※この作品はR-18です。

カルデア女英霊奪還作戦   作:野比のび太

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桜の咲く夜(沖田総司)

「あ、あの……その……マスター、私今、ほとんどまともに体が動かなくって、それで……噎せ込んだりすると思いますけど、その……」

 

「わかった。沖田さんは楽にして、俺に体を預けてて。あと、精一杯優しくするね」

 

「あ……は、はい……!」

 

 迷惑をかけるであろうことを謝ろうとした沖田は、謝罪の言葉を口にする前にマスターから優しい言葉をかけて貰えた事に素直に感動した。こういう所が彼の良い所なのだと再確認した彼女は、彼の言葉に従って体を彼に預ける。

 優しくマスターに抱きかかえられた沖田は彼の温もりを堪能すべくそっと瞳を閉じる。温かく、幸せな一時を楽しむ沖田を尻目に、マスターは彼女の着ている着物へと手を伸ばした。

 

「あっ……!」

 

 マスターの手ではだけさせられた着物の内側から沖田のたわわに実った二つの果実が零れ落ちる。彼が事前の確認も無く服を脱がすことを意外に思った沖田だったが、聞かれても恥ずかしいだけだったのだからむしろ聞かれなくて良かったのではないかと心の中で結果付けた。

 上着を脱がす手はあくまで優しく、沖田への愛に溢れていた。彼女に負担や恐怖を与えない様に動く手は、てきぱきと動いて沖田をありのままの姿へと導いていく。

 

「は……う……っ♡」

 

 やがて彼の手で全裸へと剥かれた沖田は、恥ずかしさに頬を染めて短く呻いた。

 いじらしく、可愛らしいその行動を見たマスターは優しい手つきで彼女の頭を撫でると、自分も服を脱ぐべく一度彼女から体を離した。

 

「う、わ……!?」

 

 あっという間に服を脱ぎ、自分同様の裸になったマスターの体を沖田はじっくりと眺めて観察した。引き締まり、意外と筋肉質な彼の体にはいくつもの傷痕が残っている。

 それがあの敗北の際に付けられたものなのか、はたまた自分の様な囚われた英霊を助ける際に付いたものなのか、そのどちらかなのかを判断することは沖田には出来なかったが、彼の体に刻まれた無数の傷痕はどれだけ彼が苦しい戦いを繰り広げて来たのかをありありと物語っていた。

 

 ソロモンの体と比べると傷ついていると思うだろう。ソロモンの体には傷は一つも無かった。グランドキャスターである彼に傷をつけることは生半可なことでは無いし、もし傷ついたとしても魔術王であるソロモンならば簡単に治療できるだろう。

 見る者をうっとりとさせる芸術品の様なソロモンの裸体に対して、マスターの体は様々な傷が残っている。しかし、それは彼がどれだけ勇敢な人間であるかを示す証の様な物なのだと沖田は思った。

 

 そう、彼は人間だ。少しだけ魔術の才能があるただの人間なのだ。

 そんな彼が命を削り、傷つきながらも自分たちを助ける為に戦い続けている。一つしか無い命を懸け、全身を傷だらけにしながら必死に戦っている。そのことを思った沖田の目には、マスターの体がソロモンの何倍にも美しく思えた。

 

(……あ、あれも、大きいですね……!?)

 

 ついでにもう一つ、ソロモンとの違いを見つけ出した沖田は顔を赤くしてその部位を見つめた。

 若く、何処か幼さを残す顔つきの彼の股間にこんな凶悪な逸物がぶら下がっているとは思いもしなかった彼女は少しだけ不安を感じる。

 だがしかし、巨大さならば自分が相手取っていた魔猪だって負けていないだろう。大きすぎて挿入出来ないなんて言うことは無いはずだ。

 そんな考えを思い浮かべていた沖田の体を抱えたマスターは、後ろから彼女を抱きしめて唇を奪いながら、両手で彼女の豊かな胸を揉み始めた。

 

「んっ……♡ んんん~~っ♡」

 

 舌を絡ませ、彼にされるがままに口の中を犯される沖田の瞳が快楽に蕩けていく。頭の中が真っ白になり、ただひたすらに幸福感が身を包む。

 キスの快感に加え、快楽を染み込ませる様に乳房を愛撫するマスターの動きがその感覚に拍車をかけた。後頭部が痺れる様な快感を享受する沖田の口からは、甘く熱を帯びた喘ぎ声が溢れている。

 

「あふぅ……♡ ふぅぅっ♡ は~っ♡ はぁ~~っ♡」

 

「沖田さんのおっぱい、柔らかくって、温かくて、敏感なんだね。ずっとこうしていたいな……」

 

「はひっ♡ ちっ、乳首はっ♡ んきゅぅぅぅっ♡♡」

 

 甘い囁き声と共に敏感になった乳首を抓られれば、それだけで軽い絶頂を迎えてしまう。

 頭の中でスパークした快感に翻弄される沖田は、驚きの表情を見せながら口を大きく開いて荒い呼吸を繰り返していた。

 

「しゅ、ごい……っ♡ こんな優しくて気持ちいいの、獣とのセックスでは与えて貰えませんでした……♡」

 

