※この作品はR-18です。

世界に絶望した救世主の救済方   作:ウル・ウルス

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新たな眷属

ウルは落ち着きを取り戻すとすっかり怯えてしまっているウィラとウィズに安心させる。二人もウルの容姿や先程の言葉から自分達と似たような経験をしてきたのだろうと理解したようで特に何も言ってこない。

 

 二人と契約するために部屋に戻ると部屋が少し変わっていた。まず一番の変化はベッドだ、前までは三人で寝てちょうどぐらいの大きさだったが今は五人で寝てもまだ余裕がありそうだ。

 部屋自体も広くなっており五つほどドアが増えていたので中を覗いてみるとどれも小さな小部屋になっていた。人数が増えたことでそれぞれの自室を作ったようだ。ウィラとウィズにまぐわいを見せるのもあれなのでちょうどいい。 

 

「じゃあ始めるぞ」

 

 ウルはウィラとウィズを部屋に入れてやり、初めての部屋に興奮しているシャルロットと相変わらず平然としているジブルの方に向き直る。

 

「準備はできてます」

「ボクも大丈夫だ」

 

 二人はそう言って近づいてくる。ウルはまずシャルロットの前に立つと頭に浮かんだ文言を唱える。

 

『シャルロット、汝は我の支えとして、拠り所として我の傍に侍り続ける事を誓うか』

 

 リリスの時とは文言が違うが眷属契約の文言は特に決まっていないようで相手によって文言が変わるようだ。どうやら普通の契約や魔法と違って言葉より内面、気持ちが重要視されるようでこれでもちゃんと成立している。

 

『誓います』

 

 シャルロットの誓いの言葉を聞きウルはシャルロットの唇を少し強引に塞いだ。シャルロットはこういう方面には慣れてないようで顔を真赤に染め目を白黒させる。だがウルはお構いなしに彼女の中に舌を挿し入れる。初めて感じる感触に驚いたのかシャルロットは体を硬直させるが構わず襲撃する。

 シャルロットは恥ずかしいのか体をモジモジとくねらせウルから逃げようとするので、彼女の頭を押さえて逃げられないようにして先程よりも強く口づけをする。舌を嬲り、歯を舐め、唇を唇でなぞる。こうしてシャルロットの存在と自分の存在を繋ぐための経路を作るのだ。

 シャルロットの存在をしっかり感じるようになるとそれを自分の存在と絡める。

 

「あ、ああっ」

「大丈夫か?」

「大丈夫・・・・・だっ、これくらい我慢できるよ。だから遠慮はいらないよ」

 

 これは自分の存在を別の者の存在に書き換える行為、いわば今までの自分が死ぬのと同じことだ。その代償は想像を絶する痛みとなって現れるはずだ。これから新しく自分の眷属になる少女を気遣い一旦唇を離すと彼女の方から唇を開きウルの口の中に舌を入れてきた。しばらくは彼女の方から舌を絡めたり唾液を運んできたりとしていたが、ウルは主導権を握るべく反撃する。するとシャルロットはどちらが主か思い出したように従順になりウルになされるがまま一方的に蹂躙される。

 

「ボクはウルの眷属で奴隷で君の味方だ。ボクの役目は中立の立場で物事を見る事だ・・・だがボクという個人は最後まで君の味方でいよう、君の心の拠り所でいよう」

 

 ウルさんではなくウルと言いながらシャルロットはいつもの丁寧な口調ではないしゃべり方で誓いの言葉を口にし続ける。敬語などで自分を飾らず、ありのままの自分を見せようとする。そんなシャルロットに愛おしさを感じる。シャルロットの誓いの一言一言で彼女の存在が自分の中に入って来るのが分かる。

 

 彼女の首に在った奴隷契約の紋様がより複雑な物に変り手の甲にうっすらと魔法陣が現れる。契約は完成していないがウルは一旦唇を離し名残惜しそうな顔をするシャルロットの頭を撫でてやり、少し離れたとろで待機しているジブルの方を向く。

 ジブルはウルと目が合うとこれから何をするのか悟りウルの方に今まで通りの様子で近づいてくるが尻尾でもあれば犬のようにブンブンと振り回してそうな雰囲気を出している。ウルは苦笑しながらもあえて突っ込まないでやる。

 ジブルはウルの目の前に来るとその場で跪き恭しく主の言葉を待つ。

 

『ジブル、汝は生のある限り、またたとえ死を得ても我の手として、足として、我の傍に侍り我の力として使える事を誓うか』

 

