更新ペースについてなんですが、自分も速く出したいと思ってるんですけど、これが精一杯なので許してください……
スーをメンバーに加えてから数日、強大な魔獣に出くわすこともなければ特に人に会う事もなくウル達の旅は順調に進んでいた。
「この調子だったら一週間後くらいには禁域に入れるかな」
シャルロットは夕食の用意をウィラとウィズ、イーに任せて地図を見ながら現在位置を確認している。
禁域に入った人族で無事に生還した者はほとんどいない、だから禁域内部の地図はもちろん周辺の地図でさえかなり不十分なものだがそれでも大まかな時間が分かるのはありがたい。
「スー、EXー12はあとどのくらいで復活するか分かるか?」
禁域に入ればウィズとウィラの二人はいくらウル達が力を付けてきているとはいえ危険すぎて一緒に連れて歩くことはできない、そうなるとどうしても部屋を使う必要がある。
出来る事なら禁域に入る前にEXー12を何とかしたいところだ。
「残念ながら今はまだ正確な時間は分かりません……」
だがスーから帰ってきた返答は期待していたものではなかった。だが分かっている情報でけでも聞きだす。
EXー12はかなり復活しているようだが正確な時間が分かるほどではない、しかし復活までに時間はそんなにかからないだろうとのことだ。
「申し訳ありません」
「別に気にする事は無い」
ウルは特に気にした様子は無いがスーは申し訳なさそうに俯く。
ウルの事を危険視して殺そうとしていたスーも今ではすっかりウルに忠誠を誓っている。本人が言うには初めは快楽に溺れてウルに従っていただけだが何度か肌を重ねるうちに自分は何者で誰が主か芯に刻み込まれたらしい。
それに対してウルもスーの姿がイーに似ていたという事もあり抵抗が少なかったというのも有るがスーに対して比較的早く心を開き本当の仲間として認識するようになった。
「ところでお前たちは元々どんな服を着ていたんだ?」
今スーは裸でなくちゃんと服を着ている。
既に禁域に一番近い街は通りすぎていて新しく買ってやることは出来なかったのでイー用の服を分けて着せているのだが、イーの時にも思った事だが、二人とも元々完成された美しさを持っているため、そこらで手に入れた衣服では違和感を感じ逆に目立ってしまっている。
もちろん普段はローブで全身を隠しているので問題はあまりないのだが、それでも見合った服を着せてやりたいところだ。
「我々は天族の戦装束を身に着けていました」
参考のために訊くと半ば予想していた答えが返って来る。彼女たちは魔族を殲滅するためだけに生み出されたのだ、戦いのための服以外で衣服を着ることなどなかっただろう。
「主様、今戻りました」
「ううぅ~」
そんな事を考えていると二人で鍛錬をしていたジブルとリリスが戻って来る。
ジブルはいつもと変わらないが、リリスは全身ボロボロで涙目になっている。
「ジブル、リリの調子はどうだ?」
「呑み込みも悪くはありませんし、実力も間違いなく付いてきています。ですがもっとペースを上げなくては間に合わない可能性があります」
最近リリスはシャルロットだけではなく、シャルロットが相手できない時間にはジブルに稽古を付けさせている。
禁域に入れば今までとは比べ物にならない魔獣に遭遇するだろう。
ジブルは禁域だけではなくアヴァザードでもそれなりに戦える実力を既につけている。シャルロットもアヴァザードは厳しいだろうが禁域内の魔獣ならそれなりに戦えるだろうし、アヴァザードでもウルが手を貸せば問題ないだろくらいの実力になっている。しかし、リリスはまだ禁域内の魔獣にさえ渡り合えるか微妙なところだ。
最悪ウィズとウィラと同じように禁域を抜ける間部屋にいるという選択肢もあるのだがリリスはそんな選択肢ははなから考えていない。
リリスはただ護られるだけの存在ではなく、ウルの隣を共に歩める存在になりたいのだ。
「リリ無理だけはするなよ」
以前のウルなら間違いなく部屋にいるようにと提案をしてきただろう、しかしそれはリリスを信頼できていないということの現れでもあった。
だから今その提案が出ないということは二人はそんなちっぽけな関係ではないという証明なのだ。
「ありがとうございます」
さっきまで涙目だったのに今は嬉しさでにやけ顔になっている。自分でもにやけている事に気が付きながらリリスは傷の手当てを始める。
ちなみに他の仲間たち全員はリリスに羨望の眼差しを向けているのだがそれには気付いていない。
「ところでジブル、イーとスーに目立たない服を見繕う事は出来るか?」
アルリアに頼むことも考えたが、ジブルは初めは天族の衣装を纏っていたがら今は市販の服を上手く着こなしている。
それにジブルは二人と同じ天族だ、アルリアよりもジブルの方が適任だと判断して訊いてみる。
「お二人に見合う服は人族領にはないと思いますので、必要でしたら特別に仕立てる必要がありますかね」
「そうか……」
普通に考えれば人族領に天族向けの服が有るわけがなく、そんな物を仕立てさせれば痕跡が残ってしまう。
「必要なのでしたら私が縫いましょうか?」
どうしたものかと悩んでいるとシブルから意外な提案が出る。
「ジブルさんって裁縫とか出来るんですか?」
これには既に手当を終え傍に座っていたリリスも意外そうな声を漏らす。
ウルも同じ気持ちだった。ジブルが裁縫をしているところなど想像できない。
「あ、その、実際にしたことはなく知識があるだけですが…」
ジブルも自分で言っておきながらそんなことをしている己の姿を思い浮かべたのか微妙な笑みを浮かべて言い訳の様に付け加える。
