エロパート入れたらメッチャ長くなっちゃったぜ。
イタリカの外れの街道を高機動車がアルヌスに向けて走る。
「あのイルカモドキの子種じゃ出来ないんだねぇ」
セィミィから聞いた情報は、鼎は深々と後悔させた。
もしあの時、決して妊娠しないと解っていたら、思う存分海獣姦を楽しめたのだ。ドルフィスとかいう獣とウィンウィンだったに違いない。
「そうだ。次の町で降りない?」
「良いねぇ。そろそろ限界」
「そう言ってもあるかどうか」
鼎の提案にコムが賛成し、セィミィが口を挟む。
「なけりゃ糧食に手を付けるしかないよ。だいぶ味が濃いけど、アレは結構美味しいんだから」
このところ、変に生活習慣が正しかった鼎やその仲間達は一昨日の狩りは中止となった。班のリーダーである鼎が海獣に浚わ、それどころかではなかったのだ。
食事にあり付いたのは、拉致された鼎が戻って漁民と魚介類を焼いて食べた時だ。
そんなワケで、鼎らは人間の町で出来合えの食事を摂ろうというのだ。
鼎達が立ち寄ったのはアボルムという街だ。アルヌスから一番近い街なのだが、馬車を使っても片道で2日以上掛かるの道のりである。
* * * *
アボルムという街は、アルヌスでは取り扱って無いものも商品や店もある。
鼎なんかが思うに「まぁ女だろうなぁ」とは思うのだが、そのうちアルヌスにも娼館などが出来たり娼婦が屯ったりするのだろうか。
そんなことを考えながら何時もの装備の鼎と4人のダークエルフ。そして獣人系ハーフエルフのカルドはアボルムの街を歩く。
すぐに見つかるかと期待していたが、お目当ての飯屋は中々見つからない。
見えたのは果物――この世界にも青果店があるらしい。林檎に似た果実が山々と積まれている。
だがこれは腹が膨れないのでスルー。
「お、おい。食べないのか?」
カルドは腹に入れるものなら何でも良いと思っているらしく、物欲しそうに果実を見ていた。だがしっかり鼎から離れないようについて来る。
それから街の中を見て回るが、遂に見つけた居酒屋は終夜営業で未だ開店していない。
「みんな起きてる時にやりゃ良いのにっ」
と、言いたいたいところだが、意外と夜型人間が多いのかも知れない。ヒトしかいない街なのだから、都合があるヒトは全部昼間の内に済ませば良いのにと鼎は思う。
鼎達は空腹を感じながら街の外に置いた高機に戻る。車には精霊魔法の防犯用トラップが仕掛けれれているから、悪戯しようとする者には少々痛い目を見て貰うことになっている。(無論、注意書きもある)
「ぐぬぬ、まさか無駄足とはね。早く戻って糧食食べよう。皆、どんなの食べる?」
そう鼎は言う。ただ、食事には気を付けて各種缶飯やパック飯を揃えて来ているが、選択の幅は狭い。
「“かんぱん”はあるだろうか?」
「あるよ。って、他のもあるんだし、他のを食べても直ぐアルヌスに行くんだしさ、他のを選んでも良いんだよ?」
ナユの言葉に鼎は他の選択肢を示した。
乾パンは、いつも“最後まで残る要らない子”というポジションである。この期に及んで節約しているのではないかと危惧したのだ。
「俺は“かれえ”が良いなぁ」
「私も“かれえ”が良いわね」
「俺もー」
3人のエルフは炎龍討伐の際にも食べたカレーを選んだ。カレーは世界が違っても大人気である。
「カルドは実際に見てから決めてよ」
途中参加のケモ耳エルフは糧食の種類が解らないだろうから、現物を見せて択ばせることにした。ちなみに鼎はトリメシの予定である。
「オレはカナエと同じものを」
ならばトリメシだ。自分と同じものを選ぶとは、中々可愛いやつになってきたと考える鼎であったが……。
