桐条グループが運営するリゾートプールへ遊びに行くのを明日に控えた影時間、『今日はしっかりと休んで明日に備えよう』と笑顔で皆に告げた湊先輩は現在、自室のベッドでタオルケットに包まり眠っている。しかし、呼吸もせず、身じろぎもしない、まるでマネキンのように固まっている。
それは何故か。
答えは簡単、僕は昨日覚醒したばかりの【クロノス】の力を使って時間を停めた上で3階の奥にある湊先輩の部屋に誰にも見られることなく入り込んでいるからだ。
前世の頃にお世話になった同人誌のように時間停止中に触られると、触られた感覚が残ることは明彦先輩や師匠たちで確認済み。幸せそうな表情で寝ている湊先輩には悪いけれど、僕のこの身体にエロを覚えさせたのは湊先輩だからと責任逃れ的な発言をしつつ、湊先輩の身体を覆っているタオルケットを剥ぎ取る。
湊先輩の寝巻きはこの寮に住んでいる女性陣の方々の中で防御力がワースト1位と言って良いほど低い。寝る時に窮屈だからとブラジャーをしないし最近ではノーパン説も浮上しているのである。
とりあえず、横向きだとしにくいので仰向けになるように転がす。ベッドをまな板に見立てると、正に今の湊先輩は鯉そのもの。僕はごくりと生唾を飲み込むと静かに両手を合わせて呟く。「いただきます」と。ひとつ問題があるとすれば、反応がないのが残念でしかない。
Tシャツの上から湊先輩の胸を揉む。彼女の胸は大体Cカップくらいの大きさで張りと弾力で揉みごたえは抜群である。湊先輩が感じるごとに柔らかさがプラスされていき、絶頂を繰り返す頃になると搗きたての餅のような感触になるのだが、今夜は張りと弾力が継続されている。
別に彼女が感じていないのではなく、時間が停止していることによる弊害である。触られた感覚があると分かるのはあくまでスキルを解いた後だ。さすがに反応を見るために1回1回スキルを解くというのを繰り返すのは精神力的に不可能だ。
僕の現在のレベルは75、SPはMAXで256しかない。クロノスの能力で使える時間停止のスキルは『ストップ』。SP消費量は現存する数値の半分。それにより僕の現在のSPは128だ。SPが10を下回るとひどい眩暈や吐き気に襲われることになる。よって僕が『ストップ』を使用できるのは4回が限度。
「とはいえ、一度反応を見たいという気持ちは事実だし。……今後の参考のために1回だけ」
その思考がすでに1回だけで済むはずがないというのをありありと示しているのだが、頭の中がピンク色に染まっていた僕には行動を制止させることができる理性はこれっぽっちも残っていなかった。とりあえず、湊先輩が飛び起きても姿を見られないようにクローゼットの中に隠れる。そして、隙間から湊先輩の様子が確認できるように体勢を整えた後、【クロノス】の『ストップ』のスキルを解いた。
「ふにゃあああああああ!」
最初はピクピクと身じろぎする程度だったが、次第に頬に赤みが差し、全身をモジモジさせたかと思うと大きな喘ぎ声を上げた。そしてベッドの上で身体を仰け反らせながら何度も絶頂し、その都度ジャージの股部分に大きな染みを作っていく。快感がピークに達したのか、力なくベッドに横たわる湊先輩の様子を見ていた僕の半身は天を貫かんばかりに勃起済み。
しかし、今夜はするつもりはない。今夜は実験と自分に言い聞かせつつ、クロノスのストップを再度発動。辺りが静まり返ったのを確認してクローゼットから外に出る。
蕩けた表情を惜しげもなく晒す湊先輩の痴態を見て、喉を鳴らして続けようと思ったが、先ほどの彼女の声は大きかったこともあり、誰かが起きてしまったかもしれない。そう思い、パパッと湊先輩を着替えさせ、タオルケットで包み直して愛液塗れになった彼女の寝巻きを抱えて廊下に出ると、アイギスさんが短距離走の選手のような綺麗なフォームをしたまま空中で止まっていた。
あの一瞬でここまで来るのかと戦慄しながら、湊先輩の部屋の鍵を合鍵で閉める。そして何食わぬ顔でアイギスさんの横を通り、2階のフロアの奥にある自分の部屋に入る。用意していたビニール袋にTシャツとジャージを入れて口を縛る。
そして、先ほどまで湊先輩の股に密着していた愛液塗れで濡れていないところは完全にないショーツは別のビニール袋に入れて、それぞれ学習机の引き出しに入れる。引き出しがちゃんと閉まったのを確認したところで、スキルを解いた。
直後、腹の底に響くような重低音の着地音と床を踏み抜かんばかり威力が加えられて痛がる建物の悲鳴のような音が上の階から聞こえてきた。そして、焦るような荒い手つきで開錠する音が聞こえてくる。僕は『今、起きましたよ~』と眼を擦る演技をしながら扉を開けて廊下に顔を出す。すると乾くんを除く、男子全員が廊下に出てきた。
