フェルトたちはノーブルウルフがいた部屋を出て、最初に通った広間まで戻ってきた。
この広間には四方に扉があり、そのうちの一つは武器預かり所兼出入口で常に開け放たれており、もう一つは先程のノーブルウルフの部屋につながっている。
残りの二つの扉のうち、一つは年季の入った古い木扉、もう一つは多少の装飾を施した扉で、四、五段の階段の上に設置されている。
フードの男は古い扉の前で止まると、ゆっくりと押し開く。
ギギッという重々しい音とともに扉が開かれると、目の前に上へあがる階段と地下へ降りる階段とが現れた。
男は上へ伸びる階段を登り始める。
階段は螺旋状になっており、広間を回るように上へと進む。
ある程度のぼると、これまた古く重厚な木の扉が現れる。
フードの男は扉に近づくと、ドアノブには触れず、その横の壁にある小さな鎖を引っ張った。
すると壁の奥からガラガラとなにかを動かす音が鳴り、重厚な扉が自動的に開いた。
「この砦にはいろいろと仕掛けがございますので、お手を触れないようお気をつけください。」
中に入ると、壁にかけられた様々な拷問具が入った者を出迎える。
×字や椅子の形をした拘束具。様々な形をした鞭。棚に並ぶ小瓶。
部屋の中央には氷水の入った飼葉桶が置かれている。
そこに顔を漬けられている拘束された全裸の女性。
両肩を男たちに押さえつけられ、足をバタバタと動かして抵抗しているが、屈強な男たちは動じない。
足の動きが弱くなった頃合いを見計らい、男たちは押さえつける力を緩めた。
「ぶはっっ!がはっ!はあっ!ゲホッ!ゲホッ!」
勢いよく顔をあげ、空気を求め息を吸い込む。
その顔には殴られた跡が浮かんでいる。
顔だけではない。
全身に鞭で打たれた跡がくっきりと刻み込まれている。
そして股座には男たちの精液が固まったままこびりついている。
「この女か?」
フェルトはゆっくりとした口調でフードの男に話しかける。
「はい。捕えてから三日ほど経ちますが、まだなにも話しません。さんざん鞭で打ち、輪姦したんですが効果はありません。今は爪をはがして、水責めにしているところです。」
よくみると女の両手指にあるはずの爪はすべて剥がされ、真っ赤な血が手を染めている。
顔を上げ喘いでいる女の前に立った男が、髪を引っ張り女に問いかける。
「もうそろそろ話す気になったんじゃないか?さすがにつらいだろう。あの狼のことを話せば、この苦しみから解放されるんだぜ?」
女は弱弱しく顔を上げるが、その目には強い意志が感じられる。
なにも話すことはないと。
男はフードの男に目を向けると首を横に振る。
「手こずっているようだな。」
「はい。こんなに強情な女は初めてです。」
フェルトの問いかけにフードの男は苦笑する。
「三日間、ほぼ休ませることなく拷問しているのですが、なにも話さない女はこれまでいませんでした。まるで舌がないかのような女です。」
男の話を聞きながらフェルトは女に注目する。
すらりとした手足、無駄な贅肉をつけていない身体。
胸も大きすぎず小さすぎずの絶妙なバランスでその美しい身体に張り付いている。
顔立ちもまるで妖精のように整っており、街にいれば男たちが放っておかないだろう。
だが、その美しい顔についた瞳は猛禽のように鋭い光を放っている。
フェルトは不吉な笑みを浮かべると、フードの男に話しかける。
「この女の拷問、私にやらせろ。」
フードの男は眉をひそめ、フェルトを見つめる。
「おまえの部下たちも疲れているだろう。休ませてやるといい。その間、私はこの女で遊ばせてもらう。これまでさんざん楽しんだのだ。私にも楽しませろ。」
フェルトの言うことに、これまで拷問をしていた男たちは顔をしかめてフードの男を見つめる。
多くの顔に不満が浮かんでいる。
「かしこまりました。おまえたち、下に降りて休め。」
フードの男の命令で男たちはしぶしぶ部屋を後にする。
「お楽しみになるのはかまいませんが、くれぐれもやりすぎないようお願いします。」
「そんなことはわかっている。さっさとおまえも出ろ。」
「………では、ごゆっくり。」
ガチャンと扉の閉まる音が響く。
今この部屋にいるのは女とフェルト、そしてダチルだけだ。
そのダチムは部屋の隅で静かにフェルトを見守っている。
突然の出来事に戸惑った様子を見せた女だが、すぐさま警戒態勢に入り、その鋭い瞳をフェルトに向ける。
