こんにちは!やっと暖かくなってホッとしている三MENです!
本当に、早いところ春になってほしいですね・・・。今回は甲斐の案内と・・・アキラの忘れていること。それをあの三人が気づきました。
京では、三河勢が出発した次の日に重大なミスをした事に朱雀、時人、庵樹は気が付いた。それに気づけたのは二条館の三人の部屋で荷物の整理をしていた時だ。他の妻達へのあいさつや、アキラの奥の仕組みを知るために荷物の事を忘れていた。
「あら?これは・・・は!」
「お、おい!これって!」
「そうだ!最初にしないといけないことを忘れていた!」
朱雀の袋の中からあるものを見つけ、三人の顔が青ざめた。
「アキラ様のピンチを見て忘れていました」
「異常が全く見られなかったからな」
「それにアキラに抱かれて、嬉しくて浮かれてもいたし・・・とりあえず!今すぐにでも甲斐に行かないと!」
庵樹の言葉に頷き、急いで久遠のところに向かった。幸い、評定の間で壬月と麦穂とエーリカの四人で密談をしているところを見つけた。
「ちょっといいですか!」
「すまない!甲斐に行かないといけないことができた!」
「急がないといけないんだ!」
「ど。どうしたお前ら?ちょっと落ち着け!」
もはや一刻の猶予もない状態の三人に、四人もただことではないとすぐに分かった。
「あの?いったい何が?」
「ああ、行かないといけないとは?」
「とりあえず、教えてください」
落ち着いて話すことができないのか、かろうじて言葉を拾って時人が伝えた。
「あいつが・・・アキラが死ぬかもしれないんだ」
その言葉に全員が青ざめた。久遠と麦穂に至っては、全身が震えていた。
「ど、どう、どういう、こ、とだ」
「死ぬって。何で!」
「は、早く、続けろ!」
「あ、あの、あの人、が」
壬月ですら心中穏やかではなかった。怒鳴るように話を続けるよう言った。
「もちろんだ。でも、これは私達の事をまず話す必要がある」
庵樹が説明したこと。それはまず自分達の世界にいる壬生一族の存在。隠れるように生きている不老長寿の一族であり、三人はその一族の血を引いている。しかし、この血には死の病という厄介なものがある。かつては全くと言ってもいいほど治せなかった病だが、今は既にそれを治す薬ができているので治すことができる。
アキラは普通の人間だったが、ある戦いで瀕死の重傷を負い自分達の血を与えたことで何とか一命をとりとめた。だが、同時に壬生の血を入れたという事にもなりこの世界に来てからは戦いのたびにその血の力を使っていた。
庵樹と時人は死の病を完治した血だが、朱雀はアキラがいなくなってから壬生一族だと分かったため、その死の病が完治していない状態の血をアキラに入れたという事になる。今は朱雀も薬を使って完治したが、もし今後も壬生の血がどんどん使いアキラの中でその血が広まってしまったら、その死の病もアキラに発病する恐れがある。
話を聞き終えた四人は震えていた・・・そう、壬月ですら震えていた。
「じゃ、じゃあ、もし、死の病が発病したら」
麦穂の言葉に無言で頷く三人。
「アキラも知っていたから、血の事は伝えても病の事は言わなかったんだ」
「越後でも全く異常がなさそうに見えたので、忘れてしまったのです」
「死の病は発病してもすぐには死なないが、いつ死ぬのかもわからないんだ!もし既に発病していたら・・・頼む、行かせてくれ!」
自分の夫の危機に、久遠もすぐに頷いた。
「もちろんだ!三人ともすぐに準備してくれ!」
「「「分かった!」」」
「わしも行くぞ」
三人が立ち上がった時だった。森一家の顔とも言える女が、評定の間に姿を現したのは。
「桐琴!何故ここに!」
「そこの三人が血相変えて走る姿が見えたから興味があって来たのじゃが・・・わしらの夫がまずいみたいだからな。森一家はクソガキが棟梁に任せておけば大丈夫だ」
