-東京湾 某倉庫前
シャアアアッ〜
グツグツグツグツ
「美味えなァ〜」
「酒もウメェよ⁉︎」
「オレ等、何にもしてねェけどな‼︎」
ワッハッハッハッハッハッ
「…」んぐっんぐっ
「ナメ皮さーん」
「はい、なんでしょうか」
「おかず足りてる?」
「ええっ」
組員たちが和気藹々としている中で
二代目猪背組、若頭のナメ皮こと
滑皮はレインに気を遣いながら
日本酒を飲んでいた。
そんなこと気づかずにレインは
高級ワインのバタール・モンラッシェを
ラッパ飲みしながら
自分が『解体』し天ぷらにした
肉腹の肉を食べていた。
「レイン、旨いか?」
「うん。ちょっとカタイけど
美味しいよ」
「そうか…」
エレンはなんとも言えない表情で
レインの頭を撫でた。
「どうしたの?」
「いやっ…なんでもない。それより」
「リナの件なら心配ないよ」パチッ
「おう、リナの居場所が判ったぞ」
エレンは後ろから現れたウシジマを
訝しみながらレインにある事を訊ねた。
「記憶を覗いたのか?」
「うん。頭を鷲掴みした時にさらっと」
「で、ウシジマさんは
リナの居場所をつかんだんですか」
「もちろンだ」スッ
ウシジマはレインにスマホを渡した。
「”リッちゃん”はダウロード出来たんだね」
「戌亥がいつか礼するって
言ってたぜ」
「レイン…イイのか」
「大丈夫だよ、ちゃんとリッちゃんに
許可得てるし」
『ハイ!』
リッちゃんとは自律思考固定砲台と
呼ばれるAIでレインの親友でもある。
『本体』はLSD本社に置かれているが
魂(ゴースト)はネットの海で
自由に動き回れるため
レインが持つスマホから『アプリ律』
と呼ばれるものをダウロードすれば
他のスマホにも移動できる。
「いいのか?律」
『構いません!レインちゃんに
お願いですから‼︎』
「そういうワケで…」
「ナメ皮さーん‼︎」
タッタッタッタッタッタッ
「ハァ…ハァ…なんでしょうか」
「別に走らなくても
良かったんだけど…」
レインはそう言いつつ
滑皮からスマホを借りると
自分のヤツから律をダウロードさせた。
『自律思考固定砲台と申します。
律と呼んで下さい、滑皮さん』
「お、おう」
「ナメ皮さんはリッちゃんと一緒に
リナの”顧客”を捜しといて」
「見つけたらどうします?」
「”解体”しといて」
レインは見せしめに惨殺する事を
『解体』と呼んでいる。
滑皮は冷汗を流しながらスマホに映る
律をなんとも言えない顔で見つめた。
「さてと…柄崎さんたちを呼ばないとね」
「なんでだ?」
「だって、これからー」
「江戸に飛ばなきゃいけないんだから」
エレンはあまりの状況の変化に
唖然としながらもレインとウシジマ
と共に
リナが潜伏している
江戸へ行くために柄崎たちを
呼びに向かった。
これでレイン編は終了です。