ほかの創作さん達だったら、この第三話目でもう久遠の家臣と顔合わせ・手合わせしているのに未だに会ってもいない・・・。う~ん、もう少し端折ってかいたほうがいいかな?
では、お待たせしました。やっとあの人と会います。
今アキラは何をやっているのか?それは、彼らしくないことをしていた。
ガツガツガツガツ!モグモグモグモグ!
部屋に入ってきた女性が持ってきた食事を食べていた。どんな時も上品に食べることを心掛けている彼だが、この時だけはこれでもかっていうくらい急いで、しかも下品に食べていた。
『さすがに、1週間寝ていたら腹も空きますよね』
何か言いたげな女性の視線も関係なしに食べていた。最初はアキラの食べ方に驚いていたが、
「あの「すいませんが、おかわりお願いします」・・・はい」
問いかけを遮るようにお椀を差し出す・・・これが三回も続けばむしろ呆れる。とりあえず、アキラが腹いっぱいになって食べ終わるまで待ってくれた。その間も呆れの視線を向けていて、最後はどうでもなれ。という感じでアキラを見ていた。
ようやく腹いっぱいになったのか、アキラはほっと息を吐いた。それを見た女性もやっと話ができることが分かった。
「では、話をしたいのですがよろしいですか?」
「ああ、お待たせさせてしまいすいませんでした。何しろ、何日も食べてなかったので腹がすいていたのですよ」
声のトーンを下げて、話しかけてきた女性を見た。
『身なりがいいですね。最初は侍女かと思いましたが、この態度からすると違うようですね。そして、織田家当主の家にいるということは、久遠さんから相当信頼されていると見れます』
「それで、あなたはいつ出ていかれるのですか?」
ばれないように観察していると、明らかに不審者を見る目で聞いてきた。だが、それは無理もない。この女性からすれば、赤の他人なのだから。
「失礼ですが、久遠さんから事情は聞いてなかったのですか?」
「久遠から聞いたのは、食事を与えることと織田家で保護することです。それ以外のことは聞いていません」
「そうですか。それなら話しましょう・・・驚かれるでしょうけど聞いてください。どうやら、私は久遠さんの夫になるそうです」
「・・・・・・は?」
何言ってるの?と顔に書いてあるのがわかるくらいキョトンとした女性。
「あ。あの子!私という妻がいるのに、こんな男を夫にするというの!」
「・・・ちょっとお聞きしたいのですが「何よ!」聞き間違いじゃなければ、あなたは久遠さんの妻だという言葉を出しましたが」
「そうよ、私は帰蝶。久遠の妻よ!」
怒り心頭で自分の名前を言った。
『女性同士での婚姻もこの世界ではあるのですか・・・本当に、あの世界とは歴史の流れは同じかもしれませんが、根底が違うみたいですね』
内心びっくりしたアキラ。同性の恋愛はいつの時代もおかしいことではないが、結婚までしているとは思わなかった。
「聞いています?あなたはあの子の」
「聞いていますよ。あなたの言いたいことは分かります。こんな馬の骨を、自分の大切な人の隣に立たせようとする。怪しいことこの上ない私は、今すぐにでも出て行ってほしい・・・違いますか?」
「・・・・・・そうよ」
心を言い当てられ、黙ってしまう帰蝶。同時にさっきの感情に任せた言い方を思い出したのか、恥ずかしさで真っ赤になった。
「申し訳ありませんが、久遠さんとはちゃんと利と立場を話し合って、お互い納得のいく答えを出し合って決めました。私の身の振りをどうにかしたいのでしたら、久遠さんが帰宅されたときにしていただけないでしょうか。不快な気分にさせてしまうかもしれませんが、お願いします」
「・・・わかりました」
「ありがとうございます。後、食事もありがとうございます」
『久遠さんから出すよう言われていたのは分かります。それでも、出て行ってほしいなら簡素なものでもいいはずだけど、ちゃんとした食事を出してくれた。彼女の言葉にしっかり従ってくれた』
頭を下げて、礼をするアキラ。
「あなたの頭はずいぶんと軽いものですね。それと、いつまで目を閉じているのですか?私は見るに値しない存在と?」
『全く、目が見えない説明すらしてなかったのですか。あの人は』
本当に全然説明してない久遠に内心呆れた。
「頭に軽い重いはありません。謝罪や礼にはしっかりと頭を下げて誠意を見せるものだ。と私は思っています。後、まぶたを開けないことについては・・・」
目が見えないことを話すと、言葉を詰まらせ今度は帰蝶の方から謝罪した。
彼女の用件が済んだのか、それとも居心地が悪くなったのか部屋を出て行った。
「ふう~、これで一安心ですね。やはり、早くどうにかしたい気持ちでいっぱいなのが見え見えでしたね・・・でも、完全に納得してもらうためには久遠さんの言葉がないと引き下がらない。残念ですが、夜まで待つしかなさそうですね」
その後、自分の両手を見た。
「狂と戦った後、灯が治してくれたのでしょうか。でも・・・なんか違和感がありますね。手に力が入らないというか。全身の力が抜けているというか・・・やはり、超活性化の代償でしょうか?」
何度か握ってみるが、やはり、本来の力が出てないみたいだ。
「今は休むことが大事ですね・・・食べてすぐですが、寝ましょうか。布団も片づけないでこのままにしてくれましたし」
横になって、そのまま眠りについた。
夕日が沈んだ時だった。敵意を持つ人間がこの家に入ったことを感じたため、意識を取り戻して目を開けた。
『ふむ、隣の部屋で話をしてますね。気配は四つ。二つは久遠さんと帰蝶さんで間違いないでしょう。敵意を持っていながら、残り二つの気配の持ち主と話。つまり、久遠さんに向けてではなく、私に向けての敵意でしょうね』
体を起こし、軽く柔軟体操をする。いつでも動けるようにするためだ。
『さて、向こうがどう出るか』
その二つの気配の持ち主が久遠・帰蝶と共に部屋をでた。
『敵意から殺気に変わりましたね。どうやら、決まりですね』
様子を見ながら、準備も終わらせた。
『さて、どう来るか。楽しみですね~』
笑顔で襖が開くのを待った。彼らしい余裕を見せる笑顔だった。
帰蝶は、久遠ではなくアキラから「夫になる」を聞くようにしました。彼女の久遠への思いの強さをアキラにしっかり見せるためです。
そして、やっと次はあの立派な胸・・・もとい久遠自慢の家臣2人の登場です