「頼むぞ!あいつを、アキラを。助けてくれ!」
「当然じゃ!行くぞ、三人とも!案内はわしがする!」
桐琴も越前のあの時と同じくらい真剣な顔になっていた。やはり、彼女も心中穏やかではないのだろう。
「急ごう!」
「アキラ!死ぬなよ!」
「あなたを絶対に死なせません!」
こうして、四人が甲斐に行くことになった。
今に戻り、夕方アキラは夕霧と共に躑躅ヶ崎館に戻る途中だ。信濃の諏訪というところで鬼が出現したからそこに行こうという事になった。ただ、この情報を聞いた時夕霧は驚いていた。
『あそこは神の結界があるところ!そこに鬼がいるなんておかしいでやがる!』
諏訪には神社がありそこを中心とした四方に四つの木・・・御柱と言うものがあり、それが結界の役目をして邪悪な存在は入れないようになっているはずなのに・・・最初に確認した二本は既に折れており、途中で現れた鬼を全滅させた後に残り二本も後からやってきた春日と小波から折れていたと報告が入った。
『今まで・・・ありがとうでやがる』
どれだけの思いを込めて夕霧は最後に一本にその言葉を言ったのだろうか。アキラの隣にいる夕霧の空気はがっかりになっている。いつもなら、光璃との仲はどうか?姉上とはもうやったのでやがるか?とか聞いてくるはずだが、一度も話をしようとしない。彼女の兄としての立場もあるので、気持ちを切り替えるために口を開いた。
「夕霧。明日、案内をしてくれませんか?」
「・・・城下なら薫がやったのでは?」
「外の方です。城下ではない外側を見てみたいのです。明日仕事は?」
「今回の報告を朝一で済めば問題ないでやがるが」
「なら、お願いしますよ。可愛い案内役さん」
「な!何を言うでやがるか!」
かわいいと言われて一気に真っ赤になった。
「可愛いのは事実でしょう。そんな否定することはないですよ。ねえ、春日さん」
「そうですぞ、アキラ殿のお言葉を甘んじてお受けしてはどうです?」
「か、かか、春日~~~!」
真っ赤が取れないまま春日をにらんだ。
『あれ?さっきまでの辛い気持ちがなくなっている・・・まさか、兄上。夕霧の気持ちを切り替えるために?恥ずかしいけど、気が楽になったのは確かでやがるな』
アキラの気配りに少し嬉しさを感じた夕霧だった。
これは誰もいなくなった諏訪の神社。
『くくく、これでここも鬼の国にできる段階に入った。鬼が全滅させられたのは予想外だったが、まあいい。どうせ使い捨てだ。あとはあいつを使ってあの場所にさらに多くの鬼を増やせば・・・ははははははは!』
三流が大きく笑って姿を消した。
次の日、アキラ達の部屋に元気な声でやってきた夕霧。報告も朝一で終わらせて、早速アキラを甲斐の外を紹介をするためにやってきた。
「な、ななな。何をしてやがるですか!」
「・・・すいません。何か最近こうなることが多くて」
夕霧がアキラの止めの言葉を部屋の中に聞かずに入ると・・・
「「アキラ様~♡」」
「あ、むぐ、むちゅ」
「く~~」
「「あ、あの!その!」」
いつも通り全裸でアキラに抱き着いて寝ている彼女らの姿があった。綾那は足元で寝ており、歌夜と小波は布団で裸体を隠して焦っていた。ここまではまあいい。だが、雫と詩乃はアキラの腕を左右から握り自分の蜜壺にアキラの指を出し入れしており、各務は上に乗ってアキラの顔に自分のお〇〇こを見せて自分はアキラのあの性太刀をくわえていた。そうあの体勢・・・6と9になっていた。
「い、い、い、今すぐに着替えるでやがる~~!!!」
夕霧の怒声でドタバタもあったが、とりあえずアキラは起きれた。皆、急いで着替えたが雫と詩乃と各務は余韻に浸っていて連れてこれる感じではなかったので、着いていくのはアキラと綾那と歌夜という事になった。小波は護衛のため姿は見えていない。
