※この作品はR-18です。

女性サーヴァントしかいないカルデア   作:北斗七星

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 数日前、第七特異点をクリアしました。クリアした記念にコアトル姉さんが欲しくて五万円ほどぶっ込んでガチャを回したのですが、結果、

ケツァル・コアトル、ゴルゴーン、オジマンディアス、ドレイク、オリオン(四枚目)、アルテラ、ニトクリスが当たりました。ピックアップって何だっけ(哲学)?

 オジマンとオリオンはともかく、他の女性陣に関しては書けって言うことなのかね?


『フランケンシュタイン』機械仕掛けの恋乙女

(俺の名前は遠野真。十八歳の誕生日、たまたま見つけた胡散臭いチラシに応募したらカルデアとかいう場所に拉致され、何故かマスターと呼ばれる何かになっていたごく普通の男の子だ。色々あって滅びそうになってる人類の歴史を救済するため何やかんやと頑張っている。人類最後のマスターとして行動している俺だが、実は二つの大きな問題を抱えている。一つはこのカルデアに召喚されるサーヴァント(何か凄い人たち)が何故か女性しかいないということ、そしてもう一つは女性サーヴァントたちとの距離が物理的にも精神的にも近いということだ)

 

 

 

 

 

「花を取りに行きたいから付いて来て欲しい?」

 

「ゥゥ」

 

 昼食後のお茶を楽しんでいた人理継続保障機関『カルデア』最後のマスター、遠野真の問い返しに唸り声と共に頷いたのはウェディングドレスのような白い衣装を身に纏ったバーサーカーのサーヴァント、フランケンシュタイン(以下フラン)である。

 

「それは構わないけど、何でまた?」

 

「ゥ~」

 

「総司へのお見舞いか。それで花を」

 

「ウ、ウゥ」

 

 唸り声に秘められたフランの言葉を真はさも当然とばかりに理解していた。彼女の唸り声はただの唸り声ではない、そこにちゃんとした意味が込められている。余人が聞けばただの意味の無い唸りも真の耳には意思疎通を図るための言葉として届いていた。もっとも、最初からそうだったわけではなく、フランのことを理解しようと努力した結果だ。

 

「そっか。フランは優しいな」

 

 真に撫でられ、フランは嬉しそうに目を細める。桃色の髪をくしけずる優しい手つきがとても心地よかった。

 

 ちなみに二人の会話に出てきた総司だが、現在は自室で死んだかのように臥せっていた。というのも、スカサハに自身の技である三段突きを再現されたのが余程悔しかったらしく、地獄の特訓を敢行したのだ。結果、総司の三段突きは三倍の九段突きへと進化を遂げ、その代わりにまた病弱が発動して彼女はぶっ倒れたという訳である。

 

「総司もなぁ、強くなろうとしてくれるのは素直に嬉しいんだけど、もっと自分の体を大事にしてくんねぇかなぁ」

 

 ぼやきながら真はフランと共に花摘みに行くためのレイシフトの許可を求めてロマニを訪ねた。

 

「そういうわけで花を取りに行きたいんだけど、いいかな?」

 

「うん、構わないよ。今日の訓練はもう終わってるし、可及的速やかに解決しなければならない事案もないからね。行っておいで」

 

 ロマニの許しを得た二人は早速ある時代へとレイシフトした。

 

 

 

 

「何事もなく到着っと」

 

 二人がやって来たのは第一特異点に近い時代のフランス。どこか牧歌的な雰囲気を感じさせる草原に二人は立っていた。ポカポカとした日差しが気持ちいい。真が周囲を見回して状況を確認していると、カルデアとの通信が繋がる。

 

『周囲に敵性エネミーの姿は無し。風景通りの平和な所だね』

 

「ですなぁ」

 

 通信越しのロマニの言葉に相槌を打つ。彼の言う通り、周囲にこれといって脅威になりそうな存在はいなかった。

 

『うん、その草原を抜けた先にある道に沿って進んでいけば大きな花畑があるね。そこで摘んでくるといいよ』

 

「いやぁ、お手数おかけします」

 

『これくらいお安い御用さ。ところで真君、一つ確認して欲しいことがあるんだ』

 

 あれですね、と真剣な表情を作るロマニに倣い、顔を引き締めながら真は右手を日除けにして天を仰いだ。白い雲がぽつぽつとまばらに浮かんだ青空には輝く太陽だけが鎮座している。以前まであった太陽を囲む光帯、即ち魔術王の宝具『誕生の時きたれり、其は全てを修めるもの(アルス・アルマデル・サロモニス)』は綺麗さっぱり姿かたちもなく消え去っていた。

 

「やっぱ、この時代にもあの光帯は確認できないな」

 

『そうか……一体、どういうことなんだろう? 魔術王がまた何か新しい企みでも始めたんだろうか』

 

「もしくは、他の冠位(グランド)クラスに討ち果たされたか。そうだったら万々歳だけど」

 

 そんな都合のいいこと起こる訳ないか、と肩を竦める真にロマニも頷いて見せる。彼らは知らない。その魔術王が以前のカルデア二大魔獣(スカサハと頼光)の殺し合いの余波で当の昔に死んでいることを。

 

『何にせよ、油断できない状況だということに変わりはない。気を緩めずにいこう』

 

「だね……ん?」

 

 ロマニの言葉に頷いていると、くいくいと袖を引っ張られた。見ると、フランが怒ったような寂しいような表情を浮かべている。

 

「ウゥ……」

 

 どこか悲しさを感じさせる声に真とロマニはやっちまったと頭を抱えそうになった。折角二人だけで出かけてきたというのに、相手の男は難しい顔で自分以外の者と話し込んでいる。女性から見てこれ程面白くないことはないだろう。

 

「ごめんな、フラン。別にお前のことを放っておいた訳じゃないんだ」

 

『僕もごめん。折角のデートの時に振っていい話題じゃなかった』

 

