三食MENです!初感想ありがとうございます!読んでくれる人がいる限り、続けていこうと思います( ^ω^)。
今回は、アキラの頭の中の整理です。
その後、大混乱になりながらもなんとか織田信長と名乗る女性と話を続けた。時々、右の耳から入って左の耳から出るといった感じにもなったが、何とか話にはついていけた。一時間ほど経過したら、女性は仕事が残っているとのことで部屋を出て行った。
「どうやら本当に行ったようですね。ふう~ようやく一息つけました・・・いやはや、まだ混乱が収まりませんよ」
女性・久遠の気配がないのを確認して、敷かれている布団に再び横になった。
「どう考えても、ここは私のいた世界ではありませんね。男であるはずの織田信長が女という現実だけで、異世界の過去の世界となりますね。私のいた世界では、男で本人はもう死んでますからね。まあ、あの一族がいたからこそこっそりと生き続けていたとも言えますが」
話を思い出しながら、もらった情報を整理していた。
「これからどうするか・・・これが一番の課題ですね。そして、私がここにいる理由を一番知りたいですが、彼女に聞いてもわかるわけないでしょうし。私が天から降りたことに関しては、逆にどうやってそんなことができたと聞いてきたくらいですし」
彼女との話の中で自分の家臣になるよう誘われた。自分の実力を見せたのならともかく、まだ起きて話をしているだけ。これだけで家臣になれと誘って、しかも衣食住は保障するのおまけつき・・・あまりにも虫が良すぎる。見え見えの罠の中にあるおいしそうな料理に飛び込むようなものだ。ましてや真意もわからないからこそ、好条件ではあったが断った。
「しかし、驚きましたね。目を覚ましたら、いつも寝かされているゆやさんの団子屋の客間じゃなくて大きな家の客間の布団の中。しかもついさっき話した女性が織田信長という。ここまででも驚くことがたくさんあるのに・・・やはり一番驚いたのはあの言葉ですね」
驚きがまだ収まらない時に出した言葉。それはちょうど家臣の話を断った後の話であり、アキラはその時の事を思い出した。
『アキラ、お主我の夫となれ!』
家臣がダメなら夫になれ?この言葉に驚いたアキラ。
『夫?それはつまり夫婦になれということですか?』
『それ以外にどう聞き取れるというのだ?』
どうやら本気で言っており、冗談やだましではないと見抜いたアキラ。
『何故です?』
『言ったであろう。傍に置きたいと』
傍におきたいだけなら家臣か部下になれが普通だが、アキラは断った。すると次は夫になれ。さすがにすぐには頷けない。
『私はあなたの本心を聞きたいですので、言葉飾りはやめてください。傍に置きたいというのは、それ相応の理由があると馬鹿でもわかりますよ。何しろ好条件すぎる身の振り方の上にあなたの夫ですからね、あなたが私を怪しいと思っているのと同じように私もこの条件には裏があると思っています』
『ふむ、そうか。お前、随分と頭が回るな』
『それとも・・・私との間に子供を作りたいのですか?』
『なあ!何を言うんだ貴様は!』
『照れてますね。ふふ、あなたって結構初心なんですね』
恥ずかしがる久遠の顔を見て笑った。
『ききき、貴様というやつは!!』
『ふふふ、冗談はさておき、真意を聞かせてください』
『むう~~、ごまかしおって~~』
睨みつける顔もかわいい、とこっそり思ったアキラ。深呼吸をして一息ついた久遠は真面目な顔になって話を始めた。
『では、話すぞ。さっき、田楽狭間で天から降りてきたと言ったな』
『はい、私が光の玉に入っていたと』
『そこだ。そこに我は注目している』
その後の話で、田楽狭間では自分の知る歴史通りの展開になっていた。でも、大勢力の今川を小勢力の織田が破ったことはただのまぐれに過ぎない。まぐれじゃなければ他に理由があるはず。と他の勢力からすればそういう見方になるとのこと。
そこに現れたアキラ・・・天から降りてきた天人が織田という小勢力を勝利に導いた。本当なら久遠の提案した奇襲作戦のおかげで織田は勝ったが、周りの連中はそうは見ない。だから、そういう見方にさせてしまおう。というのが彼女の考えだった。
それにこの日の本に今川を破ったことで名が広まっているため、織田に取り入ろうとする輩も縁談を使って迫ってくる。そういう虫除けの意味も込めて、アキラを夫にするとのことだった。
久遠はここまで本当のことを言ってくれた。しかも半分私情が入っている理由すらも彼女は話した。互いの利をちゃんと掲示して、真意も全部打ち明けてくれた。信用できると判断し・・・アキラはその提案を了解した。
『久遠、その提案に乗りましょう』
思い返しが終わって、ずっと天井を見続けた。
「まだ胡散臭い男として見られているでしょうが、とりあえず身の振りは安定しましたね」
起き上がって襖を開けて庭を見た。空を見上げて太陽を半分隠している雲を見た。
「それにしても・・・まさかまた織田信長の部下になるとは。運命とでもいうのでしょうか?それとも、ただの偶然でしょうか」
こんな展開は誰でも予想できない。でも、今はこの状況に流されるのがベストだと考えた。
「狂は、ゆやさんは、時人は、梵は、あのバカは・・・そして、ほかの仲間たちは今どうしているでしょうね。私を探しているのでしょうか」
向こうの世界にいるかけがえのない仲間の顔を思い出した。皆がいるからこそ、今の自分がここにいれるし、掛け替えのないものをたくさん手に入れることが出来た。
「皆さんのようにできるでしょうか・・・」
自分もいつか誰かにかけがえのないものを渡したいという考えをこっそり持っていた。もし、ここで私を置いてくれた久遠にそれができるなら。そこまで考えたところで後ろの襖が開かれた。
2話目終了!
いやはや、中々難しいですね。いろいろ展開を考えるというのは。
では、ここまで読んでいただきありがとうございました。