『誓います』

 

 ジブルは静かに、しかし強い意志の籠った声で忠誠を誓い少し間を空けてからゆっくりと立ち上がり自分から接吻をしてくる。初めてのはずだが自分から舌を絡め、唾液をすくい嚥下していく。だがあくまでも自分の立場を忘れず必要以上に出しゃばろうとせずウルの動きに応える。

 

「ウル様、我が背の君、我が主様。私はあなたに仇なす外敵をあなたの剣として、盾として、力として討ち滅ぼします。だから、どうかお傍に置いて下さい。あなたに仕えさせてください」

 

 かつて聞いた、しかしあの時とは重さが違う、今はあの時と違い正式に天族として従者の、伴侶の誓い口にする。その一言一言が制約となり戒めとなりジブルを縛り付けていく。これでジブルは眷属契約を抜きにしてもウルから離れられなくなった。だがジブルに後悔はない。天族は伴侶もそうだが主も一生に一人の主にしか仕えない。ジブルの場合は伴侶と主が同一人物だったので二つの意味で仕える事ができる、そのことに喜びこそ感じはすれども後悔など感じるはずもない。

 ジブルの覚悟を感じウルもまたその気持ちに応える為彼女の存在を掌握する。

 

「———————!?」

 

 唇を合わせていたジブルがビクンと身を震わせ唇を離してしまう。しかしすぐにウルの口を吸う。

 ジブルの首と手の甲にも眷属の証明が現れてくる。

 

「ウ、ウル・・・ボクの方にも、お願いだ・・・・」

 

 シャルロットがしな垂れかかりながらウルの唇に自分の唇を強く押し付けてくる。やはりこういう行為には慣れてないようでぎこちなく不器用だが健気にも自分でできる事をしようとしてくれる。キス一つでもその者の性格やどんな風に忠誠を誓ってるのか分かるものだなと思いながらも応えてやる。

 

「——————んんっ!?」

 

 やはり相当の苦痛を感じているのだろう、痛みのせいで目を大きく見開き涙を浮かべている。ウルはシャルロットを抱き寄せてやると彼女も抱きしめ返してくる。

 

「主様、私にも寵愛を・・・」

 

 ジブルが待ちきれないとばかりに割って入って来る。シャルロットを少し横にずらしジブルのスペースを作ってやるとウルに抱き着き口づけをしてくる。三人の唇が合わさり溶け合う。二人がウルを求めウルの舌を探し、吸い付き、唾液をすすり取る。ウルは二人の舌に自分の舌を絡め唾液を送ってやり二人の唇を貪る。

 三人は見境なしに求め合い存在を繋げていく。どちらと舌を絡めているのか、どちらと唾液を絡ませているのか分からなくなったころにようやく二人ともはっきりと刻印が浮かび上がり儀式は終了した。

 

 儀式が終わると二人をベッドに寝かして休ませる。主側はそうでもないが眷属は指一本動かすことさえ困難なくらい疲弊してしまう。そういうウルも今回はベッドに腰掛け少し休む。シャルロットだけなら問題は無買ったのだがジブルはウルと同じくらいの力を持っていた、さすがに一気に倍以上能力値が上がると堪える。力の感覚も狂っているだろう、また感覚を掴むところから始めないとな、などと思っているとジブルがゆっくり起き上がる。天族だけあってシャルロットやリリスより回復が早い。ジブルはウルを見るといそいそと服を脱ぎ始める。

 

「何してるんだ?」

「眷属になった者は主と性交で主を強くすることができると聞きました。ならば眷属となった証として、眷属の役目として主に体を捧げるべきだと判断したのですが」

 

 ジブルがそう言うと横で寝ていたシャルロットが頭から湯気を出す。体は動かせなくても意識ははっきりしていたらしい。

 

「あの、ボクも眷属になったわけだしそういう事するべきなのかな?」

 

 そう言いながらなんとか体を起こし恥ずかしそうに服に手をかけようとする。

 

「駄目ですよ」

 

 奥の方から制止の声がかかる。声のした方を見るとアルリアとリリスがいた。そういえばこの二人は小部屋に入ってなかった。

 

「——————————!?」

 

 今までの行為全てを見られていたと分かってシャルロットが声にならない悲鳴を上げ顔を隠そうとするが疲弊で体が上手く動かせないようで顔を真赤にしながら悶える。

 この前のぞき見はするなと注意したが堂々と見られるのもあれだな。

 

