初夏の日が昇る。
早朝の澄んだ光がその邸宅の白砂の庭を照らすと、松の木に留まっていた雀が一声鳴き飛び立った。
雀は僅かな距離を飛び、今度は庭に停められているⅣ号戦車の砲身に留まった。
やがて光は屋敷を照らす。木造のその屋敷は一目で見渡せない程広く、また造りは古いながらも幾度もの直しの跡が各所にあり、その屋敷が経てきた時間の長さと、そこに住む者の格式の高さと地位を伺わせる。
これが日本戦車道を代表する流派、西住流の屋敷であった。
その幾つもの部屋の一つに、一人の女性と少年が正座で向き合っていた。
「伝吉、貴男がこの屋敷に来てから幾つになったかしら」
和服を着た、黒髪を短く後ろで結えた女性は眼前の少年に尋ねた。
「み、三月と半になります。菊代さま」
伝吉と呼ばれた少年は緊張しつつ答えた。
年は15,6といったところだろうか。短く切り揃えた髪と真っ直ぐな瞳は彼の真面目さと実直さを物語っている。
「早いものですね」
その緊張を解こうとしているのだろうか。その女性、西住家使用人頭の菊代は微笑み言った。
「は、はい」
「ふふ。伝吉、このような時間に貴男を呼んだ理由が心配ですか?」
「……実を言えば、そうです。何か自分はしでかしましたでしょうか?」
「そうではありません……ですが、大事な話です」
そこまで言うと菊代は背筋を伸ばし、伝吉に言った。
「伝吉、家元様からのご命令です。今宵から家元様の三助を勤めよとの事です」
「……三助?」
聞きなれぬ言葉に、伝助はきょとんとした顔で菊代を見た。
「家元様が入浴される際、家元様の体を洗い流す務めです」
「はあ……え、は、はい!?」
さらりと答えた菊代の言葉を、伝吉は最初は何気なく受け止め、次第にその意味が分かるにつれ動揺を見せた。
伝吉は改めて菊代の顔を見た。その表情には一片のからかいも無く、今言った事が本当に西住流家元である西住しほからの指示である事を伝吉に分からせた。
「じ、自分が奥方様の、その、お、お身体をですか?」
脳裏にしほの姿が浮かび、自分の顔が赤くなってきたのを伝吉は自覚した。
西住しほ。少し前に先代家元から正式に家元を襲名し、西住流の頂点、すなわち日本戦車道の頂点に立った女性。
只の使用人に過ぎない伝吉は、無論直接しほと話をした事は碌にない。勤め始めに菊代から紹介されて、
「そう、真面目に勤めなさい」
と言われただけだ。だが、その姿は伝吉に強烈に焼き付いた。
二人の娘を持ち、30後半のはずのその顔は未だ薄化粧だけでなお若々しく、戦車道で鍛えたであろう長身の体はスーツの上からでもその引き締まりが伺え、凛とした姿勢は母親以外の女性と知り合わず育った伝吉には鮮烈な印象を残した。
実を言えば、しほを妄想の対象として自慰をしてしまった事もある。
妄想の中のしほは優しく微笑み、伝吉の胸板に手をあてゆっくりと押し倒すとそのまま圧し掛かり、その豊かな胸を押し当ててきた。
「任せておきなさい」
そう一言だけ呟き、妄想のしほは伝吉の股間に手を伸ばすと少年らしいブリーフをずりおろし肉棒を露出させ、しなやかな指を絡めてくる。
そう想像しながら夢中で伝吉は自身の肉棒を擦った。自分でも信じられないくらい大量に射精してしまったのを覚えている。
そしてそれを思い返してしまい、更に紅潮してしまう。
「……伝吉」
菊代の静かな言葉に、伝吉は改めて我に返った。
「は、はい!」
「勘違いをしてはいけませんよ。貴男の務めは男娼めいた事をする訳ではありません。西住流家元にして日本戦車道の重鎮である奥方様の、日々の激務の疲れを癒すため、自分の体を洗う労力さえ使わずに済むようにするための重大なお役目です。貴男が受けた役目は、引いては日本戦車道の明日に繋がる役目と自覚しなさい」
「ははっ、はい! 誠に申し訳ありません!」
そう語る菊代の表情は厳しい。伝吉は自分の中の妄想のしほまで見抜かれたような気分になり、土下座めいた低さまで頭を下げた。
