※この作品はR-18です。

艦娘抱けるかな   作:狂猫病

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直情献身の高速戦艦、零れる清濁 *

 提督は目的の部屋のドアを開け、榛名に続いて入室した。

 閉めると、ロックの掛かる音がした。

 退室時に精算するまで外出不可という旨の注意書きが、ドアの内側に貼られている。『休憩』なので、最低2時間は室内に閉じ込められる格好だ。

 靴を脱ぎながら注意書きを眺めていた提督のすぐ後ろから、榛名の声がした。

 

「提督」

 

 振り返った、一瞬ののちだった。

 思いがけない勢いで、榛名が提督の胸へと飛び込んでくる。

 その細い腰を抱きとめた次の瞬間には、唇を重ねられていた。

 驚きのあまり、提督は声を出すことも、目を閉じて唇で応じることもできない。

 榛名は両腕を提督の首の後ろにまわすようにして、すがりついていた。

 閉じられた榛名の目が、提督の視界に大きく映っていた。かすかに揺れる睫毛の曲線が、並外れて美しい。

 榛名が唇を離した。

 

「提督……」

 

 榛(はしばみ)色の大きな丸い瞳が、まっすぐに見つめてきていた。

 提督は吸い込まれるように、今度は自分から唇を合わせた。

 柔らかな唇の間へ、試すように舌を挿し込んでみる。すぐに扉を開いて、応じてくる。

 意外な積極性だ。

 提督は驚きを覚えつつも、遠慮せず舌を遣った。

 口中から鼻腔までを満たしてくる匂いに、たちまち夢中になる。

 まぎれもない女の匂いだ。

 味わいながら、強く榛名を抱きしめる。

 細身に見えて、服の下にあるのは意外なほどに充実した感触だった。押しつけられる胸のふくらみも、腰から尻にかけての丸みのある曲面も、提督の男としての情欲を駆りたてるのに十分すぎるものだ。

 唇を離し、榛名の首もとへ鼻先を埋(うず)めて嗅いだ。

 求めている匂いだった。

 日中つとめて意識しないようにしていた、女の甘い肌の匂いだ。

 なめらかな首筋へ、提督は舌を這わせた。

 

「は……あっ……」

 

 わずかに首を反らすようにして、榛名が喘ぐ。提督の頭を抱きしめてきた。

 唾液に濡れた肌から、いっそう濃く榛名の匂いがたち昇る。

 止まれなくなっていた。

 もっと直接的な方法で、匂いの本質を感じたくなっていた。

 入り口近くの狭い通路で、榛名を壁へと押しつける。

 提督はしゃがみこんだ。

 榛名が、提督の肩を抑えるように掴む。羞恥の気配を含む、困惑の視線を向けてきた。

 提督は黙って見上げる。

 しばらくすると、榛名が眼をそらした。

 少し息を吸ってから、小声でつぶやくように言う。

 

「……どうぞ」

 

 羞ずかしそうに眉をひそめ、スカートの裾をたくし上げる。

 提督はもぐり込んだ。

 女の複雑な匂いが充満しきっていて、噎(む)せ返るようだ。

 黒いタイツの細やかな編み目に、白っぽい下着が透けている。

 提督は榛名の張り詰めた太腿を両手で抑え、タイツ越しに鼠径部へと頬をこすりつけながら、息を大きく吸い込んだ。

 鼻腔が、匂いで満ちる。

 湿っぽい熱気を、顔の肌全体で感じていた。

 匂いの源を追求する欲望が、いっそう強くなっていた。

 ストッキングごと下着を鷲掴みにし、腿の中ほどまで一気に押し下げる。

 榛名の女の部分が、露わにされた。

 蒸れきって濃厚になったものが、解放される。

 隠しようもなく発情した、雌そのものの匂いだった。

 

「提督、そこは……汚い、ですから……」

 

 スカート越しの頭上から、榛名が小声で言うのが聞こえた。内腿をぴったりと閉じている。

 懇願は拒否を示しているようでいて、同時にどこか甘えたような響きが感じられた。

 提督はスカートの外にある榛名の両手を手探りで掴み、壁に押しつけて封じた。

 暗い内側で、その部分へ眼を凝らす。

 榛名がすでに女の徴(しるし)を溢れさせている様子を、おぼろげに見てとることができた。

 垂れ落ちている、透明な一筋がある。

 下着のその部分の布地が、はっきりと濡れていた。

 そのさまを目の当たりにして、提督は獣めいた欲望を掻きたてられる。

 愛液の糸を舌で絡め取るようにして、秘部へと口唇をあてがった。

 びくん──と、榛名の腿が震える。激しく身悶えしたが、壁に押しつけられているせいで、逃げることはできない。

 顔をねじ込むようにして、内腿を割った。

 