まぁ、確かにジブルなら知識があるだけで十分にこなすことは出来るのだろう
「なら任せる」
「かしこまりました」
とはいってもすぐに出来るわけでもない。糸や針はなんとかなるとしても、布地はどうしようもない。結局話は禁域を抜け、次の街に辿り着居てからでしか始まらない。
「マスター食事の用意が出来ました」
一応話がまとまったタイミングで夕食が出来上がる。
「リリ」
「はい!」
シャルロット促されてリリスは立ち上がると、文言を唱えて魔法を発動させ、石で出来た即席のテーブルとイスを造る。
もともとこの役目はウルがしていたのだが最近は魔法のコントロールの特訓も兼ねてリリスが請け負っている。
「うん、形も強度も申し分ないね」
「はぁ、はぁ、ありがとうございます」
シャルロットの誉め言葉にリリスは大粒の汗を浮かべて息を切らしながら応える。
リリスはもともと魔法の才能があったわけではない、むしろ非才の分類に入っていた。
それゆえ魔力が少く、伸びもよくない。軽い魔法でも数発撃てばすぐに魔力が底をついてしまう。
しかし、今リリスがした事は人族に限って言えば魔法の天才と称される者でも生涯を掛けてたどり着けるかどうかという魔法の境地と言えるレベルだ。
リリスが魔法の特訓を始めたのが数週間前、半神化しているとはいえたった数週間でここまでコントロール出来るようになるのは確かに凄まじい成長なのだろう。
「ウルお兄さんどうぞ」
ウルが感心している間にウィラとウィズがテーブルにみんなの分の皿を並べ料理を取り分け終わっていた。
ウルたちも席につき食事を始める。
「凄い美味しいです」
「そうだね、ボクもうかうかしてられないや」
「ありがとうございます!」
リリスとシャルロットが彼女たちの料理を誉め、美味しそうにたいらげていく。
ウィラは二人の称賛に頭をかきながら照れ臭そうに笑う。
「あの、ウルお兄さん、どうですか?」
ウィズは恐る恐ると言った様子で感想を求めてくる。
ウルがウィズたちの料理を食べるのは久しぶりなのだからやはり不安なのだろう。
何気にイーも興味津々に聞き耳を立てている。
「旨いよ」
ウルは微笑を浮かべながら正直な感想を言う。
正直三人の料理はシャルロットたちのものと比べても優劣つけがたいくらいに旨かった。恐らくウル気付かれないようにこっそりと練習していたのだろう。
それを聞いたウィラとウィズは、ぱぁぁぁ~と顔を明るくさせ、イーもどこか誇らしげな顔になる。
「それじゃあ遠慮なく食べてください!」
「必要でしたらお代わりも作りますよ!」
「そういうお前たちもしっかり食べろよ」
ウルは皆と比べて量の少ない二人の皿を見ながら言う。二人はどこか遠慮というか、自分たちが食事をもらっている事に対して負い目を感じているような節がある。
「でもいいんですか?私たちウルお兄さんのお役に立ててないのに………」
これから向かうところではウィズたちはウルの足を引っ張てしまう。それもその気持ちを後押ししているのだろう
「そんなこと気にしなくていいい、言ったろお前たちに対して俺がしていることはただの自己満足だ、だからどうしてもって言うなら俺の為だと思え」
「………ありがとうございます!!」
こういわれると彼女たちは何も言えなくなる。少しズルいやり方だがウルなりの優しさを感じたようで深々と頭を下げる。
「いいからしっりと食べろ」
少しぶっきらぼうに言うウルに二人は嬉しそうに笑いながらしっかりと食べる。
食事が終わると各々思い通りに過ごす。ウィラとウィズは後片付けを終え就寝の準備に入り、ジブルは周囲の見張りに行き、シャルロットとリリスは禁域でのアクシデントに対しての対策などを練り、アルリアは武器や装備の手入れをして、ウルはただ焚き木の傍に腰掛け、そのウルの後ろのイーとスーが控えている。
「ところでお前たちの状況はどうなんだ?」
ウルはゆっくりと後ろを振り向きイーたちに訊く。二人はウルと遭遇した時の戦闘で体を大きく損傷した二人は実力の何分の一の力も出せない状況だ。一応少しながらではあるが回復できるようなのだがどれくらい回復しているかはちゃんと聞いていなかった。
「私の現在の出力は最高出力の13%の7410程です」
「……私は8%の2400程です」
ウルの問いにイーはすぐに答えたが、スーは少しためらって答える。スーはウルとの戦闘で核を少し損傷している為回復も悪い。
スーもリリスと同じく禁域で足を引っ張ってしまう可能性があるのだ。だから答えるのにためらいが見られたのだろう。
「スー今日の相手はお前だ」
スーの表情を見てウルは静かに指名する。相手とはもちろん夜の伽の相手の事だ。
「いいのですかマスター?」
スーが不安そうに聞き返してくる。
イーやスーは他の眷属と違ってウルに抱かれたからと言って能力値が上がる事は無い。それでもウルの精を受ける事で回復するのだが、核が損傷しているスーは回復の割合が悪い。さらに、リリスの事が心配なのだからリリスに回すべきではないか、そう言った理由で自分が相手にしてもらっていいのと言った不安が混ざっている。
「構わない」
「マスター」
ウルの一言に感銘を受けたような顔になり跪く。
その光景を見ていたイーはひっそりと我が事のように嬉しそうに微笑んでいた。
書いてて思ったんですけど、自分で書いたことって意外と忘れてしまうものなんですね。これ書いたことと違ってるんじゃないかって、何回か自分で読み直したり。
それもこれもこんな更新ペースなのが悪いんですけどね(´д`|||)
重大な食い違いとかはないと思うんですけど、些細な食い違いとかはあるかもしれません、そこは多目に見てくださいm(__)m