魔導の方、シリアス回なのにシリアスさんが中々起きてくれません。
そのくせ呼んでもいないのにギャグさんがちょくちょく顔を出して中々進まないのです。
これは……ズフムートの呪い?
それはそうと、今回もエロ無いです。ほんの1ミクロンだけカトー老師がセクシャル?かも。
「そーらが蒼いねぇ。さーすが異世界」
高機動車の助手席で、そんなことを大仰そうに言ったのは伊丹だ。
七三式小型トラックを先頭に、軽装甲機動車との間にに挟まれて特地の道を進む高機動車の車内には伊丹とドライバーの倉田、そして先任曹長の桑原、そして足柄が乗っている。
他の隊員は先の通りに七三式小型トラックと軽装甲機動車に分乗している。高機動車にちょっと乗り過ぎなんじゃないかと思うが、誰かが編成をミスったので仕方ない。
「こんな風景、島根にだってありま……」
せんでした。蒼い空は冬場の高気圧に包まれた時に見られそうだが、地平が見える平原というが無い。そもそも人口が少ない割に風景を損なう電柱は多い。そして山ばかりである。
「北海道だったらありますよ」
言ったのは倉田だ。彼は北海道の名寄駐屯地からきた21歳の三等陸曹である。確かに北海道なら面積の割に人口も電柱も少ないだろうし、結構ありそう。鼎がそう思っている時だ。
「伊丹二尉、意見具申します」
口を開いたのは桑原った。
「森の手前で停止しましょう。そこで野営です」
その意見には伊丹も賛成のようだ。気付けば陽は暮れて西の空が朱く染まっている。
「あれー?伊丹二尉。一気に乗り込まないんすか?」
一般陸曹候補学生過程を修了したばかりの21歳は青いな。鼎は言葉にせずとも心の中で言う。
「今、森に入ったら夜になっちゃうでしょ?どんな動物がいるかもわからない森の中で、一夜を明かすなんてご免被ります。それに、情報通りに村があるとしたら、そこに住んでる人を脅かすことになるでしょ?俺たち国民に愛される自衛隊だよ。そんな威圧するようなこと出来ますかってーの」
この偵察の目的は現地住民と交流し、民情を調査することにある。
実際に先程、立ち寄り情報を収集した村々では「戦争なんざ勝手に領主や貴族がやることで、オレたちゃ知らん」という態度であった。
そうと解れば村の子供達も純粋に可愛く見えてくるというもの。28歳で未だ若い部類とはいえ年齢もあるし、鼎は早く子供が欲しいと考えている。
祭りの時、射的なんかの出店で景品を撃ち落として「母ちゃんスゲー」と子供に言われるのが現在の夢だ。
しかし、鼎が長々と同じ駐屯地にいた事で島根、延いては出雲は893跨ぎと呼ばれるようになった。
この駐屯地の任期どうなってんの!? と言うくらい長い間、鼎は出雲駐屯地に在籍し続けているのである。ここまで長いと教育長辺りが、ハズレばかりのクジを引いたり、やけに出雲のスペースが大きい的のダーツを投げて決めてるんじゃァないかと思ってしまう。
鼎は疫病神という神が、背中にしがみ付いている錯覚を感じてしまった。
* * * * * *
ともかく、そうして来た森に面する崖の上。
既に陽は落ちて周囲は暗くなっているハズなのだが、この場所だけは明るい。
大自然の驚異か誰かの失火か、森が轟轟と燃えていたのである。
「というより怪獣映画だろ」
桑原はそう言って伊丹に双眼鏡を渡した。そして正面からやや右に向かったところを指さす。
鼎は両目の視力共に2.1以上あるから双眼鏡なしでも見えるのだが、そこにはティラノサウルスにコウモリの羽を付けたような、いわゆるドラゴンが炎を吐いて地を燃やしていたのである。
島根に建物が無いとか、人家が無いから視力が良いとか言ってはいけない。10月には日本中の神様が集まる県である。
ドラゴンは馬鹿みたいに同じ地点ばかりを焼いているから固定目標に等しいが、実質、移動目標である。特地派遣隊が保有するLAMはDynarangeと呼ばれるコンピューター照準器を持たない。