「はっ……あ……あっ……」

 

 頭上から、押し殺した息遣いが降ってくる。提督は頓着せず、秘裂へ鼻先を突っ込むようにしつつ、舌を用いた。

 濡れて蕩(とろ)けている陰唇から、充血した核心にかけてを舐め上げる。

 肌そのものの甘さに、愛液の酸味が入り混じったものが、口中へと広がった。

 提督は性器全体を口で覆いつくすようにして、激しく吸いたてる。

 

「やっ……ん……そ、んな……」

 

 内腿をがくがくと震わせながら、榛名が声を漏らしていた。

 じゅるじゅると、ことさらに音をたてて啜(すす)り、辱めようと試みる。

 辱めるほどに、榛名はいっそう女を溢れさせてきた。

 

「あっ……ん……ふぁ……」

 

 榛名の声色と息遣いに、甘いものが交じるようになった。

 一度このまま極めさせるつもりだったが、張りつめた太腿にまで舌を這わせているうちに、提督は焦れてきた。

 早く、番(つが)ってしまいたくなっていた。

 充実した肉の狭間に、一刻も早く自分の剛直を埋め込みたくなっていた。

 そう意識しだすと、ただ奉仕を続けるだけでは我慢できなくなっていた。

 スカートの暗室から抜け出る。

 唾液と愛液で汚れた口もとを拭いながら、提督は立ち上がった。

 

「榛名」

 

 見つめながら、呼んだ。

 榛名が熱っぽく色づいた顔を向け、見つめ返してくる。

 提督は榛名の手を引き、硬直した股間の膨らみへと誘導した。

 布地越しに触れさせて、その手を上下させる。

 眼で問いかける。

 瞳を潤ませながら、榛名は強く頷いた。

 

「……お願い、します」

 

 言って、提督の硬直の形を確かめるように、その手を自分から上下させてくる。

 どちらからともなく、唇を重ねていた。

 舌を絡ませ合いながら、提督はベルトを外す。榛名の脚を大きく開かせようとしたところで、ようやく気がついて言った。

 

「下着が、邪魔だ」

 

 中途半端に下ろされたタイツと下着が、まだ膝上にあった。

 慌てた様子の榛名が躰を傾げ、器用に片脚を抜く。

 もう片方の脚も抜こうとするのを提督は制した。

 もう一瞬も、待っていられなかった。

 裸の片脚を小脇に抱えて歩を進め、榛名の股の間へ割って入る。

 引っ張り出した硬直器官を、濡れた柔肉の割れ目にあてがった。

 

「はっ──ん……!」

 

 繋がる瞬間、榛名がきつく目を閉じて息を詰めた。

 陰茎を包み込む熱の度合いと、その締めつけの強烈さに、提督は早くも達しそうになる。動きを止め、唇を噛んで堪(た)えた。

 榛名が目を開けて提督を見る。苦しげに顔を歪めつつも、精一杯の微笑みを向けてきた。

 

「提督……」

 

 より強く密着をせがむように、腰へと手がまわされる。

 提督は無言で衝(つ)き上げ、応えてみせた。

 

「は、あっ……」

 

 榛名が口を開けて喘ぐ。

 その口を、提督はみずからの口でふさいだ。ぬめった舌と舌がぶつかってこすれ合う音が、頭蓋の内側で響いた。

 腰を壁に打ちつけるようにして、榛名を衝き上げる。

 後先を考えている余裕はなかった。

 榛名の内側の、濡れた肉の柔軟さを、夢中になって求めていた。

 提督の躰と壁に挟まれて、榛名の躰がほとんど浮いている。

 両手で提督の首にしがみつき、榛名は言った。

 

「愛しています……提督」

 

 加減せず動き続けながら、提督はその言葉のひとつひとつの音をはっきりと聞いた。

 頭の隅が、冷えていくような感覚を覚えた。

 榛名が熱い息を提督の耳もとに吹きかけながら、続けて言う。

 

「榛名は、とても……しあわせで……」

 

 瞬間、一気に高まった快感が下腹を突き抜けていくのを感じた。

 提督はなかば反射的に、腰を引いていた。

 なぜか、逃げ出してしまっていた。

 外れた拍子に、撒き散らしてしまう。

 榛名へ躰を預けたまま、どくどくと吐き出すにまかせていた。

 心臓が早鐘を打っている。

 中空への射精が、しばらく続いていた。

 ひとまず出しきったところで視線を下に向けると、大量の精が榛名の脚とスカートの裏地に散っていた。

 腿の上を、白く濁ったものがのろのろとつたい落ちていく。

 放心しながら、提督は息をついた。

 頬へと、柔らかな唇があてられるのを感じた。

 優しい感触だった。

 

