薄暗い廊下を歩き、目的地へ向かう。ソロモンは一つのドアの前に立つとニヤリと笑った後でそれを開けた。
「くっ……うぅ……」
「はっ、くっ……」
部屋の中には二人の女性が居た。同じ顔、同じ体つきをした二人の女性の違いと言えば、その髪だろう。片方は鮮やかな金色、もう片方は銀の髪をしている。
何も身に纏っていない彼女たちは、美しい裸体を曝け出していた。女性としても魅力に富んだ胸も形の整ったヒップもだ。まるで芸術品の様な彼女たちの姿、しかし、それにまとわりつく様にしておぞましい怪物が二人を拘束している。
それはヒトデの様な化け物『海魔』であった。しかし、普通のものは少し違う様だ。大人の男よりも一回り程大きいその海魔たちに両手両足を拘束された女性たちの膣とアナルには、太い触手が挿入されていた。
「ご機嫌いかがかな、ジャンヌダルクたちよ」
「ぐっ……! ソロ、モンっ!」
名を呼ばれた女性たちは鋭い目つきでソロモンを睨む。怨嗟と憎しみの籠った目つきを受けながらも、ソロモンは愉快そうに笑いながら彼女たちへと近づくだけだ。
「特別製の海魔は気に入った様だな。触手をしっかりと咥えこんで離さないと見える」
「こんなおぞましい物、気持ち悪いだけよ!」
荒い息を吐きながら抵抗を見せるのは銀髪の女性、『ジャンヌ・ダルク・オルタナティブ』だ。オリジナルのジャンヌの暗黒面を象徴する彼女は強い憎しみを持ってソロモンを睨む。
だが、ソロモンはその抵抗すらも楽しみとしか受け取らなかった。おもむろに腕を伸ばすと、ジャンヌオルタの豊かな胸を強く掴む。
「ひあっ♡」
「ククク……それにしては良い声が出るでは無いか、躰は淫らに改造されてしまった様だな? ええ?」
「ぐっ、うぅ……!」
オルタの胸の柔らかさと悔しそうな表情を楽しむ様にしてソロモンは話を続ける。ニヤニヤと笑いながら拘束されて動けない二人に対して彼女たちの絶望的な状況を教えていった。
「既に己の体で理解していると思うが……その海魔の体液は強力な媚薬となっている。すでにお前たちは一週間もの間この海魔に拘束され、体液を注ぎ続けられているんだ、躰が熱くて堪らないだろう?」
「膣および直腸内への触手性交と媚薬注入、至近距離で海魔の吐く息を吸い込み続けた事による気管からの媚薬吸引、極めつけは血管内への媚薬注射……お前たちの躰は、触れられるだけで絶頂してしまう様になっているのさ!」
「んあぁっ♡」
ぐりっ、と乳首を抓り上げられたジャンヌオルタは嬌声を上げて仰け反った。触手を挿れられている膣はきつく締まり、ぼたぼたと愛液も噴き出してきている。
ソロモンの言う通り淫らに開発されてしまった躰を恨みながら、ジャンヌオルタは良い様に弄ばれてしまっていた。
「くっ……ソロモン、貴方はなんの目的で私たちにこんな真似を……?」
「何故かだと? そんなもの決まっているであろう、お前たちを堕とすためさ!」
「くひゃぁぁぁっ♡♡♡」
先ほどよりも強く乳首を抓られたジャンヌオルタは大声を出して仰け反った。すでに絶頂していてもおかしくない程の快感を与えられていると言うのに、彼女の躰から熱が引く事は無い。それは、ソロモンから二人にかけられた呪いが関係していた。
「お前たちには我が奴隷となってもらう。この私に忠誠を誓い、従順に雌穴を差し出す性奴隷にな……! 先日お前たちにかけた呪いは、その為に必要なものさ」
「……『イけなくなる』なんてアンタにお似合いの悪趣味な呪いじゃない。くだらない事に魔術を使うのがお好きなようね、魔術王さん」