「獣はただ性欲のままに交尾するだけだからね。本当のセックスって、愛があって初めて気持ち良くなれるものだと俺は思うな」

 

「ひゃぁぁぁぁっっ♡♡♡」

 

 首筋を舐められ、もう一度乳首を弄られ……沖田は体を仰け反らせて快感に喘ぐ。

 どこか優しいマスターの手つきのお陰か、強烈な快感を一方的に与えられていると言うのにも関わらず嫌悪感や恐怖は無かった。それどころか、じわじわと昂って来る体は彼の愛撫を今か今かと待ち侘びているほどだ。

 

「はっ♡ ひゃっ♡ はへぇぇぇっっ♡♡♡」

 

「ん……。沖田さん、体は大丈夫? もう少し優しくしようか?」

 

「は、くっ……♡ らいじょうぶ、れす……♡ もっと、このまま……っ♡」

 

 己を気遣ってくれるマスターに感謝をしながら、呂律の回らない舌で返答をする沖田。その答えに小さく頷いたマスターは、彼女の一番敏感な部分へと手を伸ばした。

 

「ふひぃぃぃぃっっ♡♡♡」

 

 ぐちゅり、と自分の膣に挿って来る指。ゆっくり、ゆっくりと自分の内側を掻き回し、じんじんと痺れる様な快感を与えてくれる。

 じっとりと濡れた己の秘所が彼の指を喜んで咥えていることを感じながら、沖田は体を震わせて喘ぎ続ける。

 

「ふーっ♡ ふーっ♡ ふぅぅぅっっ♡」

 

 愛する人が与えてくれる甘い快感。優しい彼は沖田に負担が掛からない様に工夫しながら愛撫をしてくれている様だ。

 弱い部分を探りつつ、二本の指で膣の壁を擦る。腹側の膣壁を擦られればぞわぞわとした快感が生まれ、沖田の口からは自然と熱い吐息が漏れていった。

 なおも沖田を責めるマスターの指は奥の方へと進んで行く。愛撫による快感に反応した子宮は、既に彼の指が簡単に触れられる所まで降りて来ていた。

 

「はっ♡ はぁぁっ♡ ゆ、びがぁぁっ♡ おくにぃっ♡ はぁぁっ♡ そ、それダメですっ♡ 奥弱いっ♡ 私、そこ弱いんですぅっ♡」

 

 ちゅこ、ちゅこ……♡ 彼の指が子宮口に触れる度、そんな淫らな音が沖田の秘所から響いた。

 自身の弱点を探り当てられ、そこを重点的に触れられる沖田は、瞳から涙を流して蕩けた表情を晒している。

 

 ぷくりと膨れた乳首も、興奮で紅潮した頬も、愛液を滝の様に垂れ流す膣も、彼が与えてくれる快感に酔った様に反応を見せている。沖田はその快感に翻弄されながら、この快感が今までの物とは全く別の種類のものであることを感じ取っていた。

 ソロモンの元に居た頃、沖田は何度も魔猪に犯された。重い体重、巨大な肉棒、荒々しい動き……獣の野生と本能を爆発させた激しいセックスで、何度も絶頂させられたものだ。

 だから、自分はもう普通のセックスは出来ないと思っていた。ただの人間には無い暴力的な快感に慣らされてしまったこの体では、普通の快感では生ぬるく感じてしまうと思っていたからだ。

 だが、実際はどうだろうか? ただの人間、普通の青年であるマスターに抱かれる自分は、彼の手で与えられる優しさと愛に満ちた快感の虜になっているでは無いか。激しさがあるわけでは無い、爆発的な快感があるわけでも無い。だが、体の中に広がる自分の知らない感覚は、確かに自分のことを気持ち良くしていた。

 

「ひきっ♡ そんなっ♡ そんなに弄っちゃダメですっ♡ ああっ♡ 乳首までぇっ♡」

 

 ぐっしょりと濡れた秘所に指を出し入れしながら、マスターは沖田の乳首を口に含んだ。舌で敏感なそこを弾き、こりこりと甘噛みをして快感を与えて来る。

 膣と乳首、二つの弱点をしっかりと責めるマスターだが、決して沖田が苦しまぬ様に力加減と愛撫の激しさを調整していた。体を仰け反らせて喘ぐ様な強い快感では無く、温かい湯船の中に浸る体がじんわりとその温もりを包むような快感は沖田にとって未知のものだ。

 

「はひぃ……っ♡ ふぅぅっ♡ ん~~っ……♡」

 

 マスターの口の中で弄られる乳首が彼の愛撫に敏感に反応する。ちゅぱちゅぱと音を立てて乳首に吸い付くマスターはまるで大きな赤子の様だ。

 母乳を飲む様に沖田の乳首に吸い付いたかと思えば、わざと焦らす様に乳輪の部分を舌でなぞってもどかしい快感を与えて来る。そのもどかしさが最高潮まで高まった瞬間、マスターは尖った沖田の乳首を甘噛みするのだ。

 

「ひゃおぉぉぉっ♡ はぁぁぁぁぁっ♡」

 

