※この作品はR-18です。

世界に絶望した救世主の救済方   作:ウル・ウルス

57 / 106
リューの秘密

 

森族領に入ったことで食事は山菜や魚料理がメインになりつつあったが、今日は米などを使った人族料理が作られていた。

 

 

 

「シャルさん的には森族料理の方が馴染み深いんですか?」

 

「ん~ボクは生まれも育ちも人族領だからそうでもないよ」

 

 

 

森族は閉鎖的な種族ゆえに他種族と交流することを禁忌としている部族まである。

 

シャルロットの父親はそんな部族出身らしく、本人も直接会ったことはないらしい。

 

 

 

「ならもしかしたら近々会えるかもしれませんね」

 

「あはは、会えるのは嬉しいけどボクの状況は説明できないね」

 

 

 

苦笑混じりに冗談を言いつつ、リリスとシャルロットは仲良く隣に座って昼食をとる。

 

 

 

この二人は付き合いも長く、仲の良い姉妹のように一緒にいることが多い。

 

 

 

「スーの取り分の方が私より0.3gほど多いです。譲渡を要求します」

 

「断固拒否します。シーは昨晩、マスターに抱いて頂います。よって食料による魔力補充は私より少量で良いはずです」

 

 

 

 

 

スーとシーはおかずの量をめぐって箸で壮絶な攻防戦を繰り広げている。

 

二人とも喧嘩をすることが多くなったが、単にじゃれあってるだけで、それをイーが諫めるのが恒例になっていた。

 

 

 

「二人とも、マスターの前で争いなど……私ので我慢しなさい」

 

 

 

イーがそう言って自身のおかずをシーの皿に分けている。

 

もはややんちゃな妹とそれを纏める姉のような関係になっている。

 

 

 

「あの娘らも良い感じに我が主様の虜になっておるようじゃの」

 

 

 

少し離れたところで狩った魔獣を食べていたリューは、口回りを鮮血で赤く染めながら嬉しそうに頷いている。

 

 

 

ウルはまだリューの事を信頼しきっていないが、リューの思考はウルたちの状況を常に的確に捉えている。

 

実際スーとシー、特にシーは感性が強かったため、ウルに抱かれる快楽を求めてウルの言いなりに成っていた。

 

しかし、イーに魂が生まれ、気持ちに素直になってからは快楽のためではなく、ウルのためにと行動することが多くなっている。

 

 

 

「それもこれも、お前様が強い雄じゃからじゃよ」

 

「関係あるのか?」

 

「当然じゃ。雌は本能的に強い雄の子を孕みたいと思う。そのために雄に全てを差し出し、奉仕し、気に入られたいと思うものじゃよ」

 

「それと危機感ですか?」

 

 

 

リューが近付いてきた時点でさりげなくウルの側に来ていたジブルが思い当たる節が有るように言う。

 

 

 

「そうじゃ。身近にそれができておる雌がおれば焦るのは必然。あの娘らはまだ意識していないようじゃが、無意識ではお前様に気に入られたいと思う雌なんじゃよ」

 

 

 

リューはまるで自分が誉められたかのように嬉しそうに話す。

 

 

 

「リューお姉さんはウルお兄さんの事が大好きなんですね!」

 

「ですね!」

 

 

 

そんなリューの様子にウィラとウィラが目をキラキラさせながら寄ってくる。

 

以外と面倒見が良いリューは、よく遊び相手になってやっていることもあって、お子様組からは好かれている。

 

 

 

「そうじゃよ。儂が求める最強の雄は、我が主様以外おらんと確信しとるからの~。主様に可愛がって頂くためら、何でもするぞ」

 

 

 

うっとりと、雌の色化すら漂わせるリューにお子様組は「わ~」と羨望の眼差しを向けている。

 

 

 

「お兄ちゃんはリュー先生のこと嫌いなの?」

 

 

 

リューに呪術を習っているリーネはリューの事を先生と呼びながら、ウルがリューを警戒してることに悲しそうにしている。

 

 

 

「…………」

 

 

 

ウルはリーネの問いかけに無言で答える。

 

正直に言えばウルもリューがこの先、自分達と本格的に敵対する可能性は低いと見ている。 

 

本気で敵対するつもりならば、総合的な戦力が上回っている今のうちに襲い掛かってくる。

 

 

 

それは分かっているのだが、ウルとの関係を作るためにリューが取った行動は最悪の部類にはいるものだった。

 

それ故にウルはリューを簡単に受け入れることができない。 

 

 

 

「リーネよ、儂は別に気にしておらんぞ。儂はこうして我が主様の側におれるだけでも満足なんじゃ」

 

 

 

リューはウルの反応は至極当然な事だと言う。

 

今までリリスしか理解できなかったウルの心情を完璧に把握する事すら、いとも容易くしてくる。それもウルがリューを警戒する要因の1つだ。

 

 

 

たが、リューはアルリアと同様にラ・グ・ナ・ル・の・一・族・の・初・代・か・ら・知り続けている、数少ない人物なのだ。

 

 

 

リリスはウルと共に過ごすことでウルの心を感じることができたが、リューはウルに流れるラグナルの血とウルが置かれた環境から経験則でウルの心を知っている。

 

 

 

(じゃが、儂が主様に先祖の事を話すのはまだ早い。これを聞けば主様は必ず流されてしまう。主様がこの世をどうすか決めるまで、あるいはほとんど決めるまでは話せんな)

 

 

 

これをリューは敢えてウルに話していない。話せばウルは自身の意思ではなく、ラグナルの一族として、この世をどうするかを決めてしまうからだ。リューにとってもそれは願うことではない。

 

 

 

この世界をどうするかはウル自身の意思で決めて欲しい。

 

その思いでリューはウルに不信感を抱かれるとしても口を閉ざしているのだ。




リューはかなりお気に入りのキャラなので、早くエッチシーン書いてあげたい。
次回は久々のアルリア様のエロ回予定です
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。