ちょっと物書きの先輩にアドバイスをもらったので、短くても出してみます
「何でエレニーを俺の眷族にしたがったんだ?」
ウルはぐったりとしているエレニーの頭を撫でながら、横で満足そうに微笑んでいるリューに問いかける。
「なに、お前様がこの娘の事を気に入っている様だったのでな」
確かに、ウルはエレニーの事を気にかけていた。
それはエレニーがリーネと同じく
「お前様にはもっと気持ちに素直になってもらいたくてな」
リューはウルに欲望に忠実になってほしいと思っている。
気に入った人物がいれば庇護し、気に入らないことがあれば破滅をもたらし、世界を自分だけの意思で動かす。
それは強者にだけ許された特権なのだ。
「お前様はこの世の頂点に立つ御方じゃからな」
冗談でも軽口でもなく、本気の口調でリューは言う。
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ウルがエリュシアを滅ぼしてからかなり時間が経った。
エレニーや囚われていた姫たちも祖国に帰り、ウルを頂点とする国を作るために暗躍を始め、重鎮たちは殆ど奴隷契約を結んだ。
これでウルが人族領に留まる理由もなくなった。
ウルは食料などを買い揃え、出発の準備を終える。
「さて、行くかの」
リューはウルたちが寛げるくらいのサイズの分身を作って、空へ飛び立つ。
「魔族領まではどれくらいで着きそう?」
リューの背中でギルドから入手した情報を纏め読みしていたシャルロットが聞いてくる。
「1週間ほどかの」
スピードは他の竜と比べるとかなり早いが、リューにしてはゆっくりと飛んでいるほうだ。
まあ、今のまま魔王と戦っても勝機は薄いため、時間をかけるのは問題ない。
「でも、ウルさんのお母さんの魂は無事なんでしょうか?」
バアルのように、暇潰しに魂を嬲られているのではないか、とリリスは心配する。
しかし、それはないとウル自身が答える。
「アイツは暇潰しのために俺を自分の元へ呼んだ。アイツにとっては久し振りに見つけた娯楽なんだろう」
魔王はリューのことすら脅威とは見ていなかった。
リューより能力値の劣るウルを脅威とは見てないだろう。
しかし、リューを従えていることでウルに興味を持った。
だから、バアルから母の魂を奪い、ウルをおびき寄せようとしている。
「その俺を呼び出す要因をないがしろにすることはしない」
ウルの予想が正しいと言うように、こちらをチラチラと覗き見している魔王が微笑む感覚がした。
リューの"千里眼"とは違うが、魔王も遠見の魔法でこちらの様子を探っているのだ。
よほど暇潰しができることが嬉しいと見える。
「しかし、こう動きを全て見られていると言うのは鬱陶しいものじゃの」
以前、ウルに対して同じことをしていたリューが、鬱陶しそうに魔王の遠見の魔法を掻き消す。
「かつての勇者の行動をお前様になぞらせる辺り、相当遊び好きなんじゃろうな」
リューも長いこと人族領に止まっていたため、新しい魔王の情報はあまり持っていない。
だが、これまでの言動から、野次馬根性があるお調子者という印象を受けていた。
「まあ、超高位化をしているんじゃ、退屈になるのは分からんでもないがの」
高位化する前のリューですら敵はいない状態だった。
そのリューすら圧倒する力を持っていては、やることがない。
戦いにしろ、遊びにしろ、本気で取り組むことができないのだ。
「超高位化した者は今までに何人かおったが、その種族がこの世を支配していないのは、強すぎるがゆえに何も出来なかったからなんじゃ」
高位化までなら本気で戦っても、まあ問題はない。
しかし、超高位化ともなると話は変わってくる。
一人でもこの星を壊せてしまう。
それが分かっているから、戦いにも参加せず、君臨するだけで寿命を迎える。
「魔王もそれが分かっておるから今まで動いておらんかったのだろう」
そこまでいって、リューは黙り混む。
リューの頭に過るのは、アルリアが言った世界が滅ぶ理由だった。
本来この世界は全ての種族が全面戦争をすることで滅ぶはずだった。
つまり、魔王と
今分かっている魔王の性格からして、自分の遊び相手がいたら嬉々として戦うだろうが、自分からは仕掛けることはない。
つまり、この世界の事を多生なりとも考えているということ。
(やはり、
リューが最も警戒する人物は、この世に関心がない。
だからこそ何をしでかすか分からない爆弾のような危うさがある。
親しい自分が高位化をすることで抑止力になるつもりだが、それもどこまで通用するか……
リューは知人に危険人物の監視を強化するように頼まねばと心の中で決心する。
ちなみに、この様子をある人物を通して見ていた知人は涙流して頭を押さえてため息をつき、胃を痛そうにしていた。
これで5章は終了になります
何とか一月中に書ききれた
物語もかなり動き出してるんで、6章もできるだけ早く書きますね