デュエルが終わると、すぐにレジーと響先生の2人は目を覚ました。2人はどこも身体が悪くないように見えた。そのことに安堵のため息を俺たちはもらした。誰かが「よかった・・・。」とつぶやく声も聴こえた。安心した空気がこの場を支配した。しかし、その空気はすぐに打ち壊された。
『遊・・・大変よ。』
『大変だぞ!遊!』
マナとサラが切羽詰まった声で俺に呼びかけるとすぐ、雷が鳴り響き始め、突風が吹き荒れ始めた。壊れたアリーナから空をみると、悪かった天気がより一層悪くなっていた。それも今まで経験したことのないほどひどいものだった。なにかがおかしい。なにかが起こっている。みんながそう思った。その中でつぶやかれた言葉は俺たちの耳になによりも大きな音として聞こえた。
「まさか・・・本当に・・・」
その言葉はレジーによって発せられた言葉だった。
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俺たちは目的地に向かって走っていた。目的地には十代と万条目、そしてマッケンジー校長がいるはずだった。向かっている最中に海野幸子と小日向星華が合流してきた。俺は気になったので質問をした。「どうして避難場所から離れてアリーナに向かっていたのか?」と。海野幸子も小日向星華も「ほっほ。しょ、庶民の知るべきことではないですわ・・・」、「あ、あなたには関係ないでしょ!」と2人ともそれらしい言葉をあきらかに何かをごまかすように言うだけだった。
こうした掛け合いがあった後、雨が降ってきた。大きな雨粒がほおにぶつかった。雷も風のもひどくなってきた。明らかに移動するには向かない天候だった。だが、俺たちはより一層歩みを早くした。そうして目的地に着いた。
目的地には予想通りに十代と万条目、そしてマッケンジー校長がいた。それ以外にもアメリカアカデミアの学生たちがいた。正しくは縛り付けられていた。十代、万条目、エド・フェニックス、ヨハン・アンデルセン、ジェームス・クロコダイル・クック、アモン・ガラム、オースチン・オブライエンが十字架に縛り付けられていた。
「・・・よくきたな。コミナミ。」
「アンタがやったのか・・・いや、やったんだな。」
「・・・フフッ。そのとおりだ!!」
「一応、質問しておこうか?どうしてこんな真似をしたのか?」
「いいだろう・・・。」
そうしてマッケンジー校長、正確にはマッケンジー校長を乗っ取った存在は言葉を紡ぎ始めた。自分が古代エジプトにあったクル・エルナ村の生き残りであること。王がクル・エルナ村を滅ぼし、村人を虐殺したこと。そのことに対する恨みから世界を滅ぼそうとしたが、失敗し封印されてしまったこと。封印が10年ほど前に偶然解けたこと。しかし、世界を滅ぼすために力を完全に取り戻すためには精霊たちの力を奪う必要があること。そのためにエド・フェニックスの父親を操り精霊を手に入れるためにプラネット・シリーズをつくらせ、マッケンジー校長やレジーなどを操って精霊を狩っていたこと。
そう言ったことを淡々と愉しげに、それでいながらどこか怒りを含ませた口調で語った。その態度は他者に恐怖を与えると思われた。みんなの様子をみてみるとやはりマッケンジー校長に対する恐怖で怯えていた。一方、俺は無表情で「漫画版とほぼ筋は同じか。」と思っていた。マッケンジー校長の言葉が終わったのを見計らって俺は挑戦的に尋ねた。
「それでなにがいいたいんだ?」
「俺の復讐が正当であるということをだ!見知った顔を殺されて、生まれた場所を破壊されて、それに対して復讐をするのは当然だろう!」
「・・・ああ、俺もそうじゃないかと思う。だが、お前は1つ重要なことを忘れている。」
「なに!?」
「たとえそうでも、お前にはレジーやマッケンジー校長といった人たちの自由や権利を踏みにじる権利はないということだ。お前のやっていることはお前の憎悪している王やその家来のしたことと同じじゃないか。」
「だ・・・だまれ!だまれ!俺はお前を倒し、お前の2人の精霊を奪って、完全な復活を遂げる!そして、世界を滅ぼしてやる!!」
「・・・・・・しかたないな。始めるか。」
こうして最後の決戦が始まった。
「・・・ところでだ。さっきレジーを乗っ取ったお前と戦ったときは俺が後攻だったんだから今回は俺が先行でいいな?」
「だめだ!!だめだ!!決して認めん!!」
「・・・・・・わかったよ。お前が先行でいい。」
「フン。俺の先攻。『手札抹殺』を発動!互いに手札を捨て捨てた枚数分ドローする・・・(よし!『The Supremacy Sun』と『ドラゴエディア』、『王宮の勅命』、『神の宣告』がきた。捨てた『レベル・スティーラー』と合わせれば、次のターン一気に・・・。)そして、俺は・・・」
「悪いが、それは無理だ。『手札抹殺』の効果で捨てた『ネコマネキング』があった。こいつが墓地に送られたことでお前のターンはスキップだ。」