何れにしても射程から遠く離れているので、この場で討伐することは不可能だ。
もっとも、届いたところで未だ多くの事が未知の異世界である。昔から度々来日してきた怪獣王のような存在なら、第三偵察隊が全滅してしまうので、今の状況で手は出せない。
三偵が森に入れたのは翌朝だった。
夜半から雨が降りだしたお陰で火災が下火となったことによって、ようやく森に入れたのである。
木の葉はどこまでも焼け落ち、森はすっかり見通しが良くなっていた。
泥となった地面は未だ熱を持ち、半長靴の中がじんわり温かい。
立ち木の無い開豁地に出るまで二時間程要したが、そこには人家が有ったと思われる石造りの基礎部の数々、そしてその間には焦げた仏像らしきものが転がっている。
森が焼けてなければ半日はかかったであろう道のりを二時間で来たが、それが森の集落に住んでいた者ものたちの姿だと気付くと、一気に徒労感を感じる。
ここまで激しく焼かれた遺体を見る機会は、今の日本の自衛官には滅多に無い。この光景への耐性があるのは警察である。
「うへぇ、吐きそう」
同じようなことを呟く隊員と共に、鼎も胃液がせり上がって行く感覚を憶える。
小一時間ほど掛けて生存者を探したが、集落に生存者を見つける事は出来なかった。
確認できた遺体は30にも満たないが、焼け落ちた中小の小屋が29軒、大型の小屋が3軒と、どう考えても数が合わないことから、残りの遺体は焼け落ちた小屋の下敷きになったものだと推察された。
「あのクソ蜥蜴、戯れに火ぃ吹くだけか」
とは鼎も感じ疑問に感じるところだが、そんなことを考えてる場合では無かった。伊丹と栗林が生存者を見つけたのである。
* * * * * *
井戸の中から伊丹に背負われて救出された少女は、笹穂耳を持つ見るからにエルフの少女だった。
見た目16歳くらいの少女は、ただちに濡れた服を脱がせられてブランケットシートで包んだりと手当を受けている。
この美少女エルフを見るに、三偵の面々は遂に異世界に来たことを実感してしまう。
鼎なんかは以前に成人向けイラスト投稿サイトで見た美ショタエルフなんかを期待してしまった。
特にショタコンの「ケ」は無い鼎だが、女性の乳房を吸うショタエルフに思わず母性が疼いてしまったのである。
「さぁ?どうでしょうか?二尉が、特殊な趣味をお持ちだからとか、あの娘がエルフだからとか、色々と理由を申し上げては失礼になるかと存じます」
伊丹と黒川が今後に執るべく方策を話し合っていたらしい。そこで伊丹がエルフの娘のお持ち帰りを提案したのだろう。
命の危機を脱した娘だが、この場に放置していくのも余りにも不人情だ。それに昨夜見たドラゴンが何時また襲って来るか解らない。
黒川も中々良い感じに猫被ってんな、と思いつつ、鼎たち第三偵察隊も来た道をアルヌスに引き返して行った。
本来なら、あと2~3ヶ所の集落巡りをする予定だったが、保護したエルフの娘を連れ回すわけにも行かない。そのため伊丹はアンテナを立てて本部にお伺いを立てたのである。
「ま、いいでしょ。早く帰って来いや」
といったようなことを聞いた伊丹は、車両を誘導する先任曹長の桑原に頼み、さっさと高機動車の助手席に乗り込んだ。ドライバーは昨日と同じ倉田だ。
同じ車に気を失っているエルフの娘と、それを診るために黒川が乗り込むと高機動車には人員を受け入れるスペースは少なくなった。黒川に替わった鼎は73式小型トラックに乗り込む事になる。ドライバーが古田で、栗林と同じ車両だ。
第三偵察隊の車列は、来た道を来た時よりも速いスピードで戻っていったのである。
* * * * * *
第三偵察隊が再び来たのはコダ村だった。
