滝先生からのサンフェスに向けての本格的な練習指示が出されてから、またも数日経った。サンフェス用の衣装を作るための身体測定、その身体測定結果から作られた衣装試着…。
サンフェス用衣装については全校強制ではないのだが、北宇治では毎年御馴染みのことらしい。ちなみに私の身体測定結果だが…胸のサイズがまた1カップ大きくなっていた。
胸のサイズなどは恥ずかしいので秘密だが、これも優子との逢瀬でよく胸を揉まれていた結果なのか。そんな優子の方はと言うと…。
優子「うわぁ~、先輩可愛い!!マジエンジェル」
香織「は、恥ずかしいから止めてよ…もう///」
夏紀「…」
中世古香織先輩。3年生でトランペットのパートリーダー。数日前の“もし、サンフェスに出る指示を得られなかった場合は滝先生に抗議する”といったパーリー会議に参加していたパートリーダー代表の1人でもある。
優子は、そんな香織先輩に1年前、この高校の吹部に入部してから憧れを抱いている。私は、優子が彼女と話している光景を直に目にする度、密かに嫉妬の眼差しを向けていた。そう…。周りには決して気付かれない程度の。
あすか「さすが香織!!似合う!!」
香織「あすかの方が全然カッコいいよ…美人だし…」
優子「先輩も十分負けてませんよ!」
香織「あ、ありがとう…///」
夏紀「…」
私が密かに周りに気付かれない程度の嫉妬の眼差しを向けていたら、またあの子の視線を感じた。黄前ちゃんだ。
これまでにも何度も気にはかけられてはいたのは分かっていたが、こないだの合奏練習にて初めて声をかけられた時から、更に異常に視線を向けられる回数が増えていた。
これ以上優子を睨み付けるのを止め、私はいつも通りのクールな状態を装った。
久美子(…)
(いつも通りのクールな夏紀に戻ったのを察したのか、葉月や緑輝達の方に再び視線を戻した久美子)
…数時間後…
(ジャージに着替え、グラウンドにてサンフェスに向けての行進練習を終えた休憩中)
葉月「さっきあすか先輩に注意されたんだー…。
あすか先輩って夏紀先輩より厳しいよね」
(グラウンド隅のベンチにて、久美子と会話中の葉月)
夏紀「あすか先輩はドラムメジャーだからね。
先頭を歩いて、指揮者の代わりになる人」
(1人、マーチング練習をしているあすかの方を見つめる久美子、葉月、夏紀ら。あすかの後ろから晴香と梨子が歩いてきていた)
夏紀「どっちにしろ、去年に比べれば随分変わったよ。
去年は行進の練習なんて、当日まで殆どしなかったし」
久美子「…」
(夏紀のその話を聞いて、無言で何とも言えない顔をしている久美子)
その後、何度かサンフェス本番に向けての練習が繰り返し行われ…。そしてサンフェス前日…私はいつも通り、優子を自分の自宅に呼んでいた…。