滝「なんですか、これ?
私言いましたよね、合奏出来るクオリティになったら、集まってくださいって。
合奏って何だと思います?
各パート、あまりに欠陥が多すぎて、これでは合奏になりません。 皆さん、パート練習やってたんですか?」
夏紀「…」
滝「それでは困るのです。 あなた達は全国に行くと決めたんです。
この演奏では指導以前の問題です。 私の時間を無駄にしないで頂きたい」
表向きは笑顔だが、そう厳しげな言葉を浴びせていたのは、この高校吹奏楽部の眼鏡を掛けたイケメン毒舌顧問、滝昇先生だ。実は、滝先生からはサンフェスなどのイベントが控えている中、海兵隊の演奏を完璧にしておくようにとの課題が出されていたのだ。
しかし、まともに練習して来ず…いざその演奏を聴かせた結果がこの様だった。私自身も何も言い返せず、下を向いてしまっていた。
サンフェスの曲はどうするのかと梨子が聞き、滝先生は
「あなた達は、そういうことを気にするレベルにはありません。 来週まともなレベルになっていなかったら、参加しなくていいと思っています」
と毒舌を吐き捨てて音楽室から出て行った。
…その日の夜…
夏紀「…」
優子「…」
私は、またもや優子を誘って、自分の自宅の自室に一緒にいた。あのあと…
あすか『…とりあえず、各パートで意見まとめて、パートリーダー会議で話したらいいんじゃない?』
…と、あすか先輩による一言で今日は解散になったのだが…。それだけでは、何も変わらないだろうと思っていた。それは、言葉さえ交わし合っていないが、恐らく優子も同じ気持ちだろう。
この高校に入学して…2年生に進級するまでの間にも、色々と“事件”があった。そのことについては、時が来たらまた振り返るとする。
優子「…ねぇ」
夏紀「何?」
優子「…いつまで黙ってるつもり? 今日もやるんでしょ? いつもの」
夏紀「……言われなくても…今からたっぷりしてあげるわよっ!」
優子「キャッ!」
(ドサッ!)
私は、優子をベッドの上に押し倒した。そう…“いつもの”というのは、もちろん逢瀬のことだ。前にも言ったが、こうして密かに優子を誘っては、二人っきりで身体を重ね合って反省会をしているのだ。
こんなバカなことを思い付いたのは、私の方だった。なぜこんなことを思い付いたのか、自分でもよく分かっていなかった。しかし、あの日以来、こうやってしょっちゅう身体を慰め合わないといけないぐらい癖になっていたのだ。
夏紀「おや~? 優子のここ…もうビショビショになってんじゃん」
優子「やっ…///ち、違っ…///」
夏紀「今日の演奏中、滝先生のすることに不満だったのか知らないけど、かなり不機嫌だったよね~? そんなに私を求めてたの?」
優子「…///そ、そんなわけ…んっ///」
私は、必死に否定しようとした優子の唇を塞いで、そのままいつもの行為に突入した。
…数時間後…
夏紀「…ハァッハァッ…///」
優子「…ハァッハァッ…///」
嫌と言いたいほど身体を慰め合った私達は、肩で辛そうに呼吸をしながら、ベッドに全裸で横たわっていた。お互い結構溜まっていたのか、今夜は私も優子も激しく身体を貪り合った。
優子「…そういえば」
夏紀「ん?」
優子「気付いてた? 私達のこの関係、例のあの子に勘付かれていそうだっていうこと」
夏紀「…ああ…黄前ちゃんのこと? 大丈夫だよ。 だって、それを勘付かれるほど、まだ親睦深めてないし」
前にも触れたが、私達の秘密に唯一勘付かれていそうだと予感を感じていた例の新入部員の1人、黄前久美子ちゃん。私と同じユーフォ担当。なぜか知らないが、彼女からは私と似た匂いを感じていたのだ。
だからと言って、今、優子にも言ったが、まだそんなに交流を深めていなかったため、特に警戒していなかった。
夏紀「…決めた。 私、明日から真面目に練習に取り組む」
優子「…私も。 このままじゃ終われないもん」
そう新たに決意を交わしたあと、再び私達はお互いの身体を慰め合いながら一夜を明かした…。