少しの間、菊代は無言であった。怒っているのだろうか。伝吉の頭に上っていた血が今度は急激に引いてゆく。
やがて、菊代は再び口を開いた。
「……まあ、仕方のない事ではあるでしょう。顔をお上げなさい、伝吉」
そう言われて顔を上げた伝吉が見た菊代の顔は、いつも通りの優しい表情に戻っていた。
「貴男がそのように反応するのは大凡分かっていました。その為に、平時より1時間ほど早く起きて貰ったのです」
「はあ……」
伝吉は訝しむような返事を返した。未だに菊代の意図が読めない。
「実際の務めで奥方様に劣情を催すようでは、ひいては使用人管理を務める私の不行届きとなります。なので、その前に私で練習をしてもらいます」
「練習?」
「行きますよ」
そう言うと菊代はスッと立ち上がり、伝吉を促した。長時間の正座で痺れた足をもつれさせつつ伝吉も立ち上がった。
板張りの廊下を静かに進む。午前4時ともあって、屋敷は二人の歩く音以外が聞こえない。
家人も今は少ない。二人の娘は両方とも高校生で学園艦で一人暮らしをしており、主人の西住常男は東京の戦車道連盟で昨晩から泊まり込みと伝吉は聞いていた。
廊下を幾度か曲がり、先行する菊代の足が止まった。
「ここは……」
伝吉は息を呑んだ。
西住家の家人用の浴場。無論、伝吉も風呂掃除以外で入った事は無い。
そうしている間にも菊代は木戸を横に開け、中に入ってゆく。
「どうしました、伝吉? 貴男が入らなければ練習になりませんよ」
「は、はい!」
慌ててその後を追う伝吉。
浴室内は脱衣所と浴室に分かれ、ガラス戸で仕切られている。家族での入浴も可能に設計された脱衣所は数名が纏めて着替えられるほど広く、ちょっとした銭湯のようでもある。
「これを着けなさい」
菊代は着替え入れに入っていた物を伝吉に手渡した。短いズボンめいた布と、腹巻。
そう言って伝吉が服装を受け取ったのを確認すると、菊代は無造作に帯を解きだした。
「き、菊代さま!?」
「風呂で脱ぐのは当たり前です。貴男も早く着替えなさい」
そう言いつつ手早く菊代は着物を脱いでゆく。伝吉は慌てて菊代に背を向け、使用人用の作務衣を脱ぎ始めた。背後からの衣擦れの音。興奮と緊張で早鐘を打つ心臓の鼓動を懸命に抑えようとする。
「もう一度言いますが、勘違いをしてはいけませんよ。これは練習です。もし実際に奥方様の体を洗う時に粗相があれば、伝吉、貴男が身を置ける場所は無くなりますよ」
菊代からの声。その言葉が伝吉に別の意味での緊張を与え、心臓と股間に集まりつつあった血を抑えてくれる。
「……はい」
深呼吸をしてから下着まで全て脱ぎ、渡された股引きと腹巻を身に着ける。
「できました、菊代さ……」
振り向き、伝吉は絶句した。
菊代はバスタオル一枚身に着けずに裸体を晒していた。
身体のラインが出ない着物姿では全く気付かなかったが、その均整の取れた体はしなやかで、かつ豊満であった。
豊かな乳房の先には薄桃色の乳首が隠れもせず揺れ、また股間には薄い茂みが覗いている。
普段他の使用人を仕切る大人びた雰囲気の菊代だが、実際その年はまだ20代である。初めて見る若い女性の本物の裸体に伝吉は思わず息を呑み、口内に溢れた唾を飲んだ。
「準備は出来たようですね。では入りましょう」
その伝吉の反応に対し、菊代はまるで気にしないように平然と言って浴場に入った。ガラス戸を開けると湯気が流れ込んでくる。あらかじめ沸かしていたのだろうか。
おずおずと伝吉は菊代に続いて浴室に入った。
浴室は脱衣所より更に広かった。
床はタイルの上から怪我防止用のマットが敷かれ、幾つもの蛇口と鏡、座り台が設置されている。その先にあるのは優に10人は同時に入浴できるであろう檜風呂だ。
「貴男が実際に仕えるのはその場所になります。奥方様が入浴される前にそこに備えておきなさい」
マットの片隅を指し、菊代は裸のまま説明する。その真面目な姿勢に、伝吉は独りで興奮したり動揺したりする自分がまるで馬鹿のように思えて情けなくなった。今も菊代の体を直視しないよう、無意識に目線を逸らしてしまう。