 その後、拗ねてそっぽを向くフランをどうにか宥めながら草原を抜ける。人の足、馬の蹄や馬車の車輪等で踏み固められた道に出る頃にはフランの機嫌も直っていた。

 

『後はその道を歩いていけば、十分くらいで花畑に着くね。敵の姿がないからって油断しないように。晩御飯までには帰ってくるんだよ?』

 

 父親のようなことを言うロマニに二人仲良く返事をし、通信を終える。

 

「じゃ、行こっか」

 

「ウ♪」

 

 手を繋ぎながら二人は空いている手に籠をぶら下げて道を歩いていく。二人を照らす太陽の日差しは暖かく、そして優しかった。

 

 

 

 

 一方その頃、カルデアでは。

 

「頼光じゃない」

 

「あら、オルタさん。こんにちは」

 

 廊下でバッタリと出くわしたジャンヌ・オルタと頼光が挨拶を交わしていた。カルデアという閉ざされた空間で生活している以上、必然的に顔を会わせる機会が多くなる上、共に戦うことも多々あるのでサーヴァント達は会えば世間話をするくらいには仲が良くなっていた。

 

「ところでオルタさん、少し話したいことが」

 

「何? この前言ってた金鍔とかいうお菓子のこと? あれならもうちょっとで作れそうだけど」

 

「本当ですか!? 出来上がった時はぜひ、真も一緒に……はっ!」

 

 ジャンヌ・オルタの言葉に頼光は跳び上がらんばかりに喜びを露わにするも、慌てて年長者としての威厳を取り繕おうとする。頬を薄く赤らめながら咳払いする頼光をジャンヌ・オルタは生暖かい目で見ていた。

 

「その話は後ほど。私が言っているのはスカサハのことです。何でも、ゲイ・ボルク三段突きなる技を会得したとか」

 

「あぁ、そのこと。あれはえぐかったわ」

 

 頼光のいうゲイ・ボルク三段突きをスカサハが披露した時、一緒に戦っていたジャンヌ・オルタはその時の光景を思い出し、僅かに顔を顰める。

 

「いや、えぐいとかそんな生易しいもんじゃなかったわね、あれは。セイバークラスのスプリガンの上半身が蒸発でもしたみたいに消し飛んでたし。相性の概念を何だと思ってるのかしらあいつ……そういえば、総司の奴も何か特訓してたみたいね」

 

「えぇ、三段突きを九段にまで昇華したとか」

 

「それでまたぶっ倒れてるんだから世話無いわ。何かうわ言でヒテンミツルギスタイルとか言ってるみたいだし。この前も似たようなことして寝込んだっていうのに学習しないなんて馬鹿ね、あいつ」

 

 真顔で言い切るジャンヌ・オルタ。流石に擁護の言葉が思いつかず、頼光は曖昧な笑みを浮かべながら視線を逸らした。

 

「にしても、スカサハといい総司といい、勝手にどんどん強くなっていくわね」

 

 種火を注いでレベルアップしてもらったり、スキルのレベルを上げてもらうのを座して待っているだけでは駄目なのだろう。自ら動かなくては何も始まらないということだ。

 

「何か宝具以外の必殺技とか出来るようになったほうがいいのかしら? 邪○炎殺黒龍波とか……でも、大技だけ使えるようになっても駄目よね。槍も剣ももっと上手く使えるようにならなきゃ」

 

「私も雷以外に何か使えるようになったほうが良いのでしょうか……」

 

 無言で互いを見詰め合う二人。先に口を開いたのはジャンヌ・オルタの方だった。

 

「ねぇ、頼光。あんたって刀だけじゃなくて槍とかも使えるのよね?」

 

 えぇ、と頷きながら頼光もジャンヌ・オルタに問うた。

 

「オルタさん。私、思ったのですが、雷と黒炎を同時に撃てるようになったら格好良くありませんか? 男の子はそういうのが大好きだと聞きます」

 

「最高にイカしてるわ、それ」

 

 ここで二人は妄想する。新たなスキルや力を得て強くなった自分を、そして強くなった自分を見た真の反応を。

 

「やっぱりオルタはさいつよでさいかわで最高だって? そんな分かり切ったこと、今更言われるまでも無いわね。でも、あんたがどうしてもって言うなら褒められて上げてもいいわよ。ふ、二人っきりで、ベッドの上で……あぁん、そんな今すぐになんてダメぇ」

 

「どうです、真? 母は貴方のためならこの世の誰よりも強くなれるのです。えぇ、えぇ、そうでしょうとも。私以外の女なんて貴方には必要ないのです。やっと気づいてくれたのですね。貴方は私だけを愛し、私だけを見ていればいいのです」

 

 朱に染めた頬に両手を当て、二人は頭の中に描いた都合のいいピンク色の妄想にいやんいやんと体をくねらせる。もし、第三者がこの光景を見たら何してんだこいつらと目を剥くこと間違いなしだ。

 

「早速、戦闘シミュレーターで訓練しましょう」

 

「えぇ、マスターのためにも。私達のためにも」

 

 自らの欲望を合致させた二人はガッチリと握手を交わした。尚、合致とガッチリをかけたギャグでは決してない。

 

 こうして人知れず、マスターすらあずかり知らぬところでカルデアの戦力は悪魔的な勢いで強化されていくのだった。

 

 

 

 

「~♪ ~♪」

 

「楽しそうだな、フラン。うん、眼福眼福」

 

 抜けるような青空の下、鼻歌を歌いながら美しい花畑で花摘みをする美少女の図。目の保養とは正にこのこと。楽しげなフランの姿に胡坐をかいて休憩していた真は心をほっこりとさせていた。

 

「怪物か……見えねぇな」

 

 ポツリと呟く。

 

『お前は狂った怪物だ』

 

 それは彼女の生みの親、フランケンシュタイン博士から受けた絶対的ともいえる呪詛の言葉だ。生前に受けたこの罵りはフランに取ってトラウマになっており、彼女がバーサーカーでありながら高い思考能力を持っている理由でもある。

