P3Pin女番長 ~if~ ペルソナQ エロ版
・毎日がハッピーな湊が大好きな総司と一緒に、“総司”という存在がいない世界の湊や優がいるペルソナQの世界に迷い込む。
・泣き叫ぶこの世界の湊を見て、気持ちを察した湊は総司にお願いをする。『この世界に居る間はこの世界の自分も一緒に愛して欲しい』と。
番外編①『僕と彼女と“もう1人の彼女”』
季節はずれの台風の到来で濡れ鼠となって帰って来た湊先輩は案の定、風邪を引いてくれた。僕は彼女の看病する役を自ら買って出て、アイギスさんと一緒に身の回りの世話を焼きつつ、機会を窺ってようやくチャンスを手に入れた。
湊先輩自体が風邪を引いた自分を看病してくれる存在に幸福感を感じ、『ほにゃっ』とした柔らかい笑みを見せる。そして、甘い果物が食べたいという湊先輩の願いを聞くために、夜中であるにも関わらずアイギスさんは買出しにオルギアモードも使用した全速力で向かう。
意図せず2人きりになった僕たちは自然なことのように唇を重ねる。触れるだけの短いキスであったが、湊先輩の顔は風邪の熱とは別の意味で上気している。すると、ぼんやりとした笑みを浮かべていた彼女が呟く。
「ああ、幸せだなぁ。前は、ずっと1人でいるしかなかったから……」
「湊……」
「こんな気持ちで私がいられるのは、やっぱり総司くんが傍にいてくれるからだよね。大好きだよ、総司くん……んっ」
素直な気持ちを吐露した湊先輩が可愛過ぎて、僕は告白し終えた彼女をベッドに押し倒して唇を奪う。風邪による熱によって掻いた汗で湊先輩の身体に張り付いた形になったパジャマの下に手をもぐりこませる。
いつもはすべすべとした肌であるが、今日は彼女の汗でベトベトしているが不快感はない。むしろ舐めて、綺麗にしたいと思う。僕はパジャマの下にもぐりこませていた手を引っ張り出して、湊先輩のパジャマのボタンに手をかける。プチプチとひとつずつボタンを外す度に心臓の音が高鳴る。見れば湊先輩も潤んだ瞳で僕の姿を捉えている。
ボタンを外し終えたパジャマを開くと同時に露わになった湊先輩の白い肌は、風邪の熱とこれから行われることに対しての期待感からか薄く桃色に染まっている。僕は迷わず湊先輩の肌に舌を這わせた。
「ひゃん……くっ……ふぅ……はぁん……」
僕は性感帯を避けるようにしてお腹の上や鎖骨、首下を舐める。パジャマの上着を脱がして二の腕や指先を舐めて、彼女に両手を上に上げさせると腋に顔を埋めた。そして、湊先輩の腕の肉の感触と匂いに包まれながら、一心不乱に彼女の腋を筋に沿って舐めたり、啜ったりする。湊先輩は指を噛んで腋を舐められて出てしまう喘ぎ声を我慢していた。僕はその姿を見て、悪戯心から彼女をベッドに押し倒すと両手首をしっかりと左手で握って固定し、舐めていない反対側の腋に顔を埋めた。
「やだぁ……こえ、でちゃう……き、きもちいいのぉ……もっとぉ……」
そんな湊先輩の声を聞いて、息子が反応しない訳が無い。ビンビンにエレクトしてしまっている。僕は湊先輩の上半身を起こすと背後に回って、彼女の耳たぶを口に含んで甘噛みしつつ、両手をそれぞれ胸に当ててマッサージするように揉む。
下乳を揺らすように。
上乳を撫でるように。
張りと弾力が丁度いい湊先輩の胸を、感じさせまくって搗きたての餅みたいな柔らかさになるまで。無論、僕の口は耳を甘噛みだけするのではない。湊先輩のうなじにキスしたり、舌で肩叩きするようにリズムよくトントンと動かしたり、彼女が背後にいる僕に顔を向けてきたら互いの舌を絡ませる大人のキスをしたり。
「あぁ……し、あわしぇ……わたし。総司くんと……であえて……よかった」
僕の身体に脱力しながら凭れ掛かりつつ、そんなことを言う湊先輩。僕は胸に当てていた手を彼女の頭に持っていって優しく撫でる。
「総司……くんと……であえない、人生なんて……かんがえられない……そんなのわたしの生きる……意味ない」
湊先輩は僕の抱擁から離れると向き直って、僕の腕の中に飛び込んでくる。そして、胸板に頬を摺り寄せて、背中に手を回してぎゅっと抱き締めてくる。僕も湊先輩の身体を自分の身体に密着させるように抱きしめる。僕と彼女の距離が限りなくゼロになる。僕と湊先輩の視線が合う。僕たちは貪る様に激しいキスを交わした。
◇◇◇