「これからそういう行為を見られることは当たり前になるので今慣れておく必要がありますよ。それにのぞき見をしていたのは私達だけではありませんよ」

 

 アルリアの見る方を見るとウィラとウィズの居る部屋に繋がるドアが少し開いており、その隙間から二人が顔を赤くしながら興味津々な様子でこちらを見ていた。二人はウルと目が合うと気まずそうに部屋から出てくる。こんな小さな子供達にまで痴態を見られていたことがシャルロットの精神に更にダメージを与える。もうシャルロットはエルフの血を引いている証拠である細長い耳を真赤にして今にも泣きそうになっている。

 ウルは今日はいろんな奴にいろんなところを見られるな、と考えながら脱力してため息をつく。

 

「あ、あの、私達もそういう事をした方がいいのですか?」

「私達にこんなにしてくれるんですからウルお兄さんがしろって言うなら構いません!」

 

 一方二人はそんなことお構いなしにとんでもない事を言ってくる。二人は嫌がっている様子はなくむしろYESと言って欲しそうである。しかしウルは二人に対してそういうことをする気になれない、ウルが二人を助けたのは善意などではなくただの自己満足でしかない。それなのに二人の純粋な気持ちに付け込む様な気にはなれない。それにウルの相手をするということは眷属に入るという事だ二人にそこまでの覚悟は無いだろう。

 

「お前たちはそんなこと気にしなくていい」

「そう、ですよね。私達なんかじゃ話になりませんよね・・・」

「でも、私達でそういう事をしたくなったらいつでも言ってくださいね」

 

 二人は残念そうにしながら部屋に戻っていく。

 

「それで、駄目とはどういうことですか?」

 

 ジブルが逸れまくった話を元に戻す。そういえばそんな話をしていた、いろいろあり過ぎて忘れかけていた。

 

「別にそういう事をすることが駄目だという訳ではありません。ただ今は眷属になっただけで半神化していません。そんな状況でウル様と交われば存在が急激に大きくなり体が耐えれません」

「では、半神化すれば良いのでは?」

「半神化して体が馴染むまで最低一日はかかります。なのでウル様と性交をするなら明日以降になります」

「「明日ですか・・・」」

 

 シャルロットとジブルの声が被る。ジブルは明日まで待たなければならないという落胆の意味が強く、シャルロットは心の準備が明日までしかできないという焦りの意味が大きい。

 

「シャルロット別に無理しなくてもいいぞ」

「い、いや、ボクもウルの眷属になった身だボクの全てを捧げよう!・・・・・君になら全てを捧げてもいい」

 

 別に無理強いする気にもなれず言うと前半はどこか開き直った様子で後半は蚊の鳴くような声で恥ずかしそうに答える。

 

「では、おふたりを半神化させます」

 

 そう言ってアルリアは二人に半神化の儀式を施す。儀式が無事終わると今度こそ本当に休息をとることにする。

 アルリア、ジブル、ウル、シャルロット、リリスの順番でベットに横になる。ジブルとシャルロットは相当疲弊していたようですぐ寝てしまう。

 

 ウルは二人に囲まれながら物思いにふける。アルリアが言った通りこの二人の様にウルの事を理解し全てを捧げてくれる者もいる事は分かった、だがやはりまだこの世界を救う気にはなれない。むしろウィラとウィズに対する扱いを見て滅んでしまえという思いが強くなってしまったくらいだ。 

 

 そんな悩むウルの様子を見てリリスは嬉しそうに笑う、その悩みはウルが真剣にこの世界を救うか考えている証拠だからだ。だがどう結論付けるかはウル次第だ、しかしどんな結果になろうともリリスはウルについていくつもりだ。それはここに居る全員が思っていることだろう。

 

 

ー - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 

 

 

 

 翌朝ウルは目覚めると体の感覚を掴むためジブルと手合わせをする。どれ程強くなっているか分からないのでアルリアに結界を張らせ本気でやり合う。

 

 アルリアが結界を張り終えるとジブルが空に飛び上がる。天族はスキルの<飛翔>を使って空を飛んでいる為翼がなくても問題なく飛ぶことが出来るのだ。

 

「雷神の槍、刹那の閃きよ、我の幾万の障害を等しく貪り食らう雷霆を、我は招き奉る。空を駆け、地を割く雷光よ、我の招集に応え天の怒りを我が怨敵に食らわせたまえ、我を守護したまえ」

 