「強がるではないか竜の魔女よ。しかし、その反抗的な態度も今日までだ。宣言しよう、今日、お前たちは堕ちる。自らこの私に忠誠を誓い、今までの生を投げ捨てるのさ!」
「だれが、そんなことを……!」
「くはは! そう睨むな聖女よ。お前たちにとっても悪い話じゃないさ、何しろ想像もつかない快感を永遠に得続けられるのだからな!」
そう言って大声で笑うソロモンを二人のジャンヌは睨み続けている。しかし、その瞳には一抹の不安も感じられた。
この責めを受け始めて二日目、淫らな開発が終わったジャンヌの躰を海魔たちは徹底的に責めた。両穴を抉られ、奥の奥まで媚薬入りの体液を注がれ、触手による責めで全身を嬲られた。その時、ジャンヌたちは気が狂う寸前まで追いつめられたのだ。
快感に流され心が砕ける寸前にやって来たソロモンによって絶頂が不可能になる呪いを受けた事で精神の崩壊は防ぐ事は出来たが、今の自分たちの躰はその時よりも媚薬を注がれて敏感に改造されてしまっている。もし、呪いを解除された後で前の様な責めをされたら、耐えられる自信は無かった。
「さぁ、始めさせて貰おうか……まずは、もう一つ仕掛けを施すとしよう」
ひとしきり笑った後でジャンヌたちに向き直ったソロモンは、二人に向けて魔力を放出した。体を包む奇妙な感覚に冷や汗を流しながらも強い意志を持ってソロモンを睨んでいた。
「私たちに何をした!?」
「なに、簡単な魔術だよ。こうしてやると……」
「んひっ♡」
ソロモンは再びジャンヌオルタの乳首を抓り上げる。痛みを伴う快感に喘いだ彼女だったが、特に体に変化は感じられない。一体何をされたのかと疑問に思っていると……
「ひいっ♡」
「え……?」
自分の隣で拘束されているジャンヌが驚きと快感の入り混じった声を上げた事に怪訝に視線を向ける。ソロモンに触れられていないはずの彼女は何故あのような声を上げたのか? 海魔に責められたのかと疑問に思っていたオルタだったが、ソロモンが自分に変わってジャンヌの乳首を抓り上げた時、先ほどの彼女と同じ様な声を上げてしまっていた。
「あひぃっ♡」
「ククク……理解したかね?」
指でジャンヌの乳首を弾きながらソロモンは嗤う。一切触れられていないはずの自分の乳首に快感が走る事に驚いたジャンヌオルタは、ようやくソロモンが自分たちに何をしたのかを理解した。
ソロモンはジャンヌとオルタの二人の感覚をお互いが感じられるように連結させたのだ。片方が責められればもう片方もその責めによって感じるだけの快感を得る事になる。触れられてもいないと言うのに乳首が抓り上げられる感覚を覚えたのはこのせいだったのだ。
「さて、ご理解頂いたところでこの魔術の本来の使い方を教えてやろう」
「ひっ…!」
「あっ…!」
ソロモンの合図と共に自分の躰の中に潜り込んでいる二本の触手が動き出す。今までと同じように両方の穴を抉り、容赦なく快感を生み出していく
ジャンヌたちは身震いした。ただでさえ開発された躰に対するこの責めは過酷である。その上、今はもう一人の自分が得る快感も感じなくてはならないのだ。
「ひぃぃぃぃぃぃっっっ♡♡♡」
「あぁぁ~~~~~~っ♡♡♡」
普段の二倍の快感にジャンヌたちは抗い様も無く喘ぎ続ける。二人の膣を乱暴に責める触手が同じタイミングで同じ場所を責めればその快感はとてつもない嵐となって二人に襲い掛かる。
別々の責め方をされるのも厳しい。ジャンヌのアナルを責める触手は肛門の入り口付近を広げる様にしてぐりぐりとその身を震わせている。尻穴を穿られる快感に舌を放り出していると、ジャンヌオルタのアナルを責める触手の動きが変わった。一気に奥深くまで突き入れて直腸の奥を徹底的に責める。入り口と奥の両方を同時に責められると言うありえない快感に二人は翻弄されっぱなしであった。