 待ち望んでいた強い快感に腰を跳ね上げる沖田。タイミングは察せていた為に心の準備は出来ていたが、それでも予想以上の快感に頭が快感の一色に染まってしまう。

 外気に晒される彼女の意外と大きな乳房はマスターの責めに応じてたゆんたゆんと揺れている。乳首を吸われていない方の乳房を左手で掴んだマスターはその柔らかさを堪能しながらじっくりと乳房を快感漬けにし始めた。

 

「は、あぁ……っ♡ ちゅぱ、ちゅぱ……♡ こりこり……♡ もみもみ……♡ 全部、気持ち良い……♡ 私の大事な部分が熱くなって……もう、限界です……♡」

 

 指での愛撫を続けられている膣から溢れる愛液は、いつの間にか白く濁った本気汁に変わっていた。上手く動かない体もまた、彼の指を受け入れやすい様に脚を開いた姿勢になっている。

 自分の意志でそうしたのでは無く、無意識の内に性交に適した姿勢を取っている。愛する人に触れて欲しいと願って体が反応し、触れられた悦びでまた反応を示す。勝手な反応でへこへこと動く腰もまた、彼の愛撫の心地良さを物語っている。

 

「イク……♡ マスター、私、もう……っ♡」

 

 彼の起こす快感の波に体を攫われる沖田は限界を迎えようとしていた。徐々に徐々に大きくなっていく快感の波動を子宮に感じながら彼にそれを伝える。

 マスターは彼女の言葉に大きな変化を見せることも無く、淡々と続けている優しい愛撫を行うだけだ。激しさの無い甘い快感の虜となった沖田にとって、その責めは何よりも心地良い快感となって彼女の体の中で弾けた。

 

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………っっ♡♡♡」

 

 頭の中で、胸で、子宮で……快感が何度も弾け、気持ち良さが爆発する。全身を駆け巡る快感の信号の強さに仰け反った沖田の瞳には、綺麗なハートマークが浮かんでいた。

 

「あ、ひゃ……♡ すご、いぃ……♡ んあぁぁぁぁぁぁぁっっ……♡♡♡」

 

 快感の波が、跳ね上がった体の感度が、昂った熱が……自分の中で引かずにそのままでいる。絶頂し(イっ)た時の快感が、ずっと体の中で残っている。もう彼に触れられている訳でも無いのに体が快感を訴えているのだ。 

 ぞくぞくとした快感に飲み込まれた沖田は、間髪入れずに二度目の絶頂を迎えた。寝転がった体勢で腰だけを浮かせ、何度も何度も上下させながら膣から潮を噴き出す。

 嬌声を響かせ、愛液の雨を撒き散らす沖田は恥ずかしそうに顔を手で覆ってはいるが、体の反応は止めることが出来無い様だ。ぴんっ、と浮かぶ腰はまるでもっと弄って欲しいとでも言うかの様にリズミカルに揺れている。

 

「あっ、あっ! だめっ! み、見ないでください、マスター!」

 

 潮吹きを終えた沖田が顔を覆っていた手を除けて慌てた様子で叫んだ。こんなに恥ずかしい姿を見せておいて今更何を言うのかと思うマスターの目の前で、浮かび上がった沖田の腰から愛液ではない液体が放たれる。

 

「あぅぅ……♡ は、恥ずかしい、です……♡」

 

 絶頂によって弛緩した尿道が開き、快感による放尿……言わば、沖田の()()()()が始まったのだ。

 恥ずかしさに頬を染める沖田の表情とは反対に、放尿を続ける秘所はもっと見ろと言わんばかりに腰を浮かび上がらせている。弱く、恥ずかしい部分を見せ、それを受け止めて欲しいと言う甘えを見せている様で、そんな自分のことを優しく見つめるマスターの瞳を見ると、沖田は心臓が跳ね上がるほどの気恥ずかしさとときめきを感じていた。

 

「……沖田さん、凄いえっちな顔してるよ。俺におしっこする所見られて感じちゃった?」

 

「そ、そんなこと、ないですよぉ……♡」

 

「ふふふ……! そんな顔で言われてもすぐに嘘だって分かっちゃうよ? でも、沖田さんが可愛いから許しちゃう」

 

「可愛い、だなんて……♡ ふぁぁ……♡」

 

 布団に寝そべったまま、頭と腹を撫でられる。頭を撫でられると安心感に心が落ち着き、腹を撫でられると燻りを残している快感が子宮を震わせる。

 発情しきった沖田の体は、マスターの言う通り放尿の恥辱すらも快感に変換していた。自分が今だ聞いたことの無い様な蕩けた甘い声を出している事に気が付いた沖田は、もう一度快感を味わおうとマスターに愛撫を強請る。

 

「も、もう一回、イかせて下さい……♡ マスターの手で、イかされたいんです……♡」

 

「……手、で良いの? もっと気持ち良いこと、したくない?」

 

「あ……っ♡」

 

 彼の言葉に胸が高鳴る。急激に体温が上がり、期待に子宮と膣がときめく。

 ごくりと喉を鳴らした沖田の視線はマスターの下半身へと注がれていた。彼女の眼には、雄々しく猛々しいマスターの肉棒しか映っていなかった。

 

(指であんなに気持ち良いのに、あんなにおっきくて太いものを受け入れたら……わ、私、壊れちゃうんじゃないでしょうか……♡)

 