「それとアプコも。半分は世話になってるカナエに分けてやるよ」
そう言って出してきたのは先程の林檎のような果実だ。
「え……」
「なんだ?」
「ちょっとカルド。これ何時何処の木から捥いで来たの?」
「さっき通った店に山積みして捨てられてたじゃないか」
それを聞いた鼎は、むんずとカルドの首根っこを掴んで連行する。
「な、なに!? なんだよ!?」
ずるずると街の方へ連行されていくカルドは、自身が盗みを働いたという自覚も無いように抗議の声を挙げた。
「あんたソレ盗みだろうが!」
「あれは捨ててあったんじゃないか!?」
「捨ててるモンに値札なんか付けるか!」
カルドがどのように生きてきたのか詳細は判らないが、彼の母親は常識的なことを教えなかったようである。
鼎はこの見た目ティーンエイジャーに、今後どのように接していくべきか頭を悩ませた。
* * * *
「誠に、申し訳ありません!!」
鼎はほぼ直角の礼で果実店の店主に謝罪する。隊では斜め10°の礼が最上とされているが、異世界の民間人が相手なのでこのような形となった。
お辞儀という習慣を知らない可能性の方が大きいが。
「この責任、どう付けてくれる?」
見た目、腹に脂肪が溜まった感じの店主の親父はハリョであるカルドを一瞥すると、鼎の償い方を問うてきた。
「勿論、御代はお支払いします」
売り物を放って何処かに行っていた肥満親父にも一部の責任はあるのだが、責任の大半は売り物を盗んだカルドにある。そしてカルドの監督責任は地元最強を誇った鼎にあり、彼女は平に謝るしかなった。
「それじゃ足りんな」
この強欲オヤジめ! 鼎は心の底で毒づき、伏した顔は不満に歪んでいた。
「そ、それでは……3つ余計に購入させていただくのとか?」
「何を言ってるんだい。お母さん」
こいつ目ェ腐ってんじゃねぇのか!? という鼎の心の声が響く。
「この場で息子さんを叱っていただけないと。今後のこともありますからな」
明らかに違う種族なのに気付いてないのか養子だと思っているのかは定かではない。しかし確かにその通りだ。このオヤジ、的を得たことも言う。
「はい、御店主に謝罪するのが先と気が急いていましたが、その通りです」
「カナエ……」
カルドも拙いことをしてしまったということは判るらしく、ケモエルフ耳を垂らして項垂れている。
可愛い生物に見えるが、ちゃんと人間の世界のルールを教えなければならない。
「カルド、良い? むかし貴方が暮らしていた森と違って……」
「あー……お母さん?」
「はい?」
「儂のムスコの面倒も見ながらお願いしたい」
他人の子守りしながらカルドを注意するのは、神経が疲れそうである。
カルドに対しては、今後人間の世界で生きる以上、相応の常識を持って貰わなければカルド自身も困ってしまう。
アルヌスの傭兵団の一員として生きるのであろうから、彼に常識を教えるのは保護した鼎の責任なのだ。
だがこのオヤジ、トンでもないことを言い始める。
「まずはお母さん。服を脱いでもらおうか」
「…………は?」
こいつッ 変態だァー!? というような事を、このデブオヤジは要求し始めたのである。
* * * *
4人のダークエルフが高機の周囲で糧食を用意し終え、鼎の帰りを待っている。
「カナエまだかなぁ」
夜伽の相手もする現在のリーダーを、腹を空かせたコムが腹を撫でながら呟く。
「情が厚過ぎるからな。ハリョにまで情を掛けてアルヌスに連れて行こうとするからこうなる」
フェンは自身の命を狙われたというのに、鼎の度量の深さを半ば皮肉るよう嘯いた。
「だが神官にも真似できないことをする」
