………………何故書くのにこうも時間が掛かるのか…。
今回、余り出来が良くないです。
――6月11日.訂正。
まだ手直し部分あるかも
覚醒した鼎が最初に気付いたのは、自身が全裸であることよりも以前にコダ村で飼われていたワラビーのような小動物がいることだ。
ワラビーめいた小動物の餌がなんであるか知らない鼎は、近くに村なり集落があるのではないかと考えた。
誰がが飼っている可能性を考えたのだ。山中で同種の生物を確認出来なかったから、当然可能性の高い話だと言える。
改めて全裸であることに気付いたのは、それからだ。
余りにも卑猥な夢を見てしまったので、ついつい寝ながら自分で脱いでしまったのかも知れない。
高三の時に一度やったから、今回もそれだろうと……と、鼎はアグーの努力の一部を台無しにする判断をしていた。
「……今度は現実でカルドに出して貰わないと」
義理の弟は、将来の鼎の子供の父親で決定してるようである。
アルヌスでは長命種とヒトや、それ以外の寿命を持った種族が協力して暮らし合っている。
そんな社会なら鼎とカルドが子供を作っても良い筈だ。
駐屯地に帰ったら特地残留に応募しないと。
四人のダークエルフ達とも暮らしたいが、彼らはアルヌスで稼いだ後にはシュワルツの森に帰ってしまう。だから、今から家族と呼べるのはカルドだけなのだ。
今一度、鼎は目の前の小動物の存在を考える。この世界には予想も出来ない生物がいるから、もしかしたら大型の猛禽類に捕食されかけたのかも知れない。
もしそうなら、何時までも全裸ではいられない。早くパンティとTシャツを着直して、ボディーアーマーや戦闘服を着直した。
ワラビーめいた小動物を愛でるのは、糧食を摂って何時でも戦闘態勢を取れるようになってからだ。
「どうしたのかね。君は?」
顎の下から撫でモフると、小動物は人懐っこいのか鼻を押し付けグイグイと頭と体そのものを押し付けて来た。
「こ、この子可愛いっ」
コダ村で飼われるワケである。連れて行きたいが、ペット同伴で任務続行というのは無理がある。鼎に出来ることと言えば飼ってくれ人を探すくらいだ。
* * * *
「酷いじゃないですか。置いてけぼりにするなんて」
ワラビーめいた小動物を愛でている時、鼎の前に出て来たのは顔中に包帯を巻いた男、ベリコ・サン・アグ―だ。
目呆けている鼎に顔面を強かに蹴られた結果、彼の鼻の骨は粉砕され前歯も抜けてしまっていた。
折れて抜けた歯は急いで拾ったが、この女に対する情欲を消すことはできない。もう単独で女をモノにするのは諦めたが、メンジスに潜む同業者と共同でも奴隷にしなければ気が済まなかった。
「え、だ……」
誰と聞こうと思った鼎だが、この異形っぽい風体に肥満体型から思い当たる節はある。
「ベリコ・サン・アグーですよ」
「あぁ、アグーさんですね」
彼が向かおうとしているメンジスがロマリア山地を経由するとは思わなかった。
フェンが……いや、班の全員が立ててしまったフラグを回収してしまった鼎である。
そんな鼎はであるが、彼女にとって好ましくない方向に努力を続け、結果歯が抜けて喋り難くなったアグーの努力を無意識に帳消しにしてしまっている。
「どうしたんですか、そのお怪我?」
鼎が蹴ったのだが、そんなこたぁ憶えちゃいねぇ鼎だし、憶えていられちゃ困るアグーだ。
「ここに来る途中に転倒しましてね」
「というか、シブチから良く来れましたね」
「馬以外にも移動手段はありますからな」
しくじった! 特地の足舐めていた! 鼎はこれ以上ない程に自身の想定の甘さを後悔したという。
「土エルフ達が見当たりませんな」
土エルフとは、ダークエルフの蔑称である。この言葉だけでアグーの他種種族、或はダークエルフに対するスタンスが理解できる。
「仲間は山中の別の場所で待機中ですが、連絡は可能です」
アグーの棘のある態度に棘と若干の牽制を加えると、アグーは何か理解したように口を開く。
「すると、貴方様は今は独りで行動中なのですね」
肯定するのも否定するのも癪だが、否定しても仕方ない肯定する。
「ならば、今の貴方は単独でロー河への抜け道を探しているということですな。そういうことでしたら案内しましょう」
「えっ、助かります。仲間と一緒にもう何日も彷徨っていましたので」
まさか、自分達が一刻も早く望む山地脱出方法を、生理的に嫌悪感から見てきた行動まで警戒すべき塊にたいな対象から出るとは思わなかった。
