「……はぁ」
暗く寒い帰路を辿り、薄暗く肌寒い自宅に転がり込むと、手に持っていた鞄をソファーに投げ捨て、ほむらはベッドに倒れ込んだ。
(シーツが……冷たくて気持ちいい)
程よく室内の冷気を含んだシーツをこれでもかと肌に擦りつけ、それを堪能する。
帰宅する際に肌寒さは全身で感じていた筈なのに、身体は冷やされるどころか、次第に熱を増していくばかりで。
いつしかほむらは息を荒げ、まるで病人の様に顔を真っ赤に染めていた。
「はぁ……はぁっ……」
これまでに陥ったことが無い感覚。
そんな自身の状態に戸惑いながらも、ほむらはとにかく火照る身体を抑えようと貪欲に冷気を求める。
制服やストッキングを乱暴に脱ぎ捨て、カッターシャツと下着が露わになった状態で、再び冷気を貪る。
「きもち……いい……」
より多くの面積で冷気を感じることが出来るようになり、惚けた声を漏らす。
「はぁ・・・・・・ふぅ……」
身体全体が存分に冷たさを感じることが出来たせいか、ある程度落ち着きを取り戻したほむらは、仰向けになり真っ暗な天井を見上げた。
「杏子……」
口をついたのはある少女の名前。
それは今ほむらの心を独り占めにしている存在。
彼女の事を想うだけで、身体は熱を取り戻し、心臓は高く打つ。
杏子は今何をしているだろうか。この寒さの中、古教会で独り寂しくしているのだろうか。
そして、どうして私はこんなにも彼女を気にかけるようになってしまったのだろうか。
ほむらがまどかに向ける感情とはまた別の感情。
彼女を幸せにしたいのではなく、彼女を幸せにしてあげたい。
何一つ救いのない彼女の人生に私が救いを導き出してあげたい。
私が……彼女を支えてあげたい。
「――――!!」
その感情の正体に気が付いた瞬間、ほむらは全てが繋がった気がした。
(そっか……)
―私は、杏子の事が好きなんだ。
利害の一致。
最初はそれだけで結ばれた希薄な関係。
それでも、人は他人と触れ合うことで、その人を知りやがて惹かれ合う。
それは魔法少女も例外ではなく、長いループ生活の中で一番関係を深め、佐倉杏子という人を知ったほむらは、いつしか彼女を仲間ではなく、それ以上のもっと特別な仲でありたいと望むようになっていたのだ。
「そう……そうだったのね……」
自分の気持ちに合点がいったほむらは、誰も居ない暗闇で小さく微笑む。
その笑顔の理由は、苦し紛れのものではなく、その出口を見つけたことに対する安堵の様なものだった。
「杏子……きょうこ……ふふっ」
想い人の名前を呟きながらほむらの気持ちは高揚した。
こんな気持ちで人の名前を呼ぶ日が来るなど想像もしていなかったのに、気分はこれ以上ないほどに清々しい。
名前を呼ぶたびに胸が弾むような感じがして、幸せな気持ちが心に広がっていくような気がして。
楽しさと幸せの快楽となりながら体をくねらせていると、突如ほむらは違和感を感じた。
「……えっ、うそ」
ほむらが感じた違和感。
それは自分のショーツが濡れていることだった。
確認の意味を込めて、指先でソコをなぞると、確かに指先にはしっとりと液体の存在を感じ取ることが出来る。
それは紛れもなくほむらの身体が悦んでいるいる証拠だった。
秘部から分泌された愛液は人知れず下着を濡らし、溢れ出している。
それは当然の生理現象とも言えた。しかし、長い間病院という閉鎖空間に閉じ込められ、ろくに性の情報も持ち合わせていないほむらにその正体が何なのか理解できるはずもない。
「まさか……この歳にもなって、そんな……」