 

 ◇

 

 バスタオルを躰に巻いた榛名が、甲斐甲斐しく提督の躰を洗う。

 クリップで後ろ髪をくくり上げているので、どこか別人のような印象でもある。電(いなづま)の髪型に少し似ていた。

 浴室は透明なアクリルで仕切られているのみで、それを隔てた寝室側のすぐそこにはキングサイズの巨大なベッドが鎮座していた。

 洗い場と浴槽を合わせても二畳程度のこぢんまりとした浴室で、腰を下ろせるような椅子も無い。ふたりでいると、ひどく手狭に感じられる。

 スポンジの類が浴室内に見当たらず、榛名は素手でボディソープを泡立て、提督の躰をさするようにして洗っていた。

 正面に向かい合って立ち、榛名は泡にまみれた両手を、提督の胸へ丹念に這わせている。背中側はすでに洗い終えていた。

 榛名からは、健気さが溢れていた。

 普段は見せることのない、首筋から肩にかけてのなだらかな曲線が美しかった。

 

「榛名──」

 

 提督が呼ぶと、榛名が顔を上げる。曇りのない丸い瞳に見つめられ、提督は軽い気まずさを覚えながら言った。

 

「──さっきはスカートを汚してしまって、すまなかった。不注意だった」

 

 頭を下げた提督に、榛名は慌てた様子で両手を振った。ほっそりとした指先から、白い泡の粒がわずかに散る。

 

「そんな──全然、全然大丈夫でしたから。裏地ですし、汚れたというほどのものでは」

「染みにならなかったか?」

「ええ、仰られたように水で洗ってみたら、すぐに落ちましたので。あれって……血と、同じなんですね」

「血?」

 

 聞き返した提督に、榛名は頷く。気がついたようにはっとして、提督の躰に泡をこすりつける作業を再開し、続けて言った。

 

「前に、戦闘で血のついた服をお湯で洗ってしまって、駄目にしちゃったことがあったんです。金剛姉さまに、血は水じゃないとダメって教えられて」

「ああ──蛋白質だからな。熱で固まるんだ」

「ええ、そのようです。それで、似てるんだなって」

「血と──あれが、か?」

「はい」

「体液だから主成分が共通しているってだけだろう。べつに似てはいない」

「そう……ですか?」

「まったく、似てないな」

 

 釈然としない様子で首を傾げて提督を見つめた榛名だったが、すぐに提督の躰を磨く作業へ集中を戻した。

 榛名の息遣いと躰の熱を、湯で濡れた素肌に感じる。

 髪と肌から漂ってくる、甘い香りにも刺激されていた。

 提督はひそかに上を向いて、嘆息した。

 いつの間にやら下腹部がすっかり育ちきり、猛ったかたちになってしまっていた。

 裸にバスタオルを巻いただけの榛名の、強調されたその躰の曲線と、普段と違った髪型と、そして肌に感じる手のひらのなめらかな感触と、興奮を誘ってくる要素が多すぎた。

 できるだけ平静を装おうとしていたのだが、意識してしまえばもう収めることはできない。

 当然、榛名も気がついていた。

 しばらく視線を落として見つめていたが、やがてうっすらと紅潮した顔を提督に向けて尋ねてくる。

 

「あの……こちらは、同じ、この石鹸で大丈夫……なのでしょうか? こすってしまって痛くなったりは、しませんか……?」

 

 妙に生真面目なその口調が、少し可笑しかった。提督は肩から力が抜けるのを感じた。

 

「やたらに力を入れたりしなければ大丈夫だが……試しに、こっちを使ってみるか」

 

 提督は近くのラックから、小さなプラスチックのボトルを取り上げた。旅行用サイズのシャンプー程度の大きさで、透明なボトルだ。

 オリーブオイルのような色合いの粘液が、中に入っている。

 

「それは……?」

「ローションの試供品らしいな。サービスの一種なんだろう」

 

 提督はノズル式の蓋を開け、榛名の両手へ、ボトルの三分の一ばかりの量を出してみた。香りこそ異なるが、その粘度までがオリーブオイルのようだった。

 榛名は不思議そうにその粘りを手の上で確認していたが、やがて躰をかがめるようにして、提督の下腹部にその手を寄せた。

 とろとろとした液体が、榛名の繊細な両手から提督の硬直した陰茎へ、ゆっくりと絡みつけられていく。

 榛名は粘液を落とさぬように注意しながら、壊れものを扱うかのような慎重な手つきだ。

 茎部から始まって、その尖端、裏筋や雁首へも、粘液に濡れた榛名の手と指が這わされる。ことさらに優しい手つきで陰嚢とその裏側へも塗り込められ、思わず深い息が漏れてしまった。

