小説情報にも載せていますが、今後は年末年始などもあり、忙しくなると思われるため、不定期更新となります。ご了承ください。
また、以前1回だけ書いた希美先輩が主役の番外編の続編についてですが、そちらもオリジナル展開がどうしても思いつかなかったため、無しとさせていただきます。そちらについても、誠に申し訳ありません…m(__)m
では、夏紀先輩スピンオフ第2期編開始です。
私は中川夏紀。北宇治高等学校2年の女子高生だ。元・南中学校吹奏楽部所属だったが、今も北宇治高校の吹奏楽部として活躍している。
演奏楽器はユーフォニアム。1年後輩の黄前久美子ちゃん、1年上の先輩で3年生の田中あすか副部長を含めて3名しかいない。
私と同じ南中吹部所属者では、吉川優子、鎧塚すみれ、傘木希美の3人も、それぞれ別パートだが北宇治吹部としてこの高校に一緒に通っている。しかし、希美だけは訳あって今は吹部にはいない。そのことは後で触れるとして…。
私達北宇治吹奏楽部は、滝昇先生指導の下、京都府吹奏楽部音楽コンクール予選にて見事金賞を勝ち取った。ただ私は、その予選メンバー選抜のオーディションにて落選してしまって、補欠だったのだが…。
とにかく、これで全国大会への第一歩は何とか踏み出せたことは確かだ。まだ先は長い。新たな扉が今、再び開かれようとしていた。
(京都府吹部コンクール予選優勝後…)
久美子「………」
(予選優勝で、物思いに耽りながら夏真っ盛りの空を見上げていた久美子)
緑輝「…ちゃーん! 久美子ちゃーん!!」
久美子「…!」
葉月「久美子ー! 記念写真!」
久美子「…今行くー!!」
(サファイア川島と葉月が呼んでいることに気付き、記念写真に混ざるために今そっちに行くと告げる久美子)
晴香「賞状、誰か持ってー」
(予選の優勝トロフィーを抱えているので、賞状も持ちながら記念写真に混ざるのはキツいため、誰かに持ってもらえるようにお願いしている部長の晴香。隣には香織もいる)
麗奈「………」
久美子「………」
(ほんの少し微笑んでいた麗奈を見て、麗奈の隣に並びながら静かに笑顔を見せる久美子)
葉月「…」
(グッ!)
葉月「よし! バンザイで写真撮ろう!!」
葉月「この嬉しさを全身で現すんだよ!!」
久美子(なんだか…まだ信じられないっていうか…実感ないっていうか…)
夏紀「………」
(フッ)
私は、久美子ちゃんが何と思っているか感じながら、後ろで静かに見守りながら笑顔を見せていた。
カメラマン「じゃ、行きます! 何かポーズとって」
久美子「………」
麗奈「………」
(お互い、笑顔を交わし合う久美子と麗奈)
(パシャッ!!)
