『WARNING キャラ崩壊注意』
『WARNING キャラ崩壊注意』
『WARNING キャラ崩壊注意』
『WARNING キャラ崩壊注意』
(俺の名前は遠野真。十八歳の誕生日、たまたま見つけた胡散臭いチラシに応募したらカルデアとかいう場所に拉致され、何故かマスターと呼ばれる何かになっていたごく普通の男の子だ。色々あって滅びそうになってる人類の歴史を救済するため何やかんやと頑張っている。人類最後のマスターとして行動している俺だが、実は二つの大きな問題を抱えている。一つはこのカルデアに召喚されるサーヴァント(何か凄い人たち)が何故か女性しかいないということ、そしてもう一つは女性サーヴァントたちとの距離が物理的にも精神的にも近いということだ)
「えへへ、先輩」
人理継続保障機関『カルデア』の一室。ベッドの上で抱き締めながら寝るのに丁度いいサイズの縫いぐるみ、カルデア最後のマスター遠野真をモチーフに作られた通称シン君を愛おしそうに頬擦りしている少女の名はマシュ・キリエライト。英霊の依代となるために生み出された存在であり、マスターである真や仲間のサーヴァント達、そして今生き残っているカルデアスタッフ達の尽力によって真っ当な人としての人生を送れるようになった産まれたての『人間』だ。
マシュはとある計画によって作られた試験管ベビーだ。その計画というのが人間にサーヴァントを宿す(ロマニ曰くサーヴァントを人間にする)という非常に無茶なモノであり、そんな出鱈目な計画の産物である彼女がまともな人間であるはずも無かった。英霊を宿すためだけに作られた体は様々な投薬や実験で寿命を擦り減らされており、十八歳までしか生きられないと言われている。
いや、
ロマニの口から語られたマシュの出生に真は人生初めてのマジ切れ状態となり、人理救済の使命を全て放り投げてマシュの体を正常にすることを自身の最優先事項としたのだ。
『人類最後のマスター様がやるって言ってんだよ、文句なんてないよなぁ!?』
と、人生最初で最後の傍若無人っぷりを発揮し、ロマニを筆頭にしたカルデアスタッフは勿論ダ・ヴィンチちゃん、そして当事者であるはずのマシュすら置いてきぼりにして真は事を進めていった。
マシュにもっと生きて欲しい、もっと色んな世界を見て欲しいという真の願いに快く協力してくれたサーヴァント達と共に様々な時代にレイシフトした。例えレイシフト先が神秘に満ちた紀元前であっても、マシュの体を健全な人間と同じものに出来る可能性が極小でもあるのならば無理を通してその時代へと赴いた。
無論、カルデアに残って真達を送り出すスタッフ達の苦労も馬鹿にはならなかった。レイシフトした先で何も見つけられず、カルデアに戻ってきては碌な休憩も取らずに次の時代に向かう真達に付き合い、スタッフ達もほぼ不眠不休で仕事をしていた。
本来の仕事である人理救済とは全く関係ない、それこそ唯の子供の我儘に付き合わされているにも関わらず、不満を漏らす者は誰一人としていなかった。
その我儘が眉を顰めるようななものだったら、例えば世界中の美女を自分のものにするといったような馬鹿げたものだったら誰も協力しようとはしなかっただろう。しかし、真が抱いた願いは
世界の命運を背負ってしまうことになった、人理救済の使命を押し付けられることになった年下の、下手をすれば自分の子供よりも若い少年の願いを叶えられずに何が大人だ、と奮起し、スタッフ一同は真の無茶に血反吐をぶち撒ける思いで(実際、ロマニは過労で血を吐いてぶっ倒れていた)付き合った。
一か月にも及ぶ、ブラック企業も裸足で逃げだしそうな地獄という表現も生温く感じる強行軍の果てに彼らはやり遂げた。マシュの体を健康なものにすることに成功したのだ。もう、彼女を縛る寿命の問題はなく、無菌室で過ごす必要も無い。理不尽に奪われていた資格を、人生を自分の思うように好きに謳歌できる、人が当たり前に持っている権利を彼女は取り戻したのだ。
正直な話、体が人並みになったと聞いてもマシュは今一ピンと来なかった。何故なら既に彼女は自分の寿命や体の活動限界を悟っており、それを承知で真達と共に戦ってきたのだ。それをいきなり、君もう普通の人間と同じように生きられるから、と言われても実感はビックリするほど湧かなかった。ただ、
『それでいいんじゃないか? 実際、お前の体の問題クリア出来たけど、人理救済の旅はまだ続いてるんだし、今は全部が終わった後に何がしたいかくらいに考えておけばいいさ。でも、これだけは覚えておいてくれ。俺も、ドクターや皆も、マシュに生きて欲しいんだよ』
真の言葉が嬉しくて、感謝の言葉を伝えようにも胸に何かが閊えていて、気付けば彼の胸に顔を埋めながら人目も憚らずに大泣きしてしまったことは鮮明に覚えている。マシュ・キリエライトという人間の生存を望む人がいて、生かすために死力を尽くしてくれた人達がいる。何て幸福なのだろうか。マシュは確信を以て断言出来た。この世界で自分は誰よりも幸せな人間であると。
「先輩。わたし、全てが終わったら先輩とデートがしたいです。一緒に買い物に行って、先輩に服を選んでもらったり、私が先輩の服を選んだり。一緒にご飯を食べて、一緒に映画を見て。それから……」
今、マシュは以前に真に言われたグランドオーダーが果たされた後にしてみたいことを口に出して列挙していた。顔に嬉々とした表情を浮かべ、ぎゅっと抱き締めたシン君に語り掛けている。
「デートの終わりに夜景を見ながら歩いて、いい雰囲気になって、わたしと先輩はキスをして、その後二人はほ、ホテルに……」
頭の中に描いたピンク色の未来予想図にマシュはキャー、と乙女チックな悲鳴を上げ、ベッドに倒れ込んで両脚をぼふぼふとばたつかせた。
顔がにやけて仕方がない。頭の中に思い描いた未来が現実のものになるかどうかはともかくとして、真と一緒に何かをすると考えるだけでマシュは天にも昇る気持ちになっていく。真のことを考えるだけで幸せだった。
「先輩……」
ふと、マシュの顔が翳る。さっきまで天上の星のように浮かれていた気分は急転直下し、浮かべられる表情は暗澹たるものになっていた。
「わたしはこんなにも強欲な女だったんですね」
自嘲気味に呟く。マシュは自分がこの世で最も幸福な人間だと思っている。身に余る幸せを享受していることも理解しているつもりでいる。だというのに、彼女は更なる幸せを、女としての幸せをも求めるようになっていた。真と生涯を共にし、健やかなる時も病める時も手を取り合って歩いていく未来を彼女は切望していた。彼の周りに何人もの女性がいると知っていながら、だ。
元々、マシュは真と出会った当初から彼に対して淡い想いを抱いていた。しかし、出生の所為で碌な人生経験も積んでいなかったマシュはその感情が恋だということには気付けず、自分が真に恋をしていると自覚した時には既に真は複数の女性と関係を持っていた。誰もが皆、自分など足元にも及ばないような魅力的な女性達だ。
諦めようと思った。自分如きが敵う人達ではないと、何よりもマスターの苦労をこれ以上増やすわけにはいかないと思い、マシュは己の気持ちに蓋をした。しかし、駄目だった。真と共に戦場を、窮地を潜り抜けていく内に想いはどんどんと膨れ上がり、今となっては自制するのが難しいほどに真への恋心は巨大なものになっていた。
自分みたいな小娘が相手にされる訳がないという諦念とマスターに負担をかけてはいけないという自制心がマシュの心を抑えつけ、同時に真に愛されたいと思う願いが大蛇のように胸の中で暴れ狂う。今まではどうにか制御出来ていたが、もう彼女は爆発寸前だった。
「先輩、わたしは……」
息苦しさに胸元を押さえる。自制と欲望が板挟みとなって、マシュを葛藤という名の無限回郎へと引きずり込む。悶々と一人悩むマシュ。そんな彼女に近づく一つの影。
「フォウ(悩んでいるようだなぁ)」
「そ、その声は……!」
突如、聞こえてきた声にマシュはハッと起き上がり、居住まいを正した。ベッドの上でぴしりと背筋を伸ばし、正座を組んだ彼女の前に現れたのは、
「フォーウ(なぁにを悩んでいるぅ、ムァシュ・キリエライトォゥ)」
カルデアが誇る不思議生物系マスコット、フォウ君だった。今日もモコモコフワフワ、素敵な毛並みをしている。ちょこんとベッドの上に座ったフォウ君は動物のものとは思えない理知的な光を湛えたアメジスト色の瞳をマシュに向けていた。
「フォウ(かぁれの、ことか?)」
「それは……はい。フォウさんは何でもお見通しなんですね」
リスなのか何なのかよく分からない謎生物の鳴き声に神妙な面持ちで頷く美少女の図。この上なくシュールだ。
「フォフォウ。フォウフォウフォ(ぬぁぜ悩む? もう、答えは出ているのだろう?)」
マシュは表情を曇らせた。フォウ君の言う通り、マシュの中で既に答えは出ている。真に自分も愛して欲しいという我儘を貫くか、それとも真にこれ以上の負担をかけてはいけないと諦めるのか。選択肢はこの二つしかない。
「フォーウ、フォッフォウ(お前がそうやって悩んでいる間にも、
俯き、握り締めた拳を震わせるマシュにフォウ君は容赦なく言葉を投げつける。言われるまでも無く、マシュは知っていた。自分以外にも真を想う人達がいて、その人達は真のことを諦めるつもりなど更々なく、虎視眈々と愛を交わすチャンスを狙っていることも。
「わたしは……先輩の苦労を増やしたくないです……」
「フォウ(なら、諦めるのか?)」
「それは……それも、嫌です。わたしだって、わたしだって先輩のことが大好きなんですから……!」
主張するようなことではないのだろうが、声に出さずにはいられなかった。
「わたしが、わたしが一番最初に先輩を好きになったんです!」
大粒の涙を流し、震える声を絞り出しながら改めてマシュは自覚する。この胸の中で燃え上がる恋の大火を消すことなど不可能だと。もし仮にこの火が消える時が来るとしたら、それはマシュ・キリエライトの命が終わり果てる時だけだとも。
マシュの心の叫びにフォウ君は満足そうに頷く。
「フォウフォウ(そぉうだ、それでいい。声を大にして叫べ、想いを伝えろ。お前にはその権利がある、ムァシュ・キリエライトォゥ)」
「そ、それは……///」
さっきまでの勢いは何処へやら。途端に顔を真っ赤にさせ、マシュはもじもじと人差し指の先を合わせたり離したりし始めた。
「それとこれとは話が別といいますか、いきなり貴方のことが好きですなんて言われても先輩も困るでしょうし、仮に告白をしたとしても先輩がわたしのことを受け入れてくれるかどうか……」