「あ、兄上は向こうではどんな一日を過ごしていたのでやがるか?」
「尾張や越後でですか?う~ん、朝起きたら三人ほど抱いて、評定の間で軍議が終わった後は別室に連れ込まれて四人ほど抱いて、昼飯後に二人ほど抱いて」
「・・・姉上。離縁を考えた方がいいでやがるよ」
「朝と昼は本当ですが、評定の間の部分は冗談ですよ」
冗談も込めていったのだが、信じてしまった。
「綾那達はとても嬉しいです!」
「そうね、私も隊の皆も、京や越後にいるたくさんの妻の皆さんはこの人に抱かれる。この人に愛される。それがとても幸せですから」
しかも、二人のこの言葉で更に信用性が増してしまった。
「と、とりあえず、どこに行くのですか?」
「・・・追求は今度にしてやるでやがる。じゃあまずは」
嘘から出たまことになってしまい、苦笑いするしかなかったアキラだった。
山見物に寺巡りをやり、次に着いた場所は川だった。御勅使川と釜無川と言いその川を見て泳ぎたそうな綾那だが、氾濫した川を泳ぎたいと言った時は全員冷や汗を流した。その際に、川の問題である氾濫をどうするのか?というのは光璃も頭を悩ませているみたいで夕霧が悩んでいる時に、アキラは一人の人間を思い出した。
『ころなら専門家ではないでしょうか?確か木曽川を牛耳っているはずでしたし。光璃も気にしていましたし』
でもころは越後にいるから、詩乃と雫の名前を出すと一気に笑顔になった。小波に頼んで、伝言として伝えるために引き返してもらった。
この川でおおよそ見せるものが終わってしまったらしく、どうしようかと考えていた時にある一つの城に気づいたので、それを聞いた。
「夕霧、下山城はどれくらいで着きますか?」
駿府に近いその城だった。春日からその城には将の二人武藤と山本がいると聞いていたので顔合わせをしたい。のと同時に確認もしておきたかった。
『この二人が間違いなく越後で会った目と耳でしょうね。さて、どんな出会い方をしましょうか。山本が甲斐の片目と言われた眼帯をつけた方でしょうから、武藤と呼ばれた方が・・・ふふふ、私を騙した罰は受けてもらいますよ』
今まで黙っていた事と、士官を探していると言いながら既に将をしている騙しをした罰に何かしようと企みも考えていた。
移動中にアキラは気になることがあったので夕霧に訊ねた。
「武田と長尾。いったいどうしてここまで因縁が深くなったのでしょうか?私の世界でもその両家はよく戦ったという話を聞いたことがあるのですが、その理由が分からないのですよ」
こうした歴史は本来アキラは無関心だが、既にその両家の当主が自分の妻だ。因縁があるなら何とかして解消するべきだと考えていたからこそ、ここまで憎みあう関係になったのかを確かめたかった。光璃は露骨を見せるくらい美空を嫌っており、美空の方も光璃を嫌っていた。
「私は両家の当主の夫です。仲良くしてほしいですが、まずはそこまで火花を散らせるのかを知りたいのです」
「そうでやがるか・・・なら話すでやがる」
渋い顔をしながら、説明を始めた。
まず、武田信虎。この者を追い出した後必死に三人でボロボロになった甲斐を立て直した。でも、甲斐だけでは国を持たせることができない。そこで隣の信州に足を延ばした。そこで砥石崩れ・・・砥石城の主の村上が鬼の力を借りて武田に痛い敗北を与えた。しかし、再度戦いに行った時に砥石城の鬼は根切りにしたが村上は逃亡し行きついた先が美空のいる越前長尾だった。長尾が武田に手紙を出したのだが、その内容が