(カメラマンがカメラのシャッターを切った音)
北宇治高校は、吹奏楽コンクール京都府大会で金賞を受賞した。代表として関西大会への出場も決まったのだ。
(記念写真撮影終了後…)
晴香「みんな、集まってー」
(晴香の指示の下、滝先生と副顧問の松本先生の側に集まる吹部部員一同)
滝「…何と言っていいのか分からないのですが…。
みなさん、おめでとうございます」
滝「私達は、たった今から代表です。
それに恥じないように、更に演奏に磨きをかけていかなければなりません」
滝「今この場から、その覚悟を持って下さい」
久美子「………」
麗奈「………」
(滝先生のその檄に、一層気合いを入れ直した久美子と麗奈)
(数分後…)
久美子「…」
(ファサッ…)
(予選が終了したので、ポニテを解いた久美子)
久美子「…ん?」
希美「………」
(ザッ…)
久美子「…?」
(京都府コンクール予選の看板が置かれた傍に立っていた希美に気付いた久美子。希美、黙ってその場を立ち去る)
(北宇治高校に戻ってきて…)
(職員室にて)
滝「………」
(練習再開で音楽室に向かうため、自身の教員机にて準備をしている滝先生。そこに松本先生がやって来る)
松本「学校の吹奏楽は、顧問一人で演奏が大きく変わると言いますが…」
松本「まさか関西大会とは」
(今まで見せたことがない笑顔を見せながら滝先生にそう話しかける松本先生)
滝「…演奏を初めて聴いた時から、ポテンシャルがあるのは分かってましたから」
滝「中世古さんや田中さんは、強豪校にも劣らない実力を持ってましたし」
(北宇治校外にて、搬送トラックから部員達の楽器を片付け作業中のあすか)
滝「そこへ高坂さんや川島さんが入ってきてくれました」
(音楽準備室で、コンクール予選で役目を終えた楽器入りの箱を仕舞っているサファイア川島)
松本「伸びシロはあったと?」
滝「まだまだ課題はありますけどね」
(数分後…)
(音楽室にて)
滝「…みなさん、行き渡りましたか?」
(吹部部員達に今後の予定が書き込まれたプリントが行き渡ったか確認する滝先生)
久美子(何も書いていなくても練習するのが当たり前…)
久美子(空白の目立つ予定表は、この後も夏休みとは程遠い生活が待っていることを意味していた)
(プリントを眺めながら、そう心の中で思う久美子)
滝「8月17・18・19の3日間、合宿を行います」
「先生! 質問なんですが…」
「その前の15、16が休みっていうのは…?」
「休むんですか!?」
(滝先生にそう質問する一般部員達)
滝「その期間は必ず休まなくてはいけないと、学校で決まっているらしくて…」
(カリカリ…)
滝「学校を閉めるらしいんですよ」
(後頭部を軽く掻きながらそう質問に答える滝先生)
(ボソボソ…)
「外でやろ」
「うん」
(後ろの席でそうボソボソと会話している女子部員達)
久美子(皆それだけ大会にかけていた。
関西に行けたという事実が「全国」を夢から現実のものにしていた)
(パンパン!)
滝「2年生、1年生も、来年あるなどと思わず、このチャンスを必ず物にしましょう」
一同「はい!」
(ガラッ!)
「ザワザワ…」
突然音楽室に入って来た私達オーディション落選組にざわつく音楽室室内の吹部部員達。私の他に、葉月ちゃんや香織先輩も落選組でこちらにいる。
「みなさん! 関西大会出場おめでとうございます!!」
(落選組全員で関西大会出場者全員に祝福する)
夏紀「私達チームモナカは、関西大会に向けてこれまでと同様、皆を支え、一緒にこの部を盛り上げていきたいと思っています」
葉月「~~~♪♪」
(夏紀の左隣の席に座りながら、楽器を演奏する葉月)
夏紀「おめでとうの気持ちを込めて演奏するので、聴いて下さい!」
優子(…夏紀…香織先輩…)
(夏紀や香織の方を見つめながら、心の中で気にかける優子)
夏紀「~~~♪♪」
香織「~~~♪♪」
葉月「~~~♪♪」
滝先生の指示で、密かに練習していた課題曲を演奏し始める私達。曲は『学園天国』だ。
(演奏終了)
久美子「………」
(パチパチパチ…)
(夏紀達落選組の激励曲に感激して一斉に拍手する部員達)
「コングラッチュレーション!」
(改めて、関西大会進出おめでとうと激励し返す夏紀ら落選組)
晴香「うっ…うう…」
(落選組の激励曲に感激して、嬉し泣きしている晴香)
あすか「こういう時は景気の良いこと言ってしめないとダメでしょ!」
(嬉し泣きしてしまっている晴香を気遣ってフォローするあすか)
あすか「いくよ!
北宇治ファイトーオー!」
晴香「ぁそれ私の…」
「アハハハハ…!」
(晴香とあすかのそのやり取りに爆笑の渦になった音楽室内)
こうして北宇治吹奏楽部は、関西大会に向けてスタートを切ったのだった。