気付けば僕は月光館学園の制服を着て青い部屋で横たわっていた。腕の中に湊先輩がいることを確認すると、ほっと安堵の息が漏れ出る。視線を感じたため、そちらに視線を向けるとペルソナ4のベルベットルームに現れるアルカナが女帝の美女・マーガレットと八十稲羽市の神さまでもあるマリーがいた。2人の様子は対照的だ。マーガレットは冷静に涼しい顔をしているし、マリーは真っ赤になった顔を両手で覆いつつも指の隙間から抱擁している僕たちを見ている。
「あ、あの……ここは?」
「気がついたようね。歓迎するわ、並行世界のお客人。ここはベルベットルーム、少し普段とは様相が違うけれどね」
マーガレットさんは眉ひとつ動かすことなく、そう答えた。
変な返答の仕方だなと思いつつ、僕は湊先輩を抱き締めながら身体を起こす。すると、マーガレットとマリーの後ろに大きな扉があることに気付く。しかも頑丈な鎖で巻かれている上に大きな錠が掛けられている。僕はこの扉がどこに続いていて、この世界がどうやって作られたのかまで知っている。残っている鎖の種類は3種類。つまり、今は第2の迷宮である『ごーこんきっさ』の攻略中という訳だ。
「う……ううん。すんすん……あはっ、総司くん。おはよ」
湊先輩は僕の腕の中で朝を迎えられたと思い、『ほにゃっ』とした僕にしか見せない笑みを浮かべて挨拶をしてくる。完全に愛する男性を見るような柔らかでありつつ艶のある女の貌を見せる彼女は普通に綺麗だと思ったけれど、場所とギャラリーを考えて欲しかった。
指の隙間から僕たちの様子を見ていたマリーの頭の容量を超えたようで、顔を茹蛸のように真っ赤にしてその場から立ち上がりつつ奇声を上げる。
「ひゃあああっ!?」
「きゃっ!?え、何ここっ!?って、ベルベットルーム!?って、君たち誰なの!?」
痴態を見られた湊先輩もプチパニックを発動。久しぶりだな、これ。と僕が感慨深く見ていると、マーガレットが『ぱんっ』と手を叩いた。おかげでパニック状態に陥っていた湊先輩とマリーが動きを止めて、壊れたブリキ玩具のように『ぎぎぎ』と恐る恐るといったように顔をマーガレットに向ける。
「彼を見習ってお座りなさい」
「「……はい」」
湊先輩は僕の隣に、マリーはマーガレットの隣に座る。それを確認したマーガレットは僕をまっすぐ見据えて声を掛けてきた。
「彼女たちと同じように取り乱すのが普通ではなくて?」
「パニックになっても意味がありませんし、僕もペルソナ使いですから。こういったところに来るのは初めてですが、貴女と青い帽子を被った彼女が過ごしている時点で人体に害は無さそうでしたし、慌てる必要もないかなと」
「……。私のお客人に通ずる冷静さ。貴方の姿を見てからというもの、胸の高鳴りが抑えられないわ」
「恋人は間に合っています」
「あら、つれないわね。ふふっ、……冗談よ」
ぎゅっとした感触があったと思ったら、湊先輩が僕の右腕を抱き締めつつマーガレットに対して猫のように『ふしゃーっ!』と威嚇していた。僕は思わず彼女の喉に手を当ててゴロゴロする。為すが儘だった湊先輩は抱き締めていた右腕を離して、僕の胴体に密着するように座りなおす。そして、僕の胸に頬ずりしながらマーガレットを睨みなおす。
「ねぇ、マーガレット。この子って、彼女と同一人物だよね?」
「存在としては、その通りよ、マリー。けれど、在り方がまったくの別人ね」
2人の会話を聞いて嫌な予感がした。僕の考えが正しければ、この世界はペルソナQの世界であり、ペルソナ3とペルソナ4のキャラクターたちが協力して、迷宮の謎を解き、この世界の真相を晴らして元の世界に戻る。ひとつめの錠が外されているということは、この世界にはすでにペルソナ3の主人公組とペルソナ4の主人公組が存在している訳で……。
しかも、マリーは今、湊先輩を見て『彼女と同一人物』と表した。ということは、この世界には湊先輩がもう1人いるということだ。波乱が無い訳が無い。それともうひとつ確認しなければならないのは、マーガレットの客人でありペルソナ4の主人公についてだ。
「マーガレットさん、でいいですか?」
「ええ。それで、どうかしたのかしら?」
「先ほど、僕の受け答えが自分の客人に通ずるものがあると言っていましたが、どんな人物なのですか?」
マーガレットは僕の質問を聞き、瞼をぱちぱちと瞬かせ金色の瞳をきらりと輝かせる。まるでおバカなマリーの相手には、ほとほと飽きていたのと言わんばかりの表情である。