「フォウ(何故、そこでヘタレる……)」
深々と嘆息。そんな風に二の足を踏むから他の女の後塵を拝することになるのだというフォウ君の厳しい言葉にマシュはしょんぼりと項垂れた。そもそも、受け入れられるかどうかを心配すること自体が間違っている。蛇蝎のように忌み嫌われているというならとかく、マシュは真が心からの信頼を置く唯一無二のパートナーだ。そんな彼女の告白を拒んだりはしないはずだとフォウ君は断言する。
「それは、そうなんでしょうけど」
自分に自信がないのか、煮え切らない態度を取り続けるマシュに業を煮やし、遂にフォウ君は強硬手段に出た。
「フォウ、フォウフォウッフォッフォウ(いいか、ムァシュ。お前はもう我慢をしなくていいのだ)」
マシュに気付かれぬよう、目から催眠光線的な何かを放ちながら諭すように語り掛ける。知らず知らずの内に謎の催眠光線的な何かを浴びたマシュは目をトロンとさせ、夢見心地といった状態でフォウ君の言葉を反芻していた。
「わたしはもう我慢しなくていい……」
「フォーウ。フォフォフォウ(そぉうだ。もっと我儘になっていいのだ。誰が何と言おうと、お前にはその権利があぁる)」
フォウ君は改めて訊ねた。お前はどうしたいのだ、と。フォウ君の問いにマシュは目に絶対の意思を宿しながら答えた。
「わたしは先輩と、真先輩と愛し合いたい」
もう、誰に何を言われようと決して曲げないという鋼の決意の籠ったマシュの答えにフォウ君はそれでいいと頷いた。頷いていたのだが……。
「先輩に愛して欲しいです。全身がトロトロになるまでキスをして、心も体もぐちゃぐちゃのどろどろになるまでセックスして欲しいです。わたしが上になるのもいいですけど、先輩に押し倒されながらされるのも最高です。ワンちゃんみたいに後ろから激しくしてもらうのも悪くないかも。その前に口やおっぱいでご奉仕するのも忘れちゃ駄目ですよね……」
マシュの口から赤裸々に語られる卑猥な欲望の言葉に思わず後退りするフォウ君。あれ、もしかしなくてもやり過ぎた? と気付いた頃には全てが手遅れだった。
「ありがとうございます、フォウさん。わたし、もう迷いません」
「フォ、フォウ(お、おう)」
目を爛々と輝かせるマシュにフォウ君はそれ以外何も言えなかった。
「まずは先輩の向こう一週間のスケジュールを確認しないと。それからダ・ヴィンチちゃんに先輩誘惑用の衣装やいけないお薬を作ってもらって……忙しくなりそうです。待っててください、先輩」
ベッドに置いたシン君にキスをし、マシュは足取りも軽やかに部屋から出ていった。ただ、呆然としながらマシュを見送ることしか出来なかったフォウ君は後にこう語る。
『最初は軽い気持ちでした。マシュが少しでも自分の心に素直になってくれるようにと思って、心の抑えをちょっとだけ緩くする魔術をかけたんです。地の文じゃ催眠光線的な何かとか書かれてますけど、催眠とか洗脳の類じゃ断じてありません。あくまでマシュの理性を少し減らす程度の効果しかなかったはずだったんですけど……まさか、あんなことになってしまうなんて……』
数日後、その日の戦闘訓練などのルーチン全てを終えた真は倒れるようにマイルームのベッドに横になっていた。晩飯も食べ終え、風呂にも入ったためか、少し寝るには早い時間帯であるにも関わらず、瞼は重かった。
「今日も元気に頑張ったぞいっと……あぁ~、疲れた」
天井を見上げながらこなれてきた腹を撫で擦る。ブーディカや頼光達が作った晩御飯は頬が落ちるほどに美味しく、幾らでも腹の中に収めることが出来た。多少、食い過ぎではないかと真自身思わないでもなかった。
「成長期だからね、仕方ないね。沢山食べる君が好きってどこかの誰かも言ってたし」
自分に言っているのか、わざわざ口にする必要のない言い訳を並べ立てる真。実際、食べ過ぎで肥満になっている暇なんてないのでそこまで気にすることでもないだろう。
「さて、寝る前に今日の戦闘訓練のデータでも見ますかね……いや、しかし」
ごろんと寝返りを打ち、真はベッド脇のサイドテーブルに置かれたA4サイズノートと同じくらいの大きさのタブレット型の端末を手に取った。電源を入れ、光りの灯った液晶の画面を指で操作すると数日分の戦闘訓練のデータが表示される。更に指を動かすと向こう一週間分の、どのサーヴァントとどのような訓練をするかが記された予定表が画面に出現した。びっしりと文字が打ち込まれた予定表は製作者がどれだけ生真面目で、そして真摯な人間かを物語っている。
「
この予定表を作ったのはマシュだ。レイシフトや増えてきたサーヴァントの相手なんかで何かと忙しい真の苦労を少しでも減らしたいと、訓練工程の組み立てなどの細かな作業を買って出てくれたのだ。
それだけじゃない。ブーディカや頼光達に混ざってご飯を作り、栄養面でまで真をサポートしてくれている。戦闘時は勿論、生活面でも自分を支えてくれる相棒に真は感謝の思いで一杯だった。
「マシュには感謝してもし切れないな。何か、お礼しないと。何がいいかな……明日あたり、ドクターに相談してみるか。まぁ、その前に何とかしなきゃならんことがあるけど」
端末をサイドテーブルに置き、困り顔で真は視線を股間に向ける。テントを張っているズボンの中では半ば御立派様に成りかけた暴れん棒が自己主張していた。要するに半勃ち状態である。
「はぁ、俺はオナニー覚えたての猿かっての」
我慢を知らない愚息に真は呆れと自嘲のため息を吐く。ここ最近、ずっと真の御立派様はこの調子だった。
マシュの体を正常にするために真が敢行した強行軍は過酷を極め、当然性欲を発散する暇などなかった。まして、誰かを抱く時間なんてとてもとても。まぁ、理由はそれだけではないのだが。
「これ、半分くらいはマシュの所為でもあるよな」
そう、真の股間がこんな風になっている原因の半分、いや、大部分は彼の相棒、マシュ・キリエライトにあった。何というか最近、マシュが非常に積極的なのだ。後ろから抱き付いて来たり、腕を絡めてきたりと盛んにボディタッチをしてくるようになった。その度に様々な人達からマシュマロと評されたマシュの凶悪なバストが体に当たり、ただでさえ欲求不満な真を悶々とさせる。現にさっきも廊下を歩いている最中に抱き付かれた。こう、マシュっと。
それだけじゃない。誰か、例えばスカサハが真に夜の誘いをかけようとすると、そのタイミングを狙い澄ましたかのようにマシュが何かしらの用事を持ってくるのだ。そんなことが何日も続き、お蔭で真は溜まったものを吐き出すことも出来ずにムラムラする日々を過ごしていた。
「どうにかしないと。このままじゃ俺は誰かを無理矢理……いやいや、何を考えているんだ俺は!」
一瞬でも非紳士的なことを考えた己が許せず、手の跡が残る勢いで真は頬を両手でぴしゃりと叩く。無理矢理やったとしても皆、嬉々として受け入れてくれるだろうが、力尽くは駄目絶対という真なりのポリシーがあった。セックスっていうのはね、何というか救われてなきゃあダメなんだ。独り善がりじゃなくて、互いに愛を込めて。
まぁ、流石に理性がぶっち切れてしまうような状況ではその限りではないが。
「マシュだってわざとやってる訳じゃないんだ。そもそも、マシュの所為にすること自体が間違いだっつぅの」
ここまでされておいてマシュの行動が意図的じゃないと考える辺り、真がどれだけ彼女を信頼しているかが窺えた。しかし真は知らない。今から数分後にその信頼が裏切られることを。
「仕方ない……ここは一回スッキリしとくか。後で皆に無駄撃ちするなって怒られるだろうけど、誰かを無理矢理手籠めにするくらいなら」
最後の手段、オナニーで溜まりに溜まった性欲を少しでも発散させようと立ち上がったその時、何の前触れもなく部屋を照らしていた電灯が消えた。
「駄目ですよ、無駄撃ちなんて。そんな悪いことはめっです」
突然のことに驚き固まる真の耳元で誰かが囁く。蠱惑的な、耳にするだけで背筋に鳥肌が立つような色気のある声。うおっ! と声を上げる真に声の主はクスクスと小さな笑い声を残して離れていく。
「な、何やってんだ、マシュ?」
姿は見えずとも、真はそこにいるのがマシュだと分かった。聖杯探索の始まりから共に歩んできた少女の声、間違えるはずも無い。ただまぁ、気になる点があるとすれば、彼女らしからぬ色っぽい声音で話しているところだ。聞くだけで股間がズキンと疼き、男根が肥大化していくのが分かる。
「何をやっているか、ですか? 勿論、わたしのやりたいことです」
「やりたいこと? 何を言って、いや、それ以前にロックかけてたのにどうやって部屋に入って」
「ロックは解除させてもらいました。以前、複製した先輩のカードキーで。あぁ、聞かれる前に答えておきますが、先輩の部屋の電気を切ったのもわたしです」
「き、キーを複製? それに部屋の電気も切ったって……な、何でそんなことを!?」
戸惑う真の問いに答えず、マシュはクスクスと笑う。気配から察するに真の周りをくるくると円を描くように歩いているようだ。
「先輩。わたし、今までずっと我慢してきたんです。先輩に愛して欲しくて、でも迷惑をかける訳にはいかないって何回も自分に言い聞かせて。先輩に抱いてもらえるスカサハさん達のことを本当に羨ましいと思いながら、自分で自分を慰めて耐えてきました」
でも、それも終わりです、と動いていた気配が真の目の前で止まる。決然とした意志が込められたマシュの言葉に真は返事も出来ず、固唾を呑んで突っ立っていた。
「もう、我慢も遠慮もしないって決めました。これからは大好きな先輩に一杯我儘を言って構ってもらって、一切遠慮せずに甘えていきます。
消えていた電灯が点り、室内を照らす光がマシュの姿を露わにする。
「今のわたしは
ガオー、と両手を上げて荒ぶる獣のポーズを取るマシュの格好に真は目を皿のようにして見開いた。今の彼女の姿は確かにデンジャラスの名に違わないものだった。
はっきり言って全裸なんて目じゃないほどの卑猥さだ。頭の犬耳、首元のモコモコした襟巻、お尻のフワフワ尻尾、ゴム製の爪がついた二の腕まである手袋はまだいい。しかし、そこから先が問題だ。紫色のファーで誤魔化してこそいるが、バストを隠すブラはマイクロビキニほどの大きさしかないだろう。股間を覆うパンツもブラと同様に辛うじて局部を隠しているだけだ。膝のやや上まであるファー付きのストッキングから覗いた太腿はむっちりと程よく肉付き、臀部に至るまでのラインは思わず手を伸ばしてしまいそうになる。腹部を拘束するようにクロスした黒紐も淫靡過ぎるマシュの魅力を引き立てていた。見も蓋も無い言い方をすると、乳首を隠す毛の部分を除いてほぼ紐だ。