 

「あんな可愛い女の子になんて酷いことを……なんて言うのは傲慢以外の何物でもないか」

 

 もし仮にフランが生まれてすぐの、それこそ血や臓物を贈り物として差し出すような感性を持っている頃の彼女を召喚していたら自分はどんな風に接していたのだろうか。一瞬、考え込みそうになり、真はすぐにその思考を無駄だと切り捨てた。

 

「俺達の知ってるフランは怪物なんかじゃない、それが真実だよな」

 

 カルデアに召喚されたサーヴァント、フランケンシュタインは頼りになる仲間であり、そして素敵な乙女であると真は知っている。それだけで十分だ。

 

 一人納得して頷いていると、視線に気づいたフランが歩み寄ってきた。片腕に摘み取った色とりどりの花で一杯になった籠をぶら下げ、何か用かと言いたげに首を傾げている。

 

「ウゥ?」

 

「いや、何でもないよ」

 

 とりあえずフランを隣に座らせ、頭を撫でる。特に撫でられる理由は無いが、フランは拒むことなく嬉しそうに口元を緩ませていた。撫でられるのは嫌いじゃない。むしろ、こうやって普通の女の子のように接してもらえるのは大好きだ。

 

「あぁ、そうだ。ちょっと待っててくれ」

 

 何かを思いついたのか、真は傍らに置いてある自身の籠から花を幾つか取り出す。頭に置かれた暖かい感触が離れていくのにフランは少しだけ不満そうな声を上げるも、器用に花で何かを作っていく真の手許を興味深そうに見ていた。

 

「これでよし。後は枯れたり千切れたりしないようにルーンでちょちょいとやってと……」

 

 数分後、綺麗に出来上がったそれをフランに見せる。差し出されたのは様々な花で作られた色彩豊かな冠。花嫁の装飾に使われそうな可憐な冠をフランは目を輝かせて見詰めていた。

 

「これで完成」

 

 フランの頭に花冠を乗せる。サイズもピッタリで、可愛らしいフランの容姿にとても良く似合っていた。

 

「ウ?」

 

「くれるのかって? 勿論、そのために作ったんだし。要らないならどっかその辺に捨ててくれても構わな」

 

「ウゥ!」

 

 とんでもないと言わんばかりにぶんぶんと首を振る。どうして、大切なマスターから貰った贈り物をそんな風に扱えようか。

 

 一旦、花冠を頭から外して天に掲げる。他の誰も出ない、大好きなマスターがこれを作ってくれたのだ。自分のために、手ずから。そう思うと胸の中に温かな気持ちが溢れてくる。その感情はカルデアに召喚されてから、正確には共に戦う仲間達やマスターである真と出会ってから度々感じるようになっていたもの。所謂、喜びの感情だった。

 

「……ウゥ~♪」

 

 ついに感情を抑えきれなくなったのか、フランは跳びはねるように立ち上がって花畑を駆け回り始めた。喜色満面の笑みを浮かべ、花畑を走っていく姿は正に乙女。怪物性を感じる要素など微塵も無かった。踊るように喜びを露わにするフランに真は自然と微笑んでいた。

 

「ますたー……」

 

 花冠を被ったフランが走り寄ってくる。ズボンの尻に付いた土を払い落としながら立つ真へと飛びつき、ぎゅうっと抱き締めてきた。

 

「ありが、とう。だいす、き」

 

 たたらを踏む真の耳元でたどたどしい言葉で想いを伝える。彼女にとって喋るという行為は非常に疲れるものらしく、滅多にしようとはしない。そんな彼女がこうやってはっきりと言葉にするということは余程嬉しかったのだろう。オーバーにも感じられるフランの喜びように少し驚くも、嬉しく思ってくれたのならそれでよしと抱き返すことで彼女に応えた。

 

「ますたー」

 

 抱擁を解き、真を見詰める。灰色の双眸は磨き抜かれた象牙のように美しく、真に対して好意以上の感情を抱いていることを示していた。瞼を下ろし、小さく唇を突き出すフラン。何を求めているか、考えるまでも無い。フランの要望に応じるべく、真は彼女の後頭部に手を宛がい、そして……。

 

「んぁ」

 

 少し間抜けな声を出した。疑問に思ったフランが目を開いてみると、真の鼻先が僅かに濡れているのが分かった。二人仲良く空を見上げる。さっきまで晴れ渡っていたのが嘘のように分厚い雲が垂れ込み、ぽつぽつと小さな雨粒を降らしていた。

 

「こりゃ、一雨くるな」

 

 数分としない内に真の予想は現実のものになる。突如として降り始めたバケツの底を抜いたような土砂降りの雨に二人は慌てて雨宿り出来そうな場所を探した。

 

「ついてねぇなぁ、おい。まさか、レイシフト先でこんな大雨に会うとはな」

 

 花畑に来るのに歩いてきた道の傍らに生えていた木の下で二人は雨宿りをすることに。花の入った籠は濡れないようにしたため無事だったが、その代わりに二人は弾丸のような雨に散々に身を打ち付けられて濡れ鼠と化していた。

 

「災難だったな、フラン」

 

 苦笑いを浮かべる真に唸り声で返事をしながらフランは灰色に染まった雨空を不機嫌そうに見上げていた。折角のいいところを邪魔した空気を読まない天気にぶつけようのない怒りを募らせる。天候に対して怒っても疲れるだけだが、そこは複雑な乙女心。意中の男とのキスを邪魔されたとあっては、例えその邪魔した相手が自然だとしても心中穏やかではいられないだろう。

 

「しっかし、全然止みそうにないな、この雨……どうする、フラン。花も大体集め終わったことだし、カルデアに帰るか?」

 

 真の問いにふるふると首を振り、フランは蒼い双眸をじっと覗き込んだ。

 

「もうすこし、ますたーと、ふたりで、いたい」

 

