※この作品はR-18です。

ゲート 飢狼 彼の地にて斯く戦えり   作:庵パン

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1ヵ月ぶりの飢狼であります。
この間にリック☆アースコラボも終わってしまいました。
結局ヤオは不幸体質なのか省られてしまいました。
そして陸自嫁に最も近いは栗林じゃなくて黒川だったりします。
異常な回避能力とやけに鹵獲の高い黒川なのです。
(最前線でも)この程度なのですか、と強キャラ感のあるセリフを言う黒川です。
まぁ取り敢えずGATEキャラは全員持ちキャラにしました。

しかしロゥリィが武器娘扱いなのは分かるとして、
何故レレイまで武器娘?
しかしリック☆アースのレレイ、やけに粗暴な感じが……。
炎龍さんがマグマ軍に就職しているせいでしょうか?


第21話

その居酒屋は、足柄鼎が暮らしていた島根県出雲市の一画にある。

「去年の夏にあった事件は先輩も知ってるでしょ。鼎がテロリストの中から……あ゛あ゛~、なんちゅうんスか。結婚相手を選ぶワケないですよ」

「しかしよ、特地って結構イケメンが多いんじゃね? 足柄ネキも遂に結婚相手を見つけるかも知れないじゃん」

純朗に先輩と呼ばれた大原大二郎は、名前の通りに大柄な男である。純朗や鼎よりも一歳年上で、高校の時は進学校でありながら、鼎たちよりも先に横道に逸れた経験を持つ。

「鼎がオークとか豚みたいな怪物の中から男見つけるワケねーっすよ」

「えっ。お前、知らねえの?」

後輩が銀座事件の一件しか知らないことに気が付いた大二郎は、酒が注がれたグラスを置くと己が知る限り「特別地域」と呼ばれるに至った銀座に現れた「門」の向こうの情報を語る。

特地の災害といえる甲種害獣、通称ドラゴンから保護された難民がいること。そしてその中の3人娘が国会に招致され中継されていたこと、その素(●)晴(●)ら(●)し(●)さ(●)を語った。

「やっぱ一押しはロゥリィ様だな。合法ロリでしかも神様だ。ロリ様はロリコンを容認して下さるんだぜ」

純朗は先輩のロリコン気質に退いた。何せ高校の時からオッサン顔だった男で番長的な兄貴分と感じていたのだ。

高二の春に地元で負け無しの鼎に挨拶を要求し、何様のつもりだと太ましい時代の鼎からフライングボディアタックを喰らって三途の川原を見て以降、彼女の舎弟になってしまったが所謂いぶし銀な雰囲気を纏っていた。

今の鼎が民間人に暴力を振るう訳がないが、直近で見たスケベボディの鼎にならフライングボディアタックを喰らって良いかも知れない。きっとあの巨乳がクッションになってくれる。

それはともかく、この男をここまで骨抜きにするのだから、特地の人か神様か、或いはエルフの魅力は油断できない。

そういえば鼎の部屋でエロ漫画を発見した時、美ショタエルフに手扱き授乳から本番の種付けセックスに移行する内容だった。

家に帰ったらインターネットで当時の参考人招致の映像を見るつもりだが、エルフはエルフというからに美形である。

理由? エルフってだけで充分だろ!!?

………と、考える純朗が某動画配信サイトでエルフを見た後、雄エルフとヨロシクやってる鼎を想像しつつ、美女エルフの出現を期待して泣いたり笑ったりしていた。

 

 

*  *  *                      *  *  *

 

 

「死ねぇえゃオラァ!!」

殺意満点の鼎のフライングボディアタックが、賊の頚に決まりその骨を砕く。

十年以上の時を経て、鼎のプロレス技は殺人レベルの凶悪性を持つまでに昇華していた。

「カナエ! 危ない!」

「!!」

コムの言葉に、来た道の縁に身を隠す。すると頚骨をへし折った男ごと鼎がいた場所に大量の矢が突き立ち、剣山のようになった。

コムの注意が無ければカナエが針山のようにされていたかも知れない。

緑石柱を採取できる坑道で、鼎達を待っていたのはジーヴォジョニーという種族を頭に持つ盗賊団だった。彼等は既に、採掘抗を守る八人ものトレド兵と六人の民間人を殺害している。捕縛されれば、一人残らず縛り首は免れない。

