GANTZif –ちあわせなそっくすをおたのしみくだちい- ep桜丘 聖 作:ミヨギ
――ガキ 2てん ひっしすぎ おびえすぎ
「はぁ……僕、めっちゃ情けなかったですよね」
「そんなことないわよ。少なくとも、あたしは君に命を救われたわ」
家族で暮らすにはちょっと手狭と思えるようなマンションの一室。そこには、大きな黒い球体がどっしりと鎮座していた。
球体の周りには、SF映画に出てくるような拳銃やライフルの様な形状をした武器がちらばっていた。
何というか、不気味な部屋だなっていうのが、僕の最初の印象だった。
そんな部屋には今、僕と1人の女性しかいない。
2人で横に並んで、壁にもたれかかるように座り込み、静かに会話をしている。
「いや……本当にたまたまですよ。たまたまです。僕が撃った……えっと、Xガン? が桜丘さんの後ろにいた星人に当たって、殺せて……本当に……たまたまなんです」
「たまたまでも、助けてくれたのは事実よ……ふふッ」
くすりと笑った女性は、僕を抱き寄せてくれた。
「ありがと……それに、君だって初めての戦いで生き残ったんだから。頑張ったわね」
慰められてしまった。普通、こういうのって男が女の人にしてあげることなんじゃないだろうか。言葉には出さなかったけど、また情けなくなってしまった。
「あの……桜丘さん……生きててくれて、ありがとうございます」
「何それ、変な言い方」
桜丘さん。フルネームは桜丘聖さん。それが、僕の隣に座っている女性の名前。
桜丘さんは僕に色々なことを教えてくれた。
この変なマンションは死んだ人間が集められているということ。あの黒い球体は『ガンツ』ということ。ガンツからの指示で『星人』と呼ばれる化物と戦うということ。
そして、これは僕たちに拒否権はないということ。
桜丘さんがここに来るのは2回目だという。僕は初めて、1回目。たった1回の差だっていうのに、彼女はとても落ち着いていた。
きっと本当はすごい怖いんだろうな。でも、それでも僕にはとても素敵に見えた。
「どう? 落ち着いてきた?」
「は、はい……だいぶ、震えもなくなってきました」
ガンツから指示された星人との戦いはとっくに終わっていた。僕たちはとりあえず今夜は生還したということだ。
でも、僕は初めての戦いを終えたところで腰が抜けてしまい、動けなくなってしまっていた。他にも戦いに参加していた人たちはいたのだけど、皆先に帰ってしまった。
そう、僕の傍にいてくれた。残ってくれたのは桜丘さんだけだということだ。あんないかれた戦いの後だっていうのに、今日初めてあったガキ1人の為に。
単純に、本当に優しい人だなと僕は思った。
「それじゃあ、そろそろ帰ろ。いつまでもこの格好じゃ、家でシャワー浴びればすっきりするはずよ」
「はい……それじゃあ、僕はこっちの部屋で着替えるんで」
そう言葉を交わした僕たちは、ゆっくりと立ち上がり解散した。
――ぎゅっ、ぎゅっ、ぎゅっ。
脱ぎにくい。
僕と桜丘さん、他の参加者も着ていたこのSF映画に出てくる様な、ぴっちりと肌に吸い付くようなデザインのスーツ。通称ガンツスーツ。
今日初めてきたけど、これを着ると超人の様なパワーが発揮できた。星人と戦う為にガンツが用意したもの……らしい。
「まぁ、逃げ回ってた僕には宝の持ち腐れ……だけどね」
脱ぎにくいスーツ。SF映画みたいなデザインしてるなら、ボタン一つで脱げるとか、もっと便利な感じにしてくれよ。
心の中で不貞腐れながらクレームを付けていた。
(でも……桜丘さんのガンツスーツ姿……すごく、よかったなぁ)
僕はほんのちょっと平静を取り戻したからなのか、スーツを脱ぎながら、頭の中で桜丘さんの姿を思い起こしていた。
桜丘さんは僕よりも身長が高くて、すらりとしたファッションモデルのような美女だった。顔立ちもすっとした美形で、初めてあったときはちょっと怖い雰囲気だったけど、笑顔がとても素敵な優しい人だった。何かしらスポーツもしてるみたいで、全体的に引き締まったボディラインも、まるでハリウッド映画に出てくるアクション女優のようだったし……。