「どんな人だと、貴方は思うかしら。まずは貴方の意見を聞かせてくれる?」
隣にいる湊先輩と正面にいるマリーがぎょっとした。与えられた情報は限りなく少ない。そんな中でどんな答え方をするのかとマーガレットは楽しみにするように舌なめずりしている。
「まず性別は、女性」
「ええっ、どこで分かったの!?」
「……マリー、黙りなさい」
「イエスマム」
僕が性別を言うとマーガレットさんの瞳が揺れ動き、マリーが驚愕した。そのことによって、彼女の肯定の仕草が分かった。マリーはマーガレットに怒られてしょんぼりとしつつ、ソファに座りなおす。
「どんな時でも自分の意見を押し通す強さ、自分の周りが騒いでいても冷静であり続ける豪胆さ、そして仲間を率いるカリスマ性がある人物。女性にこんな称号をつけるのはどうかと思いますが、言うならば『女番長』っていうところでしょうか」
「うわぁ、優のことをばっちり言い表したよ」
「はぁ……。お見事です。限りなく短い時間、少ない情報からよくぞ、私のお客人がどういった人物であるのかを見抜かれました。何かご褒美をと思うのですが」
ご褒美と聞いた瞬間、湊先輩が僕の身体を抱き締めている腕に更に力を篭める。自分とはベクトルが違う美人の登場に湊先輩は混乱しているようだ。
しかし、ぎりぎりと骨が軋むような抱きしめ攻撃をされたままでは、話が進まないので僕は湊先輩の攻撃を止めさせるために彼女の顎に手を当てて上を向かせると唇を奪う。ぴちゃぴちゃと舌が絡まり合う音が漏れる。僕を抱き締めていた湊先輩の手は宙を彷徨い。僕はソファに彼女を押し倒しつつ、口腔内を蹂躙。いつも以上に念入りに行い、唾液の交換まですると緊張して強張っていた湊先輩から力が抜け落ちる。彼女の唇から自分のを離すと、僕と湊先輩の唾液が混ざった透明な液体で橋が掛かり、それがぷっつりと切れてだらしなく口を開けたままになっていた彼女の口の中に消えていった。
「で、何の話でしたっけ?」
と、マーガレットとマリーへ視線を向けると2人揃って、とある方向に指差していた。その指が指し示す方向へ視線を向けると、顔を真っ赤にした山岸先輩と久慈川りせの姿があった。
2人の顔は完熟したリンゴのように真っ赤に染まっている。どうやら、僕が湊先輩を押し倒し、イカせて脱力させてしまうほど強烈な大人のキスをしていたところをばっちりと見ていたらしい。
2人は踵を返してベルベットルームから出て行った。やっちまったと思いながら、マーガレットとマリーに視線を向けると2人揃って僕を憐れむように十字を切っていた。
◇◇◇
「ま、マジかよ……」
「風花たちが言った通り、湊がもう1人いる……」
順平さんと岳羽先輩が2人並んだ湊先輩をまじまじ見ながら言う。アイギスさんも区別がつかないように視線をどちらの湊先輩にも向け首を傾げ、床にお座りしているコロマルに尋ねる。コロマルは、僕の顔をじっと見ると1回だけ吼える。その言葉をアイギスが翻訳した。
「なるほどなー、『右側の湊さんからは男の匂いがする』ということでありますか」
アイギスのコロマルの言葉の翻訳内容を聞いた数人が噴出した。ちなみに僕の湊先輩は頬を桃色に染めて『やぁん』と声を上げる。同じ湊先輩なのに、ひとつひとつの仕草が違うことに戸惑う面々。
「な、なぁ。お前は自分と一緒にいた結城さんがどっちか分かんのか?」
学ランを着たオレンジ色の髪の少年、花村陽介が声を掛けてきた。僕は勿論という風に大きく頷くと、後ろを向かされる。正面には強面で体が大きな巽完二が前に立つ。そっか、この完ちゃんは僕を知らない彼なのかと思いつつ、眺めていると背後から花村くんに声を掛けられた。
「さぁ、どっちだ?」
花村くんが腕を向ける先には、同じ格好をした湊先輩たちがいたのだが、一目瞭然だった。本人たちには酷だから言わないけれど、この世界の湊先輩の目って、瞳の奥が伽藍堂のように無機質で何の感情も伝わってこないのだ。対して僕の湊先輩は瞳の奥に好きっていう感情が表れすぎている。立っているだけでもオーラが出ているのだ。
「左g」
「当たりだよ、総司くん!!」
『ぴょーん』と僕の胸に飛び込んでくる湊先輩を受け止める僕を見て、真田先輩がギラリと目を輝かせる。羨ましいとかそう云った感情ではなく、勢い付いた湊先輩を何事も無くその場で受け止めた行為自体に関心を持った様子だ。