「で、デンジャラス・ビースト……」
正にその名が相応しかった。一般的な男性から見ても目の毒だというのに、今の性欲が溜まった状態の真に取ってデンジャラス・ビースト姿のマシュは余りに刺激が強過ぎた。目を血走らせて見詰めてくる真に、そして大きくズボンの中で膨らむ男の象徴にマシュは満足げに頷く。
「どうですか、先輩? わたしの格好、エッチな気分になりますか? なりますよね。だって、一か月近くもヌいて無い上に、最近はダ・ヴィンチちゃん特製の精力剤を毎日飲んでたんですから」
「いや、その格好を見て興奮しない方が男としておかし、いや、ちょっと待ってくれ。今、君何て言った?」
非常に聞き捨てならないことを言われたので、思わず真は逸らしていた目をマシュに向けた。ダ・ヴィンチちゃん特製精力剤とは一体全体何ぞや。
「そのままの意味です。先輩のおちんちんを元気にして、先輩をエッチな気持ちにするためにダ・ヴィンチちゃんに作ってもらったお薬です。四日前から朝昼晩、先輩が食べる全ての料理に盛らせていただきました」
ブーディカ達の目を盗みながら、それも真の料理だけに精力剤を入れるのは中々に苦労したそうな。得意げに語るマシュを真は呆然としながら信じられないものを見る目で見ていた。
「何で、何でそんなことを!?」
「何でって、そんなの決まってるじゃないですか。先輩のぉ、どろっどろの濃厚ザーメンをわたしのオマンコに溢れるまで注いでもらうためです♡」
二回目の真の問いにマシュは瞳に隠し切れない淫欲の光を宿して答える。ぺろりと舌で唇を舐め上げる仕草は恐ろしいほどに艶めかしく、見ているだけだというのに真の背筋を粟立たせた。
「ふふ、先輩のおちんちん、ガチガチのバキバキですね。まぁ、当然ですよね。誰ともセックス出来ないようにスケジュールを調整したり、誰かが先輩を誘おうとしても適当な理由をつけて邪魔してきたんですから」
「な、何だと? まさか、訓練の予定を立ててくれたり、狙い澄ましたように皆の夜の誘いに用事を被せてきたのは」
「はい。先輩を発情期のお猿さんみたいに欲求不満にするためです。あ、先輩のお仕事の手伝いを申し出たのはこれだけが理由じゃなくて、純粋に先輩の力になりたかったというのもありますのでそこは誤解しないでください……先輩。やっとです。やっと、やっと先輩と一つになれます……」
頬を性的興奮で赤くしながらマシュはほぅと官能的な吐息を漏らす。フォウ君に背中を押されたあの日から始めたこの計画。計画遂行日数は一週間にも満たない短いものだが、マシュは一日一日を一日千秋の思いで過ごしてきた。その思いがこの日、漸く実を結ぶ。マシュの興奮も最高潮に達していた。
「さぁ、先輩。観念して
狼が羊を狩ることなど実に容易い。赤子の手を捻るようなもの、即ちベイビーサブミッション。
「……く、くくく。哀れな羊か。言ってくれるじゃないか、マシュ」
マシュの言葉に俯いていた真だが、今は不敵な笑みを顔に浮かべてマシュを真正面から見据える。闘志を宿してごうごうと燃え上がる瞳は羊なんて可愛いものじゃなく、正しく戦士のものだった。
「逃げ場なんて無い? 上等、上等。なら、今までそうしてきたように正面から食い破るまでよ!」
「先輩、(性的な)絶体絶命のピンチでも絶対に折れないその心……とっても素敵です」
力強く宣言する真をマシュはうっとりとした顔で見詰めていた。もう駄目だこの子。誰でもいいから医者を連れて来てくれ。
「この俺を人間と侮るなよ。魔力放出とか瞬間強化みたいな身体的ブーストがあったとはいえ、
影の国の女王スカサハ、平安時代最強の神秘殺し源頼光を筆頭にしたサーヴァント達に鍛えられる日々を送ることにより、今や真は特異点で出会うはぐれサーヴァント達が真顔でドン引きするほどの戦闘能力を身に付けていた。例え相手が神代の存在であったとしてもそうそう遅れを取ることは無い……!
「行くぞ、マシュ! 獲物を前に舌舐めずりなど三流がすることだと教えてやる! うおぉぉぉ!!!」
「ば、馬鹿な。瞬殺だと……!」
「捕まえたぁ♡」
勝負は一瞬でついた。いや、勝負と表現することすら烏滸がましい、一方的な決着だった。どちらが勝者なのか。それはいつの間にか全裸に剥かれた真がマシュにベッドに押し倒されている構図を見れば自ずと分かるだろう。
真には何が起こったのか理解すら出来ていなかった。マシュを取り押さえようと床を蹴った瞬間、世界が反転し、気が付けば全裸の状態でマシュにベッドへと組み敷かれていた。何が何だかさっぱり分からない。唯一つ理解できることがあるとすれば、マシュにコンマ数秒で無力化されたということくらいだ。
「お、俺の後輩は化け物か……!」
「今のわたしは先輩への溢れる想いで全てのステータスが強化されていますから。先輩への愛を抑えなくなったわたしは
愛とは一体何なのだろうか。一瞬、哲学的な問題に思考を没頭させそうになる真だったが、頬に添えられたマシュの両手に現実に引き戻された。
「せ・ん・ぱ・い♡」
淫らな光を灯した双眸が真を見詰める。開いた口から伸びた舌は涎を滴らせ、垂れ落ちた涎が真の唇を汚した。どんどんとマシュの顔が迫ってくる。生暖かい息を獲物へと吐きかけながら口を近づける姿は正に餓狼。
「ん……」
唇が触れ合うのに時間はかからなかった。マシュの柔らかい唇の感触に精を溜め込んだ真の体が敏感に反応する。ピクンと体を震わせる真に妖艶な笑みを浮かべ、マシュはチュッ、チュッとわざと音を立てて真の唇に吸い付いていった。
どうにかマシュの下から抜け出そうとする真だが、数日振りの女体との触れ合いに体が痺れたように動かない。オマケに剥き出しになったそそり立つ男根を押し潰すパンツと、その内側にあるふかふかの陰唇の感触で下手に動いたら暴発してしまいそうだった。
真が動けずにいるのをいいことにマシュの口付けはどんどんエスカレートしていく。唇を啄むバードキスは舌を口内に捻じ込むディープキスへと変わり、マシュは顔を真っ赤にして快楽に耐える真の口を一切の容赦なく犯していった。
初めてとはとても思えない舌使いでマシュは真の歯茎を舐め上げ、口蓋を舌先でくすぐる。真が感じるポイントを即座に見つけ、重点的に責めていった。奥に引っ込もうとしている真の舌を引きずり出し、強引に舌を絡める。じゅるじゅるとはしたない音を口から漏らし、マシュは今まで抑えてきた想いを全てぶつけるように真とのキスに没頭していった。
たっぷり十分以上かけて行われた互いの舌が一つに溶けてしまうのではと思える口付けが終わる。真の口内から舌を抜いたマシュは艶然とした笑みで真を見下ろしていた。
「先輩。わたしのどこで出したいですか?」
上体を起こし、己の体を真に見せつける。涎で濡れ光る艶やかな唇。卑猥な衣装に包まれた胸元や股間。キュッと括れたウエストに薄く肉の付いた腹部。全てが真の劣情を煽ってやまない。
「手でシコシコしますか? それともフェラでジュボジュボ? このマシュマロおっぱいに挟んでドピュドピュするのもいいかもしれませんね。でも、わたしの一番のお勧めは、調子に乗った生意気な後輩を先輩のおちんちんで躾け直す生ハメお仕置きセックスです」
淫らな笑みで笑いかけながらマシュは真の硬く尖った乳首を人差し指で軽く弾いた。
「先輩はどれがいいですか?」
マシュの口から次々に出てくる卑猥な提案に真は顔を真っ赤にし、あうあうと呻くことしか出来なかった。自分に馬乗りになっている少女は本当にあのマシュなのかという疑念が湧いてくる。普段の彼女、子犬のように慕ってくれるマシュの姿と、今の淫魔でも取り付いたとしか思えないふしだらな笑みを浮かべるマシュがどうしても結びつかない。しかし、どこからどう見てもこのマシュは本物だった。
「ま、マシュ……」
「早くぅ、早く決めてくださいよぉ、せんぱぁい。早くしてくれないとわたしぃ……もう我慢出来ませんよ?」
はぁはぁと全力疾走した後の犬のように息をしながらマシュは腰を揺らす。シルク生地のパンツに逸物の裏筋を擦られ、真は小さく体をひくつかせた。蟻みたいに這い上がってくる快感に息を零しながら真は体の動きに合わせて重々しく揺れるマシュの豊満バストに目を奪われる。瑞々しい白肌の内側に柔らかな果肉をたっぷりと詰め込んだたわわな果実が真の視線を独占していた。
「おっぱいがいいんですね?」
目敏く真の視線に気づいたマシュはバストを両手で持ち上げ、たぷたぷと揺らした。ごくりと音を立て、真の喉が唾を呑む。返事はそれで十分だった。
「分かりました。わたしのマシュマロおっぱい、たっくさん味わってくださいね」
真の肉棒を胸で挟めるようにマシュは体を移動させる。うつ伏せでベッドに横たわり、先走りで濡れる男根を持ち上げた乳房の間にゆっくりと挿し込んでいった。
「先輩のおちんちん、硬くて熱い。それに匂いもすっごい……美味しそう、食べちゃいたいです」
谷間から顔を覗かせた亀頭に熱の籠った視線を落としながらマシュはバストから離した両手を背中に回す。一度、ブラを結ぶ紐を解き、思いっきりきつく縛り直した。縛りの強くなった黒紐が肌に食い込み、同時に豊かな乳房を寄せ上げる。急激に高まった逸物を包む乳圧に真はか細い喘ぎを上げた。黒紐にきつく縛られて卑猥に形を変えるバストの視覚効果も合わさり、真の官能はより一層強く燃え上がる。柔らかなバストに拘束された男根が鈴口を開き、湧き水のように我慢汁を溢れさせていた。
「もう少し滑りが欲しいですね……」
乳内を濡らす先走りだけでは潤滑液として不足と判断し、マシュは口内に唾を溜め始める。頬をもごもごと動かし、口の中を唾で満たしながらマシュは真を見上げた。
「しぇんぴゃい。もらっへもいいれふか?」
んぁ、と半端に涎の溜まった口を開き、真に手助けを頼む。何を求めているのか一目瞭然だったので、真は上半身を上げてマシュの口に狙いをつけて涎を落とした。
「はひあほふほはひはふ(ありがとうございます)……」
真の唾液を口で受け止め、恍惚とした顔で目を細めるマシュ。潤滑液にするための唾液を増やすはずが、マシュはすっかり自分の目的を忘れて真の涎を味わっていた。自分のと真のものが混ざった唾液を舌で味わい、同時にぐちゅぐちゅと咀嚼して極上の甘露を楽しむ。ごくん、とマシュの喉が鳴るのに時間はかからなかった。
「おい」
「……あ」