「いいえ、ただ山が私の知る地形と変わっている可能性もありますから、お仲間に知らせるのは抜け道を見つけた後が良いでしょう」
実際のところ、この男と二人で行動するのは避けたい鼎だが、仲間の労力を考えればアグーのいうことにも理はある。仕方ないので、鼎は荷物を纏めてモタードに積むと、ワラビーめいた小動物の行方を気にし出した。
「あの穴犬は行商の荷車から落ちたのかも知れませんな」
「穴犬というのですか? はやり愛玩動物として飼われるのでしょうか?」
「いえ、アレは主に食肉用ですよ」
「!!」
コダ村住民が炎龍から避難するとき、村から脱出する時に姿を確認した穴犬だったが、アルヌス南の森では確認出来てない。
他の街へ避難していったコダ村住民の所有物でなかったとすると、炎龍から避難する途中で喰われた可能性がある。
飼い主は、アルヌスに避難してきた年少の少女だった筈だ。
「まぁ食文化って他人に文句言って欲しくないし、そういうこともあるでしょ」
ショッキングだが、日本人としちゃまぁ解る話だ。
モタードを起こして出発の支度をすると、予想通りアグーが「それは何かと」聞いてきた。
「足になる魔法具ですよ」
日本なら二輪車は大抵多くの大人が乗れるが、魔法は素養がないと使えない。
アグーには、バイクが誰にでも使える道具だと思われては困るのである。
ロマリア山地の悪路で、しかも警戒している豚似のヒト至上主義者の男とミニバイクの2人乗りは躊躇われたが、アグーが持ち運ぶ荷物はやたらと多くて移動にも時間が掛かる。
アグー曰く、鼎まで追い付けたのはこの世の乗用動物を使用したからのようだが、それがどういった物なのか気になる。
方法を明らかにしないということは、こちらを信用してないからなのだが、それはシブチに置いて行くという信用していない態度を鼎から見せたから当然だ。
お互い隠し合い、牽制し合うのも当然である。しかし鼎が改めてアグーを信用できなと感じたのは、彼の移動速度が遅いことから2人乗りを提案した時、腰に掴まれと言ったのに関わらず、堂々と背後から乳揉みしたことだ。
「おい、そこは腰じゃねぇだろ!」
鼎が本気で怒ったにも関わらず、アグーは「おや?」と恍けた言葉を抜かす。
ボディーアーマーをしているから胸は真っ平だが、状況ゆえに仕方なく2ケツすることとなった警戒心と嫌悪感を抱いている男に性的なことをさせるのは赦さないのである。
* * * *
嫌悪感を示しつつも、案内を必要とする鼎に密かにほくそ笑むアグーが誘導する先、ロマリア山地の中に集落がある。
ロボラという名の村落で、元々はイタリカやその他の街から運ばれる荷物を一時的に集め、他の山地外の都市へと運ぶ為にイタリカの人間が創ったハブ集積地だ。
ヒトを含む人間が住むようになってから3~4世代分の歴史を持つが、若き日のコルト・フォルマル伯は一時期この地に居たことがある。
今にして思えば、それは彼の哲学……いわば統治のありようを決定着けるものであった。
現在、山地を行く旅人の宿場町としての性格が強いロボラは、ハイウッド町長の指導の下、先住の亜人と共にヒト種が町を支え、小さいながらも活力に溢れている町だ。
山の中という過酷な状況下にありながら、亜人を含む人々の生活に貧困の色は見られない。また、それだけ町の指導者の判断力が優れていたとも言えるが、それだけではない。
宿場町であるから宿舎併設の売春宿目当てに来る客も多いのだ。
町の成立当初からヒト種と亜人が共に住み、違う種族との混血も起こり易い状態にあった。
早い話が、この世界で言う所のハリョだが、平均寿命が同じような者同士だから余計ないざこざが起きにくいというのも大きい。それでいて、太古には住んでた世界が違うくらい異なる者同士だから、混血児特有の美男美女ということが少なくない。
特地の価値観では受け入れられない者が多いのだが、ロボラという町では特別視されず、“混血”が普通のこととなっいるのだ。
この日、ロボラの中で敷地内に比較的大きな放れを持つ屋敷に、一人の少年が帰って来ていた。
黒髪にブラウンの瞳の彼は、一見するとこの世界のヒト種に見える。だが頭の横に突き出た穂長耳は、確実にヒト以外の種族の血を感じさせた。
「おかえり、アスト」
屋敷の者で最初に彼に気付いたのは、単眼で巨人種の男だ。怪異と見紛うばかりの外見だが、アスト・ラ・ヴィレリと同じように、先代のハイウッド町長の時代から屋敷で世話になり、そのまま奉公人として勤めてきた。