生き残った衛士が馬を駆り、救援を求めにトレドに行ったのは数時間前だ。

緑石柱坑道を占拠した彼等には後が無い。賊には賊の理由があるのかも知れないが、そんなことは鼎にも仲間のダークエルフにも関係がないのだ。

トレドの警察活動に協力し、依頼者が犯人の生死は問わないのであれば、鼎は味方への被害を極力抑え、なおかつ簡易な手段を選ぶ。

「ルハルトさん、緑石柱の坑道はこの奥ですね?」

「あぁ。最近発見された原石岩はこの奥にあるはずだ」

トレドの賢者・ルハルトは二年前までロンデルで学徒をしながら別の導師賢者に師事を受けていたが、導師号審査の過酷さに耐えきれずに故郷に帰って来た博士号賢者だ。

魔法使いの賢者というが、彼の見た目を言うなれば「熊先生」だ。ラグビーをやらせれば強そうである。

彼等が話し、鼎が小銃で牽制している最中にダークエルフからの「矢避けの加護」を受け、戦闘員であり班長である鼎が縁伝いに坑道を進んで進路を確かめる。

こういった危険な作業はダークエルフ達には任せられない。彼らは現地人協力者であり、仲間であり、大事なセフレだ。

銃撃音と共に、暗闇で弓に矢を番えていた男が崩れさるように倒れる。

「どうしたァ!もう終わりかァッ!」

狂戦士の怒号のような鼎の雄叫びが坑内にこだまする。

ルハルトが「もしこれが賊側だったら……」と、恐怖するのは言うまでもない。ルハルト達と同じヒト種に違いないが、暗闇でも見通す機敏さにその声からも解る膂力。その有り様、正に怪異の雌。

しかし見た目には男好きしそうな大人の女の軆の美女だ。敢えて言おう。エロいと。

ルハルトも長年賢者の研究街区に篭っていた本の虫だが、それ以前に男である。流石にレオノ程エロが好きという訳ではないが、機会があれば男鰥夫から卒業したいとは考えているのだ。

「良く来たな。まさかトレドの連中が此処まで来るとは思わなかった」

鼎が侵入した空洞の向こうから、低めの女声がする。

「アシガラ、あれが賊の頭目のミンスだ」

ルハルトが言う前に鼎は斃すべき敵を見つけている。見た目は、有り体に言えばケモノ娘である。だが萌えとは関係無さそうに薄汚く、ハイエナを擬人化して革鎧を纏ったようなケモ娘だ。筋肉質で、毛皮はモフれそうだがそれが覆う筋肉が固そう。一言で言えば余り可愛くない。

とは言っても、鼎の主観ではある。

「ジーヴォジョニーって、アレ?」

「いや個人差はあるが」

唯一柔らかそうなのはケモ耳であろう。そのミンスは手にしていたナイフを鞘に戻す。

この行動に鼎は戸惑った。大人しく捕まっても縛り首は確実。だから徹底的に抵抗するだろうと思っていたのだ。

「降参だよ。あんたらには勝てっこない。諦めて素直に捕まるから、あたしを頼って付いて来たヤツらの命は助けてやってくれ」

まさか……とは思ったが、そのまさかであった。しかし鼎もダークエルフも警察活動の手伝いをしているだけである。犯罪者を減刑させるか否かは、この地の裁判官なり領主が決めることなのだが……。

そんな感じに、一瞬とはいえ隙を作ってしまった鼎が甘かった。

「お人好しめ!」

ミンスが投擲してきた武器は、U字型のブーメランに属する存在。本来は狩猟に使う武器で、使える場面も広大な場所に限られる。だが使い慣れていると見え、ブーメランは弧を描いて鼎に飛んで来る。

「おっと、危ない」

しゃがんで避けようとするも、ブーメランの軌道は鼎の行動を読んでいたかのように一同上昇して鼎に向かって来た。

「!!」

ところが、矢避けのまじないを受けた鼎の直前でブーメランは弾かれるようにしてミンスの元に戻っていく。

「あ」 と言ったのは鼎だったかミンスだったか、それとも他の誰かだったかは定かではない。

見ていた多くの人間が同じ反応を示したことだろう。

それにフェンが精霊魔法で霧を使役する。するとブーメランはミンス目掛けてまっしぐら。

「ゲっ!!」

ブーメランが獣人女の頭に刺さるのを見て……いや、見る前からちょっぴり思っちゃいたのだが、これを見て更に思う。

「な、なにもそんなに身体を張ったギャグしなくても……」

そんな形の頭目の最後の後、他の賊たちも次々と降伏していった。

生き残った衛士と、彼が求めた援軍が到着したのはすぐ後のことである。

 

 

*  *  *                      *  *  *

 

 