「何の騒ぎですか?」
「分からん。誰かがベッドから落ちたにしては、“あの”開錠音はないだろ」
「つか、あんな音を出すのってアイちゃんしかいねぇっすよね」
「とりあえず、様子を見に上にあがりませんか?3人で行けば変な目で見られないと思うし」
「そうだな」
僕と順平さんと明彦先輩は並んで学生寮の女性陣の部屋がある3階へ上がる。すると一番奥の部屋の前でアイギスさんが正座状態で桐条先輩に叱られているのが見えた。見ればボサボサ頭の岳羽先輩や可愛い動物のキャラクターがプリントされたパジャマを着た優が小さく欠伸しながら見守っている。そして、湊先輩は桐条先輩の横で顔を真っ赤にしながらモジモジしていた。
「おい、美鶴。今の音はアイギスか?」
明彦先輩は階段部分から先に進まず、アイギスさんを叱っている桐条先輩に問いかける。キョロキョロと視線を動かす桐条先輩が階段から鼻から上の部分しか出さずに様子を見ている僕らに気付き、やれやれと言わんばかりの疲れた表情をしながら寄ってきた。
「元はと言えば湊が大きな声で叫んだのが原因なのだが、夢の内容にまではさすがに口に出せないだろう?」
「ん?俺たちには大砲が発射されたような重低音と金属を連打するような開錠音しか聞こえなかったんだが……」
「それなら、2つともアイギスの仕業だ。まぁ、許してやって欲しい」
しょんぼりと肩を落とすような仕草を見せるアイギスさん。僕は桐条先輩の後について近づいてきた湊先輩を見ながら、すこし意地悪な質問を投げかける。
「あれ、結城先輩、もしかして着替えましたか?服装が寝る前と変わっていますけれど……」
「そういや、寝る前は水色のTシャツじゃなかったか、湊っち」
「ズボンもジャージじゃなくなっているし」
「ふぁっ!?え、えっと……う、うん!今日は暑くなりそうだったから、ノースリーブと短パンに着替えたんだよ!」
顔を真っ赤にして言い訳をする湊先輩を見て、明彦先輩たちは明日も早いし戻るかと言って階段を下っていく。女性陣も各々部屋に戻っていく中、僕は湊先輩を呼び止める。
「結城先輩、ちょっといいですか?」
「うぅ~……4日してないだけであんな夢を見るなんて……。え、何、総司くん?」
「いや、まぁ、ちょっと……」
僕は部屋に帰ろうとしていた湊先輩に対して手招きする。
無防備にトテトテと近寄ってきた湊先輩を正面から抱きしめつつデニム調の短パンの隙間から手を入れる。その行為に硬直する彼女の顔はリンゴのように真っ赤に染まる。湊先輩の短パンの中に手を入れた僕は少し湿った短い毛を撫でたり、抓んだり、引っ張ったりする。湊先輩は僕の胸に顔を埋める。
「駄目じゃないか、ノーパンで短パンを穿くなんて。桐条先輩の横に立った時に穿いてないのが丸見えだったよ」
湊先輩の耳元で囀るように言うと潤んだ瞳で彼女は僕を見上げてくる。その姿に無性にいじめたくなったのだが、ここで暴走すると意味がないと理性で何とか欲望を押さえ込む。何せ、部屋には格好のおかずがあるのだから。
とは言っても、ここで燃焼不足気味な湊先輩を帰すとプールでの活動に支障を来たす可能性があったので、僕は彼女の短パンの中を弄っていた手を引き抜いた。そして、周囲を用心深く見渡し人の気配が感じられないのを確認すると蕩けた瞳で僕を見てくる湊先輩の目の前で着ていたTシャツを脱いだ。そして、脱いだTシャツに一度目を落とした後で彼女に手渡す。
キョトンとする湊先輩の顎をクイッと上げさせた直後、唇を奪った。ホンの1秒か2秒くらいの短いキスで骨抜きになった湊先輩はフラフラとした足取りで自分の部屋に帰っていった。勿論、胸元には僕が着ていたTシャツを持ったまま。
僕もしっかりとした足取りで自分の部屋に戻る。そして、後ろ手で部屋の鍵をかけると勉強机の引き出しにビニールに入れて仕舞い込んでいた湊先輩のショーツを取り出した。封をしていた結び口を解くと、雌の匂いが部屋の中に充満する。僕はビニール袋に手を入れ、湊先輩の脱ぎたてショーツを取り出すと準備万端の半身を反対の手で握る。あとは半身が満足するまで相手をすることにしたのだが……
気付けば朝日が昇る時間帯になっていた。
「太陽が黄色いや……どうしよう。……一睡も出来なかった」
ちらりと部屋の隅に置かれたチリ箱には大量の丸められたティッシュで山が出来ており、湊先輩の愛液塗れのショーツがどれだけオカズとして優れていたのか物語っていた。