「なん・・・だと・・・」
『ネコマネキング』
効果モンスター ☆1 地属性 獣族
攻撃力0 守備力 0
相手ターン中にこのカードが相手の魔法・罠・モンスターの効果によって墓地に送られた時、相手ターンを終了する。
「俺のターン。ドロー。・・・まずはお前の場にトライアングル・トークン2体を特殊召喚して、『トライアングル・ウォリアー』を特殊召喚する。」
「俺の場にトークンを・・・?」
「続けて『死のマジック・ボックス』を発動し、トライアングル・トークン1体を破壊して、『トライアングル・ウォリアー』のコントロールをお前に与える。」
「これでお前の場はがら空きだ。一体、なにがしたいのだ・・・?」
『トライアングル・ウォリアー』(アニメ遊戯王5Ds原作カード)
効果モンスター ☆2 光属性 戦士族
攻撃力600 守備力1200
相手フィールド上に「トライアングル・トークン」(戦士族・光・星2・攻/守1200)2体を守備表示で特殊召喚して、手札のこのカードを特殊召喚する事ができる。
『死のマジック・ボックス』(通常魔法)
(1):自分及び相手フィールドのモンスターを1体ずつ対象として発動できる。その相手のモンスターを破壊する。その後、その自分のモンスターのコントロールを相手に移す。
「簡単なことだ。『勝利の方程式は全て揃った!』」
「なっ・・・。」
「相手の場にモンスターが存在し、自分の場にモンスターが存在しないことにより、手札から『勝利の方程式』を発動。この効果により俺は『No.43 魂魄傀儡鬼ソウル・マリオネッター』をエクストラデッキから特殊召喚する。そして魔法カード『ソウル・チャージ』を発動。この効果により、俺は墓地から『レベルスティーラー』、『ネコマネキング』、そして・・・」
一呼吸置き、宣言する。
「神を特殊召喚する!」
「神だと!?」
「そう、『オベリスクの巨神兵』を特殊召喚だ!」
『トライアングル・ウォリアー』と『ネコマネキング』がよみがえった後、墓地から巨大な巨人がゆっくりと現れた。その巨人は威圧感と恐怖をまとわせていた。操っている俺でさえ、畏怖の感情を抱いた。しかし、俺は構わずにプレイを続けた。
「『オベリスクの巨神兵』は特殊召喚されたので攻撃はできない。そしてエンドフェイズには墓地へと戻る。しかし、効果は使うことができる。『トライアングル・ウォリアー』、『ネコマネキング』をリリースして『オベリスクの巨神兵』の効果を発動。攻撃力を∞(無限)にし、相手の場のモンスターをすべて破壊することができる。」
その宣言とともにオベリスクは2体をモンスターをその手に掴み取り、生命力を吸収して力を高めた。その力で相手の場を破壊しつくした。その姿にマッケンジー校長は驚いた様子でいう。
「だ、だが、それでは俺のライフは・・・」
「あわてるな。『オベリスクの巨神兵』が攻撃力を∞にした後、攻撃力を元に戻すことはルール上、チェーンブロックをつくる。つまり、別の効果をはさむことができるタイミングがある。『オベリスクの巨神兵』が攻撃力を4000に戻す効果にチェーンして手札から速攻魔法『神秘の中華なべ』を発動。この効果により俺は場のモンスター1体をリリースすることでそのモンスターの攻撃力分のライフポイントを回復する。」
「・・・と、いうことは・・・」
「ああ・・・『俺は神を生贄に捧げる!』」
破壊の力は生命の力へと変換され、俺のライフポイントを回復した。
小南遊 LP2500→∞
「そして『No.43 魂魄傀儡鬼ソウル・マリオネッター』の効果を発動!お前に俺のライフが回復した分、つまり無限のダメージを与える。いけ!」
「う、ぐぉおおおおおお!!」
『No.43 魂魄傀儡鬼ソウル・マリオネッター』
エクシーズ・効果モンスター ★2 闇属性 悪魔族
攻撃力0 守備力 0
闇属性レベル2モンスター×3
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。自分の墓地の「No.」と名のついたモンスター1体を選択し、装備カード扱いとしてこのカードに装備する。このカードが「No.」と名のついたカードを装備している限り、このカードは戦闘及びカードの効果では破壊されない。また、1ターンに1度、自分のライフポイントが回復した時に発動できる。このカードの攻撃力をその数値分だけアップし、相手ライフにその数値分だけダメージを与える。
力の奔流が相手の身体に襲い掛かった。1分ほどでマッケンジーの体から『ドラゴエディア』が現れた。どうやら、これが奴の正体だったようだ。『ドラゴエディア』はなおも光線を浴び続け、叫び続けた。しかし、それもすぐ終わり、ゆっくりと消滅していった。後にはマッケンジー校長が残っているだけだった。
かくして、デュエル大会は終結した。