少し冷静になって考えてみると、結構俺ってビッチ的な事をしてたんだなと思う。
保健室という学校の校舎の中。しかも教師と生徒の関係とはいえ、密室で二人きりの状態でいきなり制服の上を脱ぎ始めたんだから。
これでビッチになるんだったら前の世界でどれだけ多くの女子高生がビッチになってしまう事やら。さすが男が少ない世界。体を持て余したヤリ盛りの女がたくさんいますってか!
いやぁ、俺得の世界じゃないか。
良い感情を持ってもらってるのであれば、俺もそのつもりでいかせていただきます。
そもそも体調なんざ悪いわけでも無いし。何気に先生の手がすべすべしてて撫でてくれてる間気持ちよかったってのもあるんだけどね。しっかし、まぁ何と言うか。結構純粋な人なんじゃない?
未だに男にモテたことが無いと自分の事を卑下しては両手の指を突きあってる姿に萌えながら話しかける事に。
「ね、先生」
「うぇぁ!? ど、どうした?」
ドギマギしながらも慌てる先生。
「俺は、別にさっきの事、誰にも言うつもりはありません」
「え?」
「でも、少し俺にお小遣いをくれるんだったら、しても、良いですよ?」
ここで必殺の上目遣い。
さりげなくお小遣いの要求もしておくところが悪童の権化と言うべきか。これは完全にビッチの発言ですわ。しかも、別に金に困ってるかどうかなんて実感すらしてない状態でね!
「お、おおおおお前、ビッチだったのかっ!?」
「ちょ……そんな大きな声を出さないで下さいよ! それに、ビッチじゃないです! まだ、童貞ですし」
「ど、童貞っ!?」
今度は先生が固まってしまった。
この世界で童貞にどれだけの価値があるんだろうか?
まえの世界では素人童貞と言うだけで特に気にすることもなかった程度の認識しかないが。いつまでも固まったままの先生の顔の前で『おーい』と呟きながら手を振ってみる。
「はっ!? わ、私は今夢を見てるんだよな……こんな、男子高校生が私とヤッてくれるなんて、そんな夢にまで見たシチュエーション、まさか現実なわけ」
「あるんですよー」
「うわぁっ!? ……い、いくらだ?」
「はい?」
「お、お小遣いってのは、いくらなんだ?」
「えぇーっとぉ」
おぉっとぉ。
さすがに教師と生徒でそこまでディープな関係まで行こうとするとは思わなかったが、この人、結構精神力強いんか? それともこれがデフォルトか、もしくはこの人がヘタレなのか?
しかし、想定外の事態に自分の見積もりが甘かったとしか言いようがない。
世間で言うところの割の値段が分からないのだ!
「先生の言い値で、良いですよ?」
「は?」
「俺、先生と気持ちよくなりたいから……終わった後に、ください」
「……保志君!!」
「わっ!?」
言い終わるや否や、先生に押し倒された。
両手で肩を押さえつけられ、そのままキス。
唇と唇が触れ合うだけの初心なキス。押し倒してきた時の勢いはどこにいったのやら。二度、三度。触れては離れを繰り返したところで、俺から口を開けた。
ほんの少し開けただけ。そこに、先生が唇を落としてきた。
啄ばむようだったキスから今度は大胆に舌を入れてくる。吐息が漏れ、唾液の音が耳を突く。それだけで燃え上がる。体の奥底から、この女性を無性に味わいたいという願望が這い出てくる。
両腕を先生の背中に回し、抱き締めた。
「んむぅ!?」
「は、んぁ……んぅ」
驚いて顔を上げそうになった先生の頭の後ろに手を当て、逃げられないようにする。不器用に動いていた舌に絡まるように舌を動かす。驚いたのか、またしても動かなくなってしまった先生の舌をしごくように顔を前後に動かす。女性が男性にフェラチオをしているかのように。
「んぁ!? は、ぁあっ!」
それだけで先生の身体が痙攣し始める。
小さく震え始めた体は、次第に大きく痙攣し始める。
さすがにこれでイクなんて――そう思いながら顔の前後運動を止め、先生の舌を無理矢理押し込めるように舌を動かし、先生の口の中で無茶苦茶に舌を動かした。唇の裏、歯茎、舌同士。適当に、それはもうがむしゃらに動かした。
「ぁ……!! っ、……ぁ!!」
一際大きく先生の躰が脈動した。
これは多分、イッたのかもしれない。そう思い、先生の痙攣が治まってきてから唇を離した。その際、舌を少し出したままにするのを忘れない。
「はぁ……ん、あぁ……」
「センセ、もしかして、いっちゃいました?」
「んぁっ!? ……う、ん……」
恥ずかしそうに顔を赤らめる先生の姿に萌えてしまう。
火照って止まない自分の愚息が、これ以上ないくらいに自己主張していた。
正直、パンツが邪魔に思えるくらいに勃起をしていた。それだけ、今のキスには興奮していたし、先生の様子は一際淫靡さを漂わせていた。
いやぁ……もれはとても良いものですね!
教師と生徒が陥る淫らな関係! しかも俺の世界での感覚からすると、可愛い女の子が性欲旺盛な男性体育教師にすり寄ってるみたいなもんだからな! お金も貰えてやりたい放題!
……完全にビッチの発想ですわ。
キーンコーン――
「わぁっ!? も、もうこんな時間!?」
「そうですね……一時限目は、終わっちゃいましたね」
「わ、わ、わ……」
両手をパタパタさせる先生。
慌てているんだろうが、いちいち反応が「可愛いですねぇ」
「なぁっ!? わ、私がかわいいだって!?」
「あ、もしかして口に出てましたか」
「む、無意識で……」
今度は完全に固まってしまった。
キスだけでいってしまった事とか考えると、この人男性に対する免疫無さすぎるでしょ。あ、男性の数は少ないんだったな。
なんだ……男性保護委員会とかあったし、あんまり普通の女性は男性に関わる機会は少ないのか? だから通学路でも男性の姿が少ないとか。レイプを恐れて外出していないってのも頷けるが、だとしたら大学に通ってるって言ってた男性。猛者だな。
「こ、これ」
「はい?」
「だから! ……もう時間も無いし、あ、あんなに気持ち良いキスしてもらったから」
いそいそと財布を取り出してお金を差し出してくる先生。
先生の手に握られてる諭吉さんが挨拶をしてくる。
……キス一つで1万円、ですか?
「ありがとっ! 先生大好き!」
「んなぁっ!? そそそうやって簡単に女に大好きとか言うなぁっ!?」
「そうだ、先生のメルアド教えてよ」
「え!? わ、私のメルアド?」
「うん。いつでも先生と連絡が取れるように、ね」
「は、はい……」
こんなに可愛らしい女性のメルアドを聞かないなんてどうかしてるぜ!
て事で早速先生のメルアドを入手。俺がメルアドを聞いて先生にメールを送る。後は先生が登録するだけで完了っと。買ってから変えていないのだろう、機械的な着信音が先生の携帯から鳴り出した。いくらなんでも学校にいるときぐらいマナーモードにしましょうや。
登録が完了しただろう先生は、そのまま携帯を胸の前で大事そうに握り締めていた。そんなに乙女な反応されると、さっきお金を貰った俺の心が痛くなるんですがそれは。
しっかし、俺の息子も臨戦態勢に入ってたんだが、どうやって処理しようかな。