(でも、『ああいうところ』はやっぱり女の人だよなぁ)
桜丘さんの、おそらく一般的な女性よりかなり豊満なおっぱいと、ぷりんとした綺麗な曲線を描くお尻。脳内でその2点がフォーカスされて浮かび上がる。
ガンツスーツはダイビングで使うようなウエットスーツより肌にぴったりと吸い付くんだと思う。だから、女性のボディラインだってくっきりとわかってしまう。
ミッション中は恐怖で感覚がおかしくなっていたけれど、やっぱり、あのコスチュームを女性が着るのはまずい……エロ過ぎると思う。だって、ほとんど裸を見ているようなものだから。
脳内で想像していた桜丘さんの姿に、どんどんピンク色のフィルターがかかってくる。
クラスメイトと教室で回し読みした漫画雑誌の巻頭グラビア。脳内の桜丘さんは、そこに載っていたグラビアアイドルのようなセクシーポーズを取りはじめていた。
お尻を突き出して色っぽい流し目でこちらを振り返りながら見つめてきたり。四つん這いで女豹の様なポーズを取り誘惑してきたり。両腕で豊満な胸を抱き寄せて深い谷間を強調したり。
桜丘さん(妄想)はどんどん僕を誘惑してくる。
(桜丘さん……桜丘さん……桜丘さんはグラドル何かよりイケてます……腰つきだって……ヒップラインだって……何より、おっぱいの大きさだってすごい素敵です)
アイドルのグラビアというと、やっぱり巨乳が好きだった。だけど、桜丘さんを見てしまうと、そんなアイドルたちは霞んでしまう。それだけ彼女は魅力的だった。
いや、すごいエロいと思った。
あれ、何だか更にスーツが脱ぎにくくなったような……思いっきり引っ張れば脱げるか。後は下を脱いじゃえば全部だし。
「ん……? うわぁあぁッ! あッ! あぁ……何やってるんだよ……はぁ」
すごい大声を出してしまった。
無意識に出した大声に自分自身が驚いたことで、脳内でセクシーポーズを取っていた桜丘さん(妄想)は消し飛んだ。
スーツのアンダー? 部分を脱ぎとって全裸になったときにソレに気づいた。
(はぁ、それどころじゃないだろうよ)
僕のチンコはそそり立つ様に、大きくガチガチに勃起していたのだった。いつも通り、包茎の皮は亀頭の半分くらいを隠している。
さっきまで生きるか死ぬかの戦いを強制されていたというのに、それが終わりちょっと落ち着いたらエロい妄想、そして、この有様……。
思春期男子であることがこれほど恥ずかしいと思ったことはなかった。
「さっさとパンツ履くか……」
――どたどたどたどたどたどたっ!
床に置いていた下着を拾い上げようとしたその時、どたどたと人が走る音が聞こえた。すると、目の前にとんでもない光景が飛び込んできた。
「どうしたの! すごい声が聞こえたわよ!」
脳内の妄想が具現化したのかと思った。
僕が着替えをしている部屋の入口から全裸の桜丘さんが駆け込んできた。ガンツスーツも服も、もちろん下着すら纏わないすっぽんぽん。
「まさか! まだ星人が残ってたとか! 怪我は……ない……あ……」
「ち! 違います! 星人じゃなくて! いやそうじゃなくて! これはその……」
「そ、そうみたいね……うん、星人は……いないわね」
「は、はひ! しょうです!」
声が上ずってしまった。
謎のマンションの一室で、二人の男女がすっぽんぽんで向き合っている。その男の方はチンコをフル勃起させてるなんて……シュール過ぎる。
「とりあえず……大丈夫……なのよね……その様子だと」
桜丘さんは片手でふさふさと生えたマン毛……じゃなくて、アンダーヘアーの生えた股間を隠し、もう片方の手で豊満なバストをむにゅっと押し込むような姿勢で隠した。
流石に頬が少し紅潮している。
「ごめんなさい……戦いのあとで、君の悲鳴が聞こえたから……何かあったのかと」
「す、すいません……」
「これはね……着替える途中だったから……それで」
「こ、こちらこそ……」
こちらこそって何だよ。