「ルハルトさん、今日は有難う御座います」

坑道内とは打って変わった柔らかい態度で、鼎は高機動車から降りて自宅に向かうルハルトに労いと感謝の言葉を送る。

鉱石のサンプルも入手して、賊も絶対的多数の衛士に突き出すと陽は既に暮れていた。

「いや、大した苦労はない。ほとんど君たちがやったのだからな。しかし今回の探索行は中々興味深かった」

まずそれだけを言う。しかしすぐに追加して聞いて来る。

「アシガラ達はすぐに街を離れるのか?」

レオノと似た事を聞いてくる。資源を調査してサンプルを手に入れればトレドには用は無いのだが、見落としている物がある可能性もあるから、一日だけ付近を見回るにも面白いかも知れない。その時、地元の賢者の知恵を借りれるのは実に頼もしいことだ。

資源調査の予定日数はまだまだあるから、一日程度は滞在するのを伸ばして良いかも知れない。

「今日は街の宿に泊まって、明日は街周辺を探索しますんで街を出るのは明後日ですね」

「ならば明日も同道しても良いだろうか?」

「あ、良ければお願いします」

鼎の言葉を聞いてルハルトの表情が明るくなったような気がした鼎である。

そして幾つかの可能性を考えた。

 

①異世界のヒト種に4人のダークエルフというパーティに興味を持った。

②パーティの中の異性に好意を持った。

③パーティの中の同性に好意を持った。

 

①であるが、4人のダークエルフやルハルトに聞くに異種族同士のパーティ自体は珍しい訳ではない。だがヒト種が入ったパーティは。ルハルトはこのことに興味を持ち、続けて観察するのを希望したのかも知れない。

②も有り得る話だ。ルハルトも男だし、ダークエルフは扇情的なボンテージ鎧だ。鼎が男だったら既にヤオかセィミィやヤユか孕ましているかも知れない。

③は、ちょっと勘弁願いたい。髭熊先生がフェンやコムとガチ! ムチ! ギシ! とか、ヴィジュアル的に毒にしかならないんじゃないかと思う。薔薇騎士団でなければ耐えられない境地であろう。

ならばやはり①か②であろう。

「はて、誰かな……?」

高機動車を運転しながら、鼎は独りごちた。

 

 

*  *  *                      *  *  *

 

 

鼎がルハルトを迎えに行ったのは、次の日の早朝である。

「アシガラ、今日は何処に行くんだ?」

そう聞かれると困る鼎ではある。良さそうな物を探してプラプラとドライブなど、他人に言って良いものかどうか……。

「取り敢えず、トレド周辺で有用な資源を探してサンプルの採取ですね」

要は昨日と変わらない……と、いうことを言ってしまった。

「資源か……交易品になるものはどうなんだ?」

帝国と貿易するかどうかは日本政府が決めるので、鼎が判断するわけには行かないのだ。しかし、日本政府は銀座に現れた門とその向う側にある国家と取引しようとしているのは明白な事実である。

ならば、将来に交易することを見据えて今の内に帝国各都市の品々を見て回るのも面白い。本来の任務とは違うが、そんな横道に逸れるのもアリではなかろうか?

「良いですね。何かありますか?」

任務には忠実ではあるが、横に逸れる自分にも忠実な鼎は思い切り横道に猛ダッシュし始めたのである。

 

*  *                            *  *

 

トレドの名産と言ったら、やはり魚ないし魚料理である。そして丘仁上がれば……と言っても、これはトレドに限ったことではないが栗に似た『ぎゃんだ』と言う名で呼ばれる堅果類もある。これを簡単に特地技術、つまり時期に採取して焼いたくと、餅みたいになった中身の実が中々美味い。

美味いのだが、この食感は探せば日本にもありそうな……。

まぁ、異世界産というネームバリューは実に強そうではある。それよりアルヌスの生活協同組合で仕入れれば、日本から買いっぱなしの特地経済から自衛官に売れるのではなかろうか? 一方的な貿易は良いものではないのだし、帰還後に組合の重役かカトーにでも相談しよう。

そんなことを考えながら、この日も暮れていく。

鼎はトレドの魚介類にギャンダという堅果類を心のメモに書き留め、ルハルトの自宅前で一日の案内をしてくれた彼に礼を言う。

「ルハルトさん、今日は楽しかったです」

班の隊長である鼎は楽しんでいて良い立場でもない。今日はルハルトとデートのような形になってしまった。まぁ、常に4人のダークエルフが着いているのだが。

結局の所、彼のお目当ては分からなかった。単純な親切心ならば、下手に穿った見方をして申し訳ないと思う。

「それは良かった。それと……」

何を言うのかと思う鼎に、ルハルトは言う。

「またアシガラがトレドに来ることはあるのか?」

「えっ、私?」

最近思っていたことだが、ここまで来ると完全に解る。

 

遂にモテ期キタ――――――!!!