「ほっ、ほぉぉぉっ♡ ほぉぉぉぉっ♡」
「とま、とまんないっ♡ あなりゅぬけるの、とまんにゃいっ♡」
片方のアナルから触手がゆっくりと抜け落ちて行く。排泄の開放感に似た快感を与えてくるその責めは、まるで二人のジャンヌにトイレトレーニングをしているかのようにゆっくりと行われて行く。
そしてアナルから触手が完全に抜け落ちた時、今度はもう一人の方の触手が排泄を開始するのだ。これまたゆっくりとアナルを責め、肛門を弾きながら尻穴から抜け落ちて行く。
そうしている間に先ほど抜け落ちた触手が再びアナルへと侵入していき……あとは、この繰り返しだ。終わらない排便をしているかのような錯覚を覚えるジャンヌたちは、アナルセックスの醍醐味である抜け落ちる感覚をエンドレスに与えられていた。
「ああぁ……♡ 出てるぅ……出てるのに、挿ってくるぅ……♡ もう、訳が分からない……♡」
「もうダメ、壊れる! お尻が壊れるっ!」
過酷な尻責めを受けたジャンヌたちが悲鳴を上げる。全身の完全開発+二倍の快感+奇想天外な責めに対してグロッキーになりながらも、彼女たちが真に恐れているのはそこでは無かった。
気が狂う程の快感を与えられていると言うのに二人は絶頂していないのだ。それはソロモンが自分たちにかけた呪いのせいだとは分かっているが、今の二人にはそれが何よりも恐ろしかった。
本来ならば幾度となく絶頂して気を失ってもおかしくない程の責め、それが二人分だ。数度の絶頂と同時に躰の熱が引いているはずだと言うのに絶頂による満足を得られていない自分たちの躰は際限なく高められてしまっている。
もしこのまま呪いを解除されなかったらどうなるのか? 延々と満足しない躰の出す信号に精神の方がやられてしまうかもしれない。心が壊れ、自分を失ったところでソロモンが魔術を施して自分たちを人形にすると言うのは十分にあり得る可能性だ。
だが、呪いを解除されたとしても恐ろしい事が待っているのは間違いない。なぜなら今の自分たちが正気を保っていられるのは、間違いなく絶頂していないからだ。
絶頂による官能の爆発を何度も体験していたのならばもうとっくに自分たちの精神は壊れていただろう。そうなっていないのはひとえに呪いのおかげとしか言い様が無い。
二人はソロモンにかけられた呪いに苦しめられながらも同時に助けられてもいた。しかし、このままでは遅かれ早かれ自分たちは壊れるだろう。
この極限状態の中で自分がどうすべきか悩む二人だったが、ソロモンは意外な提案をしてきた。
「……どうした? やはり絶頂できないのは物足りないのか? では、お前たちにかけた呪いを解除してやろうか?」
「何ですって……?」
「呪いを解除してやろうと言っているんだ。無論、取引はするがね」
「……アンタの奴隷になれ、って言うんだったらお断りよ!」
「くく……だろうな。だから私が提案するのはその数歩手前の物さ」
ソロモンは二人の下腹部を撫でながら囁く。白く美しい彼女たちの肌、子宮の丁度真上の部分を撫でながら条件を告げる。
「……私に恭順の意を示す淫紋令呪をここに刻め。ただし、完全な物でなくて良い。五割程度の物を刻むと言うのならば、お前たちにかけた呪いは解除しよう」
「くっ……」
それは悪魔の囁きだった。甘美な滅びの一歩目を進めるその言葉を聞いたジャンヌは、心の中でそれを否定する。
(聞いては駄目……これは、間違いなく罠よ)