 

「提督……いかがですか?」

 

 ぬちぬちと粘った音をたてつつ、陰茎と睾丸の表面で両手の指を動かしながら、榛名が上目遣いで尋ねてくる。

 提督は唇を舐め、答えた。

 

「すごく、いいな……きもち、いい」

「気持ちいい、ですか?」

「ああ……きもちいい。じつに、きもちいい」

「……ふふ」

 

 語彙の乏しくなった提督の反応を見て榛名は嬉しそうに小さく笑い、それを隠すようにうつむいた。

 ちらちらと提督の表情の変化を探りながら、敏感な部分をさりげなく指でくすぐってくる。憎らしいほどに気が利いていた。

 筒状にした片手で茎部をさすりつつ、もう一方の手の指で亀頭や裏筋、ときに睾丸の裏側の敏感な部分を優しく刺激してくる。

 さすがに全体的な手つきとしては拙(つたな)さもあるのだが、それでも悶絶しかねないほどの快感が提督の下腹を走り回り、びくびくと脚を震えさせ、息を荒らげてしまっていた。

 榛名が顔を伏せ、くすくすと笑った。

 愛しさと同時に、腹立たしさに似たような妙な感情が、提督の中で膨れあがってきた。

 両の二の腕を掴んで上体を起こさせる。

 驚いた榛名へ、強引に唇を重ねた。

 

「ん……」

 

 榛名が鼻にかかった甘え声を漏らす。

 一瞬の戸惑いののちに、すぐに提督を受け容れてきた。柔らかい口中の甘美な感覚を、提督は遠慮なく味わう。

 榛名の両手は陰茎から離れず、休みのない奉仕を続けている。

 空気に触れて粘度を増したローションと、尖端から先走って滲んできた津液(しんえき)が混じり合い、くちくちと音を立てている。

 唇から離れた提督は、榛名の頬や耳朶、首筋へと接吻した。

 

「あ……」

 

 榛名が陶然と喘ぐ。

 肌のすべやかさと、その下に隠されてある柔軟さに、提督は魅せられ、惹きつけられていた。

 膨れあがった欲望を抑えず、榛名の躰のバスタオルを剥いだ。空のバスタブへ投げ捨てる。

 豊かでありつつも均整のとれた、女としての完璧な肉体が露わになった。

 榛名は顔を朱く染め、身をわずかに縮こまらせたが、奉仕の手を引いたり休めたりすることはなかった。

 胸のふくらみへ、提督は残ったローションの大半をふりかけた。

 そのオレンジがかった緑の粘液を、なめらかな肌へ両手で塗り込めるように伸ばしていった。

 張りつめた乳房が、手のひらに心地よくすべって揺れた。

 

「は、うっ……ん……」

 

 榛名が切なげに声を漏らす。

 乳首が硬く尖ってきていた。提督はその弾力を指先で確かめ、ときに指の股に挟んでさらに刺激を与えてやった。

 切なげに身悶えしつつも、榛名は懸命に提督への奉仕を続けている。

 軽く握ってみると、ぬめった乳房がぷるりと揺れ、提督の手の中から逃げた。

 その感触と様子が可笑(おか)しくも心地よく、提督は幾度も同じ動作を愉しんでしまった。

 

「──たまらないな」

 

 思わず言葉にして発してしまって、提督は咳払いをした。すっかり上気した様子の榛名が、二度まばたきをして不思議そうに見つめてくる。

 提督は釈明するように言った。

 

「いや、榛名のこれが、気持ちよくてな」

「これ……?」

「おっぱいがな」

「……おっぱいが?」

「そう、おっぱいが」

「……榛名の、おっぱいは……提督の、お気に、召しました……?」

「ああ。榛名のおっぱいは気持ちよくて、最高だ。極上だ」

 

 開き直っておっぱいおっぱいと言い合っていると、どうしようもなく笑えてきてしまった。

 榛名も笑っている。この上なく嬉しそうでもあり、ひどく羞ずかしそうにもしていた。

 両手でさすり続けている陰茎に視線を落とした榛名は、ためらいながら口を開いた。

 

「榛名は……提督の、これが……好き、です」

「……これ?」

 

 意地悪く訊き返すと、榛名はうつむいた。耳朶まで真っ赤に染めている。

 

「あの……提督の……おち、おちんちん、が……」

 

 小声でどうにか言った。消え入りそうな声だった。

 提督は嬉しくなって、榛名に囁く。

 