『やっほ~。関東管領になった長尾景虎ちゃんで~~す!管領になった私はどんな立場わっかるよね~~。私がどんな人になったのかね~~。面倒なんだよね~~、信州を侵略した武田の皆さ~ん、もしかして、海を狙っているの~?だから、信州やって次に越後の私を狙うの?うっふふふ~、あげたくないから、あ~っげない!な~に?文句あるの?むしろこっちがあるわよ~~。だって~、甲斐は関東の一部なのにあんた達がいるんだから~~。信濃の北の村上ちゃんがこっちに頼ったんだから、文句があるなら喧嘩受けて立ってあ~げる!じゃ、山猿ちゃんばいば~い』
といったものだった。
「見事じゃ!幽!」
「光栄の至り!」
「あんたら!その辺の松にでもつるしましょうか!それとも、そっちの杉にする?木は選ばせてあげるわよ!」
幽がその手紙の内容を自分流に読んで一葉があっぱれと褒めて、その二人に美空が切れる。
手紙の説明の所だけ、何故かそんな三人の漫才が頭に思い浮かんだ。しかも、その後一葉が威張り、幽がいつも通りやれやれといった感じで突っ込んだところまで見えた。
『・・・はて?何故そんな光景が見えたのでしょうか?まあ、そんなことはどうでもいいですね』
話を元に戻し、戦うことになってその戦いを調停したのが一葉だったが、二回目からは呆れて出なかったと言う。夕霧は村上を打ち首にして仲間の仇を討ちたかったことに悔しそうな顔をした。
「仇を討てずじまいでその仇を美空が匿った。そこから因縁の関係という事ですか」
「そうでやがります!あの雌猫は何回も邪魔をして!」
「それは向こうも同じことを考えているでしょうね・・・見方というのは人それぞれであり、全員が同じではないですから」
歌夜も頷いて同意した。
「長尾には長尾の、武田には武田の、譲れない理由や考えがあるからこそぶつかり合っていったのでしょう」
「・・・これは溝が深そうですね」
自分のしたいこと。なすべきこと。それが水と油と言ってもいいくらい反発しあう事だった。だからこそ、憎みあう関係になってしまった。
「でも、妻達が殺しあうのは見たくないですから、やらないといけませんね」
「そうですね!」
「です!」
だけど、まだどうするか決まってすらいない。まずは、下山に行くことだけを考えることにした。
やっと下山に着きそうになり、その向こうには駿府・・・そう鞠の故郷が遠くにあることを思い出した。
『取り戻してあげたいですね・・・あの子は光り輝く未来を見れるのですから』
そう考えた時だ。小波からの句伝無量がきたのは。
『ご主人様大変です!下山の温泉近くで少数の鬼の影を見つけました』
『分かりました、すぐに向かいます。そのまま様子を見てください』
『分かりました!』
すぐにその内容を悠きりに伝えた。
「鬼が少数ですが下山の温泉近くで出たそうです」
「なんですと!・・・ってどうしてわかったでやがる?」
「そこは秘密という事で。今は急ぎましょう」
句伝無量の事は秘中の秘。秘密にして今やることを言った。
「そうでやがるな。こっちでやがる!」
「この綾那が退治してやるでやがる!」
「綾那。愛菜さんのときみたいに口調がうつっているわよ」
歩かせていた馬の走らせ、下山に急いだ。
『やれやれ、せっかくあの人をどんな驚かせ方にしようか考えたというのに、一仕事ですか。まあ、いいでしょう』
そう、アキラは壬生のあの病の事を忘れていました。無明神風流・朱雀を使えたことと、壬生の血を自分の意志で使え、越後では立て続けに事件があった事で、その事を忘れてしまったのです。
三人の方も再会したときに身体に入っている血の事は説明しましたが、再会の嬉しさと抱かれた嬉しさ。あとアキラもその事は知っているので、病の説明を今まで忘れてしまっていました。
アキラはその事にいつ気付くのか・・・あの人との再会はどんな驚かせかたなのか?本当はここで書くつもりだったのに思った以上に多くなったので次回にしました。