この世界に於いて、神の信徒に対して神官は施しを恵むことがある。だがカルドは何処の神の信徒でもない。また、鼎が炎龍の四肢を(自衛隊の武器を使っていたとはいえ)吹飛ばした印象が強過ぎることがナユを始め、その場にいたダークエルフの印象に強く残っている。
「あの気迫で違うヒトみたいに優しくなるわよね」
「まぁ声も似てるからな」
セィミィの言葉にコムが返す。だがそれに誰も言葉を返すことはなかった。
メタいので。
「ほら、食べないと」
食べれる時間がある時に食べる。班長である鼎が言っていたことだ。
ダークエルフらはそれぞれカレーや乾パンを食し始める。
「カナエ、本当に遅いね」
「さぁな。ハリョの泥でも被ってるんじゃないか?」
カルドのとばっちりを比喩するフェンにナユが言う。
「あのヒトなら大抵の泥は払い除けるんじゃないか?」
ダークエルフが鼎とカルドの事を話しながら飯を摂る。
* * * *
「置いてある物を勝手に盗っても良い森の決まりは判った。でもここは人間の街なの! お金というものがある意味、ちゃんと判って!」
通行人が多い真昼の商店の前で、全裸になった鼎が下半身裸のデブオヤジの上に乗って長々とカルドに説教してる。
このデブオヤジ、完全に変態だと確信する。まぁ海獣姦をおっかなびっくり楽しんだ鼎も変態っちゃ変態だが。
デブオヤジのギンギンになった肉棒は鼎の秘所の中に挿し込まれていた。とはいっても今回はゴムを着用させている。
一昨日はイルカモドキに拉致されたから避妊薬を飲んでいない。鼎が飲んでる避妊薬は最低でも一週間は連続して服用する必要があるのだ。
コンドームを着けさせるのには少々手間が必要で、この街に娼館があることとオヤジがスケベであることに見抜いた鼎は、避妊具を無料進呈することで買春に掛かる費用を安くして貰えるのではないかとデブオヤジに提案し、献策したのだ。
娼婦との交渉はオヤジの能力次第だろうが、妊娠せずに仕事ができるのは娼婦にとっても歓迎すべきことだということは、悪所で明らかになっている。
そして鼎がオヤジに見せた避妊具の避妊方法は物理的に解りやすい。
現在オヤジが使っている中サイズのゴムの箱1つを無料で進呈。このエロデブオヤジ、明らかに財力と暇が余ったら娼館に繰り出すエロオヤジだ。
兎も角、何時ものゴムが大量に収納されているウエストポーチ装備で来て正解だった。
幾つかの偶然に恵まれた鼎は、そんなオヤジに突き上げられながらもカルドを叱り続ける。
「初めて会った時だってアンタのことポイしようと思ったけどポイしなかったのは、アンタならアルヌスでもやっていけるって思ったからなの! でもアルヌスで盗みをしたらロゥリィや警務隊に断罪されるんだからね!?」
とは言ってもロゥリイは鼎の元上官である伊丹とロンデルという学問の街まで資源を探査しているし、警務隊から断罪されても犯罪者としてイタリカで裁かれるというだけである。
しかしこのカルド、感働きは良いらしく、また言葉の流れから“ポイ”が捨てるという意味の言葉であることは理解できた。
折角拾ってくれた異世界の女兵士を失望させる訳にもいかないし、また、このチャンスを手放すのも嫌だった。
カルドは鼎からの言葉を逐一聞き漏らさぬように気を入れる。
この痴態に見える状況は、鼎のストリップから始まった。
デブオヤジが変態めいた…というか明らかに変態な嗜好の持ち主であるこは疑いようがない。そしてまさか異世界でも自分の逸物のことを「ムスコ」と比喩するとは驚きである。
鼎は感心半分、呆れた。
自分の中にある痴女や変態の素養を理解しつつある鼎も、流石に複数の通行人がいるのにストリップや、デブオヤジとの背面座位をすることは戸惑った。