「ちんちんが、お気に召したか」

「はい……」

「好きなのか」

「はい、榛名は……おちんちんが……大好き、なんです。とっても硬くて、あったかくて……力強いから……」

 

 榛名が見上げてきた。見つめ合った。

 ふたたび、手の中の陰茎に視線を落とす。わずかに呼吸が早くなっていた。

 榛名は唐突に、提督の前で膝を折った。

 立っていられなくなったか──と提督は思ってしまったが、明らかにそうではない。

 ローションで色づいた榛名の乳房の先端が、同じ色に染まった陰茎に触れていた。榛名がなんとも言えない表情で見上げてきた。

 提督はその意図するところを察し、バスタブの縁(へり)に腰を下ろした。

 陰茎がちょうど胸の谷間に来るように、座り具合を調節した。

 膝立ちになった榛名が両手で胸を寄せ、陰茎を挟み込む。

 

「お、う……」

 

 思わず声が漏れた。

 膣や口内とは異なる、柔らかな圧迫感に包み込まれた。初めての体験だ。

 榛名は上体を揺するようにして、上下に動く。

 すべすべとした乳房の肌がローションでぬめって、亀頭を両側面から心地よくこすり上げてきた。

 榛名の乱れた呼吸が、提督の腹部にかかる。

 乳房を両手で寄せながらの不自由な体勢での動作なので、かなりきつそうではあった。

 上目遣いで榛名が尋ねてくる。

 

「いかが、ですか……提督……? 手でするみたいに、上手くは、できないですけど……」

「いや、気持ちいい──俺も初めてだが、すごく、いいな……これは。榛名に包み込まれていて温かいし、柔らかい」

「んっ……ふふ……嬉しい、です」

 

 榛名が躰を動かしながら、微笑む。

 提督は残りのローションをすべて、陰茎と谷間の密着部分にそそぎ込んだ。いっそう潤滑になった榛名の肌の質感を、亀頭全体で感じる。ときおり鼠径部にこすりつけられる乳首の弾力も、アクセントとしての刺激に富んでいた。

 

「なあ……俺は気持ちいいから嬉しいんだが……榛名のほうは、大変なだけじゃないのか」

 

 提督は、息を切らしかけている榛名を気遣って言った。

 榛名は笑顔のまま首を振る。

 

「ううん……榛名も、こうするの……好き、なんです。提督が、気持ちいいって……それだけで」

 

 榛名はうつむき、谷間から尖端を覗かせた陰茎を見つめる。

 

「こうしてると……おちんちん……すごく、近くに感じられるから……好き……大好き」

 

 愛おしげに榛名はそう言って躰を沈めると、唇をつき出し、鈴口へと接吻した。

 ちゅ──と音をたてて柔らかい唇が接した瞬間、提督は先走りが尿道口から溢れ出るのを感じた。榛名が唇と舌で、すぐにそれを舐め取る。

 榛名──と、快感に堪(た)えながら、提督は呼んだ。榛名が顔を上げる。

 

「はい」

「──いっぱい唾を、垂らしてくれないか」

「えっ……」

「もっと、ぬるぬるにしてほしい。ローションなんかよりも、ぜんぶ榛名に包まれてしまいたい」

「でも……」

「榛名の唾なら、汚くなんかない」

 

 しばらく榛名は視線を泳がせていたが、やがてうつむいた。

 ためらいながらも、小声で言った。

 

「では……失礼します」

 

 口の中で唾を溜めるようにしたあと、遠慮がちに、谷間へと垂らした。

 榛名の端正な唇の間から、白く泡だった唾液のかたまりがとろりと垂れ下がる。そのさまに提督は、激しい興奮を覚えた。

 陰茎と乳房がこすれるたびに、くちゅくちゅと撹拌される水音がたつ。

 唾液は温かくぬめって、背徳的な興奮をもたらした。

 榛名は動作を続けながら、ときおり慈愛を込めた表情で、さらなる唾液を密着部分に垂らし落としてくる。

 尖端から漏れる津液や残ったローションと混じり合って泡立ち、谷間から溢れて榛名の胸のふくらみを濡らす。

 白い肌が、てらてらと輝いていた。

 潤滑さが増したことで、提督も腰を細かく動作させられるようになった。榛名の柔軟な肉の感触を、肌のぬめりを、陰茎全体で堪能する。

 

「おちんちんさん……大好き……一生懸命で、可愛い」

 

