※この作品はR-18です。

響け!ユーフォニアム〜中川夏紀の憂鬱〜(未完)   作:森島響

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第2話『気だるさ』

(月日は2年流れ…)

 

晴香「上級生は新入生をきちんと指導してあげてください」

 

夏紀(……はー…かったるい…)

 

 私は南中を卒業し、北宇治高校の2年生になっていた。もちろん部活は吹奏楽部に所属している。優子、みぞれ、希美も同じクラスメイトだ。しかし…希美だけは訳あって今は吹部にはいない。

 それはひとまず置いておいて…先程吹部部員達全員に指示を出していたのは、部長の小笠原晴香先輩だ。パートはバリトンサックスを担当している。

 

 私は小笠原先輩に指示された通り、今年4月に入部してきた後輩の新人部員達の前に並んだ。

 

あすか「低音パートの練習は、ここで行ってまーす!」

 

 そう呼びかけていたのは、副部長の田中あすか先輩。小笠原先輩と同じく3年生で、パートはユーフォニアムだ。赤緑の眼鏡がトレードマークである。

 

夏紀「あれ?他の1年は?」

 

緑輝「確か腹式呼吸の練習です」

 

 さっきまでいた筈の1年生達がいつの間にかいなくなっていたことに気付いた私は、隣にいた小動物のような印象の1年生に聞いた。

 彼女は川島緑輝ちゃん。川島“サファイア”と読むらしい。ここ数年でいつの間にか流行り始めていたキラキラネームだ。本人は名前で呼ばれるのを嫌がっていて、緑ちゃんと呼んでと言っている。パートはコントラバスだ。

 

(腹式呼吸練習が終わった数時間後)

 

夏紀「………やっぱり途中で帰ったのはまずかったかな…。 今頃梨子や後藤くんが私の噂してるんだろうな…」

 

 学校帰り、街中を歩きながらそう独り言を呟いた私。長瀬梨子と後藤卓也。2年生で、2人ともチューバ担当だ。噂では恋人関係だとか。表向きになっていないため、真偽の程は分かっていないが。

 

(夏紀がいなくなっていた頃の3年3組教室)

 

梨子「夏紀がいませんけど…」

 

後藤「帰ったんだろ?」

 

あすか「……とりあえず!! 音合わせからやってみようか!」

 

(再び夏紀サイド)

 

夏紀「……私、何やってんだろ…。 こんなに部活真面目に参加してないなんて…。 2年前のあの日の夜、優子と金取ろうと約束したのに…」

 

…翌日…

 

(3年3組教室にて、新入部員を含めた一部で練習中の吹部)

 

夏紀「…」

 

後藤「…あすか先輩」

 

あすか「ん~? 何かな?」

 

後藤「ユーフォは大丈夫なんですか?」

 

あすか「ああ…。 まぁ大丈夫! いざとなれば、ちゃんと吹いてくれるから」

 

夏紀「…」

 

 窓際でだらけているので後ろの練習風景は見ていなかったが、どうやらあすか先輩や後藤くん達は、私のことを言っているらしい。

 実は近々、サンライズフェスティバルという各校の吹部が行進して演奏するイベントが近付いており、その練習の真っ最中なのだが…。私はどうにもやる気を起こせなかった。

 その理由は明らかだった。実は例のダメ金を取ったあの日の夜以来…。みんなの知らない所で優子と密かに逢瀬を交わしており、その疲れからだということは。表向きは顔を合わせるたびに口喧嘩して、犬猿の仲だと周りにそう思わせて誤魔化しているが。

 

 この秘密だけは誰にも知られてはいけない。ただ一人だけ、その秘密に勘付きそうなとある後輩が今、私の後ろで練習しているが。現時点ではまだまともに交流を深めていないので、時期が来たらまた紹介することにする。

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