だが慣れれとは怖いもので、「自分はこのデブに無理矢理やらされているんだ」という意識が働けば群衆の視線など平気になってくる。
しかし腹が減った鼎である。空腹で腹が立ち、語気も強くなる。
「カルド、聞いてんの!? 盗みはその場で腕を斬り落とされることもあるんだから! こらくらいで済んで良かったの! 判ってる!?」
「ああおぅ」
鼎の締め付けが良過ぎてデブオヤジが喘いでキモい。キモいが無視して先に進める。
「カルド! 判ってんの!? 顔上げなさいよ!」
腹が空き過ぎて怒気すら孕む。言いながら下っ腹に力を入れると、ぐっと膣が絞まった。
「ああおぅっ!」
このデブうるせえ……とは思うのだが、まさか言葉にする訳には行かない。いや、ここまでやらせたならそろそろ言っちゃて良いかも知れないが。
デブは背後から鼎の乳を揉み始めた。このデブ、実に趣味が悪い。鼎の息子だと思っているカルドに母親の痴態を見せつけるつもりである。実際は違うが。
だがこのデブ、もう怒っちゃって良いんじゃぁないかなと思う。
「あおぅ!」
「うっせーぞデブ!」
びゅるびゅると、ゴムの中にナニを出して果てるデブオヤジに堪忍袋の緒を着る鼎だった。
* * * *
鼎達がアルヌスに着いたのは次の日の朝だった。
昨日は結局デブオヤジと8時間以上交わり、且つ金を搾り取ったのである。街から高機に戻る時。カルドが妙な歩き方だったのは棒の方のナニが勃ってしまっていたかに違いないと鼎は見ている。
昨日、カルドは仲間と合流を果たす前に謝ってきた。
「カナエ、今日はごめん。オレのでいであんな目に遭わせてしまって」
「まったくだよ。もう盗みなんてするんじゃないよ」
初めて会って数日だが、カルドの性格は随分と丸くなったように見える。いや、明らかに剥き出しの殺意は消え失せ、幾つか年下の弟のような態度でいるのは間違い無い。
もっともテュカがあれで165歳だ。エルフの血が流れているカルドも結構な歳かも知れない。
これから組合にカルドを傭兵として雇って貰うよう話を通す前に、鼎にはやることが多い。資源調査の途中で帰還したことを報告しに行かなければならないのだ。
現在の鼎の直属の上司は桧垣三佐だから、まずは彼にこれまでの報告と一時帰還した理由を告げなければならない。カルドを傭兵団へ紹介するのは、それらが終わってからだ。
とはいっても、帝国による戦争が常態化している特地では独り身の年端も行かぬ子供など五万といる。カルド1人を特別扱いする理由は無いのだ。しかもカルドは、繰り返すがエルフの血が流れている。結構な歳の大人のはずだ。
それでも鼎は、何故だかカルドの仕事の世話をしようと思ったのだ。その時の自分の判断を失策だったと思う。しかし、自分の判断に後悔をしてはいない鼎は桧垣の元に赴いた。
* * * *
「それで接触した他種族をアルヌスに連れて来た訳か」
「はい、特地にはこういった相の子種族が存在することを隊内、延いては我が国に示す為に連れて来ました」
正式な任務をを放っぽりだして帰還した幹部自衛官を、桧垣は伊丹に見せるような深い溜め息を以て迎えるかと思った鼎だが、次に指示されたことは思わぬことだった。
「では明日一番、日本から運ばれた装備を受領した後に引き続き資源探査へ向かえ」
「はい」
勿論、鼎は大きな疑問を抱く。帝国との戦争は終局を見せているはずだ。にも関わらず、何故日本から装備が運ばれてくるのか。
その疑問を、続けられる桧垣の言葉が解消した。
「先日、帝都でモルト皇帝が倒れる政変があった」
皇帝が倒れただけでは政変とは言えない。長兄のゾルザルが執政を握ったことで帝国との戦争に終わりが見えなくなったのだろう。