 真っ直ぐに好意を伝えてくる、健気な少女の望みに真は思わず相好を崩す。目の前にいる少女のことがとても愛おしくなり、気付けばポンポンと濡れた髪を撫でていた。

 

「じゃ、雨が止むまで待ってるか」

 

「ゥ」

 

 二人で身を寄せ合い、雨雲が通り過ぎるのを待つが、一向にその気配は無かった。それどころか、どんどんどんどん激しくなっていく。濡れた服が肌に張り付き、体温を徐々に、確実に奪っていった。サーヴァントのフランはともかく、人間の真には些か辛いものがあり、知らず知らずの内に真は歯をカチカチと噛み鳴らしていた。

 

「ウゥ……」

 

 心配そうに顔を覗き込んでくるフランを安心させようと笑みを浮かばせた真はふとあることに気付く。視界が悪くなるほどの雨が降り注ぐ中、こちらに向かって何かがやってくるのが見えた。フランも気づいたらしく、近づいてくる小屋ほどの大きさのそれに警戒心の籠った視線を向けている。一分もしない内にそれは二人の前に姿を現した。

 

「お二人さん、こんな雨の中どうしたの?」

 

 それは何の変哲も無い馬車だった。二頭の大きな馬に引かれた、幌に覆われた車の御者台に乗ったいかにも農夫といった感じの恰幅のいい中年男性が二人に声をかける。雨除けの服を着込んだ農夫に真はこんにちはと頭を下げた。

 

「ちょっと、花を取りに来たんです。そしたら、こんな天気になっちゃって」

 

「そいつは災難だったねぇ」

 

 手に持った籠を持ち上げて見せる真に農夫は人の良さそうな顔に同情の色を浮かべる。

 

「オラ、これから家さ帰るとこなんだけど、もし良かったら君たちの家に送っていこうか?」

 

 農夫の申し出に真は申し訳なさそうに手を振った。この馬車ではどう頑張っても真達の家(カルデア)に戻るのは無理だろう。

 

「お気持ちだけありがたく。結構、遠いんで」

 

「そうかぁ。じゃあ、雨宿り出来るとこまで連れてこうか? オラ達農夫が休憩する時とかに使ってる小屋が少し先にあんだけど」

 

 願っても無い提案だった。是非と頷いた真と彼の連れであるフランを農夫は快く馬車の中に迎える。

 

「よくよく見ると、随分変わった格好してるね、君達」

 

 見慣れぬ服装の真とフランを農夫は不思議そうに見ていた。特に花嫁衣裳のようなドレスを纏ったフランは不思議というより最早怪しいと言われても仕方ないレベルなのだが、元来の性格が余程お人よしなのか、農夫はそれ以上何も言わずに手綱を操って馬を歩かせ始める。

 

 世間話をすること数分。農夫のいう小屋へと辿り着いた。建てられてそれなりの年数が経っているのか、雨風を受け続けた壁や屋根はくすんだ色をしているが、造り自体はしっかりとしている。雨宿りするには十二分すぎるくらいだ。

 

「ありがとうございます」

 

「いいって、いいって。困った時はお互い様だよぅ。中にあるものは片付けてくれれば自由に使っていいから」

 

 じゃ、と自分の家に帰る農夫を乗せた馬車に一礼し、二人は小屋の中へと入った。それなりの頻度で使われているのか、木目の床に埃が積もったりゴミが散乱しているということはなく、綺麗に整頓されていた。部屋の中央には長方形のテーブルと四脚の椅子、隅には幾つかの箱があり、中には体を拭くのに使えそうな厚手の布が折り畳んだ状態で収められている。

 

「これで拭けそうだな。ほら、フランも……フラン?」

 

 取り出した布で水滴を垂らす髪を拭いながら真はフランにも布を渡そうとする。しかし、一向に受け取られる気配がない。訝しげに頭にかけた布の間から顔を覗かせると、せっせと服を脱いでいるフランの姿が。既に大半を脱ぎ終えており、控えめな胸の頂点にある綺麗なピンク色の突起を恥ずかしがる様子もなく晒している。

 

「あの、フラン。何してんの?」

 

「ウゥ」

 

「え、こういう時は裸になって人肌で互いを温め合う? いや、確かに間違っちゃいないと思うけど……そもそも、そんなこと誰に教わった?」

 

「だ・う゛ぃんち」

 

「何やってんのあの人!?」

 

 きっと、フランがそういった知識に疎いのをいいことに面白がって色々なことを吹き込んだのだろう。思わず頭を抱える真を他所にフランはパンツも脱ぎ終え、一糸纏わぬ姿になった。唯一、頭には真が作ってくれた花冠が乗せられているが、果たしてそれを服と呼んでいいのかどうか。

 

「ゥ」

 

「え、俺も? ちょっと待った。いきなりそんなこと言われても心の準備ってものが」

 

 戸惑う真の服にフランは容赦なく手をかける。興奮に若干鼻息を荒げながら、何時になく積極的な態度で真の服を脱がしていった。服を破かないよう慎重に、しかし昂ぶる心を抑えきれずにやや乱雑に服を剥ぎ取っていき、空いている椅子の背もたれにかけていく。あっという間に真を素っ裸にし、フランは彼の両肩に手を置くようにしてピッタリと身を寄せた。

 

「ますたー……」

 

 うっとりと頬を赤くしながら真を見詰めるフラン。心地よい感触のきめ細かい肌は温かく、自然と彼女の裸身を抱き締めてしまうくらいに魅力的だ。とても彼女が血管の代わりに体内にケーブルを張り巡らされた人造の生命体とは思えない。触れ合う肌は柔らかく人間的で、小振りな臀部を撫でられぴくんと体を震わせる様はとても女性的だ。

 

 愛する男を見入っていた濡れた瞳が瞼に覆われる。邪魔するものはもう何もない。ゆっくりと真の口元に唇を近づけ、

 

 コツン。

 

「まぁ、こうなるよね」

 