ぬめぬめとした指先を眺めながら、その液体の正体に気が付かないほむらは呆然とする。
別段尿意を感じてはいなかったはずなのに、どうしてショーツは濡れているのか。
その疑問を確かめる為に、ほむらはおもむろにショーツを下ろし、自身の秘部へと直接手を伸ばした。
「……んっ」
クチュりと卑しむらしい音を立て、ほむらの指先は秘部の中へと誘われる。
自らの意思で指を中へ入れるというよりは、肉壁がうねり中へと勝手に誘導されていくような感覚。
「ああっ……はっ……んんっ」
指と肉が擦れ合う度に感じたことのない快感が襲い、自然と甘い吐息が漏れる。
「んんんあっ……はぁっ……っ」
「……はぁああっ……あっんんっ」
今自分は何をしているのか。
そんな事を考える暇が無いほど、ほむらの指は自身の秘部を弄り、ひたすらに快楽を求め動きを活性化させる。
愛液で溢れかえる秘部を指でかき回しながら、押し寄せる快楽の波。
「―――――っ!!――――――っっっ!!」
初めてだというのに、たっぷりと分泌された液体のおかげで、膣内は程よく滑り、えも言われぬ快感へと昇華する。
「はぁっっ……きょう……こっ……!!」
卑猥な水音は既に部屋中に反響し、ベッドには巨大な水たまりが影を描く。
そんな中でほむらは想い人の姿を頭に浮かべていた。
杏子のインナーから覗く胸元、同じ年頃の子より少しだけ大きな胸。ショートパンツから露見した白く綺麗な大腿。
それらは今まで何気なく目にしてきていた筈なのに、いざ想像すると身体の熱は増すばかりで、それに伴い指の動きは加速する。
ぐちゅりぐちゅりと最初とは違う音の変化と共にほむらは身体の奥底から、何かが湧き上がってくる気配を感じた。
(だ、ダメっ!!なにか来ちゃう!)
沸々と湧き上がって正体不明の気配に怯えながらも、身体はそれを求めるための動きを止める事は無い。
むしろこれまで以上に指を激しく動かし、まるで自らソレを迎えに行くようにただ貪り突き進む。
「んんんんっ!!ふあぁっ!!あっあああぁぁっっっ!!」
刹那、身体を一閃の稲妻が駆け抜けたかと思うと、ほむらの身体は快楽に溺れ、ビクビクと痙攣し始める。
「~~~~~っっ!!!!だ、ダメぇぇぇぇぇぇぇっ!!」
普段の自分からは想像できないほど、まるで獣の咆哮にも似た叫び声をあげると、ほむらは大きく腰を仰け反らせ、秘部からは大量の愛液のシャワーが溢れ出した。
「~~~~~あああっぁぁぁっぁ!!!」
ボタボタと愛液は勢いよくあふれ膣から外へと流れ出し、所かまわず周辺を濡らしていく。
その間にもほむらはビクビクと小刻みに痙攣し、やがてすべての力を使い果たしたようにその場に果てた。
「っはぁ・・・・・・はぁ……はぁ……」
荒んだ息を鎮めるように、呼吸を整える。
しかし、未だに頭はチカチカし、意識もぼんやりとしてはっきりしない。
おまけに先に自慰行為で体力を使い果たしたのか、一瞬にして体には疲労の波が押し寄せて来た。
「はぁ……ふぅ……」
「……杏子」
膣をかき回している最中、そして快楽の波が最高潮に達した瞬間。
それら全ての時に想い、想像していた彼女の名前を呼ぶ。
「……ふふっ」
今まで経験したことのないふしだらな行為をした後でも、その想いは褪せることなく、ほむらの胸に残っていた。
自分の想いの正体、そしてその行先。
それら全てのピースがハマったのであれば、ほむらが取るべき行動はもう一つしかない。
(杏子、私はあなたを……)
確かな思いを胸に秘め、やがてほむらの意識は遠のき、そしてそのまま深淵へと誘われていった……。