出するにも僕は寮のごはん作りという使命がありますし」

 

「……うん。贅沢は言っていられないことは分かっているよ。それによくよく考えれば、影時間ならどんなに大きな声で喘いでも大丈夫だもん」

 

「湊先輩、不甲斐ない僕を許してください」

 

「総司くん……」

 

私は総司くんが用意してくれたスペースに靴を脱いで腰を下ろす。総司くんもまた靴を脱いで私に対面する形で座ったが、すぐに膝立ちになると私の肩に手を置いて唇同士が触れ合うだけのキスをする。

 

あれ、いつもだったら私の舌を絡め取るくらい激しいものをするのにと薄く瞼を開けると、総司くんは顔を完熟したリンゴのように真っ赤に染めていた。そして、神経質なほどに周囲をキョロキョロと確認すると再び顔を近寄せてくる。恥ずかしい思いをしているのは私だけと思っていたが、総司くんもまた外でするのには抵抗があったようだ。小鳥たちが嘴をくっつけ合ってお互いを確認するような短いキスの応酬に私の方が我慢できなくなった。

 

『ちょんちょん』と短いキスをするだけで中々先に進まない総司くんの後頭部を両手でがっちりとホールドすると私は自ら舌を挿入し、彼の口腔内を蹂躙する。逃げ回る総司くんの舌を捉えて、追い込んで絡ませる。『ポタポタ……』とお互いの口の端っこから零れ落ちた唾液が敷かれたバスタオルを濡らしていく。

 

十分かなと思い唇を離すと、透明な橋が私と総司くんの口を結ぶ。トロンとした潤んだ瞳で見上げてくる総司くんを見て、私の下腹部が熱を帯びていく。私は膝立ちになっていた総司くんを押し倒して彼が着ているシャツを捲くりあげると、鍛え上げられ綺麗なラインを見せる腹筋や胸筋を舐めるように舌を這わす。

 

その間、私の左手は総司くんのジッパーをおろし、トランクスを掻き分けて彼の肉棒を取り出した。むあっとむせ返るほどの濃い雄の匂いに頭がくらくらとする。夏祭りの後の夜に見た時と大分印象が違うように感じる。私を気持ち良くしてくれる、愛おしい男の象徴。私に忌避は無かった。元々なかったけど。

 

私は総司くんとキスをした唇を使って、彼の逞しい肉棒にキスの雨を落とす。キスをひとつ落とすたびに『ビクンッ』と反応する彼の肉棒。私は根元を両手で掴んで支えると同時に口に含んだ。男の人のコレは歯が当たると急激にやる気を失う。私は上の歯を上唇で、下の歯を舌でカバーするように動かし、気をつけながら総司くんの肉棒を咥える。ぷっくりとした亀頭を唇ではむはむと甘噛みするように動かすと総司くんの肉棒が振るえ、口の中に大量の粘り気のある液体が注がれた。

 

「けほっ……けほっ……」

 

両手をくっつけてお皿のようにした後、口の中に注ぎ込まれた液体をすべてそれに吐き出す。総司くんは腰砕けになったのか両手で顔を隠して、悶えているが肉棒は1回出したにも関わらず、萎えることなく聳え立っている。私は口の中に残っていた総司くんの精液を舐め取り、集めてゆっくりと味わった後こくこくと飲み込む。

 

手の受け皿に吐き出したままになっていた精液に視線を落とすと、総司くんが見ていた。私は彼に向かって笑みを向けると、受け皿をそのまま口の近くまで上げて、『ごくっごくっ』と喉を鳴らして全部飲み込んで、手と唇に残るようについていた分まで全部舐め取った。

 

「えへへ、ごちそうさま。総司くんの赤ちゃんの素、全部飲んじゃった」

 

「湊先輩……」

 

総司くんの手がリュックサックに伸びる。だが動きはひどく緩慢としていたので、私が先にリュックサックを取る。見れば中には新品のコンドームの箱があった。私はリュックサックの中で箱を包装しているフィルムを荒々しく破り捨てると、箱を開けてコンドームの束を取り出す。

 

そして、包装を縦に破りローションに塗れた新品のコンドームを抓んで取り出す。コンドームを包んでいた包装を後方へ放り捨てた私は、いきり立つ総司くんの肉棒に自ら装着すると、びしょびしょになったショーツのクロッチ部分を横にずらし、総司くんの肉棒を握って一瞬の内に跨った。