ここで淫紋令呪を刻んでしまえば最後、ソロモンは次々と要求を重ねて最終的には完全な淫紋令呪を二人に刻むだろう。そんな破滅の未来しか見えない要求にジャンヌが答える訳がなかった。
だが……
「……わかったわ、アンタの要求を呑む」
「なっ!?」
あろうことか、ジャンヌオルタはソロモンの要求を受け入れると発言したのだ。信じられないその行為にジャンヌは声を荒げる。
「何を考えているのですか!? 快楽に負けて、心を売り渡すと言うつもりですか!?」
「……アンタ、馬鹿じゃないの? そう考えさせる事こそがこいつの目的なのよ! このまま呪いを解除されなかったら遅かれ早かれ私たちの精神は崩壊する……そうなったら最後、抵抗できないままソロモンに好き勝手されるわよ」
「っっ……!」
ジャンヌオルタの言う事にも一理ある。このまま際限なく高められたままでいれば間違いなく自分たちは壊れる。壊れた心の自分たちを傀儡にするなど、ただの魔術師ですら簡単な事だ。
「……そうなったらアイツの所に帰れない。それどころか敵対する事になるのよ。例え令呪を刻まれたとしても不完全ならば反抗の芽はある……私が耐えれば、なんの問題も無いはずよ」
耐えきると言う強い意志を持って宣言するジャンヌオルタ。彼女を前にしてジャンヌは自分の考えに自信が持てなくなってしまった。
一時的に屈したふりをして耐える事が正しいのか? それとも、徹底的に反抗することが正しいのか? 悩むジャンヌをソロモンはニヤきながら見ていたが、不意にジャンヌオルタの下腹部に触れた。
「聖女の意志は固いと見える……では魔女よ、お前だけでも呪いを解除してやろう」
「くう……ううっ……」
ジンジンと甘い痺れと共に刻まれる淫紋令呪、その痺れはジャンヌオルタと感覚を共有するジャンヌにも届いていた。
ピリピリと下腹部の辺りから伝わる鼓動は、気を抜けばすぐに呆けてしまいそうなほど甘美だった。これでまだ不完全と言うのだから恐ろしい、二人は息を荒くしながらその快感に耐える。
「……では、責めの続きと行こうか。今度はもっと楽しい事になるぞ?」
ソロモンが合図をし、再び触手を動かす。ジャンヌは高められる感覚を、ジャンヌオルタは絶頂による快感を、それぞれ我慢する為に歯を食いしばったが、予想外の事が起きた。
「お? おぉぉぉぉぉっ!?!?」
「なっ、なんなの、これはぁっ!?」
触手に責められ、呪いを解除されたジャンヌオルタはあえなく絶頂した。開発された躰が伝える快感に耐えようとした彼女は信じられない感覚に目を見開く。
それは、絶頂しながらもどこかぼやけた感覚を覚える絶頂……イっているはずなのにイっていない。何か枷が付けられた様な満足できない絶頂。
満足できないだけではない。欲していた快感を得られるはずだった躰がお預けを喰らった事で更に高まってしまった。次いで与えれられる触手による快感に貪欲になるジャンヌオルタの躰は再び絶頂するも、感じられるのは前と同じぼやけた絶頂であった。
「なんでっ!? どう、してぇっ!?」
先ほどよりもひどい状況になった事に心をすり減らしながらオルタは叫ぶ。躰を満足させるはずの行動が更に自分の躰を追いつめている。その理由が理解できない彼女だったが、隣に居るもう一人の自分もまた目を見開いて叫んでいる事に気が付いた。
「やめてぇぇっ! イかせないでっ! 壊さないでぇッ!」
「ま、さか……!?」
本来絶頂できないはずのジャンヌのその叫びを聞いたオルタはこの不可解な現象の答えに気が付く。それは、二人の感覚が共有されている事に起因する結末だった。
事は単純だ、二人の内、片方はどうあがいても絶頂できない。どんなに快感を与えられ続けても躰が達する事は無い。例えそれが、別人の絶頂を共有してもだ。