伊丹は、濃厚とは言えないものの森の集落との付き合いがあったらしいこの村に、エルフの娘の保護を頼みに来たのだ。
考えてみれば当然の事で、未だにこの地の習慣や習俗は手探り状態である。
そんな状態でエルフの娘を駐屯地まで無断で連れ帰ろうものなら、例えこちらが親切心でしていても拉致とか強制連行とか言われ兼ねない。
鼎には、この辺りの思考が抜けていた。
ドラゴンに集落が襲われているイラストと、たどたどしい特地語で説明する伊丹に村長は「炎龍」というドラゴンの呼び名を挙げた。
赤くて羽があって火炎を吐くドラゴンが、人家や森を燃やしているイラストを短時間で描くとは、二重橋の英雄と言われるだけに様々なスキルを持っているものだと思う。似顔絵捜査官も顔負けであろう。
もっとも、この世界に「炎龍」という存在が、似顔絵捜査で探さないほど沢山いたら大変なのだが……。
炎龍出現の一報を聞いて、コダ村含む周辺の村々は俄かに騒がしくなった。村人たちは運べるだけ、詰めるだけの荷物を荷馬車に詰め込んで、村を捨てるらしい。
村長が言うには、一度エルフやヒトの味を憶えた炎龍は再び襲ってくるらしい。ヒグマか何かかみたいだが、あのデカイ龍は戯れのように空から炎を吐いて森を焼き続けていた。
もはや、一見して害獣として認定すべき存在である。
村から避難しようとする人々の荷馬車は、鼎が考えていたよりも多く騒がしい。人口の年齢層が若いから無理もないのだが、この喧騒は生まれ育った島根の村落より人口が多いように感じる。
その車列の進みが滞っているのは、荷が崩れたような音がしたから車列の途中で事故かなにかがあったらしい。車列の後方付近で、手製の特地語辞典を片手にカタコトで別の村人と話していた鼎だが、その村人には身振り手振りで待って貰ってすぐさま音のした方向に向かう。
事故を起こした馬車は、車軸が折れて横転していた。驚いた馬が暴れ回って荷物が撒き散らかされている。そして倒れている男性と、母と10歳くらいの少女がいた。
誰も近づけないのは、倒れた馬が起き上がろうと四肢を振り回しているからだ。鼎のスコープが付いて狙撃使用にした64式小銃で制圧すれば早いが、生き物の命を奪うことを逡巡してしまった。
だが、車列後方から走って来てそこに来た者がいる。
貫頭衣を纏ったプラチナブロンドのショートカットの少女だった。杖を持っている所を見ると、この世界に存在するという魔法使いを思わせる。魔法少女か?
そこに、コダ村の村長が来た。桑原も一緒だ。
村長は特地語で魔法少女に何か話している。否、何かを聞いているのかも知れないが、未だに特地語を解さない鼎には解らない。
そこに黒川が来て、倒れている少女の様子を見ている。どうやら二人の大人は看護師資格がある黒川が見ただけで、軽い負傷と判断できたらしい。問題は10歳くらいの少女だ。頭を打ったようで顔や手足から血の気が失せている。その上、栓を開けたように引っ切りなしに汗をかいているのだ。
その時、 バン バン バン と銃声が聞こえた。ドウっと音を立てて地に斃れる馬。どうやら馬が起き上がり、また暴れようとしたところを桑原が射殺したらしい。少し間違えれば、プラチナブロンドの少女の上に体重の十倍はあろうかという馬が倒れ込んでいたことになる。
鼎自身の覚悟の無さを、痛感させられた出来事だった。
アルヌスの駐屯地に戻ったら始末書を書かねばならないだろう。
* * * * * *
しかし第三偵察隊員の鼎には、始末書の心配をしている暇は無かった。
村人の避難を手伝わなければならなかったからだ。
疲労。飢えと渇きが人々の精神を蝕み、絶望と悲壮が人々を支配した。悲鳴にも似た赤子の鳴き声に、苛立つ大人たち。
落伍した者の父親が、赤子だけはと道行く人々に捧げるが皆が自分たちで精一杯だ。