事実、鼎が考えた通りでゾルザルはモルト皇帝が倒れたのに乗じて帝国執政の全権を掌握。講和交渉の為に帝都に赴いていた外務省の特使を翡翠宮に幽閉した後、大帝門を閉じて物資や人の出入りを制限しているという。
第三偵察隊の時の鼎が見た感じだと、ゾルザルがそこまで一人でクーデターできる頭は持っていなさそうだから、誰かに入れ知恵された可能性がある。
まぁ、巨象と蟻くらいの戦力差(相手に栗林みたいなのが何人もいたら拙いが)があるから全然平気なのだが。
「今日中には日本からの追加装備が届く。足柄三尉は使い方を覚えておくように」
「あ、あの桧垣三佐……今日連れて来たハリョという異種族、アルヌスの傭兵団で雇ってもらえるようなら…」
カルドを傭兵団に紹介するのが彼との約束である。盗みや偽りがいけないことだと言ったのならば、鼎も自分が言ったことを通さなければならない。
だが桧垣は首を振って言う。
「丘の街の傭兵団だが、人員に空きがあるかは怪しいぞ」
佐官で街の人々と接する機会が尉官や曹官ほどないが、桧垣もアルヌスの街のことは気に掛けているらしい。これには鼎も困ってしまった。
* * * *
車両の泥を落とし、装備を武器庫に返納した鼎は任せられた隊の仕事を逐一こなしていく。
早くカルドと会って組合本部に掛け合い、傭兵の空き人員の様子を聞きたいところだが、再び仕事を放ることもできない。カルドに再び会えたのは昼を過ぎ、陽が西に傾いた課業終了後だ。
Tシャツとホットパンツ、そして何時ものウエストポーチという出で立ちの私服に着替えてから、急いで駐屯地を飛び出てアルヌスの街へ赴き、街の食堂に行くとカルドが佇んでいた。
「カルド! ごめん!」
鼎を見るとカルドは力なく笑い、片腕を軽く上げてみせる。しかし、その手はそれとなく力無いようにも見えた。
「カルド、これから組合本部に行って……」
「無駄だよ」
カルドは社会的常識がないながらも、見る人間に組合本部の場所を聞いていったという。そこで、鼎が桧垣に来たのより確定的な情報を聞いたようだ。
「カナエ、オレ……」
「大丈夫!!」
カルドの肩を抱き、特々と言い聞かせるように言う。
「私が雇うから。アルヌスはこれからも大きくなるだろうし、傭兵団に空きが出たら入れるように紹介するから!」
そして手を握り、食堂の店外に併設された座席に座らせた。
「奢ってやるよ。何でも言いな」
鼎は言うが、カルドは心此処に非ずといった風体で椅子に腰かけている。
「カナエは、何でオレにそこまで…………」
カルドの震える言葉は途中で途切れてしまったが、後は皆まで言わずとも判る。
「まぁ就職祝いだよ。何でも頼め」
この時より少し前から、鼎はカルドというハリョの少年に対して、少し歳の離れた弟のような印象を持ち始めたのかも知れない。
今更言うまでもなく、テュカ同様に遥かに年上かも知れないのだが、見た目には10歳以上年下の少年だ。
常識はないが素直である。付き合いは短いし、最初は敵として現れた彼だがダークエルフの精霊魔法によって彼の過去を知り同情することになってしまった。
早い話、彼を放っておくことは鼎には出来ないのである。
放っておけば、無知な彼はこの先の戦いの中で死ぬ可能性が高い。そうでなくても罪人として捕らえられ、刑死することもありえる。
「カルド」
「なんだ?」
運ばれて来たキノコのパエリアを掻き込むハリョの少年に、鼎は面白そうに声を掛けた。
「なんか私に頼みたいことある?」
「いや、もうこれ以上はないが」
「不安にさせちゃったお詫びだよ。何でもいいよ?」
「そうは言われても……」