 唇と唇が触れ合う前にフランの額にある角のような装飾具がキスの妨げとなった。苦笑いをしながら真はうぅ~と憤懣やるかたない様子のフランを宥める。どれだけ彼女から感じられるものが人間的なものだとしても、本来耳があるべき場所にある筒状の金属機関や額の角が彼女を人の営みによって生まれた者ではなく、常識の埒外にある方法で造られた存在だということを物語っていた。

 

(だからそれがどうしたって話だけどな)

 

 そんなことは別段気にすることではない。何か別の方法で口付けをしようと真が口を開くよりも前にフランが自身の額の角を掴んだ。キュポッ、と何かが引き抜かれるような音。

 

「あ、自分で取ったり付けたり出来るんだ、それ」

 

 余りに予想外の光景に真はあんぐりと口を開く。自らの角を取り外したフランは特に痛がる素振りも、何かしらの異常を見せたりはしなかった。さっきまで角のあった部分も滑らかな皮膚に覆われており、まるで最初から何もなかったかのように綺麗だった。

 

 三度目の正直。今度こそ、フランは真の唇を奪った。初めてのキスに感極まり、フランはその身を打ち震わせる。ただ、触れ合わせているだけだというのに体が喜悦の余りに溶けてしまいそうだ。

 

 より強く感じ合おうとフランは真の首に両腕を回し、自分の方へと引き寄せて更に唇を押し付ける。顔にフランの幸福そうな鼻息がかかるのを感じながら真も腕に力を込めてフランを抱き寄せた。女体の柔らかさと男体の逞しさがそれぞれの興奮をじわじわと大きくさせていく。

 

 一瞬、唇が離れる。間髪入れず、今度は真の方からフランに口付けをした。さっき言っていた心の準備とやらが出来たらしく、フランの体に両手を這わせて肌の張り艶、そして弾力を指先で愉しむ。フェザータッチで肌の上を滑っていく指の感触にフランは身震いし、無意識の内に口元から快楽に染まった小さな喘ぎを漏らしていた。

 

 真は僅かに唇を開き、舌で小さくフランの唇を舐め上げた。突如、唇に電流のように走った快感に驚いたフランは弾かれたみたいに真から顔を離した。

 

「フラン、舌出して」

 

 優しいが、どこか有無を言わさぬ迫力の籠った真の言葉に従い、フランは恐る恐る開いた口から舌を覗かせる。良い子だ、とフランの額にキスし、真は外気に晒されたフランの舌に彼女同様に伸ばした自分の舌を絡ませた。

 

 自分の舌に真の舌が巻き付いてくる感触に慄き、フランは思わず体を強張らせる。体をカチコチにさせるフランを安心させようと真は舌を絡み合わせたまま彼女の背中を優しく擦った。徐々にフランの体が弛緩していき、舌に感じる快感を素直に享受できるようになっていった。

 

 ねちゃねちゃと湿った音を立てながら舌先、舌腹、舌裏を舐め回される。舌全体に感じる熱く気持ちいい触感にフランの思考や理性は加速的に溶かされていった。熱に浮かされたように瞳をぼうっとさせながらフランも怖々とではあるが、自分から舌を動かし始める。真が舌でリードしていると、見る間にフランの舌は滑らかに動くようになり、数分も経つ頃には淫らな音を奏でて真と舌を搦め合っていた。

 

 フランがこなれてきたのを見て、真は次のステップに進む。フランの舌を巻き込み、捻じ込むようにして彼女の口内に舌を差し入れた。目を大きく見開くフランを両腕で抱き竦め、彼女の口内を舐め回しながら唾液を啜り上げ、同時に自身の涎を流し込んでいく。絶大な刺激と巨大な快感を伴った初めてのディープキスにフランは酩酊に似た状態になり、碌に考えることも出来ぬまま与えられる唾液を嚥下していった。

 

 体が熱くなるのに並行して秘所がじゅんと潤い、そして疼き始める。容赦なく襲い掛かってくるディープキスの快感にフランは生まれたての小鹿のように脚を震わせ、ビクン、ビクンと断続的に体を痙攣させた。

 

 味わい尽くしたフランの口内から舌を引き抜く。カクン、と糸が切れたように俯くフランの顎に指を当て、くいと持ち上げる。涎塗れになった口元、放心したように呆然としている瞳。真の巧みな舌技はフランを体の髄から蕩けさせ、少女を女、そして雌へと変えてしまった。

 

 虚ろだった瞳に欲望の炎が灯る。媚びた目を向けてくるフランの頬を撫でながら真は反対の手を彼女の股間へと下ろしていった。指先が湿り気のある割れ目へと到達する。彼女の中に人差し指を第一関節まで入れてみると、潤沢に蜜を溢れさせた膣内が奥へと誘い込むように蠢いてるのが指先で感じ取れた。

 

「したいか?」

 

 指を引き抜きながら問う真にフランは頷いて見せる。この人と早く一つになりたい。内側から体を焼き尽くさんばかりに燃え上がる肉欲を覚えながら、フランはでもと拙く口を動かした。

 

「ますたーを、きもち、よくして、あげたい」

 

 自分だけじゃなく、相手にも気持ち良くなって欲しい。そんな思いを抱いたフランの表情は気遣いに満ちており、同時にどこか妖艶だった。

 

 

 

 

 床の上に敷いた布の上に膝立ちになったフランの前に仁王立ちする真。少女の眼前には膨れ上がり、凶悪な姿になった男の象徴があった。生で、それも初めて見る長大なサイズの男根に軽く慄きながらフランは指示を求めて目線を真へと向ける。

 

「そうだな。まずは手で軽く扱いてみてくれ」

 

 真の言葉に従い、フランは恐る恐る逸物へと手を伸ばした。指先が血の集まった海綿体に触れる。想像を遥かに超える硬さと熱さに、熱された薬缶に触れたかのようにフランは手を引いた。

 

「無理そうだったらやらなくてもいいからな」

 