ジャンヌオルタが絶頂した感覚をジャンヌも感じる。しかし、彼女は絶頂できない身、当然ながら躰に矛盾が生じる。絶頂しながらも絶頂できていないと言う理解不能の感覚にジャンヌの躰は究極の寸止めを喰らっていたのだ。
そして当然、その感覚はジャンヌオルタにも伝わる。あのぼやけた絶頂は二人の躰の矛盾によって生まれた物だったのだ。
「ははは! どうした竜の魔女よ? せっかく呪いを解除してやったと言うのに浮かない顔だな?」
「アンタ、こうなるってわかってて……っ!」
「何を言っている? 私は約束通りお前の呪いを解いてやっただろう? そこから先の問題は、お前たち自身の物さ」
「ぐっ、うぅ……っ!」
ジャンヌオルタは自分たちの失策を恥じた。意見を擦り合わせなかった事で陥ったこの非常事態を脱する方法はもう一つしかない。
一度刻んだ令呪をソロモンが解除することは無い。と言う事は、ジャンヌが淫紋令呪を受け入れす事でしか、この地獄を脱する事は出来ないのだ。
それはオルタだけではなく、ジャンヌ自身も理解していた事だった。まもなくして、唇を噛みしめたジャンヌが絞り出す様な声で呟く
「……ください」
「何だ? 聞こえんなぁ?」
「私に、淫紋令呪を刻んでください……!」
悔しさに涙を滲ませながらジャンヌは呟く。聖女が破滅の一歩を踏み出したことに愉悦を感じながら、ソロモンは彼女に言った。
「よかろう……と、言いたい所だが、もう一つ条件がある。それが飲めるならば、令呪を刻んでやろう」
「……なんですか?」
「簡単さ、お前たちに呪いをかけてから5日間、本来お前たちが感じるはずだった快感がある。絶頂回数にして丁度1000……この快感を、今日一日で消費しきると言うのならば、令呪を刻んで呪いを解除しよう」
「1000回の絶頂を、今日一日で……?」
「ああ、その約束が果たされなかった場合、問答無用で完全な淫紋令呪を刻ませて貰う。それでも良いのなら、お前にかけた呪いを解こう。……さぁ、どうする?」
無謀とも思えた。5日分の絶頂を今日一日で感じきる事など不可能に思える。しかし、二人には選択の余地は残されていなかった。
「「ひゃぁぁぁぁっ♡♡♡」」
触手が動き出せばまたあの絶頂がやって来る。一人では絶対に感じられない寸止めによる究極の感覚……二人がそれに耐えられるわけも無かった。
「わかりましたっ! 1000回イキますっ! だから、だからぁ……っ!」
「……契約は成った。では、望みの物をくれてやろう」
「ひぃっ……」
じりじりと下腹部を焦がす感覚、今日二回目のその感覚に二人は身を震わせる。薄黒い令呪が刻まれたのを見た二人が視線を上げると、そこには1000と言う数字が炎の様に揺らめいていた。
「では早速契約を果たして貰おうか、記念すべき一回目だ。派手に感じろ」
ソロモンの言葉と共に数字が目の前の1000から999へと減った。同時に二人の躰に快感が電流の様に流れる。
「はひぃぃぃっ♡」
「んはぁぁぁっ♡」
派手に躰を揺らし、嬌声を上げながら二人は達する。暫し時間が経っても絶頂の余韻が引かない躰に、ソロモンは追い打ちをかけた。
「ひゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ♡」
「あぁっ♡ あぁぁぁぁっ♡」
二度目の絶頂、続いて三度目、四度目……カウントしきれない程の回数の絶頂を与えられながらもジャンヌオルタは歯を食いしばっていた。
(負けないっ……! 絶対に、こいつには屈しない!)