 猪に付いていたドリルの様な形ではない。マスターの股間に付いているのは、至って普通の形の肉棒だ。大きさだって人で考えれば随分と大きいのだろうが、それでも魔猪の逸物を受け入れていた沖田からすれば驚異に感じる様な物では無いはずだ。

 だが、今の快感に火が付いた体に愛しい人の分身を挿入され、それに快感を叩き付けられてしまったら、自分が正気でいられる自信がまるで感じられない。

 沖田の心の中にはちょっとした恐怖とそれを塗り潰すほどの期待が生まれていた。

 

「……それじゃあ、行くよ……!」

 

 脚を広げられ、その中心にマスターが座す。滾り、律動する肉棒は天を突かんばかりにそそり立っているではないか。

 今からあれが自分の膣に入って来る。巨大な快感を伴って、自分の弱点を責めに来る……。そう思った瞬間、沖田の中からは恐怖の心が完全に消え去った。

 

「は、あぁぁぁぁっ……♡」

 

 亀頭が膣口に触れる。そのまま肉棒が前に進む力を感じた沖田の中に、膣を割り裂いてマスターの肉棒が侵入して来た。

 蜜に溢れた己の性器は、巨大にも程がある彼の肉棒をすんなりと呑み込んで行く。膣壁をカリが擦り、余分なスペースなど与えないと言わんばかりに竿の部分が沖田の内部を埋め尽くす。

 じっくりと時間をかけて行われた挿入の後には、まだ本番は始まっていないと言うのにも関わらず深い絶頂を繰り返している沖田の姿があった。

 

「はえぇ……っ♡ こんにゃの、耐えられない……ぃっ♡」

 

 入口から奥まで、沖田の全てを埋めつくすマスターの肉棒。それが僅かに動き、振動し、熱を帯びるだけで、沖田は軽い絶頂を迎えてしまうのだ。

 開発され切った自分の子宮は既に彼に屈服していた。子宮口はちゅうちゅうとキスでもするかの様に亀頭に吸い付いて快感を強請っている。

 己の弱い部分、最も感じる部分はここだと主張する様に震える沖田の子宮。その振動も快感を生み出し、沖田を更なる絶頂へと誘う。

 

「あ、あぁっ♡ ま、またイクっ♡ い、イクの止まりませんっ♡ 私の赤ちゃんの部屋、ぶるぶる震えるの止まらないんですっ♡」

 

 上下の口から涎を垂れ流し、幸せそうな表情を浮かべて快感を訴える沖田。随分と快感に翻弄されている様で、このままでは動き出すことは出来なさそうだ。

 マスターはそんな彼女を落ち着かせる為の行動を取る。沖田の両手を掴み、自分の指と指を絡ませる様に握り合ったのだ。所謂、恋人繋ぎと言う手の繋ぎ方をした二人の間に、温かく幸せなムードが流れる。

 

「指と、あそこ……♡ 二つの場所でマスターと繋がって、絡まって……♡ 全身、じんじん来ちゃいます……っ♡」

 

 とろり、とろりと流れる沖田の蜜。荒かった彼女の呼吸が落ち着いたものに変わって来たことを確認したマスターは、ようやく腰を動かして沖田の膣を責め始めた。

 

「はひぃんっ♡ ひぃんっっ♡ いきなりおきゅっ、つかれてぇ……っ♡」

 

 垂れ流し続けた愛液がマスターの腰の動きに合わせて淫らな音を響かせる。じゅっぽ、じゅっぽと音を立てる自分の膣を恥ずかしく思う余裕は、今の沖田には存在しなかった。

 気持ち良かった。ただ、与えられる快感を受け止めることで精一杯だった。初めての性交だと言うのに、マスターは的確に沖田の弱点を突いて来るのだ。

 

「なんれぇっ♡ なんれ、おきたしゃんのよわいとこ、わかりゅんれすかぁっ♡ ああっ♡ まひゅたぁ、しょこはらめぇっ♡ らめれすぅぅっ♡♡♡」

 

「ふふ……! だって沖田さんの反応が正直なんだもん。何処が気持ち良いのかなんてすぐにわかっちゃうよ! それに……口では駄目って言ってるけど、体は正直だよ? ほら……!」

 

「はぁぁぁぁぁぁぁっっっ♡♡♡」

 

 意地悪な笑みを浮かべたマスターが腰を強く突き出し、沖田の膣のある一点を責める。

 子宮口のすぐ近く、そこに存在する質感の違う突起……その柔らかい肉の塊をマスターの肉棒に突かれた瞬間、沖田の体に未知の感覚が走った。

 

「なっ、にゃにこれぇっ♡ ぜんしんっ、じんじんしてぇっ♡」

 

 強烈な、瞬間的な快感ではない。直接的な刺激では無く、全身を痺れさせる様な深い快感が沖田を包む。

 繰り返しその部分を突かれれば、その快感はより深さを増し、強く沖田の体を包み込んで行く。全身に広がる幸福感の様な痺れに喘ぐ沖田に対し、マスターが責めを継続させながら説明する。

 

「うん、やっぱりそうだった。沖田さん、ボルチオで感じられる様になってるんだね」

 

「ぼるちお……? なんですか、それ……?」

 