 

 

◇◇◇

 

 

「…………」

 

「げ、元気出してください、湊先輩。僕、もの凄く気持ちよかったですから」

 

「…………」

 

「今度する時は、ちゃんと僕がリードしますから。場所もどこか考えておきますから、ね。元気出してください」

 

「…………」

 

俯いたまま反応しない私を見て、隣を歩く総司くんが肩を落とした。彼は気にしていないようだが、私の脳裏は自己嫌悪でいっぱいだった。今日の私と総司くんのエッチは完全に襲う女と襲われる男の子であった。がっつき過ぎでしょ、私!自重しろよ!

 

あ、穴があった埋まりたい。むしろ、埋めて欲しい。先ほどまでの行為を思い返すだけで、顔から火が噴き出るように熱くなる。総司くんも私にビンタされるまではヤル気に満ちていたのに、ビンタ後は普段の総司くんだった。いい意味で優等生な、悪い意味でいい子ちゃんないつもの彼。

 

「ねぇ、総司くん。エッチする前に言っていたよね、『もう1人の僕』って。あれってどういうことなの?」

 

「えっと、僕のペルソナの話は聞かれましたよね。今まではずっと僕の心の奥底で眠っていた彼がたたき起こされたことで、影時間を行動できるようになりましたが、どうやらそいつは普段僕が意識しないようにしてきたことを溜め込んでいたみたいで。彼が意識の表面に出てくるとやけに嗜虐心が高まったり、苛めたくなるみたいなんです。今は辛うじて湊先輩だけがターゲットになっています」

 

「か、辛うじてって、何だか嫌な予感がするんだけれど」

 

「はい。もう1人の僕は女なら誰でもいいみたいなんです。寮で言えば岳羽先輩や山岸先輩、八十稲羽市ではゆっきーやちえきち辺りがやばかったです。でも僕が湊先輩を求めて止まないので、もう1人の僕がしたいことが全部、湊先輩に向いているんです」

 

「……参考までに聞かせてくれるかな。総司くんが私とやりたいって思っていること」

 

「え、アナ……。えっと、全……。ラブラブエッチです」

 

「言いかけたことは何なの!?私は何をされちゃうの!?」

 

「大丈夫です。やりたいプレイのひとつだった『お姉ショタ~君は私の玩具編~』は今夜できましたから」

 

「やっぱり、そういうプレイがあるんだ!ちょいちょい、私の嗜虐心を煽る言葉を漏らしていたけれど、あれは演技かっ!」

 

総司くんが足を止めたので、私が急いで振り返ると、右目を金色に爛々と輝かせた彼が立っていた。

 

「結局のところ“もう1人の僕”は飾らない僕自身なんです。普段は理性や周囲からの視線で我慢していることを、やりたいと思ったことをそのまま行うことができる素直な僕自身。湊が僕をこんなにしたんだ、責任は取ってくれるよね。じゃないと……」

 

総司くんの口から放たれた最後の言葉は私が一番聞きたくないものだった。

 

私は咄嗟に胸を押さえる。苦しい、もしもそんなことになったらと思うと涙が止まらなくなる。

 

「大丈夫ですよ、今回の一件でもう1人の僕は満足したみたいですので。彼がこうやって干渉してくるのは暫くの間、性交渉がなかったからです。今回は伯父家族のこともあったので仕方がありませんでした。それに僕は湊先輩以外に手を出すつもりはありません。だから、湊先輩。安心して下さい」

 

「……総司くん」

 

私に向かって頭を下げた総司くんの身体を起こして、正面から抱きつく。背中に手を回し彼の首元に顔をこすり付ける。そんな私を総司くんは優しく撫でてくれるのだった。

 

 




没ネタ

影時間という特殊な時間。ほぼ満月に近い形をした月が妖しく光り輝く中、道端で抱きあう一組のカップル。女性の方はポロポロと嬉しさと悲しみを混ぜ合わせるような複雑な表情を浮かべながら最愛の彼の身体に縋りついている。抱きつかれている男の方は女性の頭や背中を優しく撫でているが、その表情は陰になっていて確認できない。だが、抱き合っている女性に聞こえないくらい小さな声で男は呟いた。

「……計画通り」ニヤリッ






嘘です。

[映画『DEATH NOTE』の続編放映まで残り4日ですね。楽しみです]
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