 昂ぶった榛名がつぶやいて、亀頭に接吻する。さらに舌を差し出し、裏筋の敏感な部分をちろちろと舐めまわしてきた。

 とたんに、陰茎の根元から快感が突き抜けていくのを提督は感じた。

 いく──と口にしようとした瞬間、激しく射精してしまっていた。

 間欠泉のように精液が噴き出し、榛名の唇に、鼻に、眉間から額に、そして前髪にまで飛び散っていく。

 白濁した粘液が、榛名の整った面差しを存分に汚していくさまを、提督は快感に呻きながら呆然と眺めていた。

 吐き出し終えて、息をついた。

 榛名の顔のあちこちに、白い固まりが垂れている。

 うっすらと目を開けて微笑んだ榛名が、ふたたび鈴口にむかって唇を寄せた。

 きつく残滓を吸い出され、快感が尿道内を走り抜ける。

 提督は背を反らし、さらに呻き声を上げた。

 こくりと、榛名が小さく喉を鳴らした。

 

 

 ◇

 

 ベッドでうつ伏せになった提督の背を、隣に座った榛名が圧(お)している。

 部屋に用意されていた揃いの白いバスローブを、ふたりは身に着けていた。

 提督は携帯電話の通話を切って、枕元に置く。

 浴室から出たあと、部屋の電話でフロントへ連絡して、プランを「宿泊」に変更していた。

 それにともない、鎮守府の妙高へいくつかの指示を連絡したところだった。

 鎮守府の門番である『憲兵』たちの監視の眼をごまかすための方策と、明朝に榛名の迎えを手配するものだ。さすがに連れ立って鎮守府に帰るような大胆なことはできない。

 妙高は態度や声色に含みをもたせるようなこともなく、細部について手短かな確認をしただけだった。

 提督は胸に抱いた枕へ顎を埋め、息をついた。

 

「かなり、凝(こ)ってらっしゃいますね」

 

 榛名が背を圧しつづけながら言った。電話でのやり取りは聞こえていたはずだが、特に気にした様子もない、明るい口調だった。

 

「──そうか?」

「はい。固くて揉みごたえがあります」

 

 榛名の指が、腰の付近へと移る。凝っている自覚はなかったが、圧されている部位が心地いいのは確かだ。

 着ているバスローブのやや厚めのタオル地を隔てて、榛名の細い指先の圧力が感じられた。

 

「上手だな」

 

 提督が呻くようにつぶやくと、榛名は小さく笑って言う。

 

「じつは金剛姉さまにも、誉められるようにまでなりました。『マッサージはもう、榛名がいちばんグッドね』って」

「姉妹で、マッサージを?」

「ええ。以前から、ときどき。金剛姉さまとは船渠(ドック)にいる間も、部屋が一緒でしたので」

「なるほどな」

 

 船渠の内部は、ちょっとした温泉施設のようになっている。艦娘の修理施設ではあるが、中で実際に仕事をするのは妖精たちで、人間である提督は立ち入ることができない。

 必要な材料さえ揃えておけば、食事や入浴、床の支度まで、すべて妖精が勝手に世話をしてくれる。たとえ対象の艦娘が気絶していようが、問題はない。

 個室にすることも可能だったはずだが、金剛と榛名はあえて同部屋にしていたということだろう。

 

「金剛の様子は、どうだ」

 

 腰を圧されながら提督は尋ねた。榛名は手を休めず、訊き返してくる。

 

「どう──とは?」

「前線を破られたことを、気に病んではいなかったか」

「それは……はい。お叱りを受けてしまうのではないかと、ひどく不安そうにしていて」

「俺に叱られると?」

「ええ。提督のご期待に添えなかった、きっと失望させてしまった──と。出渠して提督にお会いしても、どのような顔を向けたらいいのかわからない、とまで」

「金剛がそこまで言うのなら、敗戦がそうとう堪(こた)えたか」

「──榛名にも、責任の一端はあります」

「そのへんの戦術的な問題や責任の有無については、とりあえず陸奥や妙高に任せてある。金剛や赤城が出てきてから、皆でしっかり検討すればいい」

「はい」

 

 神妙な声で榛名が返事をする。

 提督は枕に顔をなかば埋めたまま息を大きく吸い、吐き出す。告げるべきことを、告げる必要があった。

 

「──叱られたり、失望されたりするんじゃないかとビクビクしているのは、俺のほうなんだがな」

「提督が、金剛姉さまにですか?」

「そうだ。それから、榛名にもな」

「榛名に──なぜです?」

 

 提督は枕の上で、顔を榛名の方向へと横向けた。思いきって言った。

 

「今日、ここで榛名としたようなことを、ほかの複数の艦娘たちともしているからだ」

 

 榛名の表情は、窺うことができなかった。変わらず提督の腰を圧しつづけている。

 提督は尋ねた。

 