耐える。その固い決意を固めた彼女は快感に抗う。この責めを耐えきれればまだ未来があると信じて
「……無理、だ……」
だが、その決意を固めた直後に彼女の耳に弱気な声が聞こえて来た。その声を発した自分の分身を奮起させる様に悪態を突く。
「何言ってるのよ!? こんなとこで諦める訳には行かないでしょ! たかが1000回イかされるくらいで……」
「違う……違うんです、黒い私……1000じゃないんですよ……」
「え……?」
何かに気が付いたジャンヌが絶望に染まった瞳をオルタに向ける。その眼を見たオルタもまた、言い様のない不安に包まれた。
「良いですか……? 私たちは1000回絶頂する。でも、それはお互いに1000を分け合うのでは無く、同時に1000度絶頂しなければならないんです。つまり、この時点で1000回×2人で2000回分の絶頂になる訳です」
「そ、それが何よ……個人で1000回イけば良いって事には変わりが無いじゃない!」
「忘れたんですか? 今の私たちは感覚を共有しています。私もあなたも、否応なしに相手の絶頂を感じなければならないんですよ!」
「あ……!」
あまりにも強い快感にそれを忘れていたオルタはその事実を突き付けられて硬直する。そんな彼女に向けて、ジャンヌは更に絶望的な事実を告げた。
「そして……私たちが同時に絶頂すれば、それは二回分の絶頂を個人が受けている事となります。本来の絶頂の二倍の快感を、この開発され切った躰で感じなければならないんです!」
「……た、耐えてやるわよ。そのくらい、どうってこと……」
「……強がるのは止めてください。分かっているでしょう? イけばイクほど、私たちの躰は敏感になる……後になればなるほど、強い快感を感じる事になるんです。躰も心も……耐えきれるはずが無いんですよ……っ」
『実質2000回の絶頂』を『二倍の快感』で『時間が経つほど敏感になる躰』で『今日中』に消費しきらなければならない……どれか一つでも絶望的なのに、それがすべて合わさってやって来るのだ。ここにきて、ジャンヌオルタの心は初めて折れそうになっていた。
それでも彼女が屈しなかったのはカルデアのマスターへの信頼ゆえだった。自分が耐えていればきっと彼が助けに来る……そう信じている彼女は絶望的な状況にも抗おうとする。
(負けない……帰る、帰るのよ! あいつの所に……!)
目に涙を浮かべてもソロモンには屈しないと言う思いを胸にするオルタ。だが、それすらもソロモンの手の上で転がされている事に彼女たちは気が付かない。
二人が自分たちの状況に気が付いた事を見たソロモンは再び取引を提案する。聖女と魔女を快楽の底に引きずり込む取引を……
「……自分たちの現状が分かった様だな? では、ここで取り引きをしようでは無いか?」
「何? どういうつもり?」
「取引の内容はこうだ。淫紋令呪を強化する代わりにお前たちの精神を快楽では壊れない様にしてやる……どうだ? 良い取引だろう?」
「なんですって……?」
ソロモンは間違いなく何かを企んでいる。そうでなければこんな提案をしてくる訳が無い。
しかし、その真意を探る余裕は二人には無い。ソロモンが命じれば、再び絶頂の渦に巻き込まれてしまうのだ。
「んぎぃぃぃぃぃっ♡」
「ほぉぉぉぉぉぉっ♡」
「良く考えると良い。その絶頂を耐えられるかどうかな」
もはや限界だった。数を見てみればまだ990もの絶頂が残っている。たった10回でこれほどまで追いつめられると言うのに、1000回など耐えられるはずが無い。
二人は同時に口を開くと、同時に叫んだ。奇しくも、その言葉までもが同じであった。
「「刻みますっ! だからどうか、この快感から解放してくださいっ!」」
「……良いだろう。では、令呪の強化を始めようか」
二人の下腹部にソロモンが手を置く。令呪から与えられる鼓動が強くなってくる事に悔しさを感じながら、二人は必死に耐える。
(負けません……こんな、卑劣な男には……!)
(耐えるのよ……そうすれば、きっとアイツが……!)