以前に降った雨で出来た泥濘に車輪を取られる。キャラバンからの落伍は死に等しい。乏しい食料に水。賊や肉食性の動物の襲撃もある。在郷の貴族や領主は自ら進んで領民を護ることはしないが、牧童が羊を見張る程度には守ることもある。それが一晩で全て消えてしまったのは盗賊にも村人にも大きい。
特地にも信仰の対象は存在したが、こちらでもそれは日本と大差ない。見ているだけの存在だ。自然の摂理に従い神は命ずる、死ねと。
だから人を救うのは人だった。
動けなくなった馬車を、緑の服を着た者達が押す。
脱輪しただけなら救いようがあると彼等は言う。
「それっ! 押すぞ!!」
「力の限り押せー! 根性を見せて見ろっ!!」
号令に全員が力を込め、馬車が救い出されると三偵は礼も受け取らず、笑顔を見せて車両へと戻って行く。
災害出動というのは、自衛隊本来の任務ではないものの、鼎は嫌いではない。避難民からの感謝や、温かみのある労いの言葉は他の仕事をしていたら得難いものである。
また、自身では余り意識していなかったが、子供が可愛いというのもあった。歳のせいなのか、そろそろ本気で子供が欲しい。要は結婚したいのである。
野営の時、馬車が壊れて歩き疲れ、精神的余裕が無い両親に代わって疲れた子供の頭を膝に乗せ撫でている。チクりと胎内の迫るものは、自身の母性故であろうか、単に結婚したいだけなのかは不明である。
* * * * * *
村人のキャラバンを引き連れ、三日が経った時である。
太陽が中天に来る前に、それは起きた。先頭の高機動車に乗る伊丹が、少し先の道にこの場には不似合いな少女の姿を見たのである。
実際、最初に前方を飛び交うカラスを見つけたのは倉田だったが、そのカラスが止っているいる得物の持ち主を見て少女を見つけたのだ。
彼女の服装は特融だった。池袋や渋谷で見られるような、所謂フリルの付いたゴシックロリータ服である。それだから、最初は誰もが銀座事件で拉致された子だと想像した。長物のハルバードらしき武器を持っているのは、盗賊や肉食動物が徘徊する特地である。持っていて不思議は無い。
時計の秒針が暫し進むと、勝本や東が徒歩で話し掛けに行く。
その様子は、第三偵察隊の誰もが家出少女に職務質問する新人警察官のようだと思ったろう。そしてそれを無視する家出少女といった感じだろうか。
実際、家出少女のように話し掛けにいった二人の自衛官には反応を示さない。近付く高機動車に少女からも近付いていって、特地の言葉を喋ったからこちらの人間と解る。
だが少女に話し掛けられた伊丹や倉田は、辞書を見ながらでないと意識の疎通は難しい。当然、訪れる沈黙の時間。
それを破ったのは、高機動車の後部に乗せられていたコダ村の子供達だ。
一斉にバックドアから飛び出して少女に駆け寄ったのだ。年寄りが祈りを捧げてるところを見ると、特地の宗教関係者らしい。
彼女は馬が牽かないのに動く荷車が、どうやって動いているのか興味を持ったらしい。
コダ村の住民と同じであった。特に魔法使いらしき師弟には野営の時に良く聞かれた。もっとも、弟子の方は純粋な興味からだろうが、師匠の爺さんの方は足柄等の女体に興味があったようであるが。
さておき、少女である。
高機動車の運転席や助手席のドアが開けっ放されているのが災いしたのだろう。ずずい、と乗り込んで来た、ハルバードを持って。
その後に起こった低級な争いは、鼎が乗っている73式小型トラックからはよく解らないし、敢えて記述することは控える。
知りたい人は漫画か書籍を購入して読んで欲しい。
* * * * * *
コダ村を出てから随分経った気がするが、実際は五日も経っていない。
疲れで歩けなくなり、73式小型トラックに同乗している老婆が言うには、ロチの丘という場所まで来たのだという。