「膣の奥、子宮口の辺りにある性感帯だよ。本当は開発まで時間がかかるし、見つけるのも難しいんだけど、一度感じられる様になっちゃえば……ほら!」

 

「あひぃぃぃぃぃぃぃっっっ♡♡♡」

 

 とんっ、と勢いをつけて沖田のボルチオを突いたマスターは、その行動によって生み出された快感に身を捩る沖田の姿を見て満足げに微笑んだ。沖田もまた獣とのセックスでは得られなかった深い幸福感に素直に身を委ねる。

 

「はっ♡ はぁぁっ♡ そこっ、凄いぃっ♡ な、なにもかんがえられなくなりゅぅっ♡」

 

「……沖田さん、魔獣とセックスしてる時はただ乱暴に突かれてただけなんでしょ? 思いっきり奥まで突っ込まれたから、ボルチオも柔らかくなって感じられる様になってたけど……突いて貰えないんじゃ、その気持ち良さを知ることなんて出来ないもんね」

 

「はふぅっ♡ ふぅぅぅっ♡ んんんっっっ♡ あへあぁぁぁっっ♡」

 

 沖田に話しかけるマスターの声は、彼女の喘ぎ声で掻き消されてしまっていた。静かに黙るなんてことも出来ないまま、沖田は大声で喘ぎ続ける。

 全身は強張った様に動かない。あまりの快感に身震いすら出来なくなっているのだ。ただ一点、マスターと繋ぎ合う手だけに思い切り力を込め、彼と繋がり合うことの喜びを共有している。

 

 開発され、柔らかくなった子宮口。そこに存在するぷるんとした肉の突起。

 肉棒に突かれれば震え、甘い振動を沖田の全身に発する性感帯。何度も何度も彼に責められ、はっきりと弱点と認識してしまった最高に気持ち良い場所。

 

「ぼるちお……しゅごいぃ……っ♡ ふあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ♡♡♡」

 

 与えられ続けて来た深い幸福感が全身で弾ける。今までに無い最深深度からの絶頂は、沖田の意識をホワイトアウトさせるには十分だった。

 口から涎を、鼻からは鼻水を。全身の汗腺からは汗が玉の様に吹き出、尿道からは小便が再び飛び散る。

 全身の穴と言う穴から液体を垂れ流しながら、沖田は大きな幸福感と快感に意識を攫われ、絶頂と共に意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぁぁ……っ♡ しゅごいっ♡ マスターのおちんぽ、しゅごいですぅ……♡ 獣ちんぽより、凄く気持ち良いのぉ……っ♡」

 

 十数分後、沖田は彼に対面座位の状態で抱きしめられながら腰を振っていた。口からは彼を煽る様な淫らな言葉が飛び出し、表情もまた快感に蕩けたものになっている。

 少し気を失ったおかげか、それともマスターとのセックスで魔力が供給されたからかはわからないが、ほんの少しだけなら彼女の体は動く様になっていた。あくまで無理はしないようにしながら、沖田はマスターの動きに合わせて腰を振る。

 

「はぁんっ♡ ああっ♡ はぁぁぁぁ……っ♡」

 

 ただ突き入れられるだけだった先ほどとは違い、今度はお互いに協力して快感を生み出し合っていると言う状況が沖田の心を躍らせた。一方的に気持ち良くして貰っているのではなく、自分もまた愛しい彼を気持ち良く出来ていると言う事が堪らなく嬉しかったのである。

 それに加え、単純に生まれる快感も上がっていた。自分が腰を跳ね上げる分、動きが大きくなるのだから当然のことだ。

 

「あぁっ♡ おしりっ♡ おっぱいも良いですっ♡ もっとっ♡ マスターの好きにしてくださいっ♡」

 

 自分の体を抱きしめるマスターは、時折沖田の胸に吸い付いたり、指をアナルに潜り込ませたりして単調ではないセックスを繰り広げていた。

 不意打ちに近い形で別の快感を与えられれば、その刺激に意識を吸い寄せられる。そこを肉棒による激しい快感で叩けば、もう沖田には成す術は無かった。

 

(全部……♡ 全部、気持ち良すぎる……♡ でも……でもっ♡)

 

 快楽漬けにされ、女の幸福を教え込まれ、未知の快感を叩きこまれた自分の体。

 もう彼に何をされても気持ち良く感じ、何を言われても心と子宮がときめいてしまう。

 だが、沖田の中ではたった一つの欲求が渦巻いていた。なにをされても感じる自分が望む、最高の快感を求めて腰を振るも、マスターはそれを見透かした様に沖田が望む快感を避けているのだ。

 ()()()()を狙って沖田が腰を振り下ろそうとも、マスターは上手く腰を操って狙いを外させる。何度やっても同じ、沖田がいかに望もうと、彼はその願いを叶えてくれないのだ。

 

「はっ♡ はぁっ♡ ほしっ♡ ほしぃぃっ♡」

 

「ん……? 何が欲しいの? ちゃんと言ってよ、沖田さん……」

 

「くぅぅぅぅっ……♡ マスターは意地悪です……♡」

 

「沖田さんがして欲しいこと、ちゃんと口にして欲しいな。そうしたら、必ず叶えてあげるからさ……」

 