ほぼ完成しきった淫紋令呪を刻まれながらも二人は心を強く持っていた。耐えきって見せると、マスターに忠義を見せるのだと、その強い思いを奮いたたせる。
「……あぁ、言い忘れていたがこの令呪を刻んだ時点で君たちの躰のコントロール権の大半は私に移っている。だから、こんな命令も下せるのさ……」
だが、その決意を砕くソロモンの策が迫る。自分に二人の怯えた視線が集中している事を感じながら、ソロモンは非情な命令を下す。
「……私のこの手が離れた瞬間、残り990回分の絶頂を一気に味わえ。壊れぬ精神で存分に至上の快楽を味わうと良いさ」
「なっ!?」
その言葉にジャンヌは目を見開き、オルタは歯を食いしばった。今までの行動はすべてこの命令を下す為の布石だったのだと理解した二人は叫ぶ。
「耐えて見せる! あなたの思う通りにはならない!」
「殺してやるっ! 必ずお前を殺してやるからなっ!」
本気で憎み、本気で叫ぶ二人の声すらも楽し気に聞きながらソロモンは両手をジャンヌの躰から離す。瞬間、二人の声が嬌声に変わった。
「あひっ♡ んはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ♡♡♡」
「いぎっ♡ ぐうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっっっ♡♡♡」
脳が沸騰するほどの快感、全身を叩く快楽の波、990×2=1980回分の絶頂を感じながら二人は喘ぐ。いや、喘ぐなどと言う生易しい物では無かった。
「ひぃぃぃっ♡ とめてっ、とめてぇぇぇっ♡♡♡」
「むりっ、むりぃぃぃぃっ♡ こわれるぅぅっ♡♡♡」
涙、涎、鼻水……美しい顔を様々な液体でぐしゃぐしゃにしながら二人は叫ぶ。膣からは絶え間なく潮が噴出し、躰は休まることなく痙攣し続けている。
そんな彼女たちに追い打ちをかける様にして動き出した触手は情け容赦の無い責めを開始した。
「いやぁぁぁっ♡ うごかさないでぇっ♡」
「イッてる♡ イッてるから、もうやめてぇっ♡ おまんことおしりいじめないでぇっ♡」
媚薬の効果を持つ体液を噴出しながら二人の膣とアナルを責める。子宮と直腸の奥まで注がれた媚薬はジャンヌたちの体にジュクジュクと染み込んでいく。
それだけではない。海魔たちの体から針の様に細い触手が飛び出すと同時に二人の躰の至る所にその先端を突き刺したのだ。乳首や陰核と言った敏感な部分からなんでも無い様な腕や太腿、さらには脇の下の様なマニアックな部分にまで突き刺さった触手からはドクドクと体液が注ぎ込まれていく。
「ひやぁぁぁっ♡ やめてぇっ……♡ もう、わたしたちのからだをいじらないでぇ……♡」
「あへっ♡ あへぇぇぇぇ……♡♡♡」
存分に体液を注ぎ込んだ海魔たちの触手が抜けた後も二人の絶頂は止まらなかった。尿と愛液、そして吸収しきれなかった海魔の体液の混合液を垂れ流しながら絶頂を続ける。
ジャンヌは白目を剥いて叫び続けている。躰から少しでも快感を逃がそうとしているその行為は彼女の官能に更に火を着け、快感を貪る事に直結している事には気が付かない。
ジャンヌオルタは壊れかかった心の中で快楽に呻いていた。いっそ壊れた方がましなこの責めの中でも、ソロモンにかけられた魔術のせいで狂えない彼女はただただ快楽に身を委ねる。
やがて、彼女たちの前に浮く数字が0を示した時、二人を拘束していた海魔の触手が外れ、二人は床に投げ出された。股からは馬鹿になった膀胱が我慢すると言う事が出来なくなったゆえに止まらない放尿を続けている。愛液もまた滝の様にながれ押しとどまる事を知らない。
「ほ、おぉ……♡♡♡」
「ん、へぁぁ……♡♡♡」
完全に気を失い、時折大きく痙攣するだけとなった二人を踏みつけたソロモンは指を鳴らす。すると、暗闇から男たちが現れ、ジャンヌたちを担ぎ上げてどこかに運んで行った。
聖女たちを堕とすソロモンの計画、その最終段階が始まろうとしていた。
「んん~~~~っ♡ ん~~っ♡」
「うぅ~~~~っ♡♡♡」
くぐもった二人の呻き声が響く。その声色には快楽がありありと現れ、蕩けた物になっていた。
今、二人は寝台に拘束された状態で目隠しと猿轡をされていた。乳首とクリトリスにはローターが、膣にはバイブが、そしてアナルにはアナルビーズが取り付けられており、その全てが振動して彼女たちを責めている。
M字開脚をした状態で拘束された二人は、視覚、味覚、嗅覚、聴覚を封じられて残る触覚を最大限まで高められた状態で器具責めを受けていたのであった。
「んん~~~~~~っっっ♡♡」
今、ジャンヌが拘束されてから何度目か分からない絶頂を迎えた。荒い息を吐く彼女たちだったが、躰の奥底から湧き上がる熱い感覚を抑えきれずにいる。
(足りない……っ、こんなんじゃ、たりないっ……!)