照りつく太陽は日本のそれより強く感じる。大陸か島かは知らないが、鼎達のいる場所が低緯度にあるのか、それとも気象的な条件なのか、徒歩で進む避難民達は、さぞ大変だろう。
そんな微睡みにも似た事をを考えてると、それは起きた。
「戦闘準備!!」
伊丹が発した号令が、隊全体を引き締める。
見ると、キャラバン後方が赤い龍によって襲われている。踵を返すように方向転換する高機動車。それに追従するように、軽装甲機動車も鼎が乗る73式小型トラックも龍に向かって行く。
少しでも龍の気を逸らせれば、それだけ多くの村人の命が助かるかも知れない。そんなことを考えてか(或は反射的にか)龍の顔を目標に64式を撃つ。
「やいコラッ!クソトカゲ死ねッ!」
高速で走る車両から、龍ね右目に向けて鼎はスコープを付けて狙撃用にした小銃の小気味よい反動を受けながらだ、
「眼ン球撃て眼だ!仁科!デカいのと当たった時ゃ毒手が常道だろが!」
車両内に聞こえる声で言う。
仁科に言ったのは、この場の中で自身の次に高い階級だから、それが言う事を聞けば自動的に栗林も従うと判断したからだ。
「し、知らないっすよ!?」
そんな言葉が反ってきたのは鼎にとって良いことか悪いことか……まぁ多分良くない。被っていた猫を地面に叩き付けた状態が続行するのだから。
「えぇい!いいから撃てゴラァッ!」
7、62ミリ弾を炎龍の右目にシューッ!超・エキサイティング!(必死という意味で)
その時、高機動車や軽装甲機動車からの銃撃が炎龍の頭部、そして眼に集中する。
別に鼎の意思が三偵全体に伝播したのではない。伊丹の命令だ。そして伊丹はエルフの少女からの示唆を受けたのである。
完全な目暗にしてやるぞ このデカくて火ィ吐いて飛ぶだけのトカゲ野郎がッ! という、指揮に関係ない悪口は黙っておいて、ドラゴンの右目を狙い撃ち続ける。左目には矢が突き立てられていて既に潰れている。何時の時代の物かは解らぬが、エルフの中に一矢報いた者がいたのかも知れない。
三偵の集中射撃を目やその周りに受けた龍は明らかに嫌がり、身を捩じらせる。そこに伊丹からの指示が走り、軽装甲機動車の上部ハッチからM2重機関銃を撃っていた笹川と代わり110mm個人携帯対戦車弾、通称LAMを担いだ勝本が上体を現せた。
そこだ! いけ! 殺っちまえ! 心の中で叫ぶ鼎を余所に、勝本は「後方への安全確認」なぞと呟いて実行している。自衛隊なら仕方ないかなぁ……と思いつつも、ガクビキで発射した時は「バッ勝本 どこ撃ってんだ!!?」と叫んでしまった鼎である。
「こりゃぁ当たらねぇ~っ。二本目! 二本目用意しろ!」と口走る鼎だが、現時点で一つの偵察隊が携行するLAMは一本である。鼎としては、害獣の頭を粉砕するまでLAMを撃ちたいのである。
姿勢を崩していた炎龍は翼を広げて安定を図り、迫ってくる弾頭“なんだか良く解らないもの”を避けようと跳んだ。
が、そこで足を
外れた筈の弾頭がドラゴンへ一直線に吸い込まれるよう向かって行く。
ノイマン効果によって発生したメタルジェットは、強固な龍の鱗をも貫いた。ユゴニオ弾性限界を超えたライナーによって浸食され、穴が穿たれる。
人間で言えば左肩に相当する部分が、左腕ごとごっそりと抉り取られていた。
空気を震わせる咆哮という名の絶叫。
龍の咆哮を聞いた者は魂を凍らせる。そこに一瞬の隙が生まれてしまった。
空に舞うドラゴン。
「逃げんなコラ!クソ!」
鼎が荒ぶるが、炎龍に効果的な装備はすでに無い。
左腕を肩ごと奪ったが、村人の犠牲者は多数。鼎からして見れば、特地最初の戦闘はこちら側の負けである。
鼎は誓う。
次に地元民が「炎龍」と恐れる龍と会った時、その時こそ炎龍をブチ殺すのだと。
ちなみにこの小説の世界設定は、魔導と大体同じです。
ですからオリキャラ同士の会話とか、あるかも? まぁ余り盛らない予定ですが。