木製のスプーンでパエリアを口に運んでいたカルドは暫し考えていたかと思うと、再びパエリアを1~2回口に運び、そして顔を伏せた。
心無し、笹穂耳と顔が赤い。実に解り易いヤツだ。
「よし、カルドの為に後でお姉さんが一肌脱いでやろう」
にしし…と、顔を赤くするカルドの横で鼎がほくそ笑む。
* * * *
アルヌスの街から離れた森の中、1つの光が漂う。
それは、カルドと違って夜目が効かないヒトである鼎が周囲と足元を照らす為に携行しているランタンの光だ。
そこに鼎が居て、近くにはPXでボロの革鎧から私服に一新したカルドが居る。鼎が初めてカルドに掛けた必要費用で買った衣服だ。
カルドに掛かった服は鼎が必要だと思って購入したが、最近になって避妊薬は経費で落とせる気がしてきた。
停職時に医師にかかり、大量の避妊薬を出してもらって貯金の一部を使った鼎であるが、考えてみれば未知の世界の資源調査をする女性自衛官に避妊薬は必要不可欠なのではなかろうか? 最近になってそう考えた鼎は、掛かった病院に当時の処方箋を出してもらえば経費として落とせるのではないかと考える。
「さぁ~てカルド、まず何がしたい?」
「カ、カナエの胸……」
「オーケー、じゃあ最初に服の上から触ってみよう」
「い、いやっ! 見るだけで良いから!?」
話は最後まで聞けというのが今の鼎だが、鼎は自分のペースを崩すつもりは無いようだ。半ば強引にカルドの手を取ると、自身の胸に押しつけた。
「ほらほら、ゆっくり優しく揉まないと女に嫌われちゃうからねぇ♪」
ニヤニヤと含み笑いを浮かべながら鼎は確信する。「これは童貞!!!」だと。先程までは女を抱いたことがあるかと聞こうかとも思ったが、聞くまでもない。
服のTシャツの上から形の良い巨乳を、慎重に…子供が初めての悪戯をするように丁寧に弄るカルドを見ていた鼎だが、堪らずに彼を抱き締める。
「カ、カナエ!?」
少しの間だが、共に生活することで見た目年下のケモ耳エルフの人となりを理解してきた鼎は、保護欲と供に持ち前のショタコン気質を発露させた。
初めて遭い、殴り倒したその瞬間から「この男を何しようと私の自由」という醜い意識が鼎の中には少なからず存在したのは確かだ。
もっとも、当のカルドにとってそれは救済という形になってはいる。
だがカルドは今まで剥き出しの暴力の中で生きてきた。優しく、丁寧に導かなくてはならない。
「フフ、ごめんね。ビックリした?」
彼の耳元で囁きながら、その下半身に手を伸ばす。
すると、服の上からカルドの雄の証が元気好く勃っているのが分かる。
「う~ん、折角買ったのに染みが浸くといけないから……」
白々しく言い、カルドにズボンを脱ぐように促した。
恥部分を露出することに抵感を持つカルドだが、「服が汚れる」というのは確かなことだ。それに深夜の森の前で誰かに見られることもない。
鼎にペースに従って脱ぐと、大きな逸物が露になった。太くて皮膚の中を通る血管が浮き出て、重力に逆らって地に平行して勃ち、先っぽは今にも天に反かえそうだ。
妖艶な笑みを浮かべる鼎が軽く扱くと、ビクビクしながらも出さないように我慢しているのが解る。
「カルドだけ恥ずかしい思いさせちゃいけないからねえ」
ウエストポーチを取ってパンティーごとホットパンツを脱ぐ。それから股の下をカルドの逸物が通るように立つと、Tシャツも脱いで一糸纏わない姿でカルドを軽く引き寄せた。大きな胸をカルドの胸板に押しつける。
「ダメだってカナエ、こんなことされたらオレっ!」
「だいじょーぶ、お姉さんに任せなさい」
カルドの後頭部に手を回すと、鼎は自身からも彼と顔を近づけた。
