※この作品はR-18です。

響け!ユーフォニアム〜中川夏紀の憂鬱〜(未完)   作:森島響

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第4話『一緒に合わせてみませんか?』

 滝先生に海兵隊の演奏を聴かせて、酷い毒舌を浴びたあの日から数日経ち。パートリーダー会議…通称パーリー会議が行われた。60名を超える部員の意見をまとめ、話し合う会議であり、我が吹部における、最高意思決定機関である。

 なんでも滝先生による、サンフェスそっちのけで別の演奏の練習させて人質扱いされていることが気にくわない何名かのパートリーダー部員代表が集まって、抗議しようかという話し合いだったらしい。

 で、滝先生に逆らったら、サンフェスに出場できなくなるかも、という不安要素が飛び込んで来て…。最終的に出た回答は…。

 

晴香「来週の合奏の結果、サンフェスに出場しないと先生が仰るのであれば、抗議しようということでまとまりました」

 

 そう部長の晴香先輩からのパーリー会議での意見が発表された直後、滝先生が音楽室に入って来た。

 

滝「こんな時間に集まって、合奏ですか?」

 

 何が行われていたのか知らない顔してそう聞いてきた滝先生に、黙り込む部員達。で、その後、なぜかグラウンドで走り込みをさせられたり、肺活量のトレーニングをさせられたり…。

 いつもの3年3組教室に移動したかと思えば、今度は各パート担当別々で基礎練させられたり…。

 

 で、私達ユーフォ・チューバ組はと言うと…。

 

久美子「わぁ…ロングトーンばっかこんなに…」

 

後藤「ロングトーンは基礎だから」

 

(久美子の側には、新入部員でチューバ担当の加藤葉月とコントラバス担当の川島緑輝=サファイア。副部長のあすかと長瀬梨子がいる)

 

夏紀「疲れすぎ…ちょっと休憩」

 

久美子「…」

 

 いつも通り窓の外を向きながら練習がキツくて休憩し始める私。その背後から、またもあの子…黄前久美子ちゃんの不思議そうな視線が刺さってくるのを背中越しに感じた。

 何度も言っているが、決して私と優子の同性愛関係だけは知られてはいけない。バレたら、私も優子もこの部には気まずさでいられなくなるだろうという不安があったからだ。

 そんなことを考えながら休憩していたら、別パートの指導を終えた滝先生がやって来た。

 

滝「遅くなってすみません」

 

(指導内容が書かれてあるノートと薄いノートPCを開く滝)

 

滝「…まず、楽器を置いてください。」

 

(一同、楽器を置く)

 

滝「皆さんには、歌ってほしいんです」

 

緑輝「ソルフェージュですか?」

 

梨子「楽譜を声に出して読む、基礎訓練ですね?」

 

(ソルフェージュ訓練開始。後藤、歌があまり得意ではなかったことが分かる)

 

滝「同じ音を、楽器で吹いてみましょう」

 

(一同、ユーフォ・チューバ・コントラバスを持って一斉に吹く)

 

滝「…止め! 今、Fの音が聞こえましたか?

 それが倍音です。 音程が揃っている時に聴こえてくる音です」

 

(一同、真剣な表情で滝の練習結果を聞いている)

 

(その日の練習を終えた翌日)

 

(またいつものように、いつもの教室で基礎練をしているユーフォ・チューバ・コントラバス組)

 

久美子「後藤先輩っていつからチューバやってるんですか?」

 

後藤「中一の夏から。 陸上部辞めて吹部に入った」

 

夏紀「…」

 

(ザッ…)

 

(夏紀の傍に寄って来た久美子)

 

久美子「あの…中川先輩…。

 皆で、合わせてみませんか?」

 

夏紀(…!)

 

 ついにあの子…黄前ちゃんがいつもみたいに窓の外に身を預けながら寝ていた私に対して声をかけてきた。一緒に楽器を合わせてみないかと。そのことが密かに嬉しかった私は、もちろんそれに素直に応じた。

 

夏紀「…いいよ」

 

 その後、無事に海兵隊の再課題を無事にクリアし、滝先生からサンフェスに向けての練習を始めるとの指示が出たのだった…。

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