「まずはかけ湯です。湯加減を見て、私に湯をかけなさい」
そう言って菊代は伝吉に桶を渡し、腰を落とした。胸が揺れ、シミひとつ無い背中が向けられる。
伝吉は湯船に手を差し入れ湯加減を確かめた。熱過ぎず温過ぎず、程よい熱さだ。桶に湯を汲み、ゆっくりと菊代の背中にかける。
「ンッ……」
菊代が声を漏らす。喘ぎめいたその息に、落ち着いていた伝吉の心臓が再び大きく鳴った。懸命にそれを抑え、もう一度湯をかける。
「いいですよ、そのような感じです。本来はここで奥方様が入浴される間は再びそちらに控え指示があるまで待ちますが、時間がありませんからこのまま洗いに移りましょう」
「は、はい!」
菊代は伝吉に振り返り言った。湯をかけられた肌は紅潮し、豊かな乳房を濡らす湯の一滴がその先端から落ちる。伝吉は思わず目を逸らした。
「……伝吉」
その反応に、菊代は少し厳しい表情で言った。恐縮する伝吉。
「……はい」
「異性の裸と思うから反応してしまうのです。私を姉や母親と思って身を洗ってみなさい。貴男は母に欲情しますか?」
「い、いいえ! そんな事は……」
「実際、私は貴男を家族と思ってこの練習に接しています。だから私も緊張せず接する事が出来ているのです。これが恋人などであれば、私は平常ではいられないでしょう」
「……わ、分かりました」
その言葉は伝吉に落ち着きと、同時に僅かな失望を与えた。自分は男性として全く意識されていないという事か。伝吉の中の僅かな自尊心が軋む。
だが、そのお蔭か伝吉の本日何度目かの動悸は収まった。渡されたスポンジに石鹸を染み込ませ、背中から洗ってゆく。
「次は腕……その次は胸を洗いなさい。臍から下は洗う必要はありません。そこだけは奥方様ご本人が洗われます」
そう菊代が指示を出すまま、伝吉は菊代の張りのある腕を擦り、次いでその乳房にスポンジをあてた。少し顔に血が上るが、それを相手は家族と言い聞かせて抑え込む。
「ンンッ……少し強いですね、もっと柔らかく洗ってください」
胸の先端を擦られ、菊代は少し反応しつつ指示を出した。それに合わせ力を抜く。
『男性と思われていない』というのは思った以上に伝吉に落ち着きを与えてくれたようだ。やがて胸も洗い終わり、伝吉は息をついた。
「最後は流しです。それから洗髪に……」
「はい、菊代さま」
菊代の指示はまだ続く。伝吉はそれに従って次の動きに移った。
「……お疲れ様でした。今朝は朝の勤めは休んで構いません。夕方に奥方様は帰参されます。すぐに入浴されるかもしれませんので、そうしたら備えておきなさい」
脱衣所で再び和服に戻った菊代は、湯上りの火照った肌でそう言った。
「は、はい、菊代さま。承知致しました……」
対して伝吉は少し疲弊した表情で答えた。日常の景色に戻り、浴室内での緊張が一気に戻って来たようだった。
「三度言いますよ、伝吉。貴男の勤めは奥方様に劣情を催す事でも、ましてや奥方様に粗相をする事でもありません。くれぐれも勤めを忘れないよう。でなければ、貴男がこの屋敷で身を置ける場所は無くなると心得なさい」
「はい! 心得ます!」
心配してくれているのだろう。伝吉はそう思い背筋を伸ばした。
「………」
その時、突然菊代は伝吉の股間に手を伸ばした。
「き、菊代さま!?」
止める間もなくその手は伝吉の肉棒に触れ、それを確かめるように指を動かした。急激に股間に血が集まり、勃起しようとする。
「……安心しました。今から固くなろうとするのであれば大丈夫そうですね」
しかし、その昂まる寸前で菊代は手を離した。
「菊代さま、わ、悪ふざけはお止めください!」
流石に抗議の声を上げる伝吉。しかし菊代の表情はあくまで真面目だった。
「……心得なさい」
もう一度そう言うと、菊代は一礼して先に浴場を出た。
伝吉はその背中を見送り、半端に勃起した己の肉棒を持て余した。