それから始められる口付け。カルドも何をされるのか解っていたようで、きつく口を結んでいたのが残念なところである。
「カ…カナエ、これなに!?」
口付けのことではなく、今の状況のことを聞いているのだろう。
「今夜だけ恋人同士……ね?」
言葉の意味を理解できないのか、ガルドはあっけに取られた様子。追加の説明が必要であると感じた鼎は「今だけ夫婦のようなもの」と加えた。
「そ、それなら、昨日みたいに逸物に着せる服つけなきゃ……っ」
カルドにも淫欲の火が付いたのか…口振りからは今一解らない。だが鼎は彼の勃起しきった逸物にコンドームを付ける。
「それじゃ交尾しようか」
「えっ、そこまでするつもりはっ!!?」
どうやらカルドはコンドームが何の為にあるのか理解していないらしい。
「いいじゃん。私がカルドを抱きたいんだよ」
「カナエが!?」
最初はカルドへの謝罪という意味で乳を揉ませ、裸体を見せ全身で抱擁した。最後までやり切らなければ気が済まないのだ
「イヤっ、ダメだよ! カナエが孕んだりしたら…!」
「大ジョーブだって! そのためのゴムでしょ?」
腰を揺すり、股で肉棒を扱く。
「ちゃ~んと私の
耳元で囁くように呟きかけながら、カルドの大腿を指でなぞる。
深夜の森を前にして、自身の逸物を露出した挙げ句、今夕から姉のように慕うことを半ば誓い始めた女に、一夜限りの夫婦と誘われたカルドは、能動的な行動は限られた。
前日の海ので見た、極めて露出度の高いカナエやダークエルフの女の装いに目が奪われたのは、健全な雄として認めざるを得ない。
だが、それ以上の欲は無かった。無いと思っていた。
だが昨日の自分の良かれと思っての行動がカナエに迷惑をかけ、彼女を肥満で動きが鈍くなった雄に抱かせる原因となってしまった。
本来なら自分の行動を省みて今後の生き方に生かすよう反省しなければならないのだが、期せずして見ることになってしまったカナエの裸体を抱きたいと思ってしまった。
トレドで捕まった時に殺されても文句は言えなかったのに、そんな女に連れられて碧海の浜で迷惑をかけ、その後アボルムでまた迷惑をかけてしまっても赦す女神のような女から、一夜限りの夫婦に誘われて嬉しくない訳がない。
だが、ハリョのカルドが他種族の女と交わると再びハリョが産まれてしまう。
「ほら、ちゃんと挿れてよ。ゴムしてるんだから赤ちゃんは出来ないよ」
ともかく、抱いてと鼎は言う。言いながら草原に寝そべり、愛液に濡れた秘所を二指で開いてカルドの逸物を誘う。
色々な心配材料が取り払われたカルドは仰向けの鼎に覆い被さるように抱き着いた。
「カルドのチンポはデカイから……そうそう、尿道じなくてちゃんと膣にね」
鼎が見た中でも大きな部類に入るカルドの肉棒は、複数の肉棒を通した膣肉を抉るようにしながら奥まで突き上げる。
「カナエっ! カナエぇっ……!」
最初は暫し制されたカルドだが、その後すぐに愛欲に任せた勢いで突き上げる。2人の接合部から愛液が飛び散り、鼎の喉からは昨日とは違う義理ではない喘ぎ声が漏れた。
「すっご カルド。もっと♪」
「カ、カナエ!!」
仰向けでカルドを抱く鼎は、男の限界が近いと見て両腕と両脚でがっしりとその身体を抱き締めた。
「カナエ! も…何か出る!」
「良いよ! 来て!」
鼎を抱いて痙攣してみせるカルドを見て、彼が射精してしまったことが解る。
暫しの余韻を感じた後で男根を抜き、膣から引っ張り出したゴムには濃い子種が溜まっていた。
「あっ!」
ゴムの先が破け、子種が漏れているのをカルドは見る。
「大丈夫大ジョーブ」
鼎は言いながら、子種が漏れるゴムを吊り上げて口に運ぶ。