(……奥、もっと奥まで抉って欲しいっ……!)
器具による単調な浅い責め、絶え間なく続く快感に身を置きながらも、二人は心の奥底で激しい快感を望み始めてしまっていた。
開発や改造などと言う言葉では済まない躰の徹底的な淫乱化、そして絶頂に次ぐ絶頂によって快楽を叩き込まれた心、文字通り身も心もソロモンに躾けられてしまった二人は、もう平常心を保つことなど出来なかった。
(ほ、しい……熱いものが、欲しい……っ♡)
(子宮を、アナルを……突いて……っ♡)
((おちんぽが、欲しいっ……♡))
一度快楽に飲み込まれた心は二度と浮き上がることは無い。今もなお責められているのならば尚更だ。
こうして男を求め始めたジャンヌたちは完全に堕ちきってしまった。その心に念を押す様にソロモンの声が響く。
『……さぁ、最後の取引だ。お前たちに望むものをやろう。対価は……分かっているな?』
「んんっ♡ んん~~っ♡♡♡」
待ちわびたその言葉に二人は腰を激しく振って喜びの感情を示す。股からは愛液が飛び散り、乳首も硬く尖っていた。
(誓いますっ! ソロモン様に忠誠をっ!)
(捧げますっ! この躰と心をっ!)
((私たちは淫紋令呪を受け入れ、喜んでソロモン様の奴隷となります!))
二人がそう念じた時だった。猿轡が外れ、膣とアナルから挿っていた物が抜け落ちる。代わりに待ち望んでいた物が挿って来る感覚に二人は喜びの叫びを上げた。
「来たっ♡ 来た来たっ♡ 来たぁっ♡♡♡」
「おちんぽぉ♡ しゅごい、しゅごいのぉっ♡」
拘束された躰を力強く抱えられ下から突き上げられる。子宮まで串刺しになってしまいそうなその快感を前に二人は淫らな叫びを上げる。
「もっとぉ♡ もっと下さいぃっ♡ この奴隷に、もっとおちんぽくださいぃっ♡♡♡」
「おしりぃ、アナルもぉ♡ おちんぽつっこんでぇ……♡ 私たちを、めちゃくちゃにしてぇっ♡♡♡」
堕ちた聖女たちは男を求める叫びを上げる。二人にはそれが自分の声なのか、それとももう一人の自分の声なのかも分からなくなっていた。
まったく同じ望みを持ち、まったく同じ様に男に貫かれる事を求める叫び……その声を聴きながらソロモンは嗤う。
「……良かったな。ようやくお前たちは分かり合える様になったではないか」
自分の腕に新たに浮かび上がった二つの令呪を見た彼は高笑いを続ける。聖女と魔女、二人の強い女を性奴隷へと堕としたソロモンは満足げに笑いながら、二人の喘ぎ声を聞き続けたのであった。
「……さぁ、お前たちに役目を与えよう。この世界を我が物にする為の重要な役目だ」
「はい……♡ ソロモン様……♡」
「なんでもお申し付け下さい……♡ 私たちは、貴方様の声を心に働き続けます……♡」
美しく、淫らな裸体を晒しながら二人は言う。うっとりとした声にはソロモンへの深い愛情が現れていた。彼女たちの下腹部に刻まれた淫紋令呪もマシュたちとは違い、黒い羽根を加えたハートマークと変化している。
「行け、お前たちの生まれ故郷を我が野望の第一歩とするのだ……! 私に全てを捧げよ、ジャンヌ・ダルク!」
「「はいっ……♡」」
振り返り、戦装束を纏った二人は次の瞬間には異界へとたどり着いていた。祖国の懐かしい風を感じながら、二人は目の前に居る自分たちの軍隊を見る。
「……さぁ、始めましょう。甘美で愉快な滅びの宴を」
「そして終わりにしましょう。くだらない事で争い続ける愚かな国を」
「「全ては、我らが主ソロモン様の為に……!」」
二人は自分たちの前に控える異形の軍隊を前に笑い、そして、歩き出した。