「知っていたか?」

「──いえ」

「そのわりに、驚かないな」

「それは……知っているかと言われれば、そうではなかったのですが──提督がそのようにされているのは、どこか自然なことのように感じられましたので」

「自然、か」

 

 自嘲しかけたところで、榛名の手が肩へと移ってきた。提督は顔をうつむける。

 優しい手つきで揉みほぐしながら、榛名が尋ねてきた。

 

「提督にとってこ(・)れ(・)は、お役目ということなのでしょうか」

「──難しいところだな。役目ということにして、自分の欲望を満たそうとしているだけだという気もしている。どちらにしても、榛名の気持ちを利用させてもらったことは確かだ」

「榛名は、榛名自身の意志でここに来ました」

「そういう反応をするだろうと、わかっていてしたことだ。汚いやり口だと怒ってくれていい」

 

 榛名が、揉む手を止めた。

 

「汚いなんて思いません。こ(・)れ(・)が提督のお気持ちからのことでしたら、榛名にはとても嬉しいことです。お役目からだということでしたら、それは尊くもあることです──提督が鎮守府のために、戦ってくださっているということなのですから」

 

 聞いたことのない榛名の強い口調に、提督は驚きを覚えていた。

 顔を上げたが、首筋を抑えられたままなので振り向くことはできない。背後を意識しつつ、言葉を発する。

 

「実際に血を流して戦っているのは、おまえたち艦娘だ。俺じゃない」

「いいえ──提督こそが、私たちのために戦ってくださっているのです。それは、何も知らない榛名にだって、ずっと前からわかっていたことです」

 

 榛名がまっすぐな物言いをするほどに、自分の歪み具合を思い知らされるような心持ちがした。

 言いようのない苛立ちに似た感情が、胸の奥から湧き上がってくる。

 

「──俺がしていることは、おまえたちを汚(けが)す行為だ。それだけは間違いない」

 

 そう吐き捨てるように告げた、次の瞬間だった。

 柔らかで温かいものが、背に押しつけられていた。

 躰を重ねて、榛名の両腕が提督の肩にまわされている。

 

「──それなら、榛名は進んで汚(よご)れます。提督につらい戦いをさせているのに、榛名ばかりがきれいなままではいられません」

 

 榛名の温かい頬が、首筋につけられている。

 提督は絞り出すようにして言った。

 

「……つらいとか、戦いとか、そういうのじゃ、ない。これは俺の、単なる欲望から始まったことだ。欲望のまま、おまえたちを汚(よご)しつづけているだけのことなんだ」

「いいんです。汚(よご)してください。榛名をいっぱい、提督で汚してください。ずっとずっと、どこまでだってお伴していたいんです。だから、榛名を──私を、あなたの欲望で、いっぱいに満たして」

 

 何も返すことができなかった。

 強靱な芯のある健気さにうたれながら、その躰の熱と柔軟さを、首筋の肌と背中で感じていた。

 しばらく、そのままでいた。

 鎖骨のあたりに触れている榛名の手を握り、提督は言った。

 

「マッサージは、終わったのか?」

 

 首の後ろで、榛名が少しだけ笑うのを感じた。

 

「……まだどこか、必要でしょうか?」

「ああ」

 

 提督は、榛名の上体とベッドに挟まれたまま躰を反転させ、仰向けになった。

 バスローブの前を開く。

 どんな状況でも正直な反応をするそれが恨めしくも恥ずかしくもあったが、開き直る気持ちにもなっていた。

 榛名がちらりと見やって、微笑む。

 

「すごく……凝ってらっしゃいます」

 

 手を伸ばして握り込みながら、そう言った。

 優しく上下にさすられて、提督は呻いた。短い間で、榛名は格段に扱いを上達させている。

 榛名はリズミカルに手指をしならせながら、尋ねてきた。

 

「いかがです……? 榛名は指で、気持ちよくできているでしょうか……?」

 

 返答の代わりに、提督は唇を求めた。快感に呼吸が乱れ、わずかに喘いでしまう。

 すぐに榛名が反応して、重ねてきた。

 唾液の音をたてつつ、唇と舌を求め合った。

 互いに貪り合っているうちにたまらなくなって、提督は榛名のバスローブを開いた。

 こぼれる乳房へ、唇をつける。

 

「あっ……ん、んっ……」

 