ゴムから漏れる子種を飲み、体内に含む鼎を見てカルドは二度唖然とした。
「そ、それ。食べれるのか?」
「まぁ結構栄養満点だね」
「オレも食べてみて良いか?」
「不味いよ」
食精は諦めたカルドだが、その男根はまだまだ固く勃ったままだ。まだ抜き足りないようである。
「それじゃぁカルド、もっとしよう」
「えっ いや、もう逸物に着せる服が……」
「一回避妊に失敗しちゃったからさ、もうそのままで良いよ」
「オレの子供を孕んでしまうのか!?」
鼎の気軽さが信じられないとばかりに声を張り上げるカルドだが、当の鼎は言う。
「避妊を失敗した時に呑む薬があってだね……」
孕まないようにする薬があると言う。
「私が今までに言ったことで違ったことないでしょ?」
期間は短いものの、カルドが知る中で鼎が危機に陥ったのはカルドが関わったことだ。というか主犯がカルドである。そしてそのカルドに鼎は仕事を持って来た。
今まで会ったヒト種の中でも、鼎は特に信じて良い。
それに、カルドももっと鼎を抱き、抱かれて至高の時を経たい。
「そ、それじゃ……カナエっ!」
彼女の胸に抱き付くと、その乳房を揉みしだく。
「あぁ♪ もう、そんな乱暴にしちゃダメっ」
カルドは簡単に引っくり返され、いきり立った肉棒に鼎が腰を降ろす。
「今度は私にさせてね?」
「えっ えぇッ!?」
自分の肉棒の上で腰を上下させる鼎と、揺さぶられる彼女の乳房は圧巻だった。二つの大きな乳房が、彼女とは別の生き物のようにも見えてどことなく面白い。
「ん、なに笑ってんのさカルド」
「いや、ちょっと面白いことが……」
若干、気分を害したように見える鼎だが、騎乗位の彼女の両膝裏と尻を抱え、カルドが立ちあがる。
「えっ、カルドちょっと……!」
二人の接合部が一層密着し、カルドの肉棒はポルチオまで突き上げた。
「んんっ! もう、カルドったら♪」
抗議する鼎だが、その声色はそれとなく嬉しそうだ。
「カナエが望むなら、幾らでもオレの逸物汁を出してやるよ」
「フフ、カルドは意外と精剛なのかな?」
彼の首に腕を回し、鼎が旅の同行者に微笑む。
* * * *
鼎の胎内にカルドの精液がどれだけ出されたのか不明だが、一度は彼女の子宮内を満たしたカルドの子種が草原を汚し、それが乾いて透明な膜で固くなる。
その脇で、カルドは鼎の膝にもたれ掛けながら彼女の乳首を吸い、鼎は未だ勃つ彼の逸物を扱いていた。
「………カナエ」
不意に、カルドは肌を重ねて最愛のヒトとなった他種族の女の名を呼ぶ。
「なぁに?」
日本であれば丑三つ時と呼ばれる闇の中で、鼎は一晩限りの夫に応える。
「これから……“姉さん”って読んで良い?」
実の弟が居る鼎だが、肉親とセックスというのは余程欲求不満にならないと考えないし実行したこともない。だが、義理の弟とならセックスしても面白いかもしれない。
なにより、背徳的でより燃えそうだ。
「いいよ。じゃあカルドは弟だね」
「あ、あと、それと…………」
言い淀むカルドを見て、鼎は面白そうに内心にやつく。そして心の中で彼を応援した。
「あの、こういうこと……また…………」
期待してたことを言ってくれたなら、鼎もちゃんと応えなければならない。
「良いよ。その代り、資源調査の度の最中は良い子にして、お姉ちゃんの言うことをちゃんと聞くんだよ?」
そう言って、種族の違う弟の顔を乳首から自らの顔に寄せる。
そして交わされる接吻は、カルドにとってアルヌスのハリョとしての新たな門出だった。「このヒトを護る」というカルドの明確な誓いは、彼の人生の中でも初めてのことである。
鼎に特地のセックス用弟誕生です。
そろそろエロンダム進めます。