真の呼び声に目元を蕩かせていたマシュは目的を思い出す。
「すみません、先輩。もう一回いいですか?」
呆れながらも真はマシュに付き合った。同じ作業をもう一度繰り返し、今度こそ涎の潤滑液が完成する。
「ひひはふへ(いきますね)。んろぉ……」
僅かに開かれたマシュの唇からとろりと粘度の高い唾液が垂れてくる。ゆっくりと、焦らすように時間をかけて落ちていく唾液はマシュの唇と糸で繋がりながら亀頭に落ち、先走りと混ざり合った。唾液はマシュの谷間の中へと徐々に染み込んでいき、乳肉で覆われた逸物が生暖かい液体で包み込まれていく。
「準備完了。先輩専用の濡れ濡れトロトロマシュマロおっぱいマンコ、完成です。先輩、意識が跳んじゃうくらい気持ち良くしてあげますから、一杯、わたしが溺れるくらいザーメンピュッピュッして下さいね」
両手を添えられた乳房がゆっくりと上下に動き始める。亀頭が谷間から飛び出し、乳肉の中に埋まっていく度にぬちゃぬちゃといやらしい水音が上がった。ぬるぬると滑り、しっとり吸い付く肌が甘い圧迫感を伴って肉竿をサンドし、カリ首を撫で上げていく。圧倒的な柔らかさで逸物に纏わりついてくる柔肉の感触は電撃のように真の脳髄を打ち、思考を快楽一色に染めていった。
「先輩、おっぱいの中でおちんちんがビクビクしてますよ。お漏らしするみたいに亀ちゃんからお汁が出てきてます、可愛い……わたしも先輩のこと言えませんけどね」
最後にぼそりと付け加えながらマシュは太腿をもじもじと擦り合せる。股間を覆うパンツは水分を吸収するのが不可能なほどに濡れており、シーツに愛液の染みが出来るくらいだった。
「もっとわたしを感じてくださいね、先輩」
乳奉仕により熱が込もる。左右の乳房を互い違いに動かしたかと思えば、谷間にある男根を押し潰さんばかりにバストを寄せ上げる。次々と襲い来る快感に真はただ喘ぎながら腰を震わすことしか出来なかった。
「出ちゃいますか、出ちゃいそうですか、先輩? 出してください。全部、わたしが受け止めますから……!」
マシュは真の腰に押し付けるようにバストを上から押し潰した。ひしゃげて形の変わった乳房の谷間から亀頭が飛び出てくる。涎と我慢汁でテカテカになった亀頭は血が集まり過ぎて破裂してしまうのではと思えるほどに赤黒く膨れ上がっていた。際限なく鈴口から先走りを溢れさせる亀頭に軽く息を吹きかけるマシュ。微かな吐息にも震えるくらいにそこは敏感になっていた。
「もう駄目、我慢出来ない……いただきまぁす」
悪戯っ子みたいな表情を浮かべていた顔を一瞬で雌のものへと変え、マシュは亀頭へとしゃぶり付いた。
「あぁっ!!」
頭に雷が落ちてきたような衝撃。余りに強い快感に真は一瞬、意識を飛ばしかけた。辛うじて意識を繋げるも、もう彼の体は自分のものではなくなったように勝手に動いていた。股間から駆け上がってくる爆発的な快感に自分の意思とは関係なしに腰が暴れ回っている。
「ぢゅる、ぢゅりゅ! ぢゅぞぢゅりゅりゅりゅ!!!」
ロデオの暴れ馬よろしく跳ね上がる真の腰を上半身で抑えつけ、マシュは容赦なくパイズリフェラを続けた。浮かび上がった血管が肌で分かるくらいに勃起した肉竿を乳肉で揉み潰し、噴水のように我慢汁を吐き出す亀頭やエラを張るカリ首に舌を這い回らせる。同時に玉袋から直接精液を吸い取らんばかりに激しい吸引音を立てて亀頭をバキュームしていった。
いくら何人もの女傑と肌を重ね、それなりに経験を積んできた真でもここまで激しい奉仕にはそう長く耐えられなかった。放出の時はあっさりと、そして何の前触れもなく訪れる。
「んむぅ!?」
一瞬で口内を満たした生臭い粘液にマシュは大きく目を見開く。頬がパンパンに膨れ上がり、口腔に収まらなかった精液が唇から飛び出てマシュのバストや真の腹部へと落ちていった。目尻に涙を滲ませ、必死で口内の白濁液を飲み下していくマシュ。しかし、噴水みたいに噴き出てくる精液に処理が追いつかず、飲めなかった分が次から次に口外へと零れていく。
(わたしの、わたしのザーメン。先輩がわたしのために出してくれたザーメン、全部飲むのぉ!)
ゴキュッ、ゴキュッと何度も喉を鳴らしてマシュは精液を嚥下していった。一度に大量の白濁液を喉に流し込むが、それでも放出を続ける精液はマシュの口に入り切らずに二人の体を汚していく。射精が治まる頃にはマシュの胸部、真の腹部は精液でべちゃべちゃになっていた。
「……ちゅぱ。わたしの、全部わたしの」
尿道に残った精液を全て吸い上げ、亀頭を口から引き抜く。夢遊病患者のように目を虚ろにさせながらマシュは乳房にべっとりと張り付いた精液を指で掬い取り、口に運んでしゃぶり取っていった。マシュが無我夢中になって精液を味わっている一方、頭が吹き飛ぶのではと思えるくらいの肉悦を味わった真は放心状態で浅い呼吸を繰り返していた。
「れろ、れる。しぇんぱいのしぇええき、おいひい。ちゅ、ちゅるる」
真が意識を取り戻した時には既にマシュが真の腹にかかった精液全てを綺麗に舐め取っていた。何度も、執拗に肌を舐め上げていく舌の感触がくすぐったい。
「マシュ、少しは落ち着いたか?」
真の問いにマシュは顔を上げる。己に向けられた瞳に真は背筋を凍り付かせた。マシュの情欲に染まった双眸は更なる淫蕩な光を宿し、妖しくぬらぬらと輝いている。どうやら真から搾り取った精液はマシュの体内の欲望の炎に燃料となって投下されたようだ。
「先輩、もっと、もっと欲しいです。先輩のザーメン、今度はこっちに……!」
解く時間ももどかしいとマシュはパンツの紐を引き千切る。ギリギリのサイズで局部を隠していた下着を投げ捨て、真の腰に跨った。秘所から溢れ出る蜜液が舌で清められた真の腹を再び濡らしていく。
「先輩、挿れてもいいですか? いいですよね? 駄目って言っても挿れちゃいますから」
真の返答を待たずにマシュは腰を浮かせ、隆々とそそり勃つ男根をびしょびしょになった陰唇へと宛がう。肉壺の入り口はひくひくと蠢き、肉棒の侵入を今か今かと待ちわびていた。
「ま、待てマシュ! お前、初めてだろ? 初めてって結構いた」
「もう、待てません」
一息に腰が落される。潤沢な蜜で濡れた雌穴はあっさりと逸物を呑み込み、容易く最奥への到達を許した。
「あ、あああああぁぁぁぁぁ♡」
人生で初めての、胎の奥の奥まで突き上げられた感触にマシュは絶叫を部屋に響かせる。天井を仰ぎ、背筋を反らして全身を痙攣させる。初めて男を迎えたとは思えない動きで蠕動するマシュの
「マシュ、大丈夫か? 痛くないか?」
気遣う真にマシュは真の胸板に両手を突いたまま何も言わない。肩は小刻みに震え、俯いた顔からポタポタと水滴が垂れて真の割れた腹筋へと落ちていった。
「な、泣くほど痛いのか? 痛かったら無理して動かなくてもい」
「……ちいい」
てっきり初めて男を受け入れた痛みで泣いているのかと思ったが、全く違うようだ。顔を上げ、マシュは瞳をギラギラさせて真を見ていた。瞳に涙は無く、だらしなく開いた口から涎が流れ出ている。さっき落ちた水滴の正体はこっちだったようだ。
「気持ち良い。自分でするのよりも全然……セックスってこんなに気持ち良かったんだ……もっと、もっと気持ち良くして下さい!」
うわ言を呟いていたマシュががに股の体勢になる。内腿をぷるぷる震わせ、
「ひゃあああああ♡」
腰がぶつかり合うバチュンという音と一緒にマシュは嬌声を木霊させた。ゴリュッ、と体内から音が聞こえそうな勢いで亀頭が子宮口にめり込む。胎の中から脳天まで突き抜けていく快感にマシュは視界を明滅させ、男根の根元に陰唇をぐりぐりと押し付けながらアヘ顔を浮かべていた。
(先輩も気持ち良いんだ)
顔を真っ赤にし、歯を食い縛って快感に耐える真の姿にマシュは冬場の火事みたいな勢いで肉欲を燃え上がらせる。肉壺がきゅうと窄まり、粘膜同士がより強く擦れ合って二人の快楽を増大させた。
「先輩、先輩!」
もう、止まらなかった。マシュは猛烈な勢いで腰を振り始め、真の体を、女の悦楽を貪っていく。腰がぶつかり、亀頭と子宮口がキスする度に潮が飛沫となって飛び散った。
(わたしってこんなにエッチだったんだ……)
灼熱のような快楽に溺れ、四肢が快感で火をつけられたみたいに熱くなるのを感じながらマシュは頭の片隅でそんなことを考えていた。女性が初めて男性と交わる時は血が出て、凄まじい痛みを覚えるとマシュは本で得た知識で知っていた。一般的にはそうなのだろうが、マシュは違った。男の象徴を受け入れるのが初めてであるにも関わらず、痛みなど丸で感じない。彼女が感じたのは想い人と繋がり合えた多幸感と肉悦の甘美感だけ。
処女であったくせに、痛がりもせずに浅ましく真を求める彼女を世間一般ではこう呼ぶのだろう。淫乱、と。
(淫乱。マシュ・キリエライトは淫乱……どうでもいいや)
どうでもいい。己の乱れ振りをマシュはその一言で切って捨て、快楽に耐える真の顔に視線を落とす。愛おしい人とこんなにも気持ち良く愛し合うことが出来るなら、淫乱でも何でも構わなかった。
「先輩、好き、大好きぃ! 一緒に、一緒に……!」
狂ったように腰を振りたくる。実際、真への愛で既に頭も心も狂っているのかもしれない。焦点の合っていないマシュの目はもう真しか映していなかった。この世で二人だけしかいないような錯覚が快感を激増させ、マシュの心に狂気じみた真への愛情を刻み込んでいく。
肉襞が逸物の震えを敏感に感じ取る。ビクビクと
「なかに、なかに出してぇ!」
じっとりと汗ばみ、肌を紅潮させた美尻をダイナミックに上下させる。ベッドを壊しかねない勢いで動く桃尻は真にぶつかるその都度尻肉を柔らかく波打たせ、バウンドするボールのように跳ね上がった。バスケット選手がドリブルするボールよろしく、マシュは何度も苛烈に真の逸物を己の
最早真はゴールするまで立ち止まることを許されない競走馬だった。乗り手のマシュが振り下ろす
「あああああ!」
真は狂獣のような咆哮を上げ、マシュのウエストを両手でガッチリと掴んだ。丁度、逸物が引き抜かれる寸前まで浮いていた腰を思い切り引き下ろして自身の体へと叩き付ける。もっちりと弾力に富んだ、トロトロに蕩けた極上の肉襞をカリ首で抉り、女体の最奥に亀頭を突き立てて自身にもマシュにも止めを刺した。
「っ……!!!」
男根を
マシュが声も無く逝き極める一方、真も今までに体験したことのない射精に体を震わせる。ダ・ヴィンチ謹製精力剤の効果は凄まじく、普段の数倍の量の精液を一度の射精で吐き出していた。その分、射精時の絶頂は長く続き、真は精と共に魂まで体から出ていくような錯覚を味わう。精の放出が終わる頃、二人は声も出せずに獣じみた呼吸だけを繰り返していた。