 何重もの魔法陣を展開し詠唱も一切省略しない。そして詠唱が終わるとジブルから目を焼く閃光が駆ける、その瞬間ウルの目には全てがスローモーションに映る。雷撃が自分めがけてゆっくりと迫って来るのが分かる。いくらでも避ける事は出来たがウルは避ける必要性を感じなかった。だからジブルの放った雷撃はウルに直撃し大地を抉る。しかし辺りを覆っていた土埃が治まるとクレーターの中心にウルが先程と変わらず立っている。本来なら骨まで焼き尽くす魔法を食らっても平然としているがさすがに全くの無傷ではない、ウルの体は所々焼け焦げている。しかしそれだけだ。

 

 ジブルはウルが今何をしたのかは分かる、分かるのだが理解ができない。ウルは今魔力を高めジブルの魔法を逸らしたのだ。だが魔力とはそんな使い方ができるものではない。魔力は魔法や魔術に変化させてようやく効果を表すもので、魔力だけ放出できたとしても昨日のウルのがした様にちょっとした衝撃波になるだけだ。魔法をしかも天族が放ったものを魔力だけで打ち消し逸らすなどできるはずもない。

 

「っ!?聖壁」

 

 ジブルは思考の海に沈んでしまい大地にクレーターを作り目の前に跳躍してきたウルに対する反応が遅れる。咄嗟に防御の魔法を使うとジブルの周りに青く光る壁が現れる。ジブルは咄嗟に使える防御魔法のなかで一番強力なものを使った、だがウルはその障壁を素手で叩き潰す。障壁は無惨に砕け散りその余波でジブルは吹き飛ばされ勢いよく地面に叩きつけられる。

 

「く、くは、ははははは!」

 

 ジブルは起き上がるとしばらくは呆然としていたがやがて堪えられないとばかり笑い出す。今の戦闘で、戦闘になってなかったが、ウルに対して畏敬の念を抱く。魔力で魔法を防ぎ、物理的に魔法を粉砕する。どれもあり得ないことだ、だが主はそれをやってのけた。ここまで強い雄に仕えられて、支配されて、自分は雌としてなんて幸運なんだと思わずにはいられない。

 涙が零れるくらい笑った後自分の手の甲を見る、昨日見た時よりもはっきりと刻印が現れている。ウルに更に服従できた証拠だ。それだけで甘い息が漏れ、下半身が疼く。主に全てを捧げられる時が待ち遠しい。できれば今すぐにでも寵愛を受けたいがその気持ちを押さえ込む。

 

「ちょっと本気でやってみる、結界の外に出ててくれ」

 

 結界の中では何をしても意味がないと分かっていても念をいれておく。ジブルが結界の外に出たのを確認するとウルは拳を振り上げる。先程ウルはジブルの魔法を見た瞬間自分と彼女の力の差を無意識のうちに悟り本気で攻撃をしなかった。つまり今のウルは天族を片手間に倒すことができるくらい強大な力を持っているということになる、ならばその力を正確に知っておかなければ面倒なことになりかねない。ゆえに五指の全ての握力を込め、腰の回転まで使って大地めがけて全力で拳を降り下ろす。大地はウルが降り下ろす拳の衝撃で巨大な窪みを作りあげ山を砕いていく。ウルの繰り出した一撃は山を三分の二ほど抉ったところでようやく治まる。

 

「なあジブル、お前が全力で魔法を撃ったとしてどれくらいの威力になる」

「全魔力を込めても今の主様の一撃位が限界かと」

 

 つまりウルの本気の一撃はジブル(天族)の全力に匹敵するという事だ。さすがに魔法を全力で撃つのはウルも控えた。アルリア曰く小国ならステータス強化の魔法を使えば一撃で滅ぼすくらいできる威力は出せるだろうとの事だ。

 これは制御するまでに相当時間がかかりそうだなと思っていたがジブルとシャルロット、魔法に長けた二人と契約したことで魔法に対する知識が増え案外すぐに制御できるようになった。だがウルは感情のままに力を暴走させることが多い、だからアルリアにステータス制御のスキルを作ってもらい普段はある程度力を抑えられるようにする。

 ウルの調整が終わるとシャルロットとジブルの様子を確認する。二人とも半神化したため多少感覚が狂っていたがこちらもすぐに慣れた。

 

 

「おふたりとも半神化によく馴染んでいます。これならウル様に抱いていただいても問題ありません」

 

 夜アルリアが二人の様子を見て大丈夫だと太鼓判を押す。ジブルは待ち遠しそうに、シャルロットは不安そうにしながらも覚悟はできたようでウルと共に部屋に戻る。

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