桜丘さんは着替えを放棄して、裸のまま僕のところに来てくれた。それって、もの凄い気遣ってくれてたってことじゃないか。
裸を見られるのなんて、絶対恥かしいに違いないのに。そんな恥も捨てて駆けつけてくれた。その良心がぐさぐさと愚息に刺さる。
「ところで……それって」
桜丘さんの視線が僕の股間に注がれている。あれ、こういうときって悲鳴を上げて目を隠すんじゃないのかな。漫画の知識で例えるのも何だけど。
何故かこっちが恥ずかしくなってしまい、内股になって両手で怒張した相棒を隠した。いや、隠しきれてない。くそ、何で鎮まらないんだよ。
「こ、これはですね……その星人じゃなくて……桜丘さんのことを考えてたらこうなってしまって! それで……なんだっけ! びっくりして! そう、びっくりして大声出しちゃったんです!」
「……あたしのこと?」
「えぇ! いやちが! ちがわな! え……えと……えっと!」
何を言ってるんだ僕は。自分で白状してしまってどうするんだ。
顔が熱い。鏡を見れば熟したリンゴのように真っ赤になっているはずだ。どうすればいいんだろうか、わからない、脳内が混乱して考えられない。
「くすッ……ぷふッ♪」
え? どうしたんだろう?
僕と同じく全裸の桜丘さんは吹き出した。何で笑ってるんだろう。
すると、桜丘さんは母性的な笑顔でこちらを見つめてきた。僕はその視線から目を逸らすことが出来なかった。変なことを言ったから怒られるのかと怖かったのだろうか、それとも、見とれていたのだろうか。
桜丘さんのぽってりとした厚い唇が開くと、ゆっくりと言葉が紡ぎ出された。
「男がそういうことになったってことは……落ち着いたってことなのかな? いや、落ち着いてはいないか」
「えっと……そのですね……」
「さっき、あたしのこと考えてそうなったって言ったよね?」
「……は、はい」
「それって、あたしに興奮したってことよね? 女として……見たってことよね?」
「……は、はひ!」
うわずった声で肯定した。この場面で肯定してよかったのだろうか。
「んふ……ちょっと、嬉しいわ」
「へ?」
嬉しい。桜丘さん、いったい何を言ってるんだろう。まさか、まだ妄想の中なのだろうか。
すると、桜丘さんは全裸のまま、すっぽんぽんのまま、まっすぐにこちらに向かって歩いてきた。
聖さんはさっきまで体を隠していた手をどけている。そのため、二つの豊かなおっぱいがぼよんぼよんと揺れている。すごい、めっちゃエロい。
揺れるおっぱいに洗脳効果でもあったのだろうか、僕の脳内処理機能がパンクしてしまったのだろうか、体がぴくりとも動かない。情けない姿のまま一歩も動けない。
――むぎゅぅう!
僕の顔は……何か柔らかいものに包まれていた。ナンダコレ。今までこんな感触を味わった経験がない。でも、すごく、すごく落ち着く。幸せな感じがする。
「大丈夫。怖がらないで」
「……え、あ……あの」
僕は桜丘さんに両腕でぎゅっと抱きしめられ、豊満な胸に顔をうずめていた。
すごい、これがおっぱい……やわらかい、ふわふわしてる、たまらない、えろい、でも優しくって、幸せ……。
「まだちょっと震えてる……うん、大丈夫。もう怖くないわよ」
まるで女神の声に聞こえた。柔らかい胸の谷間で、僕は桜丘さんの囁きを聞く。
「今……慰めてあげるから」
柔らかい……僕は桜丘さんの豊満なおっぱいの中に沈んでいった。
■今回ハーメルン様に初投稿させていただきましたミヨギです。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
GANTZのエロ小説があんまり投稿されてないみたいだから読みたいなぁ~という欲望を自ら具現化するため書いてみました。
メインヒロインは桜丘聖。原作では序盤でリタイアしてしまった彼女にフォーカスを当てて、どんなオリジナルストーリーが展開するか……自分でもまだよくわかりません。
最後に、感想などいただければ幸いです。
それでは、また続きで。