 提督が乳首をきつく吸いたてると、榛名は躰を震わせて鳴いた。

 目を閉じ、唇で甘く噛み、舌をじっくりと回転させる。

 女の味が口いっぱいに広がって幸せな心地となり、提督は幼子のように榛名に甘えた。

 片手で提督の頭の後ろを撫でる榛名からは情愛と母性が溢れていたが、同時にもう一方の手の指先で、提督の男の部分を巧みに刺激してくる。

 裏筋を人差し指の腹で軽くこすり上げられ、提督は快感に息を荒らげながら乳首を吸った。

 横座りしている榛名の股の間に、手を差し入れる。

 

「あっ……ん……」

 

 濡れて、ひくついていた。

 視線を合わせる。

 榛名は切なげに眉根を寄せながら、頷いた。

 これ以上ないほどに、お互いが求め合っているのがわかった。

 導いてやると、榛名は素直に提督を跨いだ。

 

「ん……んっ──」

 

 苦しげに表情を歪めてはいたが、榛名はしっかりと腰を沈めてきた。

 陰茎が収まる。

 提督は深く、息をついた。

 入り口近くの壁際で交わったときには気づかなかったことだが、内部の締め上げ方と膣壁の感覚が絶妙だ。

 ちょうど亀頭の当たる箇所が極端に狭くなっていて、少し抽送を繰り返しただけで絡みつくように密着してくる。

 その粘膜の微妙なざらつき具合も、提督の敏感な部分へ繊細な快感をもたらしている。

 粘膜と粘膜の、直接の接触でなければ味わえない快楽だ。

 枕元に用意してあった避妊具のことを、提督は今さらながら思い出した。

 

「提督……これ、すごく……」

 

 榛名が恍惚とした表情を向けながら、言葉に詰まった。腰が、震えるように動いていた。

 

「いいのか」

 

 こくりと、榛名が頷く。

 

「提督のおちんちんの……張りだしているところが……榛名の、いいところ、引っ掻くみたいに……当たってて……」

 

 雁首で、膣内の性感帯を刺激している。

 ふたりで揃って、生の交接の快感に震えている。

 提督はすっかり、内部へそそぎ込む気になっていた。

 榛名の膣内を満たすことで、その健気さに応えてやりたかった。

 それで孕ませてしまうようなら、それでも構わないとさえ思っていた。

 軽く催促するように手で腰を揺すると、榛名がゆっくりと前後に動かしはじめた。

 唇を噛んでうつむき、どこか苦痛に耐えるような表情にも見える。

 提督は親指を遣って、陰核をさすってやった。

 

「は、んっ……! そ、こ……だ、めぇ……」

 

 榛名が拳を噛むようにして言って、提督の上に倒れ込んできた。抱きとめてやる。

 半端に着ているお互いのバスローブが邪魔で、脱ぎさった。

 肌と肌を密着させて抱き合いながら、接吻する。

 唇を触れ合わせたまま、提督は尋ねる。

 

「駄目なのか?」

「ん……だって……きもちよすぎるから……」

 

 榛名は、提督の唇のあちこちに接吻しながら答えた。

 

「……あなたに……尽くせなくなっちゃう……」

「尽くそうなんて、思うな」

「だって……」

「榛名はただ、求めればいい。俺が全部、くれてやる」

 

 提督は榛名の腰を抱き、きつく密着させながら腰を衝き上げた。

 みずからの恥骨で陰核を刺激しつつ、硬直で深いところを探る。

 提督の顔の上で、榛名が口を開ける。

 

「あ……! ああ……! そ、れ……ほんとに……きもち、いい、から……!」

 

 快に堪(た)えかねるように榛名は身をよじったが、提督は抱きしめて逃がさなかった。

 開いた榛名の口の端から、唾液の滴(しずく)が垂れ落ちている。

 提督は舌を差し出し、それを舐め取った。

 榛名も、提督の舌を舐める。腰を自分から、さまざまな方向へ動かしはじめている。

 ふたりして、獣になりつつあった。

 ただひたすらに快を求めて、ふたつの口で互いを貪り合う。

 提督の内側から、衝き上げてくるものがあった。

 榛名の尻を両手で鷲掴みにして、上下に叩きつけさせる。

 あられもない声で、榛名が叫んだ。

 提督は腰を反りかえらせるようにして、精を吐き出した。

 密着したまま、榛名の内側に容赦なくそそぎ込み、満たす。

 榛名も躰を痙攣させている。

 快の深さは強烈で、気が遠くなるほどだった。

 提督は長い射精を終え、腰を外した。

 外れた拍子に、泡だった白濁が榛名の秘部から溢れて、とろりと垂れ落ちるのが見えた。

 提督の躰の上で、榛名は完全に脱力している。

 呼吸を乱しながらも、耳もとで囁いてきた。

 

「……愛して、います……提督……」

 

 提督は、榛名の汗に濡れた頬へと口づけして、その言葉に応える。

 

 

 

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