 気遣う真に首を振って見せ、フランは再び手を伸ばす。ゆっくりと慎重に、生唾を呑みながら右手の指を逸物に絡ませた。右手に感じる火傷してしまいそうな熱さにほぅと息を吐きながらフランはさっきの真の言葉を思い出し、ゆっくりと右手で剛直を擦り始めた。

 

「そう、そんな感じ。上手だぞ」

 

 獲物に近づく蛇のように緩慢に背筋を這い上がってくる快感に軽く鳥肌を立てながら真はフランの頭を撫でる。褒められ、気分を良くしたフランは徐々に右手の動きを速めていった。逸物を包む手の力を少しづつ強め、肉竿よりも大きく拡がるカリ首に指を引っかけるように手を往復させると真の口から小さなうめき声が漏れる。

 

 しゅっ、しゅっとテンポ良く、リズミカルに手を動かしていると、肉棒が小さく震えだした。充血していた亀頭に更なる血が集まり、赤いを通り越して赤黒くなり出している。亀頭先端の鈴口はパクパクと開き、透明な玉のような雫を吐き出していた。

 

 男根の小さな穴から出てきた透明な液体に興味を惹かれ、フランは手を動かしたまま顔を近づける。どこか生臭いような、でも脳の奥の疼かせるような匂いがフランの嗅覚を刺激する。胸中で鎌首をもたげた興味の赴くまま、フランは味覚でも感じてみようと小さなピンク色の舌で雫を浮かせる鈴口を舐めた。

 

 フランの手淫で敏感になった粘膜に温かく柔らかい、そしてざらついた感触が走る。唾液でぬらつく舌がもたらす快感に真は呻き声を大きくし、一際強い反応を示した。

 

 もう一度、フランは亀頭に舌を這わせる。腰を浮き上がらせながら体を震わせる真を見てフランは悟った。舌でされるのも気持ち良いのだと。そう気付いたフランは再び口を開き、舌と手の二重の奉仕を始めた。

 

 ぺちゃぺちゃと音を立て、子猫がミルクを舐めるようにフランはキノコみたいに膨れた亀頭に舌を絡ませる。赤黒い亀頭粘膜を味わうように舌を滑らせ、カリ首やその下にある窪みににゅるにゅると巻き付けた。

 

「す、ごいな、フラン。凄く気持ち良いよ」

 

 真の言葉に気を良くし、フランは行為に更に熱を込めていく。牛の乳を搾るように男根を擦り上げ、次から次へと溢れてくる先走りを舐め取っていった。お世辞にも美味いとは言えないが、何故かもっと飲みたいと思わせる味わい。どんどんと濃くなっていく我慢汁の味に我を忘れ、気付けばフランは逸物を口内深くまで咥えこんでいた。

 

 両手を真の太腿に当て、頭を大きく前後させて男根をしゃぶり上げる。窄めた唇や頬で肉竿を刺激し、濃い味になっていく我慢汁を搾り取っていった。ペニス全体を口内粘膜に包まれる快感に真は思わず背筋を反らさせる。きゅっと締められた唇が肉棒を擦っていく感触、硬く張り出しカリを頬肉や舌が擦り上げていく快感は凄まじく、真は握り締めた拳を震わせていた。

 

 量を増して溢れ出てくる腺液が真の快楽の度合いを示す。自分の奉仕が確実に愛する男を感じさせていることに興奮しながらフランは口奉仕を激しくさせた。

 

 喉の奥に亀頭が当たるのも構わずに深々と肉棒を吸引する。根本を唇で柔らかく締め付け、頭を振りたくって男根の先端から付け根までピッタリと密着させた口内粘膜で摩擦していった。

 

 人造の存在であるためか、息苦しい様子など微塵も見せずにフランはディープスロートで真を絶頂へと昇らせていく。唇が男根の根元に当たる度、唾液と先走りが混ざった飛沫が飛び散って真の太腿やフランの顔を濡らしていった。

 

「んっ、ぢゅる、ぢゅるる、ぢゅば、ぢゅぼ♡」

 

 派手に下品な音を上げながらフランは舌を肉棒に巻き付け、唾液を硬い肉の塊に擦り込んでいく。過激なフェラチオを続けながらフランは真の太腿に置いていた右手を自身の秘所へと運んだ。弄られた訳でもないのにそこは愛液でしとどに濡れ、洪水状態になっていた。指を割れ目の中へと挿れ、濡れそぼった肉孔を刺激してみると火花が飛び散るかのようにフランの脳内で快楽が弾ける。

 

「ヴゥ……」

 

 快感に腰砕けになりそうになるも、何とか耐え切った。秘所に指を出し入れさせ、己も快楽を味わいながらフランは口淫で真を射精へと追い詰めていく。口内でビクビクと小刻みに脈動する男根は何時発射の時を迎えてもおかしくはなかった。

 

「フラン、そろそろ出る……」

 

 流石に初めてで精液を直飲みさせるのはまずいと思ったのか、真は限界が間近に迫っていることをフランに伝える。しかしそれは完全な逆効果であり、フランは一層頭を苛烈に動かしていく。今や彼女の頭の中は欲望一色に染め上がっており、真と共に気持ち良く果てることしか考えていなかった。

 

 肉壺を弄る指を一本から二本に増やして自身はより大きな快感を貪り、唇を締め上げながら頬を窄めて肉棒を激しく吸い上げることで真の射精感を急増させる。男根を包む強烈かつ甘い圧迫に溜まっていた快感が爆発した。

 

 喉奥に触れるほどに深く咥えられていた亀頭が膨れ上がり、爆発するように白濁液を放ち始めた。大量に精を出しているにも関わらず、もっとと催促する逸物の裏筋を舐める舌や逸物をきつく締める口内の感触に歯を食い縛りながら真は勢いを衰えさせることなく射精を続ける。

 