それから伝吉は使用人用の自室に戻り、一人寝転がり部屋の天井を見ていた。
半日もすればしほは帰ってくる。そうすると自分は裸のしほと相対して彼女の身体を流す事になる。
「家族と思え」と菊代は言った。確かに小学校の頃までは母親と一緒に風呂に入っていたし、間違ってもそれで勃起などはしなかった。それは肉親の情と、実際に勝手知ったる家族だからだろう。では、同様にしほの事を思えるのか。
「家族……家族。あの人が母親……」
しほの顔を思い浮かべつつ、唱えるように伝吉は呟く。
その内に次第に眠気が襲い、伝吉は呟いたまま眠りの世界に落ちて行った。
何かを擦る音が聞こえる。乾いた擦る音が、次第に僅かな粘液の音と混じり始める。
伝吉はその音が、自分が何かを自身の肉棒に巻いて擦っている音だと気付いた。意識が戻り、視界が開ける。
「ハァッ、ハァッ……母さん、母さん……!」
そう言って伝吉は夢中で擦っていた。その手の中にある、肉棒に巻かれている黒い布。寝室から盗み出した、母親である西住しほのショーツだ。高級なシルクで作られたその下着には既に幾つもの黄ばんだ染みがあり、何度も自慰に使われた事が見て取れる。
ステッチの部分をちょうど亀頭に当たるようにして、更に手を動かす。
部屋の中は普通の家庭と変わらない勉強机にシングルベット。そうだ。ここは奉公に出る前に住んでいた自分の部屋だ。
「母さん、イクよ、母さんのおまんこに出すよ!」
母親としては余りに若々しく豊満なしほの体を思い出しつつ、精管を上ってくる射精の感覚に伝吉は体を震わせる。
「伝吉」
しかし、その行為は突然背後にかけられた声で中断させられた。
「!?」
冷水を浴びせられたように伝吉は手の動きを止め、背後を振り返った。
音もなく開けられたドアと、それを背にして室内に立つ黒いスーツの女性。
「か、母さん……」
伝吉は凍り付いた声で、何とか弁明できる言葉を探した。弁明? 母親の下着で自慰行為をしていた現場を見られたのに? 伝吉の背中に嫌な汗が浮かび、顔が青ざめる。
しほは無言でそんな伝吉を見下ろすと、静かに言った。
「……こちらを向きなさい」
「ちょ、ちょっと待って、ズボン……!」
「そのまま向きなさい」
有無を言わせぬ言葉に、伝吉は観念してしほの下着を巻いたままの下半身を丸出しにしたまま椅子を回して正面を向いた。終わりだ。
「………」
しほは無言で伝吉の股間を見下ろした。
「偶に下着が無くなるとは思っていたけど、こういう事だったのね」
「………うぅ」
最早言葉も出せずに伝吉は俯いた。未だ充血が収まらず、半勃起したままの肉棒が恨めしい。
だが、しほはそのままの表情で腰を落とすと伝吉の肉棒に顔を寄せた。
「か、母さん!?」
驚く伝吉。しほは更に顔を近づけた。吐息がかかり、ピクリと反応してしまう。
「まだまだ子供だと思っていたけど……もう、こんなに大きくなってたのね」
そう言うとしほは髪をかき上げ、おもむろに肉棒に唇を当てた。
「うあっ!?」
痺れるような快感に、それだけで伝吉は大きく背を逸らした。更にしほは口を広げ、再び完全に勃起した肉棒を咥えこんでゆく。舌先はつつくように鈴口を舐め、唇は竿の中頃を締め付けるようにすぼめる。
ジュルジュルと吸い出すような音と共に行なわれる初めてのフェラチオの刺激に、伝吉は身を震わせた。
「ンッ……ンムッ……」
しほは頭を前後させ、伝吉の射精が近いのを察してか更に舌先の動きを激しくしてゆく。
「だ、駄目っ、出るっ!」
一度射精寸前で抑えられていた衝動はあっさりと伝吉を絶頂に促し、しほの口腔内に青臭い精液を迸らせた。
「ッ! ンンッ……」
大量のそれをしほは迷わず嚥下してゆく。伝吉が数回腰を震わせて射精を終えてなお彼女は口を離さず、残った精液を吸い出そうとする。
「ああっ! そ、それ、ヤバっ……!」
しほは吸い出した精液を飲み干し、ようやく口を離した。精液の残滓が亀頭としほの唇の間に橋をかける。
「……ずっと、こうしたかったの?」