 意地悪で優しい彼の言葉に頬を染め、沖田はもじもじと指を絡めて視線を横へと逸らした。

 恥ずかしがっていることは確かだが、彼女の中ではもう既に覚悟は決まっていた。沖田は少しだけはにかみながら、啄む様なキスをする。

 

「ふっ♡ ふぅっ……♡」

 

 マスターの唇を挟み、自分の方へと引っ張る。二度、三度とそれを繰り返し、存分に彼に甘えて見せる。

 何度目かのキスを終えた沖田は、そのまま上目遣いでマスターの目を見つめると……甘く、蕩けた声で自分の望みを口にした。

 

「……マスターのおちんぽ、ボルチオに欲しいです……♡ 全身が気持ち良くなっちゃう場所をおちんぽで突いて、沖田さんのことを気持ち良くしてください♡」

 

「……はい、わかりましたっと!」

 

「んひゃぁぁぁっ♡ きたっ♡ きたぁぁっ♡」

 

 マスターの肉棒が天を突く勢いで自分の膣を押し上げる。子宮の入り口、自分が待ち望んだ場所に亀頭を叩き付けられた瞬間、彼女の意識は一瞬だけ途切れた。

 快感に飲まれ、真っ白になった意識は、続けてやって来た新しい快感によって覚醒させられた。弱点であるボルチオを連続して叩くマスターの腰遣いに、沖田はメロメロになってしまっていた。

 

「ああっ♡ おくっ♡ おくぅぅっ♡ ずるいずるいずるいっ♡ こんなのっ♡ 気持ち良くならないわけが無いじゃないですかぁっ♡」

 

 Gスポット、子宮口、そしてボルチオ。巧みな動きで突き上げる部位を変え、沖田の感じる快感に変化を起こしながら、マスターは的確に沖田を追い詰めている。

 腹側の性感帯の密集地を叩かれ、次のピストンで奥を責められる。かと思えば、何度も何度も微弱な腰の動きで沖田を焦らし、じわじわと昂ぶりを貯め込ませて来る。

 

「はくっ♡ はやくっ♡ 気持ち良いところっ♡ おちんぽ……おほぉぉぉぉっっ♡♡♡」

 

 もう恥も外聞も関係ない。沖田はただ貯め込まれた官能を発散すべくマスターにもう一度弱点を突いて貰おうと口を開いた。だが、彼はそんな沖田の行動を予想していたかの様に腰を跳ね上げてボルチオを貫く。

 焦らし、高められた官能はその一突きで完全に覚醒された。獣じみた嬌声を上げる沖田のことを抱きしめながら、マスターは彼女の耳元で優しく呟く。

 

「……沖田さん……沖田さんの居場所は、ここにあるからね。もうここから離れちゃ駄目だよ?」

 

「ふ、え……♡」

 

 耳から聞こえた甘い声が沖田の心を溶かす。蕩けた体を抱きしめられ、ふわふわと高揚する心を掴まれ……沖田は、マスターの言葉に知らず知らずのうちに頷いていた。

 

「ここ、が……マスターの腕の中が、沖田さんの居場所……?」

 

「そうだよ。苦しいことがあったって、辛いことがあったって、沖田さんには戻って来られる場所があるからさ……だから、怖がらなくて良いんだよ。望むなら、俺がいつでも沖田さんのことを抱きしめてあげるから……!」

 

「あぅ……♡」

 

 優しい口説き文句を口にしながら自分を抱きしめるマスターの行動に、沖田の心は完全に蕩けさせられていた。快楽と共に体と心に染み込まされた彼からの愛情が、沖田の嗜好をグズグズに溶かして行く。

 沖田の心も体も……もう、ソロモンの物ではなくなっていた。今の彼女とソロモンを繋ぎ止めているのは、彼の元に居た頃の快楽の記憶だけだ。しかし、それもじきに意味をなさなくなる。

 

「あっ♡ あっ♡ あっ♡ はぁぁぁぁぁっ♡♡♡」

 

 マスターの腰の動きが激しくなる。沖田を抱きしめる腕の力も強く、アナルに潜り込む指もより深くへと突き入れられて行く。

 執拗にボルチオを叩く彼の肉棒は、まるで鋼の様に硬くなっている。それが帯びる熱さ、そして猛々しい律動もまた高まり強くなっていた。

 

 彼は自分にトドメを刺そうとしている……マスターが自分を落とそうとしている事に気が付いた沖田の体にもまた、変化が起き始める。

 愛と快感に付け込まれ、獣との性行では知りえなかった新たな快感を彼に教えられた体は、その時を今か今かと待っていた。今まで自分が経験して来た絶頂など目ではない真の絶頂がそこまで迫っている事に胸の高鳴りが止まらないでいる。

 そして、ソロモンの行いのせいで傷つき、ボロボロになった心もまた、彼のモノに戻れる瞬間を待ちきれないと言う様に輝いていた。膣を突かれる度に脳裏からソロモンの姿が遠ざかって行く。沖田の中では、もうソロモンから与えられた快楽の記憶はぼんやりとしか思い出せないレベルにまで落ち切っていた。

 

「んんんっっ♡♡ んきゅぅぅぅぅっっ♡♡♡」

 

