薄暗い部屋に響く荒い息…
ひとつの布団にふたりの人影…
ソエルは快楽の余韻に浸り、ナリルは激しい運動のあとのように息を整えている。
「どう?…はあ…はあ……不快感は…とれた?」
「……うん…もう…大丈夫……ありがとう、ナリ。」
結局あのあとも身体を重ね、ソエルは五回は絶頂を迎えた。
その間、激しく腰を動かし続けたナリルは疲労困憊でぐったりしている。
「まったく…ここまで…やらせる…なんて…はあ…もう…腰…動かない…わ。」
「おかげで大満足!ありがと!」
「そう…なら…よかったわ…はあ……それより…気づいてる?」
息を整えながらもナリルはチラッと隣を見る。
「もちろんよ。………リュウ!いつまでそうしてるの?」
ソエルの呼びかけに隣のこんもり膨らんだ布団がビクッと震える。
しばらくはそのまま微動だにしなかったが、やがてスー、スーとわざとらしい寝息が聞こえてきた。
「こいつっ!」
「わひゃあああああ!」
ソエルがとびかかり、布団をひきはがすと中から現れた少女は無様に悲鳴をあげる。
その顔は真っ赤に染まり、股は一目でわかるほど大きな染みをつくっている。
「あらあらリュウ、おもらししちゃったの?」
「ち、違う!これはおもらしじゃ…」
「リュウさん、人の情事を覗き見るなんて……いい趣味してますねえ?」
「ち、違うの!別に覗き見るつもりはなかったの!なんか声が聞こえたからどうしたのかなって思って…そしたらそのまま始まっちゃって…」
「それで覗き見しながら、いけない一人遊びしてたんだぁ?」
「違うの!たしかに少し覗いちゃったけど、いけないことはしてないの!」
「そうですよね。自慰はいけないことじゃないですよねえ?それにあんなに激しい喘ぎ声聞かされたら我慢できないですよねえ?」
「なっ!?ナリっ!!」
リュウの必死の弁明を二人でからかっていたのが、いつの間にかナリル一人が二人をからかうようになる。
まさかの裏切りにソエルは顔を真っ赤にし、リュウは口で勝てないことがわかったのか濡れた股を押さえてうつむいている。
「まあ、それはさておき。私たちだけ恥ずかしい姿を見られたっていうのも不公平だと思いませんか?」
「たしかにおもらし跡だけじゃ足りないよねえ。」
「私は体力を回復させたいからソエルに任せてもいい?」
「もちろん!わたしばっかり責められっぱなしじゃねえ?今は責めにまわりたい気分だし。」
そういうとソエルは股下ほどの長さしかないリュウの短いパンツを無理やり脱がす。
普通はその下に下着を穿くものだが、リュウはなぜか身に着けていない。
当然はぎ取った短パンの股部分はぐっしょりと濡れており、興奮をあらわす淫臭がただよってくる。
「もうこんなにぐちょぐちょにして。どんだけ激しい自慰したの、リュウ?」
「違うの…あたし、いじってないの………呪いをかけられて…濡れやすくなっちゃって…」
「あらあら、ずいぶん淫乱な呪いかけられちゃったのねえ。」
恥ずかしさからついた嘘だと思ってからかったのだが、真剣なまなざしで今にも泣きそうになっているリュウをみてなにかを察する。
「……本当なの?」
リュウは目尻に涙をためながらコクンとうなずく。
確かにこれまでの様子をみていて思ったが、リュウは嘘がつける人間ではない。
嘘をついた子供のように動揺が激しいので一目でバレる。
子供よりも嘘をつくのが下手かもしれない。
おそらく問い詰めれば自分から必要ないことまで全部吐くだろう。
先程の覗き見も布団の隙間から好奇心旺盛な目が爛々と輝いていたのですぐにわかったのだが、わざとらしい寝息で乗りきれると思うところがナリル曰く「子供」なのだ。
「どんな呪いなの?」
「……前の穴が使えなくなる呪い。」
「どうしてそんな呪いかけられたの?」
「……わかんない。」
リュウはうつむきながらも、小さな声で返答する。
そしてソエルは重要なことを問いかけた。
「誰にかけられたの?」
ほんの少し間が空いた。
だが次の瞬間、リュウの顔色が真っ青になり、全身震えだした。
「どうしたの!?」
「嫌だ……もうあんな目にあうのは嫌だ!もう会いたくない!」
「リュウさん落ち着いて!」
ソエルとナリルが必死になだめていたが、リュウは自身の身体に腕を回して、「嫌だ、嫌だ」と泣き続けた。
ナリルが泣いた子供をあやすように、リュウを抱きしめて頭をしばらく撫でていると、ようやく落ち着きを取り戻した。
「落ち着きましたか、リュウさん?」
「……ごめんなさい。取り乱しちゃって…。」
「謝るのはこっちだよ。リュウのこと考えないで質問しちゃったから。」
ナリルはリュウが落ち着きを取り戻したあとも、しばらく頭を撫でてくれた。
リュウもその行為に甘えるように、時々自ら頭を擦り付けながらされるがままにされていた。
「ごめんなさい。あたしもいつかは向き合わなきゃって思うんだけど、そのことを考えると……。」
「無理することじゃないよ。リュウとは違うことかもしれないけど、わたしも辛い経験があった。ナリルのおかげで今は大丈夫だけど、過去のトラウマに向き合えたのはつい最近なんだ。今でも夢に見ることがある。」