「ぜぇ、ぜぇっ……マシュ、大丈夫か?」
一分ほど時間をかけて呼吸を整え、真は初めての性交を終えた後輩を気遣う。返ってくるのは荒く激しい呼吸音と、一度逝ったにも関わらず貪欲に男根を締め上げる肉襞の蠢きだけ。
「しぇんぱい」
辛抱強く待ち続けていると、ゆっくりとマシュの瞳が真へと向けられる。彼女の目にはもう人としての理性は残っておらず、獣欲だけが爛々と輝いていた。
「もっろ、もっろくらしゃい」
腰を掴んでいた真の手を引き剥がし、恋人のように指を絡める。一見、優しげに見える指先は万力のような力を内包しており、絶対に真を放さないというマシュの意思が感じ取れた。
「しぇええき、もっろくらしゃい♡」
頭から絶頂の余韻が抜け切らない、呂律も回らない状態でマシュは腰の上下運動を再開する。ねっとりとほぐれた肉襞が逸物に絡みつきながら巻き上がり、腰の落下に連動して硬度を保った逸物が
大きすぎる快楽に苦悶の表情を浮かべる真の男根が精を噴き出す。一度目と変わらない量の精液を撃ち出され、マシュは嬌声を上げて体をびくつかせた。法悦に頭が真っ白に染まり、思考回路が焼き付いていく。ガクガクと両脚が震えて倒れそうになるが、真との交わりを求める欲望を力にマシュは体を支えた。骨の髄まで溶け落ちそうな快感に嬌声を徐々に大きくさせ、マシュは一心不乱に腰をストロークさせ続けた。
三回、四回と連続して絶頂が続く。放たれる精液は既にマシュの胎内に収まり切っておらず、体外へと溢れて二人とシーツを汚していった。
五回目の射精を受け、遂にマシュの体が崩れ落ちる。かくんと体から力が抜け、勢いよく真の上に倒れ込む。真の首元に顔を埋め、要領を得ない言葉が口から漏れ出ていた。既にまともな思考を出来る状態ではないのだが、それでもマシュは真の手を決して放そうとはせず、そして腰のピストンも止めなかった。真に覆い被さった体勢で只管に精を搾り取っていく。
(こ、これが服上死ってやつか……)
薄れてゆく意識の中、そんなことを考える。精液と一緒に命まで吸い出されているような感覚だ。苦しみすら覚える快感に恐れを抱くも、そこまで悪い気分にはならなかった。
(こんな可愛い女の子が俺のことをこんなにも求めてくれる。男冥利に尽きるってもんだが……流石にこれ以上は無理)
とうとう意識を手放す真。彼が最後に見たのは淫蕩に光るマシュの双眸だった。
「……こ、ここは天国か?」
体の前面に最高の柔らかさを感じながら真は目覚める。目の前には穏やかな寝息を立てて眠るマシュの寝顔。天使のような顔を両手と一緒に真の胸板に添え、時折小さく腰を揺らしている。同時に鋭い快感が真を襲った。大量の精液を放っていながら硬いままの男根はマシュと繋がり合ったままの状態であるらしい。
マシュを起こさないように注意して首を傾け、壁の時計へと視線を向ける。針の進み具合から一時間ほど意識を失っていたことが分かった。それだけマシュとの行為が激しかったということだろう。
「しかし、マシュがねぇ……」
意識を失う前の、普段の純粋で真っ直ぐなマシュとはかけ離れた、淫魔のように腰を振り乱すマシュの姿を思い返す。行為の前、彼女はもう我慢しないし遠慮もしないと言っていた。つまり、真は今までマシュにあれ程の痴態を晒させてしまう我慢と遠慮をさせていたということだ。
「ごめんな、気付いてやれなくて」
謝罪の思いを込めてマシュの頭を撫でる。サラサラとした薄ピンクの髪が指に心地よかった。暫くそうしていると、マシュの瞼が持ち上がる。パチパチと何度か瞬きし、マシュは少し寝惚けたままの瞳を真へと向けた。
「あ、先輩。お早うございます」
「よっ。お早うって言うにはまだ時間的に早過ぎる気がするけどな」
今は俗にいう深夜だ。お早うと挨拶を交わしあうにはまだ数時間の時が必要だろう。
「先輩に撫でられながら目を覚ます……何て幸せなんでしょう。やはり、わたしはこの世で一番幸せな人間です」
大袈裟に喜ぶマシュ。真の体温を感じながら目覚められた喜びに目を細め、子犬みたいに甘え声を出してマシュは真の胸板に頬擦りする。暫しの間、真の逞しい胸板の感触を頬で楽しんでいたマシュだったが、何かを思い出してハッとした表情を作り、そして頬を膨らませた。ジトッとした目が真を見据えている。
「先輩、酷いです。一人で勝手に休憩するなんて。休憩するならわたしに一声かけてからして下さい。わたしだけが気持ち良くなっても意味無いんですから」
休憩? と真は目を丸くする。誰がどう見ても気絶だと判断する気の失い方をしたのだが、マシュには真が疲れて休憩しているように見えたようだ。どうやら頭の螺子が数本、いや、かなりの数外れてしまっているらしい。
「あ~、その、ゴメンネ?」
「いいです。先輩も起きてくれましたし、わたしも休めましたから……これで」
マシュの声音に艶が宿る。瞳には再び淫欲の光が湛えられていた。
「これでまた、思う存分先輩とエッチ出来ます」
真に体を預けた体勢のまま、マシュはゆったりと円を描くように腰をグラインドさせ始める。吸盤のように吸い付く蜜壺の入り口や、へばりついてくるとろとろの媚肉に逸物が震え上がった。股間から脳天まで打ち上がる快感に真は小さく息を吐き、マシュはあっ、あっと男を昂ぶらせるいやらしい喘ぎを漏らす。
「また一杯、わたしの
徐々に腰の動きが加速していき、更に上下運動が加わった。結合部から奏でられる水っぽい卑猥な肉擦れ音が激しくなり、二人の体を燃えるように熱くさせていく。
さっきと同じようにマシュのペースで交合が始まろうとしていた。心の枷を外し、理性のブレーキが利かなくなったマシュは欲望のまま、満足するまで真の体を貪ることだろう。また、後輩に翻弄される未来を予感した真の胸中にムラムラと反逆心が湧き上がってきた。
自分を先輩と呼ぶ女の子にされるがままでいられるかと男の意地が叫ぶ。次は自分の番だと真は両腕を伸ばし、上半身を起こそうとするマシュの背中へと回した。
「せんぱ、んむぅ!」
強引に抱き寄せられ、唇を奪われる。今まで受け身だった真がいきなり見せる攻めの姿勢にマシュは一瞬目を白黒させるが、すぐに大好きな先輩に求められているということに言い様のない幸福感を覚えていた。喜悦に目尻を下げ、口内へと侵入してきた真の舌に己のものを熱心に絡めていく。
マシュとのディープキスを続けながら真は腰をせり上がらせた。亀頭をコリコリとした子宮口へと押し付け、のの字を書くように擦り付けるとマシュの体が面白いように痙攣する。
自ら腰を落として快楽を味わおうとするマシュの体を這い回っていた両手が彼女の背にあるブラの紐に触れた。蝶々結びになっている紐を摘まみ、思い切り引っ張ると二人の間から紫色のファー付きブラが飛び出してくる。窮屈な拘束から解放されたマシュマロバストが真の鍛えられた胸板に直に押し潰されていた。可愛らしくもしっかりと勃起した二つの乳首が男らしい胸板に擦れる感触にマシュは陶酔し、瞳を潤ませて乳房に走る甘美な痺れに身悶えする。
ブラをベッドの外に落とし、真はマシュとの体勢を入れ替えた。今度は己が上となり、唇を離してマシュの体を見下ろす。呼吸に合わせて上下する乳白色の乳房は頂点の突起を尖らせ、肌に赤い紐の跡を残していた。両腕の手袋や両脚のストッキングが全裸とはまた違った魅力を醸し出している。ぶっちゃけたことを言ってしまうと非常にエロかった。
「あぁ。先輩のおちんちん、中でまた硬くなってる。わたしの体で興奮してくれてるんですね」
「凄く魅力的だよ」
「嬉しい。もっと、もっとわたしを見て下さい。視線でもわたしを犯して……」
マシュは手袋に覆われた両手を自身の体に這わせて真に肉感をアピールする。太腿から胸元へと滑らせてきた両手で乳房を寄せ上げ、固まった乳首をゴムの爪で擦った。鋭敏になった乳首に走るゴムの無機質な触感に甘い声を上げ、きゅっと
期待の眼差しを向けてくるマシュに小さく頷いて見せ、真は彼女のウエストを両手で掴んで腰を前後させ始める。
「あぁ、先輩、凄いですぅ。先輩の、硬くて、大きいのがわたしのオマンコ、擦ってぇ……ひゃあん♡」
マシュの口から抑えきれない嬌声が飛び出す。さっきの騎乗位に比べると欠伸が出てしまいそうなスローペースのセックスだが、十分にマシュを感じさせられているようだ。むしろさっきよりも敏感によがっている。肉壺から抜け出し、そして侵入してくる逸物に体を戦慄かせ、亀頭が奥へと押し込まれる度に腰を跳ね上げさせていた。
「結構、感じ易いんだな、マシュ。それとも、激しいのよりもゆっくりやる方が好きなのか?」
四方八方から逸物を揉みこんでくる肉襞を亀頭で割り開き、腰を律動させて子宮口へのノックを繰り返す。あっ、あっ、と真の動きに合わせて喘ぎ声を上げながら、マシュは小さく首を振った。
「ち、違います。感じ易いんじゃないんです。先輩が、先輩がしてくれるから……」
マシュの言葉に真は動きを止める。向けられる喜悦に潤んだマシュの瞳には真への溢れんばかりの愛情が宿っていた。
「先輩が、大好きな先輩がわたしを愛してくれるから感じちゃうんです。ゆっくりされるのも、激しくされるのも全部、声が抑えられないくらい気持ち良くなっちゃうんです。わたしは先輩を、あ、愛してますから」
愛していると実際に言葉にするのは気恥ずかしかったのか、マシュは興奮と快楽で赤くなった頬の赤みを増しながら、それでも目を逸らさずに真っ直ぐ真を見詰める。直向きで一途な好意と恋慕の念が真に向けられいた。
「……俺も。愛してるよ、マシュ」
胸がはち切れそうな感激にそれしか言葉が出てこない。こんな自分を真摯に慕ってくれる後輩に少しでも多くの愛情を伝えようと真は上半身を倒し、マシュを抱き締めながら口付けをする。
「ん、ちゅ、しぇんぱい……」
マシュも両腕両脚を真の体に回した。一分の隙間も無いくらいに体を触れ合わせ、二人は互いの体を抱き締め合う。
「ごめんな、ずっと我慢させて」
「いいんです。今、こうやって愛してもらってますから……で、でも、悪いと思ってるなら」
「思ってるなら?」
「わたしが満足するまで、抱いて下さい」
マシュの要求に真はキョトンとする。言われずとも、元々そうするつもりだ。了解と小さく笑いながら体を起こし、真は改めてマシュを犯すための体勢になった。
「泣いても喚いても止めないからな。ぐちゃぐちゃのどろどろになるまで犯してやる」