 マスターの唇が自分の唇を塞ぐ。口、膣、アナル……快楽を生み出す三つの穴を彼の体で塞がれた沖田は、くぐもった悲鳴を上げながらその時を迎えた。

 

「ん、んんんんんんっっっ!?!?」

 

 一突き目、自分の子宮口が突き上げられた。勢いの乗った一撃に沖田の腰が跳ね上がり、そして重力に従って落ちて来る。

 

「ん~~~っ♡♡♡ んんん~~~~~~っっ♡♡♡」

 

 二突き目、官能の中心地、ボルチオを思い切り突き上げられた。跳ね上がった腰が落ちて来る勢いも重なり、沖田は絶頂を迎えながらも再び勢いよく腰を跳ね上げさせた。

 

「んあぁぁぁぁぁっ♡♡♡ はぁぁぁぁぁぁぁっっんんんっっ♡♡♡」

 

 絶頂し、潮を噴き、愛液の飛沫を撒き散らす沖田の膣に繰り出される三突き目。それは、最初の一撃と同様の場所を狙ったものだった。

 膣から肉棒が抜けるギリギリまで浮き上がった腰の勢い、これでトドメと言わんばかりの腰の跳ね上げ……その二つが重なった渾身の一突きが沖田の子宮を叩きのめす。

 もう一度沖田が腰を跳ね上げることをマスターは許してくれなかった。快感に浮かび上がりそうになる腰を抑え込まれ、更に奥深くを責められる。腰が浮かばないのならこの勢いを止める術は一つしか無い。

 そう、()()()()()()()()()()()()()しか無いのだ。

 

「は、あぁ……あああ……っ♡」

 

 マスターの肉棒に自分の子宮が押し上げられる。今まで行ったことの無い所まで押しやられた自分の子宮が、大きすぎる快感を理解するまで一拍の時間を必要とした。

 

「は、は、あぁぁぁっ♡ はぁぁぁぁ……っ♡」

 

 震えが、痺れが、波が……自分の体の中で徐々に大きくなって来る。その全てが快感へと形を変えて行くことを感じ取った沖田は、口を大きく開いて絶頂の叫びを上げた。

 

「あぁぁぁぁぁぁっっ♡♡♡ イっ……クぅぅぅぅぅぅぅっっっっ♡♡♡」

 

 愛液の飛沫が秘所で何度も弾ける。体の痙攣は止まらず、舌を放り出して人として恥ずかしい程のアクメ顔を晒してしまう。

 叩き込まれた快感を体が理解した瞬間、彼女の膣も絶頂の反応として大きく振動していた。子宮口もぽっかりと口を開き、滝の様な愛液を吐き出そうとする。

 そして……その瞬間を待っていたかのように、マスターもまた彼女の最奥に己の欲望を解き放った。

 

「あぐぅぅっっ♡ あちゅ、あちゅいぃぃぃぃぃぃぃっっ♡♡♡ しきゅうっ♡ 赤ちゃんの部屋っ♡ 灼けるぅぅぅぅっっ♡♡♡」

 

 大きく開いた子宮口から注ぎ込まれるマスターの精液。魔猪の射精よりも激しく、量も多く、精の迸りも熱く燃え盛っていた。

 注ぎ込まれる精液が沖田の霊基に染み込み、彼女の記憶と心を塗り替えて行く。子袋に入りきらないほどの精液を受け取った子宮は雄々しく強い雄の遺伝子に屈服し、誰が己の主人であるかを明確に理解した。

 

「熱い……♡ 熱いぃぃ……っ♡ こんなの……絶対に妊娠しちゃいますよぉ……♡」

 

 子宮の内側と外側が同じくらいの熱を帯びていることを感じた沖田は、うわ言の様に呟きながらその熱を甘受した。

 心の芯まで溶かす熱さに恍惚とする彼女の下腹部が明るく光り、ソロモンの手で作り替えられた霊基を元に戻して行く。

 

 尻に刻まれた雌の文字が剥がれて行く。丸く、艶やかさを帯びた彼女の尻は、汚れた証を消し去って本来の美しさを取り戻した。

 背中に描かれていた誠と×印の文字が薄れて行く。消える寸前に僅かに光った誠の文字は、彼女が掲げていた心意気を取り戻したことを示している様であった。

 そして……豚の文字が刻まれていた淫紋令呪はその姿を変え、愛しい人の女になった赤く可愛らしいものへと変化した。令呪の持ち主が変わったことでソロモンに下された数々の命令もまた解除されていく。

 

「あ、あ……♡ ますたぁ♡ 気持ち良いです……♡ 幸せです♡ 頭の中ふわふわして、もっとこうしていたくなっちゃうんです……♡」

 

 死ねなくなった苦しみから解放された沖田は、晴れやかな気分を胸に言葉を紡いだ。今の彼女の瞳は熱を帯び、主への愛情がはっきりと映っている。

 膣に注がれた熱と自分を抱きしめる彼の体温、その二つを感じる沖田の胸の中には、計り知れないほどの幸福感が広がっていた。

 

(戻れた……♡ 元の私に、戻して貰えた……♡ こんな私のことを許して、愛してくれたっ♡)

 