そんな中、沈黙し続ける存在が2人いる。桐条先輩と、この世界の優である。前者はともかく、後者は僕の名前が『総司』ということを知って、何故だか僕から視線を逸らした。何か事情があるようだ。
「改めて自己紹介するね。私は月光館学園高等部2年の結城湊です。特別課外活動部のメンバーを率いて、影時間の謎を解くために日夜タルタロスに挑んでいます!隠しようがないから言っちゃうけれど、総司くんとは大人のお付き合いをしています」
「僕は月光館学園の鳴上総司です。湊先輩や他の先輩方と一緒にシャドウと戦っています。得意なのは味方全員の攻撃力や防御力を上げる補助スキルと、敵味方の時間の早さを操作するスキルを持っています」
自己紹介を終えた僕たちに飛び交う色々な質問。そんな中、気になったのはやはり優のことだった。
「あの鳴上さん」
「ん?優でいいよ、同い年っぽいし。換わりに私も総司くんって呼ぶし」
「じゃあ、優さん。僕の名前に聞き覚えがあるんですか?」
「……まぁね。私も詳しく聞いたことはないんだけれど……。私ってお母さんのお腹の中では双子だったらしいんだ。けれど男の子の方は生育不良で命になる前に死んじゃったみたい。それでその総司っていう名前は生まれてくるはずだった私の兄につけられる名前だったの。だから懐かしくてね」
なるほど、僕の転生のメカニズムの一端がわかった気がする。元々あった総司という人格を潰してしまったのではないかと思っていたのだが、死んでしまった男の子の身体に命を宿したものに僕が入ったということなのか。僕は優に向かって微笑む。
「そっか、良かった。僕にも優っていう名前の双子の妹がいるんだ。見違えるくらい綺麗になっていたから、もしかしたら赤の他人なのかなって、構えちゃっていたけれど本当によかった。僕の妹の優も貴女みたいに綺麗に成長するのかな?」
「……え?」
僕の目の前にいた優が戸惑いの声を上げた。どうしたのかを尋ねようとすると、周囲の視線が僕ではなく後ろに向けられていることに気付く。
振り返ると、この世界の湊先輩がポロポロと大粒の涙を流しながら、嗚咽を上げていた。
そして、塞き止められていたダムが崩壊したように叫んだ。
「……ど、して……うして!……どうしてっ!……どうして、私の傍に貴方がいないのっ!!貴方の傍にいる私は幸せそうなのにっ!私はなんでこんな辛い思いをしないといけないの!!もう嫌なの!戦いたくないの!死ぬ思いをしたくないの!毎日生きているのが辛くて、でも誰にも相談できなくて!頼られるばっかりで頼らせてくれる人がいなくて!苦しいの!痛いの!身体も、心も!私の傍にいるのはただの同居人よ!優ちゃんたちみたいな仲間じゃない!ただそこに集まっただけの集団なの!!ねぇ、どうして?どうして、私の傍にいてくれないの?彼女にはあって私にないものって一体なんなのっ!!」
激しい喜怒哀楽が篭められた湊先輩の心の叫びを聞き、先輩方の表情が歪んだ。自分たちのことが酷く言われたことによる怒りではなく、心優しい湊先輩にそう言わせるほど追い詰めていた自分たちの言動に対する遣る瀬無さが垣間見えた気がした。僕の傍にいた湊先輩がこの世界の湊先輩に近づいていって正面からぎゅっと抱き締める。
「分かるよ、その気持ち。私はチャリオットとジャスティスとの戦いで瀕死の重傷を負った後、どうして自分だけがって世界を呪った。けれど、私には頼れる人がいたの。精神的におかしくなっていた私をありのまま優しく包んでくれる人が」
そう言った湊先輩と、嗚咽を上げ続ける湊先輩の視線が僕に向かう。すると、僕の湊先輩が嗚咽を上げ続ける湊先輩にごにょごにょと耳打ちする。初めは頷いていただけであったが、急にリンゴのように赤くなったのを見て、これはまさかと思う。頬を引き攣らせながら僕は2人の湊先輩に近づく。すると、他の人たちに聞こえないくらい小さな声で禁断の言葉を呟いた。
「総司くん。とりあえず、『時間停止』した世界で、私と彼女と総司くんの3人でしよっ」
「…………」
何故か意気揚々の湊先輩と、泣き腫らした赤い目で僕を見上げてくるこの世界の湊先輩。まぁ、夢にまでみた3Pのチャンスだし、楽しませてもらうつもりだけれど、まさか湊先輩を2人相手することになるなんてね。
僕は意識を集中して、自身のペルソナであるクロノスを呼び覚ます。その直後、2人の湊先輩の肩に触れながら『ストップ』と呟いて僕たち以外の全ての時間を停止させるのだった。