口の端から白濁液を溢し、潤んだ瞳でしほは伝吉を見上げた。無言でうなずく伝吉。
射精したばかりにも関わらず、肉棒はまだ固さを保ったままだった。更なる快感に期待してかその先端はビクビクと震えている。
「まだこんなに……満足していないのね」
そう呟くと、しほはジャケットを脱ぎ捨てスリムパンツのベルトを外した。伝吉が呆然とする内にワイシャツと下着だけの姿になり、傍らのベッドに腰かける。
「ねえ、伝吉……貴方、彼女とかはもういるの?」
ぶんぶんと首を横に振る。
「そう。それじゃ、女の子とセックスした事は?」
更に激しく首を横に振る。
「……そう」
頷くと、しほはベッドに横になり伝吉を見上げた。
「……来なさい。貴男を男にしてあげる」
「かっ……母さん!」
伝吉は弾かれたように椅子からベッドに飛び乗った。そのまましほに抱き着き、ワイシャツの上からでも十分なボリュームが分かる乳房に手を回し激しく揉みしだく。
「ああっ! そ、そうよ、貴男の好きなようにしなさい。これからは、私が何時でもしてげるから……!」
「母さんっ、母さんっ……!」
夢中で重みのある胸を揉む伝吉。しほは伝吉の頭を愛おしく撫でると囁く。
「『母さん』ではなく、『しほ』と呼んで……!」
「し、しほっ、しほぉっ!」
むしり取るようにワイシャツのボタンを千切り、黒のハーフカップのブラを露出させる。谷間に顔を埋め、腰を擦り付ける。
「ああんっ! も、もっと、もっとよ! 貴男のものにして!」
「俺のもの……全部、俺の……!」
嚙みつくような荒々しいキス。夢中で舌を絡ませ合う。ブラをずり下げると、重みと張りを兼ね備えた巨乳が露になった。更に伝吉の手はしほの下半身に伸び、同色の黒のショーツに割り入る。指先に触れる茂みの感触と熱気と、とろりとした液体の感覚。
「濡れてる……!」
「そうよ……貴方が、私を気持ちよくしてくれているの」
そう言いつつ、しほの指先は伝吉の股間に伸びていた。巻かれた下着を解き、竿の根元から擦り上げる。
「ああっ! か、母さんっ、それっ!」
「『しほ』と言いなさい」
「しほっ、それ、それっ!」
「まだよ」
伝吉が我慢しきれないと察したのか、しほは手を止めた。
「今度は……ここに来なさい。貴男が出てきたところに、貴男のおちんちんでただいまをするの」
そう言ってしほは手を添えたまま、ショーツを器用に片手でずり下げて秘所に肉棒を導いた。
「し、しほ……で、でも、ゴムとか……」
「要らないわ……貴男が出したいだけ、私のここに出していいの」
なけなしの知識で尋ねる伝吉に、しほは微笑んで陰唇を開いた。耳元で囁く。
「頂戴。伝吉の熱いザーメン、しほのここに注いで……」
「う、うおぉっ!」
そこまで言われ、伝吉の残っていた理性は吹き飛んだ。獣のような声でしほの秘所に肉棒を突き入れ、腰を動かす。
「ああんっ! す、すごっ! 凄いっ! 息子のチンポ凄いぃっ!」
「うぁっ! あ、熱いよ、熱いよ、しほのおまんこっ!」
「いいのよっ! もっと、もっと激しく動かしてっ! 出しっ、出したい時に射精してっ! いいっ、からっ!」
しほも伝吉の腰の動きに合わせてくる。急速に高まる絶頂感。
「しほっ、出すっ! 出すよっ!」
「イッ、イクッ!」
激しい射精感と共に、伝吉は目を開いた。
見慣れた使用人用の狭い個室の天井。居るのは自分一人だ。
「………」
伝吉は自分の姿を見た。寝巻は汗だくで、股間は別の液体でべっとりとしている。
「……何やってるんだよ、俺は……!」
射精の快感が収まると、伝吉は強烈な自己嫌悪に襲われた。よりによって自分の仕える主人を母親役にして犯す夢を見るとは。頭を抱えながら立ち上がる。とりあえず下着を替えなくては。
ゴーン……ゴーン……ゴーン……ゴーン……ゴーン……
柱時計の鐘が5つ鳴った。という事はもう夕方なのだろうか。伝吉が慌てて着替える間に、どこからか菊代の声が聞こえた。
『奥方様、お帰りになられました!』
【続く】