今のロボラでは珍しい純血だが、山地で転落死した親に泣き付いているのをハイウッドの家人に引き放されて連れて来られたのだ。
「ただいま。グルト、また大きくなった?」
ヒトの年齢に換算するとアストは実年齢より幼く見えるのだが、グルトはアストより歳が低いにも関わらず巨大だった。
離れに荷物を置いたアストは休むこともなく、荷物の中から出した修士号の認定書を持って育ての親の1人がいる屋敷に向かう。
「アスト・ラ・ヴィレリ。只今戻りました」
屋敷の中からアストを迎えたのは獣人の血が入ったヒト種に見える中年男性で、彼に促されるように入った屋敷の中には高年齢の女性が待って居た。
「おかえり、アスト」
アストは2~3、言葉を交わしてから修士号の認定書を見せる。女性は満足そうに目を細めると、認定書を返しながら言う。
「ベルナーゴで大旦那様と母親には知らせたかい?」
「いえ、僕1人で本殿に入るには、こちらの分社で紹介所を出してもらわなければならなかったのです」
「おや、じゃあ疲れているだろうけど、今度行く為に少し行っておいで」
言われて、彼は町の西部にあるハーディを祀る神殿に向かった。
* * * *
鼎はアグーとの2人乗りで山地を進んでいたが、遅々として進まなかった。
理由は幾つかある。いつもなら64式小銃を背負うようにしてバイクを運転するのだが、何をしでかすか分からない素人との間に小銃を挟む訳にもいかない。
腹の前で横にして携行するという、慣れない姿勢を取り続けたのもある。
更には、マッピングが必要なことと、そして最後にアグーの案内がどう考えても同じ場所を何度も通ってるからである。
「アグーさん。ここ前も通った」
「え、そうでしたか?」
既に陽が陰り、山地も地形によっては闇に包まれた部分もある。
昼の糧食を余計に消費するのは必要経費としても、この男と一夜を共にするのは勘弁願いたい。
そもそも特地で鼎らのような、普通科隊員に支給された個人用暗視装置 JGVS-V8は1セット当り70万円と個人装備としては高価だが、単眼式で遠近感が掴めないので車両の運転には不向きである。
闇が来る前に解決策を考えるか、この男をどうにかしなくてはならない。山地から抜ける方法を知っているというアグーに任せてここまで来たが、どう考えても入り組んだ地形の中で同じ所を走っている。暗くはなって来ているが、モタードが走った
そう考えて何度目かになる大岩を改めて見る。その隅の方にバイクのままでは無理だが鼎1人くらいなら抜けれるんじゃないかという隙間があった。
もうアグーの言うことを聞いていても仕方ない。鼎は低速で走るバイクを完全に止め、エンジンを止めた。
「どうしたんです?」
同行者の質問に「気になることが」とだけ伝え、V8を鉄帽に着けてると大岩に近付く。
隙間に潜る時にV8は外すことになるだろうが、向こう側まで空いてないと岩の隙間に潜る意味がない。それを確かめるために装備を付けたが、大岩に近付く鼎を見てアグーが慌てた。
「そんなとこ、通れる訳ない!」
「ここまで迷ったならモノは試しです」
すると、言い切った鼎を速足で追い越し、アグーが豚鼻を大岩の隙間に擦りつけるよう塞いだ。
「ちょっと、そこどいて下さいよ」
「いえ、貴女がわざわざ手を煩わせずとも……」
通るのだからどいて欲しいが、アグーの身体は見る見るうちに大岩の隙間に潜り込んでいく。抜け出せなくなったら引っ張り出すのは鼎がやらなくてはならないが、いっそそのままにして別の道を探しにいってしまおうかという凶悪且つ薄情なことを考えてしまった。
だがその心配には及ばず、否定的なことを言っていたアグーは向うに抜け出れたようだ。
V8で見ようが、ライトで照らして見ても隙間の中に蠢くアグーらしきものを確認することは出来ない。
「あれ、アグーさん?」
声を掛けてみても返答はない。このまま待っていても仕方ない。岩と岩の間を出た直後に何が起きても良いように64携行した上で、鉄帽からV8を外してから鼎も岩の間に身体を滑り込ませた。
岩の間は想像していた通りに狭くきつい。胸が押し込まれるようなボディーアーマー着用でなくても一苦労していただろうし、V8を外して無ければ高級装備はお釈迦になっていた。
ようやく岩の間を這い出て、鼎がそこで見たのは左右を岩場に囲まれ、遠くに幾つかの灯りが見える山道だった。
エロンダム進めたいけど好い加減魔導の3部終わらせねば……。
飢狼の今後はヒロインをビッチ堕ちさせるか否か……。まぁエロ小説なので丁度良さそうな按配で。