真の両腕が力強くマシュの太腿を抱え込む。あ、と小さく声を漏らし、マシュはこれからなされる交合に胸を躍らせた。
夜は始まったばかり。二人だけの狂宴はまだまだこれからだ。
今度は一切の休憩を挟まずに何時間もの間、二人は互いを貪り合った。それ以外のことなど知らぬと言わんばかりに只管まぐわい、姦淫に溺れる。ダ・ヴィンチの精力剤で増大された真の性欲は止まることを知らず、精を出しても出しても男の象徴は硬く隆々とそそり立ったままだった。無限に胎内へと注がれる精液にマシュは軽く白目を剥き、ガクガクと体を痙攣させながら気をやり続ける。
「流石にやり過ぎたか?」
マシュをお姫様抱っこしながら真は寝るスペースもなくなるくらいに濡れ汚れたベッドを見やる。所々に水溜りのように精液が浮かんだシーツは二人の体液で濡れていないところを探すのが困難な有り様で、情事に夢中になっていた二人が体を横たえるのを躊躇するくらいだった。
「せ、んぱ、い」
どうすっかと真が悩んでいると、腕の中でマシュがか細い声を搾り出す。
「あそこ、で続き、しましょ、う」
マシュが指差したのは以前、ジャンヌ・オルタと交わった風呂場へと繋がる扉だった。
「わたし、もっと先輩と、したいです」
快楽に染まり切った顔でマシュはにへらぁと笑う。淫蕩な彼女の笑みに真の欲望がくすぐられた。あいよと頷き、序に洗っておこうと真はベッドからシーツを剥がしてマシュと共にバスルームへと向かう。
浴槽内にシーツやシーツと同じくらい酷いことになっているマシュの衣装を放り込み、シャワーのバルブを捻る。シャワーヘッドから出てくる、温まっていない冷水がマシュに当たらないように注意しながら真は後輩を見やった。
「マシュ、立てるか?」
「ふ、ふふ、そんな心配が出来るのもここまでですよ、先輩。今度はわたしが先輩の腰が抜けるまで搾り取る番です」
気遣ってくる真に不敵な笑みを浮かべるマシュ。産まれたての
「逃がしませんからね、先輩。覚悟してください」
腕の間に真を挟むようにタイル張りの壁に両手を突く。お互いの乳首が触れ合うように位置を調節し、マシュは獲物を狙う狼よろしく瞳を輝かせて真に身を寄せた。勃起した乳首が擦れ合う感触、真の人肌の温もりに官能的な吐息を漏らし、少女は男と再び一つになろうと腹部に触れる男根を手に取ってその先端を自身の秘所の入り口へと宛がった。
「ん……分かりますか、先輩? 先輩のおちんちん、わたしのオマンコに食べられちゃってますよ。オマンコがおちんちんの先っぽをぱっくんしてぇ、はぅん……少しづつ呑み込んでってます」
緩慢な動作でマシュは腰を進ませていき、男の象徴をゆっくりと胎内に迎え入れていく。少し逸物を
「体もおちんちんもピクピクぅって震えてますね。早くわたしの
卑猥な言葉を口にしながらマシュは顔に淫靡な笑みを作り、真に見せつけるように舌舐めずりする。真の首筋に吸い付き、軽く歯を立てて甘噛みし、あくまで自分が捕食者の立場であることを主張した。
「だぁめ♡」
嬲るようなマシュの腰使いに業を煮やした真が臀部を掴もうと伸ばしてきた両手を払い除ける。じりじりと下半身から這い上がってくる微弱な、でもはっきりとした快感に眉を寄せる真にマシュは小悪魔チックな笑みを浮かべて見せた。
「今はわたしの番。先輩からのお触りは厳禁です。また、お触りしようとしたら今度はお仕置きですからね。こんな風に……えい♡」
きゅっと肉壺の入り口を引き締め、出入りする亀頭を重点的に責め立てる。丁度、カリ首とその下の窪みを強烈に引き絞られ、真は思わず呻き声を零した。鋭い快電流に顔を歪める真の姿にマシュは小さくクスクスと笑う。
「あれあれ、もしかして出ちゃいそうですか? いいですよ。何度でも、好きなだけお漏らしして。何回でも出させてあげますから」
(こ、こんにゃろう)
サディスティックな態度のマシュに真は歯ぎしりした。強気に出ているマシュだが、実は逝きかけていることを真は知っていた。短いスパンで断続的に収縮する肉襞が何よりの証左。余裕ぶっている姿は演技、真にペースを握られないようにするためのものだ。
(その余裕、どうにかして剥ぎ取っちゃる。しかし、どうやって……)
力尽くが無理なのはベッドに押し倒されたことから経験済みだ。何かしらの方法でマシュに隙を作り、その瞬間を突かなくては。今までの戦いで磨き上げてきた観察力、戦術眼を総動員してマシュ攻略の糸口を見つけようとするも、マシュの動きによって齎される快楽に思考が鈍り、考えも上手く纏まらない。
「先輩、我慢は体に毒ですよ? 今までずっと
蕩けてしまいそうな甘い声が真の脳を蝕んでいく。このまま良い様に弄ばれてしまうのかと歯噛みする真の視界にシャワーヘッドが飛び込んできた。浴槽に向かって吐き出されていた水はお湯へと変わり、湯気を立ち昇らせている。
(これだ!)
伸ばした左手でシャワーヘッドを掴み、マシュの方へと向けた。勢い良く出ていたお湯が頭からかかり、マシュは小さく驚きの声を上げて目を瞑る。その一瞬を逃さず、真はマシュの臀部へと両手を伸ばした。尻肉が指の間からひり出すほどの力で桃尻を掴み、思い切り引き寄せる。
「ひぃやあん!」
剛直に肉壺の奥を穿たれ、マシュはあられもない悲鳴を上げた。女体を駆け上る快感に力が抜け、思わず真に縋り付くようにしな垂れかかる。
「ほら、我慢は体に毒なんだろ? 好きなだけ逝っちゃえよ」
突然の絶頂に痙攣する肉襞の感触が逸物にダイレクトに伝わって真は背筋に鳥肌を立たせるが、それでも意趣返しとばかりに亀頭で子宮口を押し上げた。ひしとしがみついてくるマシュの体から伝わるオルガズムの震えに真は勝ち誇った笑みを浮かべる。
「せん、ぱい。わたし、お触りは厳禁だって、言いました、よね? それなのに、先輩は……お仕置き、しちゃいますから!」
しかし、マシュも負けていなかった。両手で真の頬を挟み、顔をぶつけかねない勢いで唇へとむしゃぶりついたのだ。物理的に真に有無を言わせず舌を口に捻じ込み、同時に腰を振りたくり始める。無遠慮に侵入してきた舌が口蓋や歯茎を舐め回し、戦慄く媚肉が男根を揺さぶった。
負けじと真も舌と手をつかい始める。口内で不躾に動くマシュの舌を舐め返し、ぐにぐにと尻肉が形を変えるくらいの力で桃尻を捏ね繰り回した。舌と舌が触れ合うと二人の体はびくんと揺れ、臀部を揉みくちゃにされてマシュは悩ましい吐息を漏らし、真は加速度的に具合の良くなる肉壺に逸物から溢れ出る先走りを流し込んでいた。
何時しか、二人の動きがシンクロし始める。真を屈服させようと激しく前後に振られていたマシュの細腰は動きを円形に変え、いやらしくグラインドして相手と快感を分かち合おうとしていた。真も両手を使ってマシュの動きをサポートし、より強い快楽を互いの性器に生み出す。一心同体となり、二人は絶頂へと上り詰めていった。
やがて、二人はほぼ同時に果てへと至った。脈動する男根が白濁液を噴き出し、逝き狂う女体に追い打ちをかける。恵体をぶるぶると震わせ、マシュは性器から潮と精液の混合液を滴らせた。
「あん、勿体ない」
栓になっていた肉棒が引き抜かれ、雌穴からごぼごぼとラブジュースが溢れ出てくる。マシュは股間に手を伸ばし、掌で床へと落ちる粘液を受け止め、そして口に運んだ。掌一杯に溜まった混合液を音を立てて啜り上げ、喉を鳴らして飲み下していく。とても飲めたような味ではないのに、不思議と口にするのに抵抗感は無かった。それどころかもっと飲みたいとさえ思えてくる。
掌にべっとりと残っていた粘液を舐め取っていたマシュの目に真の逸物が映った。愛液と精液が纏わりついた、硬く勃起している剛直は萎えるどころか、その兆候すら見せていない。
「あは♡」
マシュの口角が淫らに持ち上がる。躊躇うことなくマシュはその場に跪き、逸物をしゃぶるのに丁度いい高さに顔を合わせた。
「お掃除、しますね……はぁむ」
そんなお題目を口にし、マシュは湯気が出そうなくらいに熱くなった男根をぱくりと咥える。舌の上に広がる雄と雌の味に体の奥が熱くなり、雌穴から蜜が分泌された。
「んむ、ぢゅっ、ぢゅる、れる、れろ、ぢゅううううう」
マシュは最初からトップギアで頭を前後させ始める。掃除する気なんてこれっぽっちも無かったようだ。震える肉棒から更なる精を吸い出そうと唇を引き締め、頬を窄め、舌を這い回らせて強制的に快感を叩き込んでいく。
「ま、マシュ。今出したばかりだから、そんなに激しくされたら……!」
切羽詰まった真の言葉にマシュは望むところだと言わんばかりにバキュームフェラを続けた。ひょっとこのように顔を歪め、上目遣いに真を見詰める瞳で精液をおねだりする。唇で肉竿をしごかれ、頬肉で亀頭を押し潰された。そこに鈴口を穿り返す舌の動きが加わり、真は瞬く間に射精へと追い詰められていく。
「マシュ、顔にかけるぞ!」
不意にそんな言葉が口から飛び出していた。特に理由は無い。何故か、唐突にマシュの顔を精液で汚してみたいという欲望が湧き上がってきたのだ。真の提案にマシュは目を輝かせ、ぢゅぽんと音を立てて口内から剛直を引き抜いた。
舌を突き出し、目を閉じているマシュの顔に射精寸前の男根が向けられる。一拍置いて、水鉄砲のように鈴口から飛び出した精液がマシュを汚していった。床とほぼ水平になる勢いで発射される粘液は瞬く間にマシュの顔を濁った白に染めていく。
前髪にまで及んだ射精が終わる頃、マシュの顔は肌が見えなくなるほどに白濁液で汚されていた。当然、開かれていた口内にも精液は入り込んでおり、マシュは味わうように精液を舌の上で転がしている。顔に張り付いた熱々の白濁液、むせ返るような雄臭さにマシュは軽く逝きかけながら口を閉じ、じっくりと咀嚼して真の精を堪能した。
「先輩」
ごっくんと口内の精液を飲み込み、精液で覆われた瞼を薄く開くマシュ。紫色の目に宿した欲望の光をより強く煌めかせ、嬉々として真に訊ねる。
「次はどこにぶっかけてくれますか?」
「っ!!」
言葉に出来ぬほどの興奮に煽られ、真は無言でマシュを立ち上がらせた。乱暴に回れ右をさせ、壁に両手を突かせる。臀部を高々と持ち上げさせた、立ちバックの体勢だ。
「今度は後ろからするんですね。いいですよ、思いっきりパンパンって腰打ち付けて下さい」
若々しい、張りと艶に満ちた臀部を揺らしてマシュは真を誘った。左右に揺れ動く桃尻をがっちりと掴み、真は尻肉を左右に押し開く。女陰の上にある、薄桃色の小穴が曝け出された。
(え、まさかお尻に……!)