 薄汚れた雌豚としての自分を抱き止め、愛情を持って接してくれたマスター。いつもと変わらぬ優しさで自分を包み、苦しみから解放してくれた愛する人……。

 居場所を作ってくれた。望みを叶えてくれた。抜け出せないと思った暗闇から、自分を救い出してくれた。

 もう離れない。もう迷わない。彼の腕の中(ここ)が、自分の在るべき居場所なのだ。

 

「ます、たぁ……♡ もっと、あなたのお傍に……♡」

 

 体は大分楽になった。思い切り動いても問題無いだろう。

 これでやっと思う存分彼に奉仕出来る。獣との性行ばかりしていた自分には、もしかしたら彼への奉仕は荷が重いかもしれない。だが、それが故に彼に一から仕込んで貰えるだろう。温かい幸福感を胸に沖田はそっと微笑みをマスターに向ける。

 

「マスター、今度は私が頑張る番……こふっ!?」

 

 愛しい彼への感謝の思いをこの身で示そう。愚かな自分でも、女としての体があるならば出来ることがある。

 そう思いながら奉仕を開始しようとした沖田であったが……突如として血を吐いて目を回してしまった。

 

「お、沖田さんっ!? ご、ごめん! 無理をさせ過ぎたんじゃ……!?」

 

「あ、ああ……。違うと思います。むしろ、これが正常と言いますか……けふっ!」

 

「うわぁぁぁっ!? ナイチンゲール! お医者さ~~んっ! 早く来て~~~っ!!!」

 

 全部が元に戻ったのなら、病弱スキルも元に戻る。そして、コミカルな彼女の性質上、()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「マスター、色々すいませんでした……。それと、ありがとうございま……こふっ!」

 

「ちょっと! なんか遺言っぽいことを言うのは止めてよ! 死んじゃうみたいじゃないかぁ!」

 

 自分の腕の中で気を失う沖田に叫びながら、マスターと沖田の初めての夜伽はなんとも締まらない終わりを迎えたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ありがとうよ」

 

「……へっ?!」

 

 そして翌日の朝、こってりとナイチンゲールに絞られたマスターを待っていたのは、新選組の鬼の副長からの予想外の一言であった。

 あの土方が自分に礼を言っている……何故、どうしてこうなったのか? その理由が分からずに目を白黒させるマスターに対し、呆れた様な口調で土方は説明をした。

 

「……沖田を救ってくれたこと、感謝する。俺が出来なかったことをやり遂げ、付き合いの長い仲間を救って貰ったんだ、俺だってそれを感謝しねえわけじゃねえ」

 

「え……? で、でも……」

 

「……沖田を殺そうとしたのは、あの時点ではそれが一番良いと思ったからだ。苦しまずに死なせてやることが一番良いと思った、ただそれだけの話だ。……誰も好き好んであいつを殺そうとしたわけじゃあねえよ」

 

 後半の部分を呟く様な声量で口にした土方は、顔を背けて屋敷の壁を見ている。

 彼は不器用なだけで、仲間を大切に思う心は人一倍強いのだなと感心したマスターが土方歳三と言う男への認識を改めていると、不意に視線を合わせた彼が神妙な表情をしながら話しかけて来た。

 

「……今までの話はこれで終わりだ。ここからは、これから先の行動を決める話だが……お前はどうするつもりだ?」

 

「……出来たら、仲間たちを救いたいです。でも……」

 

「方法が見当もつかねえ、だな?」

 

 土方のその言葉にマスターは悔しそうに俯きながら頷いた。本当に悔しいが、どうすればモードレッドたちの心を救えるのかが全く分からないのだ。

 ローマの中の日本は制圧した。安定した状況の今だからこそ、奪還した英霊たちの心を解放しておきたい。

 だが、その方法がわからない。苦しむ仲間たちをただ見ている事しか出来ない自分に苛立ちを募らせるマスターは、歯を食いしばって己の不甲斐なさを呪った。

 

「……教えてやろうか、方法を」

 

「え……?」

 

 俯き、黙っていたマスターの耳に届いた声。その声に反応して顔を上げたマスターは、自分の事を見つめる土方の顔を見つめ返して彼に聞き返した。

 

「方法が……あるんですか……?」

 

「……お前の心がけ次第だが、あいつらを救う方法は存在する。あとは、お前に覚悟があるかどうかだ」

 

「あります! 俺は、皆を救いたいんです! だから……」

 

「……なら、決まりだな」

 

 間髪入れずに返答したマスターの事を見て満足げに頷いた土方は、立ち上がると彼の元へと歩み寄って来た。

 見上げる様な長身の土方に見下されながら、彼の鋭く熱い炎が燃える瞳を見つめ返すマスターに対し、土方は告げる。

 

「……俺がお前を鍛えてやる。誰もがその背中を追いたくなる様な男に、強い信念を貫ける人間に、自分について来る奴らの重荷を笑って背負える様な頭目に……俺が、育て上げてやるよ」

 

「……はい!」

 

 差し出された土方の手を掴み、マスターは大きな声で返事を返す。

 あの三人を……いや、囚われ、苦しむ仲間たちを救えるのならば、どんな困難な試練だって乗り越えて見せる。

 土方の瞳に燃える炎にも負けない覚悟の光を胸に灯しながら、マスターは覚悟を決めた表情を見せ、そして笑った。

 

 

 




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