ソエルの言葉に静かに耳を傾けるリュウ。
「わたしが過去のことを話せたのも、ナリルっていう信頼できる相棒ができたからさ。そのナリルにも打ち明けるのに時間がかかった。だから焦らないでゆっくり考えるんだ。リュウにもいずれ信頼できる仲間ができる。それは誰から言われてじゃない。リュウ自身が決めるんだ。そして自分のタイミングで打ち明ける。決して相手が自分の過去を話してくれたからとか、その場の空気で決めちゃいけないよ。」
「私たちも無理やり聞こうなんて考えません。リュウさんの心の整理がついたら聞かせてください。そのときは私たちにできることはなんでもします。」
ソエルは自分の浅はかさを後悔していた。
リュウに辛い過去があることはわかっていた。
それを思い出させてしまうような質問をしてしまったのだ。
さらに自分が辛い過去を明かしてしまったために、リュウが自分の過去も話さなくてはと追い込んでしまったのではないかと。
落ち込んでいるソエルに対して、ナリルはやさしく微笑みかける。
視線を合わすだけで何を言いたいのか理解できる。
「質問はまずかったけど、自分を責めないで」と。
その微笑みのおかげで後悔の念が少し軽くなった気がした。
(やっぱりナリルはすごい。)
ソエルは感謝を表すために同じようにやさしく微笑み返す。
そのやりとりをリュウは羨望の眼差しでみる。
いつの間にか震えは止まっていた。
落ち着きを取り戻したリュウは、ゆっくりとナリルの胸から頭を離す。
「ありがとう。もう大丈夫。」
「そうみたいですね。でも無理しちゃいけませんよ。」
涙を拭うリュウに対して、ナリルは頭をポンポンッと軽くたたく。
和やかな雰囲気の中、ソエルが一言。
「ねえ、リュウ?前の穴みせてもらっていい?」
研究者の性か欲求に対して真っ直ぐなソエル。
リュウも口を開けポカーンッとしている。
「ソエル、あなた……」
「違う違う!続きがしたいからじゃなくて、どんな呪いか調べようと思っただけ。呪いならなにかしら痕とか紋とか刻まれるはずだから…。」
はじめはあきれた表情をしていたナリルだが、すぐに納得がいった表情になる。
「たしかめてみる価値はあるわね。リュウさん、どうですか?もちろん強制はしません。」
「……うん。わかった。それで呪いを解く方法がみつかるなら…。」
リュウは布団に仰向けになると、ゆっくりと足をひらく。
ソエルはリュウの正面に移動すると、秘部がよく見えるようにがばっと大きく足を広げさせる。
「は、恥ずかしいよぉ……」
「わたしたちのもっと恥ずかしい姿を覗いたくせに。足をおさえててね。」
相変わらずぐっしょりと濡れた秘部をさらけ出すリュウの顔は、羞恥で真っ赤になっている。
ソエルはさらにあふれ出てくる女蜜をぬぐいながら、注意深く観察する。
「蜜が次から次へとあふれてきてキリがないね。」
「くぅっ!」
ソエルの指は呪いの痕跡を探すために秘部をなぞっているが、そのわずかな感触がリュウに刺激を与え、身体の奥から蜜を分泌させる。
あふれる蜜が秘部を覆うため、視界の確保も難しくなってくる。
リュウは快感を我慢し、ソエルは額に汗をかきながらも必死に痕跡を探る。
「あっ!あった!これだ!」
歓声をあげるソエル。
ナリルはすぐさまリュウの正面に移動する。
「どれ?」
「これだよ。薄くて見えにくいけど、たぶんこれだ。」
ソエルの示す先にはなんらかの形をした紋が薄らと浮かび上がっている。
周囲を覆う淫液のせいもあるが、肌に近い色をした紋は注視しなければ見つけることは難しかっただろう。
「これは何の紋かしら?」
「わからない。見たこともない紋だ。これはなにかの動物?」
「なにか棒みたいなのが×印になってない?」
二人はこれまで見聞きしたあらゆる知識を総動員するが、答えは出てこない。
うーん、と悩んでいる二人にそれまで黙っていたリュウが、ふと何か思い出したように話しかける。
「ねえ、アルレイアって知ってる?」
「アルレイア?淫神アルレイアのこと?性欲を司るっていうあの?」
「た、たぶんそう。あのね、ある人が言ってたんだ。あたしはアルレイアの巫女だって。」
リュウの一言に顔を見合わせる二人。
その驚愕ぶりにリュウも戸惑う。
「ど、どうしたの?」
「アルレイアか……確かに可能性はなくもないかも。」
「でもアルレイアの巫女?巫女はいなくなったはず。あの人がそう言ってたし…」
「アルレイアの巫女は子宮を淫神に奉げるって言ってたよ。リュウの身体を見る限り一致する。」
「奉げたとは限らないわよ。別の呪いかも…。」
「でもこれ以外に思い浮かばない。確かめるには……。」
完全に研究者の世界に入っている二人を前に、足をひろげ秘部をさらしたままのリュウ。
声もかけられず戸惑っていると、議論に一区切りついたソエルとナリルはこちらに向き直る。
「リュウさん。あなたはアルレイアの巫女の可能性があります。」
「!?」
「それを確かめる方法はひとつだけ。」
二人は再び顔を見合わせるとニヤッと笑う。
「「あなたのお尻を調べさせていただきます!!」」