「そう警戒しないでくれたまえ。まだなにもしていないではないか。」
フェルトは不敵な笑みを浮かべると、部屋の隅にいるダチムに声をかける。
「ダチル、この女をこれに拘束しろ。」
ダチルはさっと女に近づくと、フェルトの指示した×字の拘束台へと引きずっていく。
女はこれまでの拷問で体力を奪われているのか、弱弱しい抵抗しかしてこない。
台に来ると、ダチルは手際よく女の四肢を貼り付けていく。
美しい裸身がフェルトの目の前にさらされる。
女は悔しそうに顔をゆがませているが、眼光は衰えていない。キッとフェルトをにらみつけたままだ。
「いい目をしている。その目がこれからどんな色に変わるか楽しみだ。」
フェルトは好色な表情を浮かべ、薬棚へと向かう。
そして棚からピンクの液体の入った小瓶と白い粉末のはいった袋を手に取る。
「フェルト様。その組み合わせは危険だと思います。」
ダチルはフェルトの選んだ薬の薬効を知っているのか、少し驚いた表情で注意を促す。
「この女はこれまで多くの拷問を受けて口を割らなかったんだぞ?普通のやり方では無理だ。これぐらいしなくては。ダチル。これができるまでその女をよがらせてろ。」
そういうとフェルトは鉢に液体と粉末を混ぜ入れ、近くにあった棒でこね始めた。
ダチルはフェルトにわからないように小さくため息をつくと、薬棚に行き薄紫色の小瓶と筆を手に戻ってきた。
「まあこっちも楽しませてもらおうか。あんたには災難だがな。」
ダチルは女に近づくと、小瓶のふたを開け、口から流し込む。
女は抵抗らしい抵抗もできず、瓶の中身を飲み込んでしまった。
「なにを飲まされたか不安なんだろう?安心しろ。すぐにわかる。」
その言葉通り、効果はすぐにあらわれた。
胃からなにか熱いものが込みあがってきたと認識した瞬間、熱が頭の先から指の先まで一瞬で駆け巡った。
突然の感覚に女は胸をそらし、手足を暴れさせたが、拘束具に邪魔される。
「まだまだこれからだぞ。」
ダチムは筆を手に取ると、女の乳房に立つ小さな突起に筆先を絡ませる。
「んああっ!」
筆先が触れた瞬間、女は声を上げる。細かい毛先の一本一本が針のように鋭く感じられ、それによって生じた痛みが熱となって全身を走る。
ダチルは女の反応を見ながら、粘っこく乳首を責める。
女は筆先から逃れようと身体をそらすが、ダチルの筆はどこまでも追いかけてくる。
「まだ始まったばかりだぞ。そんなだとこれからもっとつらいぞ?」
筆先を肌に触れるか触れないかの絶妙な按配で動かしたかと思えば、毛先を肌に突き刺すように強く擦り付ける。
「んあっ!はあっ!ああっ!」
女は全身を真っ赤にして熱から逃れようと身をくねらせる。
「片方だけでは物足りないだろう?」
そういうとダチルは筆をもう一本とり、反対側の乳首を責めたてる。
「はあああっ!」
両方の乳首責めによって快感が倍になった女はこれまで以上に身体をよじるが、拘束具が逃れることを許さない。
女はただ嬌声をあげることしかできなかった。
ふいにダチルは両乳首から筆を離すと、女に顔を近づける。
「そろそろ、こっちも責めてほしいんじゃないか?」
そういうと不敵な笑みを浮かべた男は右手の筆をゆっくりと女の下腹部に移動させる。
意図を理解した女は、必死に腰を動かして無数の凶器から逃れようとする。
男は暴れる女の股下に筆を移動させると、赤く充血している小さな果実に毛先を刺し込む。
筆先が果実に押し付けられると女は顔を上にあげ、大きな嬌声をあげる。
「あああああああああっ!!」
女は自身の肉芽が破裂した錯覚に襲われた。まるで果実がはじけ、中身を外へまき散らすように、肉芽に詰まっていた快感が一気に全身を駆け巡る。
ダチルはその光景を楽しむように、女の肉芽を筆先で転がす。
そのたびに、女は快感を外へ逃がそうとするかのように全身を激しく動かす。
鬼畜な筆責めが終わったのはこれまで机にむかっていたフェルトが喜びの声をあげたときだった。
「できた!やっとできたぞ!」
フェルトが後ろを振りむくと、女は力なく頭を垂れている。
「おめでとうございます。フェルト様。」
「うむ。いい具合になるまで時間がかかってしまったが、女のほうはどうだ?」
「はい。こちらもよい具合に仕上がってございます。」
女が弱弱しく頭を上げ、男たちを見る。
男たちの顔には、やりきった表情とこれから起きるであろうことを楽しみにしている子供のような恐ろしい笑みが浮かんでいた。