予想外の展開にマシュは身を強張らせる。そんなことはお構いなしで真は男根を臀部に押し付けた。
尻穴への挿入を想像し、マシュは一層体をカチコチにさせた。しかし、予想していた衝撃は訪れず、代わりに尻肉の間を何かが往復する感触に襲われる。肩越しに振り返ってみると、真が寄せた尻肉で逸物をしごいていた。所謂、尻コキだ。
想像と違う行為にマシュはホッとしたような不満なような複雑な感情を抱くが、すぐにそんな感情は思考の外に放り投げることになる。尻肉を寄せ上げる手の感触は甘い快電流を発生させ、剛直の裏筋でアナルを撫でられる感覚はマシュに新鮮な快感を覚えさせた。
「せんぱぁい。わたし、変な感じです。お尻の穴がムズムズしてぇ、オマンコ切なくなっちゃいますぅ」
こそばゆさと気持ち良さの中間のような感覚にマシュはもどかしげに美尻を左右に振った。右に左に動く尻肉の感触が真の射精感を高めていく。マシュの
「……出る!」
言葉短く告げられる放出の時。震える肉棒が撃ち出す精液は勢いを失わず、マシュの腰、背中、項にまで至った。
「あぁ、熱い……」
シャワーのお湯よりも熱い真の精液にマシュは恍惚と呟く。やはり、精液を子宮で受け取るのが最高だが、皮膚にぶっかけられるのも中々に悪くない。全身を真にマーキングされているような感覚を味わえる。
(でも、やっぱりこっちに欲しいなぁ)
既に満杯になっているにも関わらず、マシュの子宮は真の精を求めてキュンキュンと疼いている。女の悦びに目覚めた少女は際限なく想い人の愛を欲していた。
「先輩、来て下さい」
双眸に切なさを宿らせて振り返るマシュ。哀切に訴えかけてくるマシュに頷いて見せ、真は男根を女の割れ目に押し付ける。そして躊躇うことなく熱くぬかるむ肉壺に逸物を挿入させた。
「あああぁぁぁ♡ これぇ、これが好きなのぉ♡」
肉の洞を埋め尽くす剛直にマシュは歓喜の声をバスルームに反響させる。続いて肉がぶつかり合う生々しい音が響き、すぐにマシュの喘ぎ声が追加された。拡がるカリ首が蠕動する肉襞を抉り、膨張する亀頭で子宮口へと熱く甘い衝撃を打ち込んでいく。
女体を右に左にくねらせてよがりまくるマシュを真は容赦なく犯していった。腰がぶつかる度にプルプルと震えるマシュの桃尻を揉みしだき、撫で回す。指が尻肉に食い込み、掌が美尻を滑っていくと、マシュの
背後からの突き込みに合わせ、マシュの乳房がゆさぶられる。はち切れんばかりの果肉を押し込められたマシュマロバストはたぷんたぷんと縦横無尽に揺れ回り、先端で色づいた乳首が薄桜色の軌跡を宙に描いていた。
「先輩、わたし、わたしぃ……!」
体の奥に問答無用で送り込まれる肉悦にマシュは涙ぐむ。背後から犯される獣のような交わりに彼女は既に何度か逝きかけていたが、必死に歯を食い縛って絶頂から遠ざかろうとしていた。
「いっしょぉ、一緒がいいれふ……!」
果てるなら共に。少女の切なる想いに少年はより過激な抽挿で応じる。彼の男根もビクビクと痙攣し、欲望の解放を間近に控えていた。互いに絶頂へと上る僅かな時間の間、二人は快楽を極めんと我武者羅に腰をぶつけ合わせた。
膣道を押し広げるように亀頭がムクムクと膨れ上がる。一瞬の間が空き、尿道をせり上がってきた精液が亀頭の割れ目から波濤のように噴出した。
「逝く、逝く逝く逝く、イっくうぅぅぅぅぅ!!!!!」
マシュの細い喉から絶叫が迸る。体ごと意識が押し流されてしまうと思える快感にマシュは何か掴むものを求めるが、立てられた爪がバスルームの壁をかりかりと削るだけだった。
ずるりとマシュの両手が壁から滑り落ちる。同時に力が抜けた上半身が腰から曲がり、マシュはストレッチの前屈をするみたいな体勢になった。今にも途切れそうな弱々しい呼吸をしながらマシュは上下が逆転した視界の中に結合部分を映す。
「しぇんぱい、だいしゅきれふ」
「奇遇だな。俺もだよ、マシュ」
腹部へと両手が回され、そっと抱き上げられた。振り返ると、大好きな人の顔が眼前にあった。見詰め合っている内に自然と唇が触れ合う。快感だけではなく、愛情にも似た何かが唇を通して伝わってくるようだった。二人は互いの気が済むまで、想いを通じ合わせながら何時までもキスを続けていた。
ギシギシとベッドの軋む音がする。新しいシーツを敷き直したベッドの上で真とマシュは睦み合っていた。舌を交尾する蛇のように絡み合わせ、両手を恋人みたいに繋ぎ合わせて交わりを続ける。
子宮に真上からピストンを打ち込む体勢、俗に種付けプレスといわれる状態で真はマシュの肉壺に逸物を出し入れさせた。腰がぶつかり合う度に太腿に溢れ返った精液がべちゃべちゃと不快な粘着音を奏でたが、それすらも今の二人には興奮を煽るアクセントの一つにしかならなかった。
すらりとした両脚を真の腰に巻きつけ、マシュは動かせる範囲で腰を婀娜っぽく揺らして少しでも多くの快感を真に味わわせようとする。もう、彼女に取って自分の体は真を悦ばせるための、真と肉悦を分かち合うための道具でしかなかった。その証拠に肉襞は完全に真の男根の形を覚え、どんな体位からの挿入でも一番感じる部分を刺激してくるようになっていた。
きゅっ、とマシュは繋いだ手に力を込める。逸物を柔和に包む肉壺内が切なそうに蠢いていた。うるうると潤った双眸が同時に逝きたいと告げている。優しくマシュの手を握り返し、真はラストスパートをかけた。拍手のように響く肉の打つ音、ぐちゃぐちゃと結合部から漏れ出る卑猥な撹拌音。粘膜に走る甘美感、肌から伝わる体温の全てが二人を高めていき、やがてゴールを迎える。
「……♡」
命を宿す部屋に精を放出され、マシュは幸せに涙ぐんだ瞳を細めながら背筋を反り返した。多幸感の余り、全身が細かく震える。このまま死んでもいいと思えるほど、今の彼女は幸せだった。
「マシュ」
「先輩」
射精を終えた真がマシュの目を覗き込む。奥にハートマークが浮かんでいそうなくらいに幸せで蕩けた瞳でマシュも真を見詰め返した。互いの目に最愛の相手しか映らない、甘く溶けてしまいそうな二人だけの世界。行為を始めてから何度目になるか分からないキスをしようと二人の目が閉じられたその時。
ジリリリリ!!
風情も何もあったものではないアラーム音が二人の世界をぶち壊す。現実に引き戻された二人が時計に目を向けると、針が起床時間を指し示していた。
「朝、ですね。先輩」
「あぁ。夢中で全然気付かなかった」
「どう、しますか?」
「そだな。とりあえず……体洗おっか」
「……はぁい」
こうして、マシュの初体験は何とも締まらない幕引きを迎えたのだった。
「いやぁ、まさか一晩中マシュとやりまくる事になるとはな。頼光さんの時も朝までぶっ通しだったけど、あの時は俺寝落ちしたし……これもダ・ヴィンチちゃんの薬のお蔭かね」
男女の体液でドロドロになっていた体をシャワーで清めた真は朝食を食べようと、食堂に続く廊下を歩いていた。朝ご飯に行く前に汚れた二枚目のシーツを洗おうと思ったのだが、
『掃除なら任せて下さい。わたしがやっておきますから』
と、半ばマシュに追い出される形で部屋を出てきたのだ。昨日までの真ならマシュの言葉に微塵の疑いも持たなかったのだろうが、ついさっきまで激しく愛し合っていたことを思い出すと、どうしても何かするつもりなのではないかと勘繰らずにはいられなかった。
「朝飯食べたら、色々と調べとかないとな」
「何を調べるんですか?」
うぉう! と何の前兆も無しに背後に現れたマシュに真は驚き跳び上がる。バクバクと早鐘のように鳴る鼓動を落ち着けつつ、白衣に眼鏡なカルデアスタイルのマシュと向かい合った。
「よ、よう、マシュ。随分、早かったな。掃除、もうやってくれたのか?」
「はい。ベッドメイクは勿論、床や壁、天井も完璧です。埃一つありません」
マシュマロおっぱいをプルンと揺らし、マシュは誇らしげに胸を張る。真がマイルームを出てまだ五分も経っていないのだが、生真面目かつ実直なマシュが嘘を言うとも思えない。彼女の言葉は紛れも無い真実なのだろう。
「そ、そっか。ありがとな、マシュ。じゃ、一緒に朝飯食べに行くか」
「はい、お供させてもらいます。その前に」
ゴソゴソとポケットを探り、何かを取り出すマシュ。差し出されたのは一枚のカードだった。
「こいつは?」
「わたしの部屋のカードキーです。先輩だけしか使えない、先輩だけのカードキー……何時でも、朝昼晩好きな時に使ってくれていいんですよ?」
突如、科を作ったマシュは真の首に両腕を巻き付けた。突然のことに固まる真を見る双眸は獣のような眼光を放っている。
「わたしの体は二十四時間、三百六十五日、何時だって何処だって先輩専用ですから。好きな時に、好きな場所で、好きなだけ味わってください。何なら、今からでも」
ちろりと舌で唇を舐め上げるマシュに真は戦慄する。彼女が冗談を口にしている訳ではないと本能で理解したからだ。彼女は本気で、真が望みさえすれば今この場で情事に及ぶことも厭わない……!