 腹の中に雄臭い粘液が鉄砲水のように流し込まれていくのを感じ、フランは同時に絶頂して滝のような潮を床の布に噴き出す。ビクンビクンと体が痙攣し、目尻には涙が浮かんでいた。

 

「ちゅうううぅぅぅ……ちゅぽっ」

 

 尿道に残った全ての精液を吸い付くし、漸くフランは男根から口を離した。荒い息をしながら二人は見つめ合う。

 

「きもち、よかった?」

 

 フランの問いに真は撫でることで答えた。ちゃんと奉仕が出来た嬉しさに微笑みながらフランは立ち上がり、頭を撫でていた真の手を自分の秘所へと導く。びちょびちょになったそこを真に触らせながらフランは情欲の光が宿った瞳を鈍く輝かせた。

 

「ますたー……」

 

「分かってる。ちょっと、待っててくれ」

 

 フランの額に軽くキスし、真は準備を始める。箱の中に残っている布を数枚取り出し、テーブルの上に重ねて置いた。軽く体重をかけながら布に手を押し当て、テーブルの硬さが感じられないことを確認する。手早く作業を終えた真はフランをお姫様抱っこし、布を敷いたテーブルの上にゆっくりと横たわらせた。

 

「痛くないか?」

 

 コクリと頷くフラン。少しでも痛くないようにと思って使った布はちゃんと効果を発揮してくれているようだ。指の背でフランの頬を撫でながら真は彼女の裸身を見下ろす。透き通るように白い肌、慎ましやかな胸の先端で美しく桃色に色づく乳首。女性特有の柔らかさを感じさせる体のラインは悩ましく、女性器は陰毛一つ生えていない所謂パイパンだった。

 

「綺麗だよ」

 

 真のお世辞なしの言葉にフランは頬を染めて喜ぶ。もう一度、フランの額にキスし、真は右手でフランの太腿を撫でながら左手で勃起した愚息を握り、秘所へと狙いをつけた。

 

「いいか?」

 

 フランが頷いたのを見て、真は己の分身をフランの中へと埋め込んでいった。熱く蕩けた肉壺は初物であるにも関わらず、肉襞を掻き分けて侵入してくる逸物にぴったりと吸い付いてくる。不規則に動く何重もの襞が男根に柔らかく絡みつき、腰を進めていくごとに二人に甘美な快感を味あわせた。

 

「ゥ、ゥ……」

 

 快楽に顔を染めながら唸るフラン。膣内が肉棒の形に拡げられていく感触に両足の先をぎゅうと丸めながら濡れた瞳を真に向けて更なる挿入を求める。彼女の声の無い要求に応じ、真は締め付けてくる無数の肉襞を逸物で押し広げながらフランと根本まで繋がり合った。

 

 女を自分のものにする満足感、男に膣内を満たされる充足感。交わり合った男女はそれぞれの胸中に産まれた達成感にも似た感情に満足げな吐息を漏らす。見詰め合う二人。互いの瞳の中には相手に対する情欲と確かな愛情の光があった。

 

「動くぞ」

 

 真の言葉にフランは期待に胸を高鳴らせる。初めてではあるものの処女を奪われた痛みは無く、脳が痺れてしまいそうな快感を味わっていた。これから与えられるであろう更なる快楽を考えると鼓動は加速し、膣内は早くとねだるように肉襞を蠢かせた。

 

 ゆっくりとピストン運動を始める真。蜜壺から抜け出そうとする逸物を逃がすまいと纏わりついてくる肉襞の感触に背筋を粟立てながら限界まで腰を引き、膣内へと押し戻す。出っ張ったカリ首に膣粘膜を引っ掻かれ、フランは全身を紅潮させてよがった。半開きになった口から呻き声とも嬌声とも取れる声を上げ、胎内で脈動する男根の熱さに体を震わせる。

 

 やわやわと絡みついてくる肉襞に快感を染み込ませるように真は一定のリズムで腰を前後させる。子宮口をノックされる度、フランは小さく短い悲鳴のような喘ぎを上げ、傍目から見ても分かるくらいに体を痙攣させた。膣内を貫かれる快感に体をしならせ、硬いテーブルに敷かれた布を両手で弱々しく握り締めて絶頂へと向かっていく。

 

 高まる感度に合わせて具合が良くなるフランの膣内に真は下腹に力を込めて耐えた。亀頭や肉竿の快感のツボを的確に責めてくるようになった雌穴はぐちゅぐちゅと音を立てて逸物にしゃぶり付き、肉襞をざわめかせて射精を促している。精を搾り取ろうとする膣内の動きに歯を食い縛り、真はフランの太腿に回した腕に力を込めて体を引き寄せると同時により強い抽挿を叩き込んだ。

 

「ゥゥ、ァゥ……!」

 

 右肩上がりに強くなる性感に乳首を硬く勃たせてフランは体を悩ましく右に左にくねらせる。全身に行き渡る肉悦に薄らと涙を浮かべながら更なる快楽を貪ろうと腰を揺さぶっていた。奥から溢れる蜜でヌメりの強くなった肉襞を蠕動させ、一分の隙間も無く真の分身を締め上げる。逸物が戦慄き、鈴口からとぷとぷと濃厚な先走りを吐き出して膣内の滑りをより良いものにしていた。

 

 募っていく射精感に従い、真は腰の動きを早くしていった。パンパンと音を鳴らして腰をぶつけ、フランの女体を波打たせる。カリに掻き出された淫液がフランの太腿を濡らし、敷かれた布に大きな染みを作っていく。甘い圧迫感を伴って肉棒を押し潰してくる肉孔に興奮を煽られ、肉欲に突き動かされるがままフランを犯していった。一方、フランもだらしなく開いた口から舌を覗かせ、顔が涎で汚れるのも構わずに快感を享受していく。頭の中は快楽で真っ白に染まり、もう自分を犯す雄の精を受け取ることしか残っていなかった。

 