 

ということらしい。

しかし残念ながら、通常は隊員がアルヌスから帝国入りするのは厳禁である。戦争状態あっても、休戦状態に過ぎないからエルベ藩から卿のランクを貰ったとは言え鼎が勝手にトレドまで来るわけにはいかないのだ。

「す、すいません。明日ここを離れたら当分は来れないです」

実際、帝国との戦争中であることをルハルトに伝えると彼は了解してくれた。

「ふむ、それならば仕方ない」

短くそう言ったと思うと、ルハルトは照れ隠しのように笑いながら続けた。

「なんだな……。アシガラとの友誼を築ければと思ったんだが」

レオノと違い、彼の性格では短時間で思い描くような付き合い方が出来なかったようだ。

「それじゃルハルトさん、一緒に資源調査しに行く?」

賢者が付いて来てくれたら特地の様々な事情が知れて助かるのだ。それに鼎自身もルハルトには昨日から異性として興味がある。

旦那の第一候補は年下ショタだが、第二は筋肉マンである。

しかしルハルトは言う。

「有難う。だが街には私を師と仰ぐ者が少なくなくてな、このまま同道して旅することは出来ないんだ」

すまないと謝るルハルトだ。そういうことなら無理に連れて行けない。

それでは……と、車をUターンさせてルハルトに別れを言った時、街の方から誰かが走って来た。今夜、鼎達が止まる宿の店主だ。何か、鼎達に知らせることがあるようで急いた様子だ。

「あれ? 宿の……?」

「あ、あんたら‥‥じゃない、貴方様方なら大丈夫かと思ったが、一応知らせておこううと思って……」

宿の店主から伝えられたことは、甲種の射撃徽章を持つ鼎や剣と精霊魔法に優れたダークエルフの腕前を以てしても、中々難しかったことだった。

 

 

*  *  *                         *  *  *

 

 

陽が落ちて、この世界に時計というものがあれば日付けが過ぎて丑三つ時と分かるころ。

湾になった碧海を見渡せる『ニヘラ亭』という、鼎やダークエルフが宿泊しているトレドの簡素な宿。その宿前に、黒い外套に黒い服面という黒づくめの人物がいた。

その視線は、碧湾を見渡せるであろうベランダがある部屋に注がれている。

この時間だ。彼か、彼女かは分からないが彼以外、彼に気付く者は居ない。念の為に周囲を見回して、他の人間がいないことを確認した彼は颯爽と跳躍。ヒトならば到底届かない高さのベランダに一度のジャンプで飛び乗ってしまった。

物音一つ立てずに部屋に侵入。彼の目標はだた一人、黒く長い髪の女だ。ヤツを殺すことで未来が拓けるのだ。

夜目が効く彼は、部屋の中で寝ている者の中から黒く、長い髪の目標を探す。そしてそれはすぐに見つかった。

彼は腰に差していた短刀で一気に突き刺す。だが化け物ような女だ。簡単には死なないかも知れない。だから何度も繰り返し突き刺した。周りには精霊魔法に長けたダークエルフが4人もいて、気付かれれば自分が殺されるかも知れないのだが、アシガラとかいう女が生きていたら確実に殺られるッ。

だが、金属が転がるような音と「HI、ごくろーさん」という声が聞こえたと思うと、部屋が青白い光の闇に包まれた。

160デシベルの爆音と600カンデラの閃光を直視してしまった暗殺者は、たちまち恐慌状態に陥る。そこを、モズクのような海藻で偽装していた鼎が64の銃底で「ドラァ!」と、殴り倒した。

ルハルトが光の玉で証明を点けたから、綿の布団で暗殺者の手足を拘束できる。獣人系の亜人だとは思うのだが、それを確かめる為にも殴られて伸びたままの暗殺者が被っている覆面を取り払うことにした。

「…………ケモ耳エルフ?」

その暗殺者は、そうとしか言えないような体毛を蓄えた穂長耳の男だったのである。




今回の鼎、魔導士のつまみ食いならず。
いや、ホントは魔導士とエロいことする予定だったんすがね、なんか、無しになってしまいました。

で魔導の方ですが。
あっちの3部を今年中に終わらせるのは無理かも知れませんねぇ……。
そろそろ向うも進めないと。
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