「よ、よし、一旦落ち着こうか、マシュ。こんな誰かに見られちゃうかもしれない場所でするなんていくら何でもまず」
「先輩とわたしのラブラブっぷりを見てもらうのもいいかもしれませんね」
「そ、それに今日は素材集めに行かなきゃだし」
「さぼっちゃいましょう。仕事を投げ出して溺れる背徳セックス、きっと最高ですよ?」
くすりと小悪魔じみた笑みを浮かべ、マシュは真の手を掴んで自身の臀部へと誘った。スカートを捲り上げ、黒タイツに覆われた美尻を真に撫で回させる。手を尻から離そうにも、重ねられたマシュの手の力が強くて無理だった。
(こ、この感触。まさかマシュ、ノーパン……!)
「先輩、想像してみて下さい。わたしのことを壁に押さえつけて、タイツをびりびりに破いて後ろから思いっきり犯すんです。マン汁垂れ流して感じちゃってるわたしのとろとろオマンコに先輩のバキバキ勃起おちんちんをじゅぼじゅぼってハメまくるんですよ? きっと、わたしも先輩も頭がぶっ飛んじゃうくらい気持ち良くなっちゃいますね」
はぁ、と艶美な吐息を真の耳元に吐き掛け、マシュは一層強く体を押し付けた。後ろに下り、言葉と体で誘惑してくるマシュから逃れようとする真だったが、すぐに壁際へと追い詰められてしまう。
「パンパンって、わたしのお尻が真っ赤になるくらい強く腰をぶつけるんです。そして最後にドロドロ濃厚ザーメンを子宮にドピュドピュって……考えるだけでわたし、妊娠しちゃいそう」
せんぱぁい、と甘ったるい声が真の鼓膜を通して脳を毒していく。見てはいけないと思いながらも真は視線をマシュへと向けずにはいられなかった。秋波を送る眼差しに体が凍り付いたように動かなくなる。ゆっくりと真の耳に唇を近づけ、マシュは艶めかしく言葉を紡いだ。
「わたしぃ、先輩の赤ちゃん、産みたいなぁ」
ブヅッ、と真の中で何かが音を立てて引き千切れる。それが理性を振り切った音なのか、それとも本能の抑えが外れた音なのかどちらか分からないが、一つ確実に言えることは真がマシュの誘惑に負けたということだ。
「ま、マシュ!」
柔らかな女体を乱暴に掻き抱く。男らしさを超越した、獣性すら感じさせる真の腕にマシュは媚び切った悲鳴を上げた。誰もいない廊下で、野を駆ける獣のような交わりが始まろうとしている。このまま欲望の赴くままに男女が愛し合おうと互いの服に手をかけ、
「何をしている、お主ら」
第三者の声に手を止めた。二人が振り向くと、声の主であるスカサハが腕組みをして立っていた。紅の双眸に絶対零度の怒りを宿し、真を睨み付けている。
「朝食の時間になっても来ぬから迎えに来てみれば……随分と盛っているみたいだな、真、えぇ?」
「あ、いや、御師さん。これはその……」
彼女に浮気現場が見つかった彼氏のように真は顔を青くさせる。実際、状況は限りなくそれに近いものだが、スカサハが怒っている点は別のところにあった。
「何故、私に声をかけない? か弱い少女を、それも大切な相棒を手籠めにしかけるくらいに溜まっているなら私で発散すればいいだろうに」
誰もがそこかよ、と突っ込みを入れるだろう。しかし、スカサハにしてみれば大問題だった。一か月以上も真と寝床を共にしていないため欲求不満が募りに募っているというのに、肌を重ねたいと想っている男が自分以外の女に襲い掛かろうとしていたのだ。怒りを覚えるなという方が難しいだろう。
「少し、話をするとしようか。マシュ、お主は食堂に行っておれ。私はそこの阿呆と話さねばならんことが」
「スカサハさん」
にっこりとほほ笑みながらマシュはスカサハの言葉を遮る。誰かの話に割って入り、自分の意見を主張しようとする今までのマシュなら考えられない行動に真は驚愕で顔を染めた。スカサハも僅かに瞠目し、小さくない驚きを露わにしている。
「わたし、スカサハさんに言いたいことがあるんです」
「私に、だと?」
はい、と元気良く頷くマシュは相変わらず悪意など欠片も感じられない微笑を浮かべているが、スカサハはすぐに気付いた。柔らかな笑みを作る顔の下で、マシュが自分に対して凄まじいまでの対抗心を燃やしていることに。
「スカサハさんは先輩が初めて召喚した、一番最初にカルデアに来られたサーヴァントです」
「……あぁ、そうだな」
「そしてわたしはスカサハさんが来るよりも前に先輩の傍にいた、先輩の初めてのサーヴァントです」
マシュの言葉にスカサハは能面のような顔を微かに歪める。物理的な威力があったら鉄板を撃ち抜きかねない程に強烈なスカサハの視線を受けても、マシュは平然としながら立っていた。
「今はスタートがちょっと遅くなっちゃったから譲ってあげてますけど、忘れないで下さい。先輩の一番はわたし、マシュ・キリエライトです」
「それは宣戦布告と受け取っていいのか?」
「お好きなように。わたしはただ、事実を言っただけですから。それじゃ先輩、わたしは先に食堂に行ってますね。先輩の分の朝食はちゃんと確保しておきますので、スカサハさんとゆっくり話し合って下さい……わたし、何時でも待ってますから」
去り際に小さく一言残し、マシュは二人を置いて食堂へと向かっていった。
「男子三日会わざれば刮目して見よ、なんて言葉があるが、あの子を見てると女にこそ相応しい台詞に思えてならんな。一晩であぁも変わるか……いや、よくよく思い出してみれば何日か前から兆候はあったか? まぁいい」
マシュの後ろ姿を見送っていたスカサハが真に体を向ける。マシュに対する抑え切れない羨望と嫉妬を瞳に湛えながら真へとにじり寄った。
「抱いたのか?」
「あ、えぇ、まぁ、はい」
「ん~そうか、そうかん~……つまりお主は一か月以上もお預けを喰らって絶賛欲求不満だった私を放置して、あのマシュマロ娘と一晩中睦み合っていた訳だ。お前のことを想いながら自分で慰めていた私を放っておいて。そうかそうか……」
だぁん! とカルデア中が震えるほどの威力でスカサハは壁に右手を叩き付けた。天井からパラパラと埃が落ちてくる中、巷で噂の壁ドンで真に迫るスカサハ。小さく吊り上がった口角がひくひくと揺れている。
「妬いてしまうなぁ……真、もしお主が私にやきもちを焼かせたいと思っているのなら、その目論見は大成功だぞ。今、嫉妬の炎で私の体は燃え尽きそうだ……!」
ギラギラと嫉妬の大炎を宿した双眸が真をねめつけていた。余りの迫力に思わず目を逸らすが、そんなことは許さないとスカサハは左手で真の顎をくいと持ち上げる。
「真、今日の素材回収のノルマは?」
「ど、ドクターがデータを持っております」
「一時間で戻る。部屋で待っていろ……あぁ、言うまでもないと思うが、一人でな。もし、私が部屋を訪れた時に誰か女がいてみろ。その時は」
「そ、その時は?」
「その女を殺す。誰であろうと、どんな目的で部屋にいようとな」
紅蓮地獄に放り込まれたのではと思わせる極寒の声でスカサハは断言する。一目見ただけで、彼女が本気であることが分かった。
「殺す、心臓を我が魔鎗で貫き、壁に縫い付けて殺す。そしてその死体の前でお前を枯れ果てるまで犯し抜いてやる」
脅しではない。もしそうなったら、この女性は確実に己の言葉を実行に移すだろう。真はただ頭を揺らされた赤べこのようにこくこくと頷くしかなかった。
「ではな。朝食を食べてしっかりと精をつけておけ」
それだけ言い残し、スカサハは掻き消えるように走り去っていく。後に一人残された真は深々と息を吐きながら額の汗を拭った。
「何だか大変なことになっちゃったなぁ……とりあえず」
携帯端末を取り出し、とある人物との通信回線を開く。数秒後、目の前に空間ウインドウが表示され、目的の人物が現れた。
『はぁ~い。皆のダ・ヴィンチちゃんだよ。何か用かな、真君?』
「お早う、ダ・ヴィンチちゃん。マシュが色々と世話になったみたいだね」
『ふっふ~ん、そんな大したことをした訳ではないよ。私はただ、悩める乙女の背中をちょんと押しただけだからね~♪』
画面の中で楽しげに笑う元凶、もといダ・ヴィンチちゃん。悩める乙女ではなく、ブレーキの壊れたダンプカーと化した少女の間違いではなかろうか。
『で、どうだった。マシュと素敵な夜は過ごせたかい?』
「えぇ、素敵過ぎて色々と困るくらいにね……マシュに頼まれて作った精力剤ってまだあります?」
『そりゃあるけど……え、まさかまだ物足りないのかい? 真君、十代の君にとって溢れ出る性のリビドーを抑えるのは難しいことだってのは分かるけど、流石に節操が無さすぎやしないかい? そんな、ケルトじゃあるま』
「ありったけ全部ヨコセ」
『あ、はい。ただいま』
マジトーンの真にダ・ヴィンチちゃんは背筋を正し、唯々諾々と彼の言葉に従うのだった。
きっかり一時間後、ノルマの数倍の量の素材を集めてきたスカサハは突風を巻き起こしかねない速さで真の部屋を訪ねた。真もスカサハの言う通り、一人で部屋で待っていた。この後、二人の間でどのようなやり取りが行われたのかは……皆様のご想像に任せるとしよう。
ただ一つの真実は翌日の朝、真の部屋から出てきたスカサハの顔が非常に艶々していたことだけだ。
軽いキャラ紹介
『マシュ・キリエライト』
皆大好きマシュマロ後輩サーヴァント。僕もマシュのマシュマロマシュってしたいです。誰よりも早く真に恋心を抱いていたが、人生経験の少なさが祟って恋だと気付けなかった。気付いた時には既に真の周りに何人もの女性がおり、諦めて身を引こうとした。しかし諦めきれず、悶々としているところにフォウ君出現。彼の洗脳、もとい説得を受けた結果、忠犬系健気後輩シールダーから超肉食系ど淫乱ビーストへとクラスチェンジする。単純に作者がエッチぃマシュを書きたかっただけ。ごめんね。
『スカサハ』
マシュに宣戦布告にも等しい台詞を言われる。現状、彼女を最も警戒すべき存在だと認識している。ヤンデレ度上昇中。
そういうわけで皆大好きマシュマロサーヴァントの回でした。まさかの三万字超え。書こうと思ったもの書いてたらこうなった。うん、しかし今更何を言ってんだって感じになるけどこれは酷いキャラ崩壊。でも、普段健気で素直な子が自分の前だとエッチになるっていいよね、と作者は思うのです……はいすみません。
FGOも最後を迎えましたね。作者も無事に採集(誤字にあらず)決戦に参加できました。で、魔神柱のフリークエストは何時追加されますか? もっとだ、もっと寄越せバルバトス……!
ドクターはあんなことになっちゃったけど、何時かまた会える日が来ると信じてるよ。そう思った方が浪漫あるしね。
今年の投稿はこれで最後になります。FGOはエンディングを迎えたけど、この作品はまだまだ続くんじゃ。来年も気が向いたら作者の駄作を読んでやって下さい。では、皆様よいお年を。
いやしかし、回を進めるにつれて作者の文章力と語彙の無さが露見していくな。うん、頑張ろう。