 速く、力強く肉壺を抉っていた男根が大きく膨れ上がる。逸物の形に拡げられていた膣内を更に押し広げられたフランの口からひぅっ、と声が漏れた。同時にピタリと子宮口にキスをした亀頭の先端から白濁液がマグマのように噴き出した。

 

「~~~っっっ♡」

 

 子宮に精液を流し込まれ、フランは声にならない嬌声を上げて体を弓なりに反らせる。背筋でなだらかな山を描き、何度となく体を痙攣させて逝き続けた。真も体をびくつかせ、頭の中がスパークするような絶頂を味わいながら震える女体に欲望を注ぎ込み続けた。子宮内に収まり切らず、膣道を逆流してきた精液が潮と共に溢れてくる。

 

 数分にも及ぶ長い射精を終え、真はどうにか一息ついた。額に浮かんだ玉のような汗を拭い、繋がり合ったままのフランを見下ろす。絶頂を登り切った少女は全身を弛緩させて手足を投げ出し、荒く浅い呼吸をしながらぼんやりとした目で天井を見上げていた。

 

「フラン」

 

 優しく呼びかけながら真は少女に覆い被さる。虚ろになっていた瞳が真の姿を映し、フランは嬉しそうにふにゃりと表情を緩ませた。

 

 唇を突き出し、両腕を伸ばすフランを抱き上げる。啄むようなキスをフランにしながら真は彼女が落ちないように熱く火照った女体を抱き締めた。むせ返るような汗と雌の匂いを胸一杯に吸い込む。

 

「ますたー、だいすき」

 

「俺も。大好きだよ、フラン」

 

 真の返答に目元を緩ませ、フランは今度は自分から口付けをする。最初は互いの舌をゆったりと絡め合っていただけだったが、舌での交合はどんどんと激しさを増していき、ついには二人の情欲の炎を再び燃え上がらせるにまで至った。

 

「ますたー、いっぱい、しよ」

 

 フランの求めに頷き、真は彼女を抱きかかえたままの体勢で腰を振り始める。さっきよりも深い交わりにフランは声を上げて啼き、結合部から精と蜜が混ざった粘液をぼたぼたと床に垂れ落としていた。

 

 外で雨が降り注ぐ中、二人は雨宿りをしていたことなどすっかり忘れ、獣のような声を小屋内に響かせて只管愛し合い続けた。

 

 

 

 

「これで最後、っと。ほい、フラン」

 

「ゥ」

 

 真から洗った布を受け取ったフランは破かないように力加減をしながら布の皺を伸ばし、二本の木の柱の間に張られた紐に布をかけた。十数メートルほどの長さのある紐には何枚かの布がかけられており、そよ風を受けて緩やかに靡いていた。

 

 二、三時間ほど前まで豪雨が降っていたのが嘘のように空は晴れ、太陽は若干西へと傾きながらも燦々とした陽光で世界を照らしている。降り注ぐ日光が洗濯された布を乾かしていく中、真とフランは情事の後の片づけをしていた。

 

 情事を終えた二人は互いの体液で汚れた布や床を見て、流石にこのままにしておくのはまずいと掃除を始めたのだ。幸い、その頃には既に雨は止んでいたので、小屋の外にある井戸で体を洗ったり、濡れていた服を外に干すことが出来た。服が乾くまでの間、二人はまだ使っていない清潔な布を体に巻いて小屋の中を掃除していた。床の上の水溜りのようになった精液と愛液の混ざった粘液を拭き取り、窓を開けて空気を換気する。掃除が終わるころには服も着れる程度に乾いており、今は服を着て外で使った布を洗っていたところだ。それももう終わり、二人は仲良く並んで干した布が風に揺れる様を見ていた。

 

「おぉ~い、お二人さん」

 

 呼び声に振り返る。小屋へと続く道を見覚えのある馬車が進んでいた。さっき、二人をこの小屋まで連れて来てくれた農夫の馬車だ。御者台に乗った農夫が二人に向かって手を振っている。

 

「こんにちは、どうかしたんですか?」

 

「いやね、お二人さんはそんな変なことするような人には見えなかったんだけど、万が一小屋を壊されたり何か盗まれたりしたら嫌だからちょっと様子を見に来たんだけど」

 

 挨拶をする真に笑って見せながら農夫は小屋を、そして干された布を交互に見る。降って湧いたような疑問を解消するべくここまで来たが、完全な杞憂だったようだ。

 

「それにしてもお二人さん、随分仲が良いんだねぇ。遠目から見たら夫婦にしか見えなかったよ。何、そういう関係?」

 

 夫婦。農夫の口から出た単語にフランは爆発でもしたかのように顔を真っ赤にさせた。

 

「はは、ご想像にお任せします」

 

 そこに追い打ちをかけるように真はフランの体に手を回して抱き寄せる。プシュー、と頭から煙を噴きそうなフランと彼女を抱く真に農夫は己の予想が当たったとはしゃいでいた。

 

「やっぱり、そうなんだ。いやぁ、懐かしいなぁ。オラも昔はお二人さんみたいにかあちゃんとイチャイチャしてたもんだよ。毎日元気にハッスルして、今じゃ子供が十人いてね」

 

「そいつは大家族ですね」

 

 農夫と談笑する真の横顔を不満げに見詰めるフラン。自分を放って他人と話をする真に何か物申したそうにしているが、彼の横顔を見る顔はとても幸せそうだった。

 

 

 

 

 余談だが、カルデアに戻ったフランは会う人会う人皆に真から貰った花冠を自慢したらしい。その日から、真はサーヴァント達に私にも何か作れ的な視線を送られることになるが、それは人理修復とは何の関係もないことだ。




 軽いキャラ紹介

『フランケンシュタイン』
マヂ天使。作者はFGOに花嫁フラン『フラン・ブライド』が実装されるのを心より待っています。まぁ、そんなのが実装されたら作者の懐は氷河期を迎えてしまいますが。無理に喋らせようとせず、また喋れないバーサーカーだからと意思疎通